車のバックランプは、安全な後退をサポートする重要なパーツです。
しかし、球切れや劣化によって視認性が低下すると、思わぬ事故の原因となることもあります。
そこで今回は、バックランプ交換の必要性や交換が必要な兆候、手順と注意点についてわかりやすく解説します。
バックランプ交換の重要性
バックランプの適切な管理は、単なる車両メンテナンスの一環ではなく、法的義務でもあります。
バックランプが機能しない状態での走行は、道路交通法違反となり、違反点数の加算および反則金が課されるため、バックランプのメンテナンスは非常に重要です。
2灯式の車両では、片側のみの球切れの場合警告のみで済むことも多いですが、両方のランプが点灯しないと厳しく取り締まりされます。
また、バックランプの不具合は車検不合格の原因となるため、定期的な点検と適切な交換が欠かせません。
さらに、バックランプが点灯しているものの明るさが不十分で視認性が低下している場合も、安全運転を確保するために交換を検討すべきです。
明るいバックランプは後退時の周囲確認を容易にし、他の車両や歩行者にも自身の動きをしっかりと伝えられます。
結果として、事故防止にもつながります。
バックランプの交換が必要な兆候
バックランプが交換を必要とする兆候として、まず明るさの低下が挙げられます。
特に後方が暗く感じる場合や、片側だけが暗い場合は、ランプの劣化が進んでいる可能性があります。
また、ランプがちらつく、点灯しない場合も交換のサインです。
バックランプは頻繁に使用されないため、寿命は比較的長いですが、経年劣化や接触不良によっても球切れのリスクが増します。
定期的な点検を行い、少しでも異常を感じたら早めの交換が推奨されます。
バックランプは前照灯ほど頻繁に使用されず後ろについているため、劣化に気づきにくいです。
安全性を確保するためには定期的なチェックが不可欠です。
バックランプが正常に動作しているか確認する場合は、壁に向かって照射したり、他の人に確認してもらったりするのがよいでしょう。
バックランプの交換方法
バックランプの交換方法は以下の2つがあります。
- 自分で交換する
- 業者に依頼する
それぞれ詳しく解説します。
自分で交換する
バックランプを自分で交換する際には、以下の2つの手順があります。
- テールランプ内にバックランプが収納されている場合の手順
- トランクの内側からバックランプを交換する場合の手順
順番に確認していきましょう。
テールランプ内にバックランプが収納されている場合の手順
まずは、テールランプ内にバックランプが収納されている場合の手順を解説します。
- テールランプを外す
ドライバーを使用し、慎重にテールランプを固定するネジを外していきます。この時、ツメがある場合は破損しないよう特に注意が必要です。 - 古いバックランプを外す
テールランプ裏側のソケットを見つけ、バックランプを取り出します。ソケットはスナップ式で、回転させるとロックを解除できます。 - 新しいバックランプを取り付ける
新しいバックランプを差し込み、しっかりとソケットを固定します。取り外しと逆順で、すべてが正しく装着されているか確認しましょう。 - 動作確認
ギアをバックに入れて、ランプが正しく点灯することを確認します。壁に光を照らす、別の人に目視してもらうなどの方法があります。 - ソケットの再挿入とテールランプの戻し
ソケットを正しい向きで差し込み、再びテールランプを元の位置に戻します。
※取り付けは必ず自己責任で行ってください。
取り外したねじの締め忘れや、作業ミスには十分に注意しましょう。
作業が難しく感じるなど少しでも不安があるときは、無理に自分で作業をせず、業者に依頼しましょう。
トランクの内側からバックランプを交換する場合の手順
続いて、トランクの内側からバックランプを交換する場合の手順を解説します。
- 内張りへアクセス
まずトランクを開け、バックランプが配置されている該当する内張り部分にアクセスします。該当の内張りをめくると、コネクターが現れます。 - コネクターの取り外しと交換
バックランプのコネクターを反時計回りに回して外し、新しいバルブと交換します。 - 動作確認と仕上げ
新しいバルブの点灯を確認後、内張りを元の状態に戻します。
※取り付けは必ず自己責任で行ってください。
この方法はテールランプを外すよりもシンプルで比較的短時間での作業で済みますが、内張りを傷つけないように注意が必要です。
業者に依頼する
バックランプの交換を自分で行うことに不安を感じる場合や、より確実な作業を望む場合は、専門業者へ依頼するのがよいでしょう。
