フォグランプを交換するときに「光軸調整をする必要がある」「光軸調整をしないと車検に落ちる」と聞き、不安になった方もいらっしゃるのではないでしょうか。
光軸調整とはフォグランプの光を路面などをしっかりと照らせるよう、光源(バルブ)の向きや傾きを整えることです。
フォグランプは正しく光軸調整をしないと視認性が低下し、事故に繋がりかねません。
また誤った光軸調整では車検で不合格となったり、運転中に検挙されたりすることも。
この記事ではフォグランプの光軸調整の重要性やリスクについて、徹底的に解説します。
お読みいただくことで光軸調整の重要性が理解でき、保安基準と違反リスクを知ったうえで、正しく光軸調整をする方法が分かります。
フォグランプの光軸調整の重要性
対向車や歩行者に迷惑をかけず、安全な交通環境を維持するために、フォグランプの光軸調整は非常に重要です。
その重要性から国土交通省も保安基準で「フォグランプの光は、他の交通を妨げないこと。」と定めています。
特に光軸が上向きにずれていると、対向車が眩しく感じ運転に支障をきたすなど、事故に繋がる可能性がありとても危険です。
以上のことから周辺の安全な交通環境を維持するため、光軸調整は非常に重要と言えます。
フォグランプの光軸が保安基準に満たない時のリスクとは
保安基準を守った正しい光軸調整を行わなかった場合、他者に迷惑をかけたり事故を引き起こす恐れがあるだけでなく、ドライバー自身にもリスクが発生します。
そのリスクは以下の2点です。
- 車検に落ちる
- 道路交通法違反となり摘発される
ここではそれぞれの場合について詳しく解説します。
車検に落ちる
フォグランプの明るさは車検の検査対象の1つで、適合しないと車検に落ちてしまいます。
フォグランプの明るさに明確な数値基準が定められていないものの、検査官が眩しいと感じた場合は不合格になります。
眩しいと感じる原因のほとんどは光軸が上向きになっており、対向車のドライバーの目に直接光が入ってしまうせいです。
そうならないために車検前には光軸調整を正しく行い、フォグランプの光を下向きにしなければなりません。
このようにフォグランプの光が保安基準に満たないと、車検に落ちてしまうので光軸調整を忘れずに行いましょう。
道路交通法違反となり摘発される
保安基準に適合しない車両で公道を走行すると、整備不良となり摘発される恐れがあります。
フォグランプを正しく光軸調整をせず整備不良の車両で走行することは、他人に迷惑や危険を及ぼす車両を運転したということで、道路交通法第六十二条の違反となります。
道路交通法に違反した場合、以下の交通違反点数と反則金が課せられます。
違反点数 | 反則金の金額 | |||
大型車 | 普通車 | 二輪車 | 原付車 | |
1点 | 9,000円 | 7,000円 | 6,000円 | 5,000円 |
以上のことから保安基準に違反した車両を走行すると、最悪の場合他者を傷つけることはもちろん、摘発されて反則金を支払うなどペナルティを課せられる場合があります。
そのためにも、フォグランプの光軸調整はドライバーや周囲の安全を守るためにも欠かせない作業と言えます。
安心して光軸調整するなら業者に依頼するのがおすすめ
安心して光軸調整をするなら業者に依頼するのがおすすめです。
フォグランプの光軸調整を正確に行うには、充分な知識と経験が必要とされます。
専門的な道具や技術を備えた業者に依頼すれば、より完璧な調整を行ってもらえ、安心です。
業者に依頼すると具体的に以下のメリットが得られます。
業者に依頼すると、専門的な知識と専用の機器を使って、より正確な光軸調整を行うことができます。
正確に光軸調整をしたフォグランプは、夜間や悪天候時の視認性を向上させ、安全性の向上が期待できます。
そして業者に依頼する分、自身で調整する際に生じる作業時間を、有意義に別のことに利用できるでしょう。
一方で、以下のデメリットが挙げられます。
業者に依頼すると、工賃がかかるのでコストは高くなります。
そして数ある業者から信頼性の高い業者を探し、営業時間に合わせて作業をお願いする必要があるため、手間がかかってしまうことも。
なお、参考として光軸調整の依頼ができる業者と費用は以下のとおりです。
