車には、ヘッドライトをはじめとして様々なライトが取り付けられています。
それぞれに、安全のためや運転を快適にするためなど役割があります。
しかし、何となく使っているだけという人も少なくないのではないでしょうか。
そこで本記事では、車のライトの種類と役割、点灯のルールや電球交換のタイミングやメンテナンス方法を解説します。
車のライトの種類と役割
先述したように、車のライトには様々な種類があり、それぞれ特徴や役割が違います。
正しい役割や特長を理解して安全運転に役立てましょう。
ここでは、代表的な車のライトを8つ紹介します。
ヘッドライト(前照灯)
ヘッドライトは、主に夜間や悪天候時に車両の前方を照らし、視界を確保する役割を果たします。
また、車両の可視性を高め、他のドライバーに対して自分の位置や進行方向を示す役割も担います。
ポジションランプ(車幅灯)
ポジションランプは、スモールライトとも呼ばれ、夜間や悪天候時に、車両の位置を示すために使用されるライトです。
少ない電力で、車両の存在と車幅を示せます。
一般的には、前方と後方の両方に設置されています。
フォグランプ(霧灯)
フォグランプは、ヘッドライトの補助的役割を果たします。
霧や雨、雪などの悪天候条件下で、地面を照らして視界を確保するために使用します。
車の近くを照らすので、乱反射を抑え視界を確保してくれるのが特長です。
ウィンカー(方向指示器)
ウィンカーは、進路変更の際に車両の進行方向を他の道路利用者に知らせるために使用します。
車両の前後左右の4つに設置され、ライトの色はオレンジ色と義務付けられています。
点灯時は、光を点滅させるのが特長です。
テールライト(尾灯)
テールライトは、車両の後方に取り付けられ、夜間や悪天候時に後続車両や他の道路利用者に自分の車両の存在を知らせる役割を果たします。
また、テールライトの色は赤色と義務付けられています。
ブレーキライト(制御灯)
ブレーキライトは、ブレーキを踏んだ際に点灯し、後続車両や他の道路利用者にブレーキ操作を知らせるために使用します。
テールライトよりも明るく強い赤色の光で、減速中であると知らせ、追突防止の役割を果たします。
バックアップライト(後退灯)
バックアップライトは、バックライトとも呼ばれ、バックする際に車両の後方を照らすために使用されます。
車両の後部に取り付けられており、ドライバーがバックギアを選択した際に自動的に点灯するのが特徴です。
デイライト(昼間走行灯)
デイライトは、昼間にも常時ライトを点灯させ、車両の視認性を向上させる役割があります。
細い道や曲がり角、見通しの悪い交差点などでも車の存在を認識しやすくできるため、自己抑制につながります。
車のライトに使用する電球の種類
メインの役割を果たす、ヘッドライトには以下3種類の電球が使用されます。
- ハロゲン
- LED
- HID
電球ごとに、消費電力や明るさなど違い、それぞれにメリット、デメリットがあるので解説します。
ハロゲン
ハロゲンライトは、自動車のヘッドライトとして広く普及している電球です。
少し黄色みがかった柔らかな光で、視覚的にも優しく、対向車の運転を妨げにくいのも特徴です。
また、ハロゲンライトは発熱量が高いため、凍結や雪の付着を防ぐ効果があり、降雪時の安全な走行を手助けします。
しかし、ハロゲンライトの発熱量が高いため、内部のゴミやホコリが焼き付けを起こす危険性があります。
そのため、定期的な点検と清掃が重要です。
さらに、LEDやHIDに比べると、明るさや寿命が劣っており、3種類の中でもっとも寿命が短く、光量も最も少ないという点も留意する必要があります。
一方で、消耗品として交換が前提なので、メンテナンスが容易で、電球交換の作業費用も安価です。
汎用の電球が多く入手しやすいというメリットもあります。
HID
HIDは、明るさが最大の特徴です。
その明るさは、一般的なハロゲンヘッドライトの約3倍にもなり、ランプの寿命も通常のハロゲンライトの2倍の約2,000時間とされています。
また、カラーバリエーションが豊富に用意されており、車の外観をドレスアップするのにも利用されています。
一方で、HIDデメリットとしては、完全に点灯するまでに5秒から10秒ほどの時間がかかる点が挙げられます。