ディーラーや整備工場、カー用品店、ガソリンスタンドが主な依頼先です。
業界への依頼は、バックランプの交換作業だけでなく、周辺部品の点検も同時に行ってもらえるなどの点がメリットです。
また、作業中に予期せぬ問題が発生した場合でも、即座に適切な対応をしてもらえます。
一般的に費用は、工賃が500円〜1,500円程度と追加で部品代がかかります。
ただし、作業の難易度や車種によって変動があるので、事前に見積もりを確認しておくと安心です。
加えて予約の要否や作業時間、代車が必要かどうかも確認しておくと、スムーズに対応できるでしょう。
バックランプ交換時の注意点
バックランプの交換時には以下の点に注意しましょう。
- 車検に対応したバルブを選ぶ
- 自社に適合したバルブを選ぶ
順番に確認していきましょう。
車検に対応したバルブを選ぶ
バックランプを交換する際は、必ず車検対応の製品を選びましょう。
国土交通省が定める保安基準に基づいてバックランプの性能や仕様が規定されており、これらの基準を満たさない場合、車検不合格となります。
特に以下2つの点については、入念に確認をしましょう。
- 明るさ
- 色
順番に解説します。
明るさ
バックランプの明るさは、周囲の交通を妨げない程度にする必要があります。
明るすぎるランプは、他の運転手に眩惑を与え、事故を引き起こすリスクを増やす可能性があるからです。
光度は保安基準に明確な規定があり「平成17年12月31日以前に製作された自動車に備える後退灯にあっては5000cd以下(主として後方を照射するため の後退灯にあっては300cd以下)」と記されています。
また一般的には、15W以上75W以下の範囲に近いワット数の製品が推奨されています。
基本的に純正品を使用する場合は心配いりませんが、社外品に交換する際は、基準を満たしているか慎重に確認してください。
色
バックランプの光色は白色のみが認められています。
ただし、色の判断は目視検査によるため、個人差が生じる可能性があります。
青白い光を放つランプは不適合とされる可能性が高いため、避けるべきです。
色温度を指標にすると、一般的には6,000K程度のバルブが多く使用されています。
7,000Kまでは白色として許容される場合もありますが、青みがかって見える可能性を考慮すると、6,500K以下の製品選択がおすすめです。
自社に適合したバルブを選ぶ
車のバックランプに使用されるバルブは、車種や製造国によって異なります。
例えば、日本車では主に「T16」「T20」「S25」といった種類が使用されています。
それぞれのバルブには異なる特性があり、交換時には自分の車に合ったものを選ぶことが重要です。
T16は現在の国産車で広く採用されており、最もコンパクトな設計が特徴です。
T20はT16と形状が似ていますが、サイズがやや大きくなっています。国産車ではT16に次いで使用頻度が高いバルブです。
S25は前述の2種類とは異なり、口金付きのデザインが特徴です。日本車での使用は少なめですが、欧州車では広く採用されています。
また、同じ種類のバルブでも長さなどが異なる場合があるため、注意が必要です。
例えば、交換予定のLEDライトが純正のハロゲンライトよりも長い場合、車種によってはレンズ面に接触して取り付けできないこともあります。
そのため、適合表や自社の説明書で事前に装着可能なサイズの確認を必ずしましょう。
バックランプの交換ならLEDがおすすめ
バックランプの交換ならがおすすめです。
LEDは、ハロゲンバルブと比較して約2倍の明るさを誇り、後方の視界を大幅に向上させます。
また、光の拡散力が高いため、広範囲を均一に照らせるのがLEDの特性です。
バック時に視界がクリアになるだけでなく、死角が減り、夜間や狭い場所での駐車も容易になります。
さらに、瞬時に最大の明るさを発揮するため、急なバック操作にも素早く対応できる点も利点です。
ちなみに、HID屋でもLEDバックランプを複数取り扱っています。
「爆光で圧倒的に明るい」など定評をいただいています。
気になる方は、ぜひ一度商品をご覧になってみてください。
まとめ
本記事では、バックランプ交換の必要性や交換が必要な兆候、状況別の交換手順と注意点、LEDへ交換するメリットについて解説しました。
バックランプの適切な管理は、安全で快適な運転環境を確保するうえで重要な作業です。
バックランプに不具合や暗さを感じる場合はすぐに交換をしましょう。
交換をする場合は、本記事で紹介した内容を参考にしてみてください。