フォグランプは、霧や雨、雪などの悪天候時に視界を確保し、安全運転をサポートする重要なライトです。
その中でも、角型フォグランプは独特のデザインで多くのドライバーから支持されています。
本記事では、角型フォグランプのメリットとデメリットを解説し、選び方のポイントや使用時の注意点についてもご紹介します。
自分の車に最適な角型フォグランプを選ぶための参考にしてください。
角型フォグランプのメリット
角型フォグランプの最大のメリットは、デザイン性です。
丸型フォグランプとは異なり、角ばった形状はシャープでスタイリッシュな印象を与え、車の外観を引き締めます。
特にSUVや四角いシルエットの車には、デザインに一貫性を持たせ、個性を際立たせる効果があります。
車の外観にこだわりたい方にとって、角型フォグランプは理想的な選択肢と言えるでしょう。
角型フォグランプのデメリット
一方で、角型フォグランプにはデメリットも存在します。
まず、ポン付けできる製品が少ないため、配線作業が必要となる場合が多く、取り付けの難易度が比較的高い点です。
車種によっては取り付けに専門的な技術や特殊な部品が必要となることがあり、DIYでの交換が難しい場合もあります。
そのため、取り付けやメンテナンスにかかる費用も含めて購入を検討する必要があるでしょう。
角型フォグランプの選び方
角型フォグランプを選ぶ際は、通常のフォグランプと同様に以下の点を確認しましょう。
- バルブの形状を確認する
- 白色または淡黄色を選ぶ
- 消費電力に注意する
順番に解説します。
バルブの形状を確認する
角型フォグランプを選ぶ上で最も重要なのは、自車に適合するバルブ形状を正確に把握することです。
車種や製造年、グレードによって適合するバルブ形状は異なるため、必ず確認しましょう。
バルブ形状には実に多様な種類があり、例えばH1、H3、H4、H7、H8、H11、H16、HB3、HB4、PSX24W、D2S/Rなどが挙げられます。
これらの形状は互換性がないため、誤ったバルブを選んでしまうと、取り付けができないだけでなく、最悪の場合、フォグランプユニット全体を損傷してしまう可能性があります。
正確なバルブ形状を特定するには、車検証やオーナーズマニュアル、メーカーが提供している適合表を参照するのが確実です。
なお、市場には複数の形状に対応した汎用性の高い製品も存在しますが、このような製品を選ぶ際も、必ず自車のバルブ形状に対応しているか確認してから購入しましょう。
白色または淡黄色を選ぶ
フォグランプの色選びは、法律で定められた保安基準に従う必要があります。
この基準では、フォグランプの色は「白色」または「淡黄色」のみが許可されています。
保安基準に反すると、車検に通らない可能性があるため、選ぶ際は色温度(ケルビン数)をよく確認することが重要です。
一般的に2,400〜6,500ケルビンの範囲内のものを選ぶことが推奨されます。
ケルビン数が高すぎると、青白い光になり、保安基準に反する可能性があるので注意が必要です。
また、左右のフォグランプの色が異なることも認められていないため、同一の色を選びましょう。
消費電力に注意する
フォグランプを選ぶ際、消費電力も忘れてはいけないポイントです。
消費電力が高すぎると、電力の過負荷でリフレクターなどのパーツが熱を持ち、最悪の場合溶けてしまうことがあります。
一方で、消費電力が低すぎると明るさが不足し、視認性が損なわれてしまうため、バランスの取れた消費電力の製品を選ぶことが大切です。
電力消費と明るさのバランスが取れたフォグランプを選び、車の電気系統に無理がかからないようにしましょう。
角型フォグランプの使用時の注意点
角型フォグランプを使用する際は、通常のフォグランプと同様に以下の点に注意しましょう。
- 光軸
- 取り付け位置
- フォグランプの点灯は同時に2つまで
- フォグランプだけを点灯しない
順番に確認していきましょう。
光軸
角型フォグランプを取り付けた後は、光軸の調整を必ず行いましょう。
この作業は、安全性と法令遵守の両面で極めて重要です。
適切に調整されていないフォグランプは、本来照らすべき路面ではなく、対向車や歩行者など、他の道路利用者に向かって光を放ってしまう可能性があります。
これは単に迷惑なだけでなく、重大な事故の原因にもなりかねません。
日本の保安基準では、フォグランプは「他の交通を妨げないこと」と明確に規定されています。
この基準を満たすためには、正確な光軸調整が不可欠です。
調整が不十分だと対向車のドライバーに眩しさを感じさせ、車検不合格になる可能性もあります。
取り付け位置
角型フォグランプの取り付け位置に関しては、明確な規定が設けられています。
これらの規定は、フォグランプの効果的な使用と他の道路利用者への配慮を両立させるために定められたものです。
フロントフォグランプの場合、以下の条件を満たす必要があります。
- 照明部の上端が地面から0.8m以下であること
- 照明部の下端が地面から0.25m以上であること
- 照明部の最外側が車体の最外側から0.4m以内に収まること
一方、リアフォグランプの場合は以下の条件が適用されます。
- 照明部の上端が地面から1m以下であること
- 照明部の下端が地面から0.25m以上であること
- ブレーキランプの照明部から0.1m以上離れていること
既存のフォグランプ取り付け位置を変更せずにカスタマイズする場合は、通常問題ありません。
しかし、新たにフォグランプを取り付ける場合や位置を変更する場合は、これらの規定をしっかり確認して取りつけましょう。
フォグランプの点灯は同時に2つまで
フォグランプの取り付け個数自体に制限はありませんが、保安基準により、同時に点灯できるフォグランプは2つまでと定められています。
例えば、デザイン性を重視して4個のフォグランプを装着したとしても、実際に点灯させられるのは2個だけです。
この場合、配線やスイッチを工夫して、同時に2つずつのみ点灯するよう設定する必要があります。
したがって、フォグランプを車体に埋め込む際は、点灯可能な数を2つまでに抑えるようにしましょう。
フォグランプだけを点灯しない
フォグランプのみを点灯させての走行は道路交通法違反となり、5万円以下の罰金が科される可能性があります。
フォグランプの本来の役割は、悪天候時における視界確保のための補助灯です。
ヘッドライトの代替として使用するものではありません。
法令遵守と安全運転のために、フォグランプを使用する際は必ずヘッドライト、スモールライト、バックライトと同時に点灯させましょう。
まとめ
本記事では、角型フォグランプのメリット・デメリット、選び方や使用時の注意点を解説しました。
角型フォグランプは、デザイン性の高さが魅力で、車の外観を引き立てるだけでなく、悪天候時の視認性を向上させます。
しかし、取り付けが難しい場合やコストがかかる点もあるため、慎重な選択が必要です。
角型フォグランプを選ぶ際はバルブの形状や色、消費電力に注意し、使用時には光軸の調整や法律に従った点灯を心がけましょう。