ヘッドライトに用いられているバルブ(電球)には様々な形状があり、それぞれ国際規格で定められているのはご存知ですか?
ここではそのバルブ規格の中から多くの車種のヘッドライトで使用されているH11について、光源をLEDにするメリット・デメリットや製品の選び方などを、おすすめ4選と併せて解説していきます。
H11はバルブの国際規格名
H11とは自動車用に設計されたバルブの規格の一つです。
この規格は国際規格として定められており、「H11」「D4S」「S25]など、アルファベットと数字の組み合わせで呼ばれています。
コンパクトなデザインで高い照明能力を持つH11バルブは、フォグライトやヘッドライトなど様々な箇所で、また多くの車種で使用されているのが特徴です。
ちなみに下記画像で「H8/H11/H16」と表記されているように、フォグランプメーカーによっては互換性がある製品を取り扱っていますが、基本的にバルブ形状には互換性がありません。
そのため、バルブの交換を行う際は愛車に適したバルブ形状を確認する必要があります。
無理に装着しようとした場合、バルブが上手く取り付けられないばかりか、レンズなど周辺部品を破損させる恐れもあります。
そのため愛車のヘッドライトにH11規格のバルブを取り付けたい場合は、取扱説明書やフォグランプメーカーの適合表などから、愛車のバルブ形状を確認するようにしましょう。
H11 ヘッドライトにはLEDがおすすめ
ヘッドライトはバルブ形状だけでなく、その光源にもいくつか種類があります。
具体的にはハロゲン・HID・LEDの3種類がありますが、その中でもLEDがおすすめです。
LEDは明るさや省エネ性能など他の光源より優れた点がありますが、交換で得られる具体的なメリットは以下の2点です。
- ヘッドライトの光が明るくなり安全性が高まる
- ヘッドライトの維持コストを削減できる
ここからは、これらのメリットについて詳しく解説します。
ヘッドライトの光が明るくなり安全性が高まる
ヘッドライトバルブの光源にLEDを使用することでヘッドライトの光が明るくなり、運転時の安全性が高まります。
製品化当初は暗いと言われてたLEDでしたが、現在では車検基準の約10倍の明るさを持つ製品が登場するなど、今やLEDの明るさはHIDバルブと同等かそれ以上です。
これにより夜間でも対向車や歩行者、落下物などをはっきりと照らして確認することができます。
そして直ぐに危険を判断して回避行動にうつれるようになるため、事故の予防につながります。
以上のことからヘッドライトバルブをLEDに交換すれば安全性が高まり、夜道でも安心して運転を楽しめるので、おすすめです。
ヘッドライトの維持コストを削減できる
LEDは長寿命であるため、ヘッドライトの維持コストを大幅に削減することが可能です。
一般的にLEDの寿命はハロゲンバルブの約10倍も長いので、その分、交換の手間や費用が大幅に削減可能です。
さらにLEDは発光ダイオードというチップを使って光らせているため、物理的に劣化しにくく、振動や衝撃にも強いです。
そのため他の光源と比べLEDは性能を維持したまま長期間にわたり使用できるため、バルブの交換頻度が下がり、ヘッドライトの維持コストを削減できます。
LEDのデメリット
LEDヘッドライトは多くのメリットを持っていますが、一方で以下のデメリットも存在します。
- 対向車や歩行者が眩しく感じることがある
- ヘッドライトに着いた雪が溶けにくい
ここからは、これらデメリットの詳細を解説します。
対向車や歩行者が眩しく感じることがある
LEDヘッドライトの光は非常に明るく、白っぽいため、対向車や歩行者にとって眩しく感じることがあります。
特に色温度が高い(ケルビン数が大きい)LEDは青白い光を発し、他の道路利用者に強い眩しさを与える可能性が高いです。
しかし眩しさの原因はバルブの光軸が正しく調整されていないことが多く、専門の業者に依頼するなどして、正しく調整してもらうことでデメリットを回避できます。
ヘッドライトに着いた雪が溶けにくい
LEDは他の光源に比べて発熱量が少ないため、ヘッドライトに着いた雪が溶けにくいというデメリットがあります。
雪が溶けないまま残ってしまうとヘッドライトが雪に覆われ、光が遮られてしまいます。
これにより、いくら明るいLEDヘッドライトでも暗闇を十分に照らすことができません。
雪道を走る場合や降雪地帯にお住まいの方は、LEDヘッドライトの着雪が溶けにくいという点に注意し、ヘッドライトにヒーターを取り付けたり、こまめに手で取り除くなどの対策が必要です。
車検対応のH11 LEDヘッドライトの選び方
せっかく愛車にH11 LEDヘッドライトバルブを装着しても、車検に合格できないと公道を走ることはできません。
そのような事態を避けるためには、車検対応の製品を愛車に装着することが重要です。
そんな車検対応のH11 LEDヘッドライトを選ぶには、以下のポイントをおさえましょう。
- 明るさ
- 色
- カットライン
ここからは、これら3つのポイントについて詳しく解説していきます。
