ウインカーランプは、車の安全走行に欠かせないライトの1つです。
その一方で、ウインカーランプの正式名称や使用方法が曖昧という方も意外と多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、ウインカーランプの基礎知識やハザードランプとの違いについて解説します。
ウインカーランプの正式名称とは?
ウインカーランプは、正式名称を「方向指示器」と呼びます。
※「ウインカー」の語源は、イギリス英語の口語的表現「winker(「点滅するもの)」と言われています。
道路運送車両の保安基準 第41条で自動車への搭載義務が明記されており、車両の前後左右に合計4つ搭載します。
車線変更や進路変更の際、自車の進行方向を周囲に知らせる重要な役割を持ちます。
ウインカーランプの使い方
ウインカーランプは、正しい使い方を把握していないと大きな事故に繋がります。
日々の安全運転のためにも、操作方法や法令上のルールを理解しておきましょう。
操作方法
運転席のハンドル右側にある「ウインカーレバー」を使って操作します。
左折時は上に、右折時は下に向かって押し込むと点灯する仕組みです。
法令上のルール
ウインカーの使用方法は、道路交通法によって以下の通り定められています。
場面 | 使用方法 |
右左折 | 右左折する地点の30m手前から、右左折が終わるまで点滅させる |
転回(Uターン) | 転回する地点の30m手前から、転回が終わるまで点滅させる |
車線変更 | 車線変更をする3秒前から、車線変更が終わるまで点滅させる |
環状交差点を出る・徐行・停止 | 環状交差点を出ようとする地点の直前の出口の側方を通過したときに点滅させる徐行・停止の場合は、周囲の安全を確認しながら、行為が終了するまで点滅させる |
路上の駐停車 | 発進:ウインカーを点滅させ、周囲の安全を確認してから発進停車:周囲の安全を確認してから、左ウインカーを点滅させて駐車 |
特に使用頻度の多い「右左折」や「車線変更」時は、タイミングが早すぎても遅すぎても後続車に危険を及ぼします。
適切な点灯タイミングを心がけ、その行為が終わるまで点滅を中断させないよう注意しましょう。
正しく使用しなければ罰則を受ける
ウインカーを正しく使用しなかった場合「合図不履行違反」として以下の罰則が課せられます。
反則金 | 違反点数 |
・大型車 7,000円 ・普通車 6,000円 ・二輪車 6,000円 ・原付 5,000円 | 1点 |
重大な事故に繋がる可能性もあるため、シチュエーション別の使用方法をしっかりと確認しておきましょう。
ウインカーランプの保安基準
ウインカーランプは、道路運送車両の保安基準で取付けルールが定められています。
安全走行のためにはもちろん、車検に合格するためにも以下の内容を理解しておきましょう。
- 色
- 明るさ
- 点滅回数
- 取り付け位置
順番に解説します。
①色
ウインカーランプの光の色は「橙色(オレンジ色)」であることが定められています。
ウインカー用のバルブは主に「クリア・オレンジ」の2色が展開されており、レンズの色と合わせてオレンジに発光すれば大丈夫です。
②明るさ
ウインカーランプの明るさは「昼間に100m離れた位置からウインカーの点灯が確認でき、周りに迷惑とならない」程度である必要があります。
明るさに加えて、ランプの面積が「20㎠以上」を満たさなければならない点にも注意しましょう。
ウインカーランプの明るさ・視認性を手軽に向上させたい場合は「LEDバルブ」への交換もおすすめです。
LED化のメリットや選び方は以下の記事でまとめておりますので、興味を持たれた方はぜひご参考ください。
③点滅回数
ウインカーの点滅回数は、保安基準で「1分間で60回以上から120回以下の一定速度」であることが定められています。
基準以上・以下いずれの場合も車検に通りません。
また、一部のLEDバルブへ交換した場合は「ハイフラ」と呼ばれる高速点滅が生じる場合があります。
ハイフラの原因や対策ついては、以下の記事で詳しく解説していますので、一緒にチェックしておきましょう。
④取付位置
ウインカーランプの取付位置は、以下の図のように詳細な基準が定められています。
使用するパーツが正規品だとしても、取付位置が規定外では車検に通らないため注意しましょう。
ハザードランプとの違いは?
ハザードランプはウインカーランプと同じランプで点滅するものの、役割は全く異なります。
ハザードランプの正式名称は「非常点滅表示灯」です。文字通り、周囲に自車の危険状態を知らせる役割を持ちます。
ウインカーランプとの主な違いをまとめると、以下の通りです。
使用目的 | 操作方法 | 点滅個数 | |
ウインカーランプ | 周囲に進行方向を知らせる | ウインカーレバーを左右に倒す | 左右どちらかのみ |
ハザードランプ | 周囲に自車の危険を知らせる | ハザードスイッチを押す | 全てのランプ |
ハザードランプの使用が法令で義務づけられている場面は、以下の2つが挙げられます。
- 夜間、道路幅が5.5m以上の道路に駐停車する時
- 通学・通園バスが子どもの乗降のために停車する時(※一般車両は対象外)
その他、高速道路で走行中に停車しなければならない場合や、レッカー車で牽引される際など、後続車に危険を知らせるために使用します。
ハザードランプを点灯させた状態では、ウインカーレバーを操作しても全てのランプが点滅したままとなり、後続車に進行方向が伝わりません。
非常に危険ですので、操作時は混同しないよう注意しましょう。
まとめ
今回はウインカーランプの基礎知識や、ハザードランプとの違いを解説しました。
ウインカーランプは、周囲に進行方向や動き方を伝える重要なランプです。
交通事故を未然に防ぐためにも、法令に従い正しい使用方法・取付け方の遵守が求められます。
ウインカーランプの視認性やデザイン性アップに興味がある方は、LEDバルブへの交換もおすすめです。
LED化を検討する際は「ハイフラ防止」「2色切替え」などの機能性に優れた商品を展開する、HID屋の公式サイトをチェックしてみてください。