車は様々なパーツをカスタムできますが、ヘッドライトも同じくカスタムできます。
代表的なカスタム方法は、ヘッドライトのスモークです。
ヘッドライトをスモークにすれば、車全体が引き締まりかっこよくなるでしょう。
ただライトの光は暗くなるので、車検に通るのかも気になるところです。
この記事では、スモーク化の方法や車検への対策を紹介します。
ヘッドライトのスモーク化の方法
ヘッドライトのレンズを暗めにするスモークは、人気のドレスアップ方法です。
スモークにするならば、フィルム、塗装、カバーのどれかで行なえます。
スモークフィルム
ヘッドライトに貼り付けるフィルムです。
安価にスモークにでき、フォルムの濃さや色を選べます。
あまりコストをかけずに、好きな色のスモークにしたい人向けでしょう。
ただし貼り付けるのが難しく、特に湾曲した部分だとシワができやすいです。
フィルムであるため施工後に剥がせますが、糊の跡が付く場合もあります。
車のヘッドライトに合わせた形のフィルムもありますが、なければガラス用フィルムを使っても構いません。
また透過率が低すぎるスモークフィルムを貼り付けると、ヘッドライトとして役割を果たせなくなります。
塗装
スモークにするためのスモーク塗装があります。
スプレータイプもあるのでヘッドライトに吹きかけるだけでスモーク化でき、色合いの調節が可能です。
スモークを薄くすることも濃くすることもできます。
最初にヘッドライト周辺の養生が必要であり、また塗装技術が必要です。
塗装したことがない方が行うと、失敗する可能性があります。
また下地処理が必要であり、その1つがヤスリで磨いて細かいキズを付ける作業です。
細かい傷をつけることで、塗装の密着性を高めて剥がれにくくします。
そして一度塗装を塗るとやり直しがきかず、失敗しても元に戻せません。
ヘッドライトにスモーク用の塗料を塗りすぎると、光を上手く照射できなくなります。
最悪の場合ヘッドライトの役割を果たせなくなるので注意しましょう。
スモークカバー
ヘッドライトの上に貼り付けるカバーです。
すでに車のヘッドライトの形になっているので、貼り付けるだけでスモーク化できます。
貼り付けるだけでスモーク化できるので、誰でも簡単に行えるでしょう。
ただしその車種にあったスモークカバーがないと使えません。
スモークカバーも透過率が低いと、ヘッドライトの役割を果たせなくなるので注意してください。
車検に通るヘッドライトのスモークとは?
スモークしたヘッドライトは色、明るさ、光軸の3つのポイントで保安基準を満たしていれば車検に通ります。
各3つのポイントについて、詳しく解説していきます。
色
色とはヘッドライトの発光色であり、車の製造年月日で保安基準が違います。
- 平成17年12月31日以前に製造 : 淡黄色または白色
- 平成18年1月1日以降に製造 : 白色
ヘッドライトの色はK(ケルビン)の数値で決まり、3000K前後が淡黄色、6000K前後が白色、8000K以上が青っぽい白色です。
色が車検の保安基準に対応していても、スモークにするとライトの色が変化するかもしれません。
色は検査官の目視でチェックされるので、ライトの色が変わるぐらいの濃いスモークは避けたほうが良いでしょう。
明るさ
車検の保安基準で明るさはcd(カンデラ)の数値で決められています。
6400cd以上の数値があれば車検合格です。
スモークにして暗くなり数値が下がれば車検には通りません。
ちなみにヘッドライトの明るさを示す数値にはlm(ルーメン)もあります。
ルーメンはヘッドライトから出るすべての光の明るさを示しており、カンデラは照らす場所の一番明るいところの明るさを示す数値です。
ヘッドライトはリフレクターで反射した光を照射するため、ルーメンは本来の明るさを示していません。
そのために車検ではカンデラの数値が使われています。
もしも車検前に明るさが足りているかどうか心配ならば、チェックしておけます。
テスターを持っている整備工場やテスター屋でチェック可能です。
車検前にヘッドライトの明るさを調べてもらえば、車検で心配ありません。
ヘッドライトの中でも明るいHIDやLEDは、スモークにしても車検に通る可能性が高いです。
しかしハロゲンだとHIDやLEDよりも暗いので、車検を通すのが厳しい場合が多いです。
そのためにスモークにするときは、HIDやLEDのヘッドライトを使ったほうが無難かもしれません。
光軸
ヘッドライトが照射する光の向きであり、ロービームは対向車や歩行者が眩しくないように上側の光がカットされています。
光軸がズレていると、カットされている部分もライトの光で照らすので、対向車や歩行者が眩しいです。
車検では専用のテスターを用いて、光軸が出ているかどうかチェックします。
ただしスモークにするときは、すでにヘッドライトバルブは備わっているので特に光軸は気にする必要はないでしょう。
ヘッドライトをスモークにしたからといって、光軸がズレるようなことはありません。
ヘッドライトをスモークにできる場所
ヘッドライトのスモークは、自分でも行えます。
もしもフィルムや塗装を使って行うならば、業者に依頼して行ってもらうほうが綺麗に仕上がるでしょう。
ただしカー用品店やディーラーでは施工してくれません。
それはヘッドライトのスモーク化は違法になるかもしれないからです。
そのために依頼するならば、スモークを行っている専門業者を探してください。
ヘッドライトをスモークにするときの注意点
ヘッドライトのスモーク化では、先にも記載の通り車検に通るようにしないといけません。
車検以外にもスモークにするときの注意点はあります。
ディーラー車検を受けられない
ヘッドライトをスモークにしたら、新車基準を満たさないのでディーラーでは入庫拒否されます。
もしも1ヶ月点検のようなときにディーラーに車を持って言っても、点検はできないと言われるので注意してください。
ディーラーは抜き打ち検査をうけるときがあり、検査時にスモークにした車を点検していたら、即認定取り消しとなり営業できなくなります。
そのようなリスクを避けるために、ヘッドライトをスモーク化している車はディーラー点検を受けられません。
夜間の視認性低下
スモークにして暗くしたヘッドライトは、もちろんライトの光量は下がります。
夜間の視界が確保しにくくなるので、事故を起こすかもしれません。
濃いスモークにしたヘッドライトほど、光量は低下します。
事故を起こしては本末転倒であるので、濃すぎるスモークは避けたほうが良いでしょう。
またライトの色が変わるので、スモークにしたら思ったイメージと違うということもあるでしょう。
フィルムやカバーは貼り付けても剥がせますが、塗装を塗ると剥がせないのでイメージと違うようになるかもしれないと覚えておきましょう。
塗装ではやり直しができない
スモーク化の方法で紹介した通り、ヘッドライトを塗装した後はやり直しはできません。
薄く塗った後は濃くできますが、透明なヘッドライトに戻すのは無理です。
塗った後に元の透明なヘッドライトに戻したいとなれば、レンズそのものを変えるしかありません。
ただしヘッドライトユニットまるごと交換しないとレンズも変えられない車もあります。
塗装でスモークにするならば、先にアクリルや透明なプラスチックに塗って試したほうが無難かもしれません。
まとめ
ヘッドライトはスモークにでき、自分の好みの濃さを選べます。
フィルム、塗装、カバーによってスモーク化は可能です。
しかしスモークの色を濃くし過ぎてしまうと、車検に通らないだけでなく、視認性が低下して事故に繋がる可能性もあります。
ヘッドライトのスモーク化をする際は本記事を参考にし、車検に通る基準で楽しみましょう。