悪天候の日や見通しの悪い交差点などでヒヤッとした経験がある人もいるのではないでしょうか。そのような時、フォグランプやデイライトは安全なカーライフをサポートをしてくれる役割があります。
しかし、フォグランプとデイライトはその使用条件や車検基準に大きな違いがあります。
この記事では、フォグランプとデイライトの基本的な違いや車検基準も踏まえて解説しています。装着するメリットも紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
フォグランプとデイライト|基本的な違い
フォグランプとデイライトは、どちらも安全運転を助ける車両の照明システムの一部です。
フォグランプ(霧灯)は、霧の発生時や豪雨、吹雪などの視界不良の際、視界を改善する目的で使用される補助灯です。また、前走車へ自車の存在をアピールする役割もあります。
デイライト(昼間走行灯)は、昼間の走行時に自車の接近を他の道路利用者へ知らせる目的で使用する補助灯です。特に曇りや雨天の昼間、夕暮れ時などに他車へ自車の存在をアピールでき、交通事故の防止に繋がります。
また、フォグランプとデイライトの特徴や違いを以下の表にまとめましたので参考にしてください。
【フォグランプとデイライトの基本的な違い】
フォグランプ | デイライト | |
装着義務 | なし(任意) | なし(任意) |
点灯基準 | ヘッドライトと同時に点灯可能 (夜間にフォグランプのみでの走行は無灯火違反となる) | ヘッドライト又はフォグランプの点灯時は自動的に消灯又は減光しなければならない |
点灯時 | 霧発生時や豪雨など視界不良時 | 昼間の曇りや雨天、夕暮れ時など |
色 | 白色/淡黄色 (リア フォグランプは赤色のみ) | 白のみ |
特徴 | 低い位置に取り付けるため、霧などに乱反射しにくい照射角が広いため、路肩や凹凸などの路面状況が見やすくなる | 形状は自由だが、大きさに制限がある |
フォグランプとデイライトの車検基準の違い
装着義務のないフォグランプとデイライトですが、取り付ける場合に注意しなければならないのは、車検基準です。
取り付け位置、色、個数など細かく規定されています。以下の表に違いをまとめましたので確認しておきましょう。
【フォグランプとデイライトの車検基準の違い】
保安基準 | フォグランプ | デイライト |
灯光の色 | 白色又は淡黄色で、その全てが同一の色であること | 白色のみ |
個数 | 2個以下 | 2個 |
明るさ | 他の交通を妨げないものであること | 1,440カンデラ以下 |
照射部 | 光軸:下向きで、カットラインが真っ直ぐ | 大きさ:25cm2以上200cm2以下 |
取付位置 | ・下端が地上から250mm以上 ・上端が地上から800mm以下でロービームの上縁を超えない ・外側の縁が車の最外側から400mm以内 | ・下端が地上から250mm以上 ・上端が地上から1500mm以下 ・ヘッドライトの上端より下側 ・左右のデイライトの間隔が600mm以上 |
取付基準 | スモールランプ、テールランプが消灯している場合に点灯できない構造であること | ヘッドライト又はフォグランプの点灯時は、自動的に消灯又は減光するように取り付けられていなければならない |
点滅 | 不可 | 不可 |
※上記基準は特殊車両等を除く
参照:国交省(第199条 前部霧灯)国交省(第202条の2 昼間走行灯)
フォグランプやデイライトは必要か?装着のメリット
フォグランプやデイライトは装着義務がないため、付いていない車も多く販売されています。
そのような車にもフォグランプやデイライトを装着するメリットを解説します。
フォグランプを装着するメリット
フォグランプを装着するメリットは、以下の3点です。
- 悪天候時における安全運転のサポートになる
- ライトの色を好みに合わせて選べる
- LEDバブルでさらに明るくなる
それぞれについて詳しく解説します。
メリット①悪天候時における安全運転のサポートになる
