フォグランプは、ヘッドライトの補助として悪天候時に地面近くを照らし視界を確保する重要なランプです。
フォグランプには大きく分けて、丸型と角型がありますが、近年多くの車種で丸型が採用されています。
本記事では、丸型フォグランプのメリットや選び方、取り付け方法および注意点について詳しく解説します。
フォグランプをカスタマイズしたい方や、安全性を重視したいドライバーに必見の内容です。
丸型フォグランプのメリット
丸型フォグランプのメリットは以下の通りです。
- 車種との相性
- 多様なデザイン・サイズの選択肢
順番に確認していきましょう。
車種との相性
丸型フォグランプは、その汎用性の高いデザインから、幅広い車種と相性がいい点がメリットです。
シンプルなデザインのものが多く、車種に自然にフィットします。
また、丸型フォグランプは多くの自動車メーカーが採用している標準的な形状であるため、純正のフォグランプの代替としても優れた互換性を発揮します。
多様なデザイン・サイズ選択肢
丸型フォグランプは、デザインやサイズのバリエーションが豊富です。
例えば、薄型フォグランプはスリムなデザインで車体の美観を損なわずに取り付けが可能ですし、対照的に大型のフォグランプは、より広範囲を照射しやすい仕様になっています。
小型の丸型フォグランプもあり、コンパクトなデザインで取り付けが簡単で、特に軽自動車や小型車に適しています。
このように、ドライバーのニーズや車両のスタイルに合わせて自由に選べる点が、丸型フォグランプの大きなメリットの一つです。
また、下記の記事では薄型フォグランプ・大型フォグランプについて詳しく解説しているので、合わせてぜひご一読ください。
丸型フォグランプの選び方
丸型フォグランプを選ぶ際は以下の点を確認しましょう。
- 適合バルブを確認する
- フォグランプの色を確認する
- 消費電力を確認する
順番に確認していきましょう。
適合バルブを確認する
丸型フォグランプを選ぶ際は、自車に適合するバルブ形状を確認しましょう。
丸型フォグランプに限らず、フォグランプのバルブは、車種、製造年、グレードによって適合するバルブ形状が異なります。
バルブ形状の種類は多く、代表的はH1、H3、H4、H7、H8、H11、H16、HB3、HB4、PSX24W、D2S/Rなどです。
これらの形状は互換性がないため、誤ったバルブを選択すると、取り付けができないばかりか、フォグランプユニット全体を損傷する可能性もあります。
正確なバルブ形状を特定するためには、車検証やオーナーズマニュアル、メーカーが提供している適合表を確認し、正しい形状を選びましょう。
また、市場には複数の形状に対応した汎用性の高い製品も存在しますが、このような製品を選ぶ場合でも、バルブ形状が適合するかどうか確認を怠らないようにしましょう。
フォグランプの色を確認する
フォグランプの色選びは、個人の好みだけでなく、保安基準の観点から行う必要があります。
日本の保安基準では、フォグランプの色は「白色」または「淡黄色」に限定されています。
これは、道路上の全ての人の安全を守るための重要な基準です。
色温度で言えば、2,400〜6,500ケルビンの範囲内が推奨されます。
この範囲を超えると、青白い光になり、他の運転者の目を眩ませる危険性があります。
また、左右のフォグランプで色が異なることも認められていません。
これは、対向車からの視認性を考慮した規定です。
法令に準拠したフォグランプを選ぶことは、自身の安全だけでなく、他の道路利用者への配慮にもつながります。
色選びは、法令と安全性の両面を意識して慎重に行いましょう。
消費電力を確認する
フォグランプを選ぶ際、見落としがちなポイントが消費電力です。
適切な消費電力のフォグランプを選ぶことは、車両の電気系統の保護と最適な照明効果の両立につながります。
消費電力が高すぎると、車の電気系統に過度の負担がかかります。
これは、バッテリーの寿命を縮めるだけでなく、最悪の場合、フォグランプユニットの過熱や溶解につながる可能性があるので注意しましょう。
一方で、消費電力が低すぎると、十分な明るさが得られず、フォグランプ本来の機能を果たせません。
したがって、電力消費と明るさのバランスが取れたフォグランプを選ぶことが重要です。
車の電気系統に無理がかからず、かつ十分な照明効果が得られる製品を選びましょう。
