「車のバックランプとは、後退するときに光る白いランプ」
という基本的な認識はあっても、その詳しい役割や他の後方ランプとの違いについては、意外と知られていないのではないでしょうか。
そこで本記事では、バックランプバックランプの役割やテールランプなど他の後方ランプとの違い、使用されるバルブや交換方法、球切れについてまで詳しく解説します。
車のバックランプとは
バックランプは自動車の後方に取り付けられたライトのことで、運転手と周囲の安全を守る重要な設備です。
シフトレバーをリバースポジションに入れると自動的に点灯する仕組みとなっており、その特徴的な白色の光は安全な後退をサポートします。
バックランプが果たす重要な機能は大きく2つあります。
1つ目は、運転手の視界をサポートする役割です。
夜間や暗い場所での後退時に、後方エリアを明るく照らすことで、障害物や歩行者の確認を容易にします。
これにより、運転者は安全に後退操作を行うことができ、特に駐車や狭いスペースでの移動のときには重宝します。
2つ目は、周囲への注意喚起です。
白く明るい光で後退の意図を周囲に伝えることで、付近の歩行者や車両に注意を促します。
この機能により、不意の接触事故や衝突のリスクが大幅に軽減できます。
バックランプとその他後方ランプとの違い
車にはバックランプ以外にもさまざまな後方ランプがあり、それぞれ異なる役割を担っています。
ここでは、バックランプの周辺にある後方のランプとの違いについて解説します。
- テールランプ
- ブレーキライト
- リアフォグライト
順番に確認していきましょう。
テールランプ
テールランプは、車両の後部に設置された赤いランプです。
主に夜間や視界が悪い状況下で、後続車に対して自車の存在と幅を示す役割を果たします。
スモールランプやヘッドライト、スモールランプと連動しており、ウィンカーレバー先端のダイヤルをスモールランプまたはヘッドライトの位置に合わせることで自動的に点灯します。
テールランプは、夜間はもちろん、雨天時などで視界が悪い状況でも、およそ300メートル先からその存在を確認できるよう設計されているのが特徴です。
これにより、後続車両が適切な車間距離を保つことができ、安全な走行をサポートしてくれます。
ブレーキライト
ストップランプとしても知られるブレーキライトは、車が減速や停止する際に点灯する赤色のライトです。
ペダルを踏み込むと自動的に点灯します。
通常のテールライトと比べて強い光を放ち、昼夜問わず確実に後続車へ制動の合図を送ります。
ブレーキライトは追突事故を防ぐ上で欠かせないライトです。
日常的な点検を実施し、不具合が見つかった場合は、迅速に修理対応をしましょう。
リアフォグライト
リアフォグライトは、濃霧や豪雨などの視界不良時に、後続車に自車の存在を知らせるために使用される赤色のライトです。
車種によって操作方法が異なりますが、多くの場合は、ウィンカーレバーを時計回りに2回転させると点灯します。
リアフォグが別のスイッチで操作される車種では、ダッシュボードに設けられたスイッチを押すと点灯できます。
ただし、通常の視界条件では点灯は望ましくなく、誤って使用すると後続車のドライバーの視界を妨げる可能性があるので注意してください。
状況に応じて適切に使用しましょう。
なお、全ての車両に標準装備されているわけではなく、オプション扱いの車種も多く存在します。
車のバックランプに使用されるバルブの種類
車のバックランプに使用されるバルブは、車種や製造国によって異なるため、バルブ交換の際には自分の車に適したものを選ぶことが重要です。
日本車においては、主に以下の3種類が使用されており、各バルブには異なる特徴があります。
- T16
- T20
- S25
それぞれのバルブについて詳しく見ていきましょう。
T16
現在の国産車で広く採用されているT16は、3タイプの中でもっともコンパクトな設計が特徴です。
照度は比較的控えめです。
走行に問題ない明るさですが、人によっては暗さを感じてしまう場合もあります。
T20
T20は、形状的にはT16と似ていますが、サイズが一回り大きく設計されています。
国産車ではT16に次いで多く使われているバルブです。
S25
S25 バルブは、T16やT20とは異なる形状を持ち、口金付きのデザインが特徴です。
日本車ではあまり使われていませんが、欧州車では広く採用されています。
車のバックランプの交換方法
ここからは、車のバックランプの交換方法を解説します。
- 自分で交換
- 業者に依頼
順番に確認していきましょう。
自分で交換
バックランプを自分で交換する際の一般的な手順を紹介します。
方法は大きく分けて2つあり、「テールランプを外して交換する方法」と「内張りをめくって交換する方法」です。
テールランプを外して交換する場合
テールランプを交換する場合の一般的な手順は以下の通りです。