明るさ
H11 LEDヘッドライトを選ぶ際には、明るさを確認することが非常に重要です。
車検ではヘッドライトの明るさが測定されるため、適切な明るさのバルブを選ぶ必要があります。
ヘッドライトの明るさ(光度)が6400カンデラ(cd)以上であることが車検では求められるため、これ以上の数値が記載されているバルブを選ぶようにしましょう。
なお明るさにはルーメン(lm)やルクス(lx)などの単位もありますが、車検ではカンデラが基準となるため、バルブの明るさはカンデラで確認するようにしてください。
色
H11 LEDヘッドライトを選ぶ際には、色を確認することも重要なポイントです。
車検対応のLEDヘッドライトとして適切な色を選ばないと、車検に通りません。
具体的には2005年以前に製造された車両では淡黄色も認められていましたが、2006年以降に製造された車両では白色のみが車検に合格する色とされています。
ちなみにヘッドライトの光の色を確認する際には、ケルビン(K)という色温度の単位を確認します。
具体的には約4000〜6500Kの範囲の光が白色に見えるため、車検対応のH11 LEDヘッドライトを選ぶ際には、この範囲のものを選びましょう。
カットライン
H11 LEDヘッドライトを選ぶ際には、カットラインがハッキリしている製品を選びましょう。
カットラインとは、ヘッドライトの光があたる部分とあたらない部分の境界線を指します。
このカットラインが鮮明でないと車検に合格できないだけでなく、光が意図せず対向車や歩行者に当たり、事故の原因となる可能性があります。
以前の説明のとおり光軸調整を行えば光が対向車などに当たる可能性は下がります。
しかし正しく光軸調整を行っても品質の悪いLEDヘッドライトは、光が不均一に拡散しやすく、眩しさが軽減されないことがあります。
そのため車検対応のH11 LEDヘッドライトを選ぶ際には、信頼と実績のあるメーカーからカットラインがハッキリした製品を選ぶことが重要です。
おすすめH11 LEDヘッドライトメーカー
ここからはおすすめのH11 LEDヘッドライトメーカーを4社紹介していきます。
- HID屋
- 日本ライティング
- SUPAREE
- PIAA
①HID屋
商品名 | Qシリーズ |
色 | 6500K |
明るさ | 68400cd |
ワット数 | 60W |
HID屋は業界で一番明るいライトを提供する、自動車用照明メーカーです。
そんなHID屋の製品の中で、Qシリーズは車検基準値の約10.7倍の明るさを誇り、爆光の名にふさわしい性能を持っています。
そのためQシリーズは高評価を多くいただき、楽天市場では「ライト・ランプランキング」「ヘッドライトランキング」「パーツランキング」の3部門で第1位を獲得しています。
そのため口コミやインフルエンサーの方など多方面から、Qシリーズの明るさについて好評の声をいただいています。
②日本ライティング
商品名 | 標準モデル |
色 | 6000K |
明るさ | 5000lm |
電圧 | 12V |
日本ライティングは自動車メーカーのディーラーオプションとして採用されるなど実績があるメーカーです。
同社の製品は製造の全工程を日本国内で行い、また厳しい品質管理を行っています。
そのため、日本製の品質の高さを評価する口コミが寄せられています。
③SUPAREE
商品名 | 爆光モデル |
色 | 6500K |
明るさ | 16000lm |
ワット数 | 15W |
SUPAREE(スパリー)は、2006年に設立された自動車・バイク用照明メーカーです。
同社は独自の販売ルートを活用し、他ブランドと一線を画す低価格で製品を提供しています。
そのためSUPAREEの製品には、コストパフォーマンスの高さを評価する声が見られます。
④PIAA
商品名 | コントローラーレスタイプ |
色 | 6600K |
明るさ | 4000lm |
ワット数 | 18W |
PIAA(ピア)はHID・LEDバルブやワイパー、ホイールなどの自動車製品を製造・販売する会社です。
PIAAはスーパーGTやWRCなど国内外の多くのモータースポーツチームで採用されており、レースで培った技術を製品に活かしています。
モータースポーツで採用されている同社の製品に対して、口コミでもメーカーに対する信頼の声が寄せられています。
まとめ
ここまでH11 LEDヘッドライトについて、装着することで得られるメリットやデメリット、選び方、そしておすすめ4選を紹介してきました。
近年は技術の進歩により、より安価なLEDヘッドライトが市場に出回るようになってきましたが、その中には粗悪な製品も少なからず存在します。
ヘッドライトは暗闇を安全に走行するための保安部品のため車検の合否だけでなく、突然点灯しなくなるなどのトラブルが発生すると、命の危険にまで及びます。
そのため、愛車のH11 LEDヘッドライトを選ぶ際には解説したポイントをおさえつつ、信頼のあるメーカーから選ぶようにしましょう。