丸型フォグランプの取り付け方法
ここからは、丸型フォグランプの取り付け方法を解説します。
- バルブ交換のみの場合
- 後付けやユニット形状の場合
順番に確認していきましょう。
バルブ交換のみの場合
フォグランプが既に取り付けられている車両の場合は、基本的にバルブの交換作業となります。
以下が一般的な丸型フォグランプの交換手順です。
- 作業スペースを確保するために、ハンドルを全開に切る
- インナーフェンダーをめくる
- 純正の配線カプラーを慎重に取り外す
- 古いフォグランプのバルブを取り外し、新しい丸型フォグランプのバルブと交換
- 取り付け後、点灯確認をする
- 問題がなければ、取り外した順序と逆の手順で元の状態に戻す
※バルブの交換は自己責任で行ってください
インナーフェンダーは完全に取り外す必要はなく、作業に支障がない程度で構いません。
作業は比較的シンプルですが、車種によって細かい違いがある場合があります。
不安な場合は、専門業者に相談や取り付け依頼をするのがよいでしょう。
後付けやユニット形状の場合
後付けやユニット形状の場合は、バルブの交換のみでは取り付けができません。
以下が取り付けの手順です。
- 取り付けスペースの確認
フォグランプを止めるスペースがバンパーにあるか確認します。
スペースがない場合は、専用バンパーへの交換が必要になることもあります。
- 配線の確認
純正のフォグランプ配線の有無を確認します。
フォグランプマークの表記がライトスイッチにあれば、配線が通っている可能性が高いです。
- 電源の取り出し
常に電源の取り出し箇所を決定します。
通常、キックパネル裏の一時配線から電源に出ることが多いです。
- イルミネーション電源の取り出し
イルミネーション電源(スモール連動線)の取り出し箇所を決定します。
リレーのトリガー用の場合、車内にあるスイッチ裏から取り出しも可能です。
※取り付けは必ず自己責任で行ってください
フォグランプを後付けする場合、バンパーへの穴開けや配線の接続など、より専門工具と知識が必要になります。
経験がない方には難しい作業も含まれるため、自己作業が難しい場合はカーディーラーやカーショップに依頼する方が安全です。
丸型フォグランプ取り付け時の注意点
丸型フォグランプ取り付け時には以下の点に注意しましょう。
- 光軸を調整する
- 取り付け位置を確認する
順番に解説します。
光軸を調整する
丸型のフォグランプを取り付ける際、重要な作業の一つが光軸の調整です。
適切に調整されていないフォグランプは、意図しない方向に光を照射してしまう可能性があります。
これは他の運転者や歩行者を眩惑してしまう可能性があるだけでなく、事故の原因にもなりかねません。
日本の自動車保安基準では、フォグランプは他の交通参加者の妨げにならないよう設置することが求められています。
そのため、基準を満たしていない場合は、車検に通らない可能性もあるので注意しましょう。
取り付け位置を確認する
丸型フォグランプの取り付け位置も非常に重要です。
フォグランプの取り付け位置は、法律で定められています。
フロントの丸型フォグランプを取り付ける際は、以下の条件を遵守する必要があります。
- 照明部の上端を地面から80cm以下に設置
- 照明部の下端を地面から25cm以上の高さに設置
- 照明部の最外側を車体の最外側から40cm以内に収める
一方、リア用の丸型フォグランプを取り付ける場合は、次の基準を満たす必要があります。
- 照明部の上端を地面から1m以下に設置
- 照明部の下端を地面から25cm以上の高さに設置
- ブレーキライトの照明部から10cm以上の間隔を確保
既存のフォグランプの位置を変更せずにカスタマイズする場合は、通常問題ありませんが、新規に取り付けたり位置を変更したりする際は、これらの規定を厳守することが重要です。
適切な取り付け位置を守ることで、法令遵守はもちろん、フォグランプの機能を最大限に活かせます。
まとめ
本記事では、丸型フォグランプのメリット、選び方や取り付け方法、取り付け時の注意点を解説しました。
丸型フォグランプは、多様なデザインと高い汎用性で人気があります。
自車に最適な丸型フォグランプを選択し、適切に取り付けることで、より安全で快適なドライビング環境を実現できるでしょう。