さらに、構成パーツが多いため、取り付ける際には専門知識と経験が必要です。
加えて、HIDの明るさが眩しさにつながり得る場合があります。
光の強さが適切に調整されていない場合、対向車や歩行者に対して危険なレベルの眩しさを生じる可能性があります。
特に、純正品でないHIDライトは光軸調整が不十分な場合があり、適切な設置や調整が重要です。
LED
LEDは、その寿命の長さが最大のメリットです。
寿命は、一般的に10,000時間とも言われ、HIDの5倍、ハロゲンの10倍にも及びます。
そのため、何かしらのトラブルに見舞われない限り、廃車になるまで、ほぼライトを交換する必要はありません。
また、LEDは消費電力と発熱量も少ないため、焼き付けなどのリスクが軽減されます。
点灯速度も早く、スイッチオンと同時に最大光量が得られるのもLEDの特徴です。
取り付けも比較的容易な点もメリットです。
一方で、LEDの発熱量の少なさは降雪時にデメリットとなり、レンズに雪を付着させる場合があります。
そのため、寒冷地や雪の降る日の運転には十分な注意が必要です。
さらに、HIDに比べると明るさが劣る点やバリエーションが限られる点、そして価格が比較的高価である点がLEDのデメリットとして挙げられます。
車のライトの交換時期やメンテナンス方法
車種や部位によって異なる電球が使用されていますが、主に交換をする必要があるのは、ヘッドライトのバルブやブレーキランプのバルブです。
具体的な交換年数は、HIDヘッドライトは約3年ごとに、ハロゲンヘッドライトは約5年ごとに、ブレーキランプ(LED除く)は約5年ごとです。
その他のライト類については、状況に応じて適切に交換をしましょう。
LED電球の場合通常、不具合がない限り交換する可能性はほとんどありません。
また、ライトの「黄ばみ」や「曇り」のメンテナンスも必要不可欠です。
ヘッドライトは走行中に風や砂、ホコリ、小石などの影響で経年劣化していきます。
特に、樹脂カバーは、紫外線の影響を受けやすいです。
このような影響を受け、車の樹脂カバーは黄ばみや曇りが発生する場合があります。
黄ばみや曇りを解消するためには、劣化したライトを研磨し、再びコーティングするメンテナンスが必要です。
適切なメンテナンスを行うことで、ライトの性能を最大限に引き出し、安全で快適な運転環境を確保できます。
車のライトを点灯させるタイミングとルール
車のライトはただ適当に点灯させればいいというわけではありません。
車のライトの点灯ルールは法律できちんと定められています。
ここからは、ライトの点灯タイミングやその他点灯に関するルールを解説します。
車のライトを点灯させるタイミング
車のライトを点灯させるタイミングは、日没時から日出時までの夜間と定められています。
また、その他政令で定められている場合は、夜間以外でもライトを点灯させる必要があるので注意してください。
日没の時間帯は、季節によって違い、明確な基準はありません。
周りが薄暗くなってからライトを点灯するのではなく、薄暗くなる前にライトの点灯をしましょう。
ハイビームとロービームの使い方
ヘッドライトには、走行用前照灯と呼ばれるハイビームとすれ違い用前照灯と呼ばれるロービームの2種類が備えられているのが特徴です。
ハイビームは前方100mを照らすことができ、ロービームは前方40mを照らすことができると定められています。
夜間の通常走行時はハイビームを使用して走行するよう法律で定められています。
対向車や歩行者がいる際は、光で目が眩まないようにロービームに切り替えをするのが正しい使用方法です。
オートライトの義務化
2020年4月にオートライトの義務化が始まりました。
周囲の明るさが1,000ルクス未満になると自動でヘッドライトが点灯します。
また、ヘッドライトを走行中にオフにできないという機能が備わっています。
まとめ
今回は、車のライトの種類と役割、点灯のルールや電球交換のタイミングやメンテナンス方法を解説しました。
車のライトはそれぞれ異なる役割を果たしています。
車のライトに関する知識を深め、適切な使い方やメンテナンスを行い、安全かつ快適な運転を目指しましょう。
また、車のライトの点灯タイミングや使い方も重要です。
ハイビームとロービームの使い分けやオートライトの義務化など、法律で定められた規則を遵守しましょう。