車のヘッドライトには「ハイビーム」と「ロービーム」の2種類があり、道路の状況に応じてそれぞれを使い分ける必要があります。とはいえ、車のヘッドライトは具体的にどう使い分ければよいのか、疑問に思っている方もいるでしょう。
この記事では、車のヘッドライトの使い分け方や、ハイビームやロービームの点け方などを紹介します。
車のヘッドライトの使い分け方
事故につながる恐れがあるため、ハイビームとロービームを適切に使い分けて、安全に車を運転しましょう。まずは、車のヘッドライトの使い分け方を紹介します。
走行中は「ハイビーム」が基本
走行中はハイビームが基本です。ハイビームとは、ヘッドライトが上向きになっている状態のことで「走行用前照灯」とも呼ばれています。前方100m先を照らす特徴があり、歩行者や障害物を発見しやすくなるため、事故を防ぐ役割があります。
ロービームを基本として走行しているドライバーが多いものの、国が定めた「交通の方法に関する教則」には、以下のように記載されているため混同しないようにしましょう。
前照灯は、交通量の多い市街地などを通行しているときを除き、上向きにして、歩行者などを少しでも早く発見するようにしましよう。
引用元:交通の方法に関する教則 「第6章 第3節 2灯火(2)」
対向車や前方車がいる場合は「ロービーム」
対向車や前方車がいる場合は、ハイビームからロービームに切り替えます。ロービームとは、ヘッドライトが下向きの状態のことです。
「すれ違い用前照灯」とも呼ばれており、前方40m先を照らすため手前の視界を確保しつつ、周囲を眩惑させない特徴があります。
ドライバーが眩惑(げんわく)すると、目が見えていない状態で車を運転している状態になるため、大変危険です。周囲を眩惑させないためにも対向車や前方車などがいる市街地では、ハイビームからロービームに切り替えて運転しましょう。
車のヘッドライトの点け方
続いて、車のヘッドライトの点け方を紹介します。ヘッドライトの操作方法に不安がある場合は、各ライトの点け方を復習しておきましょう。
また、各ライトを点けた際に、運転席のメーターパネルに表示されるマーク(表示灯)も紹介するので参考にしてください。
ロービームの点け方
ウィンカーレバー先端のスイッチを、OFFの状態から時計回りに2回まわすとロービームが点灯します。
ただし、車種によっては反時計回りのケースもあります。以下のマークにスイッチを合わせて、ロービームを点けましょう。
また、ウィンカーレバーではなく、専用のスイッチを操作する車種もあります。専用スイッチがある車種の場合は、取扱説明書を参照してください。
ロービームのマーク(表示灯)
以下のマークがメーター内に表示されていれば、ロービームが点いている状態です。
上記は本来、テールランプやスモールランプの表示灯です。ロービーム専用の表示灯がないため、上記がメーター内に表示されていれば、ロービームが点いているということになります。
なお、車種によってはロービーム専用の表示灯がメーター内に表示される場合もあります。
混同した場合は、取扱説明書を参照しましょう。
ハイビームの点け方
ハイビームは、ロービームが点いている状態で、ウィンカーレバーを奥に押すと点灯します。ロービームと同様に、専用スイッチを操作してハイビームに切り替える車種もあるため、その場合は取扱説明書を参照しましょう。
また、パッシングをする場合は、ロービームが点いている状態でウィンカーレバーを手前に引きます。パッシングとはハイビームを素早く点滅させて、対向車や前方車に送る合図のことです。主に、道を譲るときや危険を知らせる際に使います。
ただし、使い方によっては他のドライバーとトラブルに発展する可能性があるため、使用方法に注意しましょう。
ハイビームのマーク(表示灯)
ハイビームを点けると、以下のマークがメーター内に表示されます。
対向車や前方車がいる道路では、上記のマークがメーター内に表示されていないかチェックしながら走行しましょう。
AUTO(オート)ライトの点け方
AUTOライトは、ウィンカーレバー先端のスイッチを「AUTO」に合わせると使用できます。AUTOライトとは、周囲の明るさに応じてヘッドライトが自動的に点灯する機能のことです。
たとえば、AUTOライトに設定しておけば、夕方〜夜になるとヘッドライトが自動的に点灯します。テールランプやスモールランプも自動的に点灯するため、ウィンカーレバー先端のスイッチ操作が不要です。
ただし、周囲の明るさを感知するセンサーが故障した場合、外が暗くてもライト類は自動的に点灯しません。AUTOライトを過信せず、走行中にライトがしっかり点灯しているかどうか必ず確認しましょう。
なお、AUTOライト機能が装備されていない車種も存在します。
AUTOライトのマーク(表示灯)
AUTOライト使用時は、ロービームと同様に以下のマークがメーター内に表示されます。
車のヘッドライトの使い分けが難しい場合はオートハイビームを活用しよう
「オートハイビーム機能」が装備されていれば、車が自動的にヘッドライトを使い分けてくれるため、ウィンカーレバー先端のスイッチ操作が不要です。オートハイビームとは、道路の状況に応じてハイビームとロービームを自動的に使い分けてくれる機能のことです。
名称はメーカーによって異なり、「ハイビームアシスト」や「アダプティブハイビームシステム」とも呼ばれています。たとえば、交通量が少ない道路でハイビームで走行している際、対向車や前方車を感知するとヘッドライトが自動的にロービームへ切り替わります。
ヘッドライトを使い分ける手間を減らせるほか、ハイビームの消し忘れを防げるため、周囲を眩惑させずに安全に走行することが可能です。
ただし、オートハイビームは周囲を上手く検知できなかったり、切り替えが遅かったりするケースもあります。AUTOライトと同様に過信はせず、ヘッドライトが切り替わっているかどうか確認しながら運転しましょう。
なお、ほとんどのメーカーでは、オートハイビーム機能はメーカーオプションです。メーカーオプションとは、工場で車を生産する際に取り付けるオプションであり、後付けができません。
運転支援機能やサンルーフ、本革シートなどがメーカーオプションに該当します。オートハイビーム機能は、サイドバイザーやカーナビとは異なり、後付けできないことに留意してください。
まとめ
車のヘッドライトにはハイビームとロービームがあり、以下のように道路の状況に応じてヘッドライトを使い分ける必要があります。
- 常時:ハイビーム
- 交通量が多い市街地:ロービーム
ロービームを基本として認識しているドライバーもいるため、混同しないよう注意してください。
また、HID屋のLEDヘッドライト「Qシリーズ」であれば、ロービームでも遠くまで照らせるためより安全に車を運転できます。ロービームでも前方を明るく照らして安全に運転したい方は、HID屋のQシリーズの取り付けを検討しましょう。