車を運転する際、メーターパネルには様々なライトに関する表示が出てきますよね。
しかし「メーターパネル内にマークが表示されるのは見たことあるけど、何を意味しているのか分からない」という方もいるのではないでしょうか。
ヘッドライト、フォグランプ、ウィンカーなど、車の外部ライトの状態を示す表示灯や、ライトシステムの異常を知らせる警告灯など様々な種類の表示があります。
そこで本記事では、車のライトに関する表示灯と警告灯の意味を詳しく解説します。
日々の運転をより安全に、そして快適にするための知識ですのでしっかり身につけましょう。
表示灯・警告灯とは?
車のメーターパネルに見慣れないマークの表示が点灯して驚いた経験がある方もいるのではないでしょうか。
メーターパネルに表示されるマークは、車の状態をドライバーに知らせるために点灯されるもので「表示灯」「警告灯」と呼ばれています。
普段はあまり意識しないこれらの表示ですが、実は国際規格(ISO)や各国の法律に基づいて設計されています。
そのため、車種やメーカーが異なっても、基本的なデザインや意味はほぼ共通しています。
表示灯と警告灯の違い
表示灯と警告灯はそれぞれ異なる役割を持っています。
表示灯は、特定の機能が作動していることや、状態を示すためのランプです。
ライトの点灯で、ドライバーがどの操作をしているのか把握するのに役立ちます。
基本的には、通常の状態を示しているので何か対応をする必要はありませんが、点滅速度が速くなっている場合は異常を知らせているため、注意してください。
警告灯は、車に重大な問題や故障が発生していることを知らせるためのランプです。
警告灯が点灯した場合、速やかに適切な対処を行う必要があります。
表示灯と警告灯の色使いの意味
表示灯・警告灯の色は国際規格では、赤・黄・緑の3色が定められており、それぞれ異なる意味を持ちます。
- 赤色:危険を示し、重大な故障や問題がある可能性を警告します。赤い警告灯が点灯した場合は、速やかに安全な場所に停車し、すぐに点検や修理を行う必要があります。
- 黄色:注意を促す色です。緊急停車するほどではありませんが、できるだけ早く点検を受けることが推奨されます。
- 緑色:安全を表します。通常の操作や状態を示すため、特別な対応は必要ありません。
メーカーによっては、通常な操作を示す色を緑色ではなく青色または白色を使用している場合もあります。
また、一部例外はありますが、基本的に警告灯には赤色と黄色が使用されます。
さらに、主要な表示灯・警告灯のデザインは、直感的に理解しやすいように統一されたデザインです。
このように、表示灯や警告灯は車の安全性を保つために重要な役割を果たしています。
それぞれの意味を理解しておくことで適切な対応をとることができが安全運転に繋がります。
表示灯・警告灯の意味については以降で詳しく解説しています。
車のライトに関する表示灯
車のライトに関する表示灯は以下の通りです。
- ヘッドランプ下向き表示灯
- ヘッドランプ上向き表示灯
- テールランプ表示灯
- オートハイビーム表示灯
- フォグランプ表示灯
- リアフォグランプ表示灯
- 方向指示表示灯・非常点滅表示灯
順番に確認していきましょう。
ヘッドランプ下向き表示灯
ロービームを点灯させると、上記の表示が緑色に点灯します。
一部の車種では、この表示灯の代わりにテールランプ表示灯が使われることもあります。
ロービームは「すれ違い用前照灯」とも呼ばれ、ハイビームで対向車や歩行者を眩惑させないために、すれ違う際に使用するライトです。
ウィンカーレバーの先端にある、ヘッドライトの点灯スイッチを時計回りに一番奥までひねるとロービームを点灯できます。
ヘッドランプ上向き表示灯
上記の表示は、ヘッドライトのハイビームを点灯させると、青色で点灯する表示灯です。
ハイビームは、ロービームよりも遠くを照らせるため、夜間の視界を確保するのに役立ちます。