フォグランプを装着する主なメリットは、悪天候時の前方の視界を確保できることです。
ヘッドライトが遠くを照射するのに対し、フォグランプは路面に近いところを広い範囲で照射するので、霧などの反射を軽減してくれます。
また、夜間の山道や街灯の少ない道路の走行時にも、他の車両に対して視認性を高めて自車の存在を知らせる効果があります。
メリット②ライトの色を好みに合わせて選べる
好みに合わせてライトを白色か淡黄色を選べるのも魅力的です。
例えばHID屋の2色切替えタイプのフォグランプは、路面の状況や天候に合わせてカラーチェンジができます。
ホワイトはワイドでクリアな光が路面をはっきりと浮かび上がらせ、ライムイエローは暗い道でもしっかりと視界を確保してくれ、快適なカーライフにおすすめです。
メリット③LEDバルブでさらに明るくなる
フォグランプには、「ハロゲンバルブ」「HID」「LEDバルブ」の3種類があります。
中でも最も強く明るい照射ができるLEDバルブを装着すれば、視界確保や視認性がより一層増します。
デイライトを装着するメリット
一方、デイライトを装着するメリットは、以下のとおりです。
- 日中の視認性が向上する
- エクステリアのアクセントになる
- 交通安全の意識が高まる
それぞれについて詳しく解説します。
メリット①日中の視認性が向上する
デイライトを装着する主なメリットは、日中に点灯することで他車や歩行者からの視認性を高め、交通事故を減らせることです。
特に、見通しの悪い交差点でもカーブミラーに映りやすく、出会い頭の衝突を防げます。
メリット②エクステリアのアクセントになる
デイライトは車種やメーカーごとに様々な形状があり、フロントデザインを決める大きな要素となっています。
後付けで装着する際にも、フロントデザインに合わせて形状・サイズを調整できるチューブやテープタイプもあり、エクステリアをかっこよく改造できます。
メリット③交通安全の意識が高まる
デイライトを点灯する行為が、いつも以上に安全運転の意識を高められると期待されています。それを踏まえて、北海道では定期的なデイ・ライト運動が実施されています。
デイライトを付けるか迷っている方は、安全のためにも前向きにデイライトの装備を検討されると良いでしょう。
フォグランプはデイライト化できる?車検は通る?
フォグランプをデイライトとして使用することは技術的には可能です。ただし、車検のため以下の基準を満たしている必要があります。
【フォグランプのデイライト化|車検基準】
灯光の色 | 白のみ |
個数 | 2個 |
明るさ | 1,440カンデラ以下で、他の交通の妨げにならないこと |
照射部 | 照射部の大きさが25cm2以上200cm2以下であること |
取付位置 | ・下端が地上から250mm以上 ・上端が地上から800mm以下でロービームの上縁を超えない ・外側の縁が車の最外側から400mm以内で、左右の間隔が600mm以上 |
点灯方法 | ヘッドライト又はフォグランプの点灯時は、デイライトを自動的に消灯又は減光するように取り付けること |
フォグランプをデイライトとして使用する場合、専用の制御装置を取り付けて昼間点灯し、夜間やトンネルなどでは自動的に消灯又は減光するように設定するのが不可欠です。
取り付けキットも販売されているためこうした点灯の切替設定も含めて自分で取り付けも可能ですが、配線周りが難しいため難易度は高いといえるでしょう。
少しでも不安のある方は、整備工場などの専門業者へ依頼することを推奨します。
まとめ
フォグランプとデイライトは、それぞれ異なる役割と車検基準がある車両の補助灯です。
フォグランプはヘッドライトと共に点灯し、霧や大雨などの天候不良の際の視界を確保するために使用します。デイライトは、明るい時間帯に他車からの視認性を高めるのを目的としています。
どちらも安全性向上や交通事故を防ぐために重要なライトですが、使用条件や点灯基準を充分に確認し、車検に適合したライトを取り付けましょう。