車の運転に慣れていない方の中には、スイッチを何回回せばヘッドライトが点くのかわからない方もいるでしょう。安全に走行するためにも、車のライトの適切な操作方法を理解しておく必要があります。
この記事では、車の各種ライトの付け方や使い分けについて紹介します。
車の各種ライトの点け方
車の各種ライトは、ハンドル右側のレバー先端のスイッチを奥に回すと点灯します。
※ウィンカー・ハザード・ブレーキランプ以外
ただし、車種によっては上記画像のように順番やスイッチ自体が異なる場合もあるため、スイッチのマークに合わせて操作しましょう。まずは、車の各種ライトの付け方を紹介します。
1回:車幅灯・尾灯・番号灯
レバー先端のスイッチを奥に1回回すと、以下3つのライトが同時に点きます。(上記のマークの位置)
ライトの名称 | 箇所 | 役割 |
車幅灯(スモールライト) | 車の前方の両端 | 周囲に自分の存在を知らせる |
尾灯(テールライト) | 車の後方の両端(赤いライト) | 後続車に自分の存在を知らせる |
番号灯(ナンバー灯) | ナンバープレート | 前後のナンバープレートを照らす |
1回回した状態では、車の前方を照らせておらず、運転する際に十分な視界を確保できていないことに留意してください。
2回:ロービーム(奥に倒すとハイビーム)
レバー先端のスイッチを奥に2回回すと、ロービームが点きます。(上記のマークの位置)ロービームとは、前方40m先を照らすライトのことで、正式名称は「すれ違い用前照灯」です。
前方を照らすとはいえ、ライトは下向きになっているため、対向車や前方車に眩しい思いをさせることなく視界を確保できます。
また、ロービームの状態でレバーを奥に倒すと「ハイビーム」に切り替わります。ハイビームは、前方100m先を照らすライトであり、正式名称は「走行用前照灯」です。
100m先を照らせるため、遠くの歩行者や車をすばやく発見できます。夜間や暗い場所では、必ずロービームまたはハイビームを点灯させて走行しましょう。
なお、ロービームの状態でレバーを手前に引くと「パッシング」が可能です。
パッシングとは、ヘッドライトをすばやく点滅させて、対向車や先行車に合図を送る行為のことです。「道を譲る」または「先に行きたい」といった合図を送ることが可能です。
また、パッシングは警告や危険を伝えるときにも使われます。たとえば、道路を逆走しているときや、トランクが開いていたりするとパッシングされるケースがあります。
ただし、パッシングにはさまざまな意味があるため、事故やトラブルを避けるためにも意味や注意点をしっかり把握しておきましょう。
3回:AUTOライト
レバー先端のスイッチを奥に3回回すと、AUTOライトが点きます。(AUTOの位置)AUTOライトとは、車が周囲の明るさを検知して自動でヘッドライトを点けたり消したりする機能のことです。
夕暮れ時やトンネルに入った際に「ライトを点け忘れた」ということがないため、安全に車を運転できます。
ただし、車種によってはAUTOライト機能が搭載されていない場合もあります。また、車種によって1回回すとAUTOライトが点く場合もあるため、車の取扱説明書やスイッチ先端のマークを参考にしましょう。
車のライトは使い分けが必要
前方を照らすライトには「ロービーム」と「ハイビーム」があり、それぞれを適切に使い分ける必要があります。走行中はロービームが基本と思われがちですが、実際にはハイビームを常時点灯させなければなりません。
なぜなら、ハイビームの方が遠くからでも歩行者や車を発見しやすく、事故を防げるためです。現に警視庁が夜間における交通死亡事故を分析した結果、以下のことが明らかになっています。
- 日没時刻と重なる17時〜19時に最も多く発生している
- 薄暮時間帯における死亡事故は10月〜12月にかけて最も多く発生している
- 薄暮時間帯や夜間については、車と歩行者の衝突事故が最も多く4割以上を占めている
出典:警視庁公式Webサイト「ハイビームの上手な活用で夜間の歩行者事故を防止」
事故が最も多く発生している薄暮時間帯や夜間では、ロービームとハイビームを適切に使い分けなければなりません。対向車や前方車がいる道路では、ロービームに切り替えて周囲に迷惑をかけないように、車を運転しましょう。
車のライトの使い分け方については、以下の記事で詳しく紹介しているので、知識を深めたい方は参考にしてください。
まとめ
車のハンドル右側のレバー先端のスイッチを奥に以下の回数を回すと、各種ライトが点きます。
- 1回:車幅灯・尾灯・番号灯
- 2回:ロービーム(奥に倒すとハイビーム)
- 3回:AUTOライト
ただし、車種によって順番やスイッチ自体が異なる場合もあるため、スイッチのマークを見ながら操作すると良いでしょう。
また、車のライトは周囲の状況に応じて適切に使い分ける必要があります。混同しやすいため、間違いないよう注意してください。