道路交通法第52条では、夜間はハイビームの使用が基本とされており、対向車や歩行者がいる場合には、まぶしさを避けるためにロービームに切り替えることが求められています。
ハイビームの使用に際しては、対向車への配慮を忘れずに行いましょう。
ハイビームへの切り替えは、ロービーム点灯中にウィンカーレバーウィンカーレバーを奥に倒すことで行えます。
パッシングについて
パッシングとは、道路を譲る際や、前方の車両に注意を促す時に一時的にハイビームを使用する操作です。
ロービーム点灯中にウィンカーレバーを手前に引き、すぐに戻すことでパッシングが行えます。
パッシングは、使い方によっては煽り運転と見なされ、他の車とのトラブルにつながる場合もあるので注意してください。
テールランプ表示灯
テールランプ、スモールランプ、ナンバー灯が点灯している際に、緑色で上記が点灯します。
これらのライトの役割は、以下の通りです。
スモールランプ:車幅灯やポジションランプとも呼ばれ、車両の幅を示します。
テールランプ:後続車に車両の存在を知らせるライトです。
ナンバー灯:車両のナンバーを照らし、夜間でも視認できるようにします。
スモールランプ、テールランプ、ナンバー灯は連動しており、ウィンカーレバーの点灯スイッチを時計回りに1段階回すと点灯できます。
また、ヘッドランプ下向き表示灯がない車は、ロービーム点灯時にも上記のマークが表示されます。
オートハイビーム表示灯
上記の表示は、オートハイビームを点灯させると緑色に点灯します。
オートハイビームは、対向車や前方の車両を検知し、自動的にハイビームとロービームを切り替える機能です。
先ほど解説した通り、通常走行時はハイビーム、対向車や歩行者がいるときはロービームに切り替えを行う必要があります。
しかし、実際運転していると他のことに気を取られてしまい、ライトの切り替えを忘れてしまうという場合もあるでしょう。
ハイビームのまま切り替えを忘れてしまうと、対向車ドライバーを幻眩させる可能性があり危険です。
また、頻繁なライトの切り替えは、ドライバーが負担に感じる場合もあります。
オートハイビームは、自動で切り替えを行ってくれるので、ドライバーの操作負担を軽減しつつ、安全性の担保に役立ちます。
なお、オートハイビームの操作方法はメーカーによって異なるため、取扱説明書を参照して設定を確認してください。
フォグランプ表示灯
フォグランプを点灯すると、上記の表示灯が緑色で点灯します。
フォグランプは、霧や雨、雪など視界が悪い状況で使用するライトです。
ヘッドライトおよびスモールランプを点灯しているときに、スイッチをオンにすると点灯できます。
フォグランプスイッチの位置や操作方法は、車種によって異なるので注意してください。
ダッシュボードに独立したボタンを押すものや、ウィンカーレバーに付いているスイッチを回すものなどがあります。
また、フォグランプの使用後はスイッチを必ずオフにしましょう。
スイッチをオンの状態のままにしておくと、次の運転時に点灯したままになってしまいます。
つけっぱなしのままの走行は、違反ではありませんが、対向車に眩しさを感じさせるなど迷惑になる場合があります。
なお、フォグランプの装備は義務ではありません。
そのため、フォグランプが装備されていない車もあります。
リアフォグランプ表示灯
上記は、リアフォグランプを点灯させると緑色に点灯する表示灯です。
リアフォグランプは、視界が悪い状況で後続車に車両の存在を知らせる役割があります。
ただし、リアフォグランプの点灯は、視界が悪い時以外に使用すると後続車のドライバーを眩惑する可能性があります。
天候が悪い時のみ使用するようにしましょう。
また、リアフォグランプスイッチの位置も車種によって異なり、ウィンカーレバーやダッシュボードに設置されているものなどがあります。
通常ウィンカーレバーに組み込まれているタイプは、1回転目でフォグランプ、2回転目でリアフォグランプが点灯します。
方向指示表示灯・非常点滅表示灯
