フォグランプは、濃霧などで視界が悪くなり運転が困難になった際の補助灯としての役割をもつライトです。
ヘッドライトなどと同様に、フォグランプも車検の検査対象となっており、「色」や「個数」「明るさ」などに条件が定められています。
本記事では車検に通るフォグランプの特徴5つと、車検前に知っておくべき注意点を解説します。
お読みいただくことで安心して車検にのぞめますので、ぜひ最後までご覧ください。
フォグランプとは
英語でフォグ(fog)は霧を意味しており、フォグランプはその名の通り霧の中や悪天候時に使う車の補助灯です。
濃霧や豪雨、降雪などで運転が困難な状況で点灯させ、運転者の視界を確保する役割を果たします。
濃霧の状況下では、通常のハイビームだと霧の水分による光の乱反射で視界が悪化してしまいますが、フォグランプは乱反射を抑え、左右広く照らして視界を確保することができます。
加えて、フォグランプは低い位置に取り付けられているため、対向車への影響が少なく、周囲からも自分の車を見やすくする効果があります。そのため、悪天候時だけでなく、細い道や対向車がいる場面でも有効となります。
フォグランプが車検のチェック項目に入っている理由
フォグランプは、使い方によっては対向車や周囲への迷惑、危険を引き起こす可能性があります。
たとえば視界が悪くない晴天時にフォグランプを点灯してしまうと、対向車にまぶしさを与えてしまい、大変危険です。
また、車好きの方の中にはフォグランプをカスタマイズされている方もいるでしょう。しかし過度なカスタマイズは他の車に迷惑をかけている可能性があります。
保安基準を満たしていないライトは事故につながりやすくなるため、フォグランプも車検のチェック項目に含まれているのです。
車検に通るフォグランプの特徴5つ
車検に通すためにチェックすべきフォグランプの特徴は下記の5つです。
- 色
- 個数
- 明るさ
- 取り付け位置
- 光軸、カットライン
順番に確認していきましょう。
色
車検に通るフォグランプの色は、白か黄色(淡黄色)です。それ以外の色は基準外となりますので、避けるようにしましょう。
また、色の「色温度」を示すケルビン数にも気をつける必要があります。ケルビン数の数値が高いと色が青く見えてしまいます。青は基準外の色になりますので、検査官に青と判断されてしまったら車検は通りません。
ケルビン数の明確な上限はありませんが、8000Kを超えると青く見えるため、7000K以下のフォグランプを選ぶと安心です。
なお、車の後ろにつけるリアフォグランプの色は「赤色」と定められています。
個数
フォグランプの取り付け個数に関しては、決まりがありません。しかし、「同時に3個以上点灯」してしまうと車検に落ちてしまいます。
点灯は2個までで、切り替えられれば問題ありません。
ただし、リアフォグランプに関しては「2個まで」と決められているため、必要以上にカスタマイズしないようにしましょう。
明るさ
フォグランプの明るさについても、明確な決まりはありません。
2005年までは光の強さを表す単位であるカンデラが、1万以下であることが決められていましたが、2006年以降、廃止されています。
しかし、あまりにも明るすぎる場合は車検に通らない可能性があります。
明るさの決まりは無いとはいえ、「他の車両の走行を妨げる」と判断されると車検は不合格になりますので、過度な改造は控えましょう。
車両が安全に走行できることが大前提です。
取り付け位置
フォグランプの取り付け位置は詳細に定められており、下記の通りとなっています。
■フォグランプの取り付け位置 ・照明上部の縁の高さは地面から0.8m以下 ・照明下部の縁の高さは地面から0.25m以上 ・照明の最外縁は車両の一番外側から0.4m以内 |
■リアフォグランプの取り付け位置 ・照明上部の縁の高さは地面から1m以下 ・照明下部の縁の高さは地面から0.25m以上 ・テールランプのから0.1m以上離して取り付ける |
このように明確に定められていますが、初めから取り付けてある位置であれば、まず問題ありません。
自身でカスタマイズを行う際は、必ず基準を満たした位置に取り付けるようにしましょう。
光軸、カットライン
光軸とは「光の方向」を意味し、車検で必ず検査される項目です。
光軸が上を向いていると対向車にまぶしさを与えてしまい、事故を引き起こしてしまう可能性があります。加えて、悪天候の際に足もとを照らすことができないため、フォグランプの機能を果たしていないことになります。
一方、カットラインは「光が当たる部分と当たらない部分の境目」のことを指し、「一直線であること」と決められています。ぶれている場合は車検に通りません。
自身で調整するのは難しいため、光軸やカットラインに違和感を覚えるようであれば、整備士の方に点検してもらうようにしてください。
フォグランプを車検に通す時の注意点
車検に通るフォグランプの特徴を満たしても、以下の項目に当てはまると車検に通らないので注意が必要です。
- 左右別の色
- 青色のフォグランプ
- フォグランプが故障している
1つずつ見ていきましょう。
左右同じ色にすること
フォグランプの色を白または黄色(淡黄色)にしていても、左右違う色だと車検に通らないので注意しましょう。
2色切り替え式のフォグランプの場合、左右同じ色が点灯していれば問題ありません。
青色のフォグランプはNG
青色のフォグランプは車検に通らないだけでなく、不正改造とみなされてしまう可能性もあります。
先述の通り、フォグランプは白か黄色(淡黄色)と定められていますので、必ず基準内の色を選ぶようにしましょう。
故障していないか確認すること
当然ですが、フォグランプが故障していると車検に通りません。
フォグランプは日常的に使用するライトではないため、車検に出してから「壊れていた」と気づく可能性があります。
そのため、車検前にフォグランプの確認をすると良いでしょう。
ちなみに、フォグランプは取り付け義務があるライトではないため、外していても車検に通ります。
故障していて修理が間に合わない場合など、一旦取り外して車検に出す方法もあります。
まとめ
今回は、車検に通るフォグランプの特徴5つと、注意点を解説しました。
以下、車検に通るためにチェックすべき内容のおさらいです。
■色
白か黄色(淡黄色) リアフォグランプは赤。
■個数
制限なし。ただしリアフォグランプは2個。
■明るさ
制限なし。ただし車両走行の妨げになるなど明るすぎるのはNG。
■取り付け位置
フォグランプの取り付け位置
・照明上部の縁の高さは地面から0.8m以下
・照明下部の縁の高さは地面から0.25m以上
・照明の最外縁は車両の一番外側から0.4m以内
リアフォグランプの取り付け位置
・照明上部の縁の高さは地面から1m以下
・照明下部の縁の高さは地面から0.25m以上
・テールランプのから0.1m以上離して取り付ける
■光軸
カットライン…光は足もとを照らし、カットラインは一直線であること。
本記事を参考に、自身のフォグランプをチェックしてみてください。
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