- テールランプの取り外し
テールランプは車体に数箇所のネジで固定されています。ドライバーを使用し、丁寧に外します。ツメがある場合もあるので、破損しないように注意しましょう。 - バックランプを取り外す
テールランプを外すと、裏側にソケットが見えます。ソケットはスナップ式で固定されているので、回転させてロックを解除し、バックランプを取り外します。 - バックランプを交換する
新しいバルブを装着します。手順は取り外す時と逆に進めて、しっかりと取り付けましょう。 - 点灯確認
テールランプを戻す前に、ランプが正しく点灯するか確認します。バックギアに入れて点灯するかを確認し、他の人に見てもらうか、壁に光を当てるなどして確認します。 - ソケットを挿す
正しい向きでソケットを差し込み、ロックをしっかり確認します。 - テールランプを戻す
外した時の逆の手順でテールランプを元に戻します。ネジの締め忘れや取り付けミスがないように注意しましょう。
※取り付けは必ず自己責任で行ってください。
作業に不安がある場合は、無理をせず業者への依頼も検討するのがよいでしょう。
内張りをめくって交換する場合
内張りをめくって交換する場合の手順は以下の通りです。
- 内張りをめくる
トランクを開け、バックランプが設置されている裏側の内張りを確認します。内張りをめくり、バックランプのコネクターにアクセスします。 - コネクターを回して外す
コネクターを反時計回りに回し、引き抜きます。バルブを新しいものに差し替えた後、点灯確認を行い、内張りを元に戻して作業完了です。
※取り付けは必ず自己責任で行ってください。
テールランプを外して取り替えをする場合と比較するとシンプルな作業ですが、内張りを傷つけないよう十分注意をしてください。
業者に依頼
先ほど自分で交換する方法を紹介しましたが、不安な場合や正確な作業をしたい場合は、専門業者への依頼がおすすめです。
主な依頼先としてはディーラー、整備工場、カー用品店、ガソリンスタンドがあります。
業者に依頼する利点は、確実な交換作業とバックランプ周辺部品の点検も同時に実施可能であることです。
また、予期せぬトラブルが発生した場合でも、即座に対応できる安心感があります。
費用面では、工賃が500円から1,500円程度で、これに部品代が別途必要です。
ただし、車種や作業の難易度によって変動する可能性があるため、事前の見積もり確認をしておくとよいでしょう。
依頼の際は、予約の要否、作業時間、代車の必要性などについても確認しておくとスムーズです。
バックランプは球切れのまま走行すると違反になる
バックランプが球切れしたまま走行することは、法律違反です。
バックランプが点灯しない状態で走行すると、整備不良として取り締まりを受け、違反点数や反則金が科されます。
2灯式の場合、片方の球切れであれば通常は警告程度で済むことが多いものの、両方の球切れは厳しい取り締まりの対象となります。
また、車検の際にも、バックランプの球切れは不合格の要因となるので注意しましょう。
バックランプの球切れは、自身では気付きにくい場合が多いです。
バックランプは使用頻度が比較的低く、球切れのリスクも比較的少ないとされています。
しかし、安全運転のためには定期的な点検が欠かせません。
壁にライトを照らしてみたり、他の人にランプが正常に点灯しているか確認してもらったりすると良いでしょう。
バックランプの交換にはLEDがおすすめ
バックランプを交換する際は、LEDの使用がおすすめです。
従来のT16バルブや片方しかバックランプがない場合、特に夜間や暗い場所でのバック時に人によっては視界が不十分に感じることがあります。
LEDはハロゲンランプと比べて約2倍の明るさを持ち、より明確に後方を照らすため、安全性が向上します。
また、LEDの特性として、光の拡散性が優れているため、より広い範囲を均一に照らすことが可能です。
これにより、後方の死角が減少し、運転時の目の疲労も軽減されます。
また、LEDは瞬時に最大の明るさを発揮するため、急なバック操作や暗い場所での駐車時にすぐに視界を確保できるのが大きな利点です。
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まとめ
本記事では、バックランプとはなにか、その他後方ランプとの違いや使用されるバルブ、交換方法やLEDへの交換がおすすめな理由、球切れについて解説しました。
バックランプは夜間の後退時の視界確保や周囲への注意喚起など、安全運転に欠かせない重要なランプです。
正しい役割を理解し、適切に使用してください。
また、バルブ交換の際は、車種に適合した正しい種類を選び、必要に応じて専門業者に相談するとよいでしょう。
安全な車社会の実現のため、一人一人が自車のメンテナンスに意識を向けることが大切です。