ウィンカー(方向指示器)を作動させると、対応する側の矢印が緑色で点滅表示されます。
ウィンカーは、進路変更時に他の運転者や歩行者に進路を知らせるためのものです。
ウィンカーレバーを上に動かすと左矢印、下に動かすと下矢印が点滅します。
ただし、一部外車では操作が逆になる場合もあるので注意してください。
また、左右同時に点滅する場合は、非常点滅表示灯(ハザードランプ)が作動していることを示す表示です。
非常点滅表示灯は、車の故障時や緊急停車時に使用し、後続車に注意を促します。
赤い△マークのボタンを押すことで点灯できます。
点滅速度に注意
ウィンカーバルブが切れると、メーターパネルのウィンカーマークの点滅速度が通常よりも速くなります。
これは「ハイフラッシャー(ハイフラ)」と呼ばれる現象です。
ウィンカーバルブをLEDバルブに交換した際にも起こることがあります。
LEDバルブは、純正のバルブよりも消費電力が少ないため、車両が球切れと認識されてしまう場合があるのです。
LEDバルブへの交換を考えている方は、ハイフラ現象を防止するユニットを装備した製品を選ぶと良いでしょう。
ちなみにHID屋のウィンカーバルブは、ハイフラ現象減少を防止できるユニットが搭載されているので安心です。
そのためバルブを交換するだけで、簡単にウィンカーのLED化が可能です。
気になる方は、下記のリンクから商品をご覧になってみてください。
車のライトに関する警告灯
ここからは、車のライトに関する警告灯を紹介します。
- 断線警告灯
- ヘッドライト警告灯
順番に確認していきましょう。
断線警告灯
断線警告灯は、テールランプやブレーキランプの電球が切れた際に点灯します。
この警告灯が点いた場合、周辺の車から自車の存在が認識しづらくなる可能性があるため、速やかな対応が必要です。
対処方法としては、通常問題のあるバルブを新品に交換することで解決します。
交換後にエンジンを再始動すると、問題がなければ警告灯は消えます。
ただし、注意が必要なのは、純正の白熱電球をLED球に交換した場合です。
先ほど説明したように、LEDは消費電力が少ないため、車両システムが誤って断線と判断し、警告灯が点灯することがあります。
この場合、警告灯キャンセラーと呼ばれる抵抗ユニットを配線に接続することで対応できます。
なお、すべての車種でこの警告機能が搭載されているわけではないので、定期的な目視確認も重要です。
ヘッドライト警告灯
ヘッドライト警告灯は、ヘッドライトシステムに何らかの異常がある場合に点灯します。
主に以下のような原因が考えられます。
- バルブソケットの不具合
- ヘッドライトコンピューターの故障
- アダプティブヘッドライトコントロールユニットの異常
まず考えられるのが、バルブソケットの不具合です。
バルブソケットは各種ライトの電球を固定し、電力を供給する部品で、接触不良や腐食により問題が生じることがあります。
次に、ヘッドライトコンピューターの故障が考えられます。
ヘッドライトコンピューターは、ヘッドライトの制御を自動化するコンピューター機能です。
最後に、アダプティブヘッドライトコントロールユニットに異常がある場合も、警告灯が点灯します。
走行状況に応じてロービームとハイビームを自動で切り替えるオートハイビーム機能を制御するものです。
この制御を行うユニットに問題が生じると、警告灯が点灯する可能性があります。
ヘッドライト警告灯が点灯した場合、夜間の視認性や他車からの視認性に影響を与える可能性があるため、速やかに専門店での点検を受けましょう。
まとめ
本記事では、車のライトに関する表示灯および警告灯を紹介しました。
表示灯や警告灯は、車の状態やライトの操作状況をドライバーに知らせ、安全運転を支える重要な機能です。
表示灯や警告灯の意味を理解し、適切に対応することで、運転環境の安全性を確保できます。
日常的に表示灯と警告灯の確認を行い、異常が見つかった場合は早めに対処するようにしましょう。