依頼先 | 費用 |
ディーラー | 2,000〜5,000円 |
カー用品店 | 2,000〜3,500円 |
テスター屋 | 1,000〜2,000円 |
ディーラーやカー用品店でも光軸調整をしてもらうことは可能ですが、店舗によって工賃の差が大きいようです。
工賃が最もお手頃なのはテスター屋です。
テスター屋とは民間の予備検査場のことで、全国の車検場の近くに構えていることが多く、実際の車検と同様の検査を行い調整もしてもらえます。
以上のことからフォグランプの光軸調整を業者に依頼することは、コストや業者選びの手間が発生するというデメリットがあります。
それでも安心して光軸調整をするなら、豊富な専門知識と専用のテスターで測定・調整してくれる業者に依頼することがおすすめです。
コストを抑えたいならDIYで光軸調整をしてみよう
どうしてもコストを抑えたい場合は、DIYで光軸調整することもできます。
DIYで光軸調整をするメリットは以下のとおりです。
DIYで光軸調整をすると、工賃を節約できます。
また作業を通じて、整備知識や技術を習得できるでしょう。
そして時間も自分のスケジュールに合わせて、好きなときに取りかかれるのもメリットの1つです。
対して自分で光軸調整をするには、以下のデメリットが挙げられます。
自身で光軸調整をする際に最も気をつけたいのは、正確性に劣るということです。
業者とは違い専用のテスターがないため、DIYでの正確な調整は困難を極めます。
さらに自身が保安基準の知識を持ったうえで行うことが必要です。
誤った調整はドライバーの視界を悪化させたり、対向車や歩行者に眩しさを与えるなど、安全性の低下につながるおそれがあります。
また調整に必要な工具や設備を自分で準備する必要があり、コストや手間がかかってしまうかもしれません。
実際にDIYで行う際は、これらのデメリットを踏まえて行うようにしましょう。
どこでできる?DIYで光軸調整ができる環境はこんな場所
DIYで光軸調整をするには、調整に適した環境で行う必要があります。
必要な環境として、以下の3つの条件を満たさなければなりません。
● フォグランプの光を当てるための壁
● 壁から5〜10m離れられる、広くて平坦な土地
● 照射したフォグランプのカットラインが見える暗い場所
(調整作業をするときには明るい場所も必要)
DIYでの光軸調整は、少し離れた壁にフォグランプの光を当て、カットラインを確認します。
そのため何も書かれていない壁や、広くて平坦な土地、照射した光がよく見えるような暗い場所が必要です。
また条件には挙げていませんが、他者に迷惑のかからない場所であることは言うまでもありません。
公道や路肩は歩行者や通行中の車両の通行の妨げになり、また店舗やオフィスの駐車場は頻繁に人や車が出入りし危険なので避けましょう。
シチュエーション別にDIYで光軸調整をする方法を解説
DIYで光軸調整をする場合、以下の2つのシチュエーションで光軸調整の方法が異なります。
- フォグランプを交換する前
- フォグランプを交換した後(交換前のカットラインを記録していない場合)
ここからは各シチュエーションに分けて、具体的な手順を解説していきます。
フォグランプバルブを交換する前に行う場合
正確に光軸調整をされたフォグランプバルブが今取り付けられていて、新しいバルブに交換する場合は、こちらの方法で光軸調整を行いましょう。
交換前の正しいフォグランプの位置を確認しておくことで、交換後に元の位置と同様になるよう調整できます。
フォグランプバルブを交換した後に行う場
すでにフォグランプバルブを交換しており、交換前のカットラインを記録していない場合は、次のような方法で行いましょう。
STEP①のマークに対してカットラインが3cm〜9cmの範囲で下がっていればOK。
ただし上記の方法は簡易的なものであり、精度に欠け正確性が特に劣ってしまいます。
間違った光軸調整は、対向車や歩行者に眩しさを感じさせるだけでなく、ドライバーの視界も悪くなり危険です。
より正確で安全性の高い光軸調整を行うには、専門家への依頼や、予備検査を検討してみるとよいでしょう。
まとめ
フォグランプの誤った光軸調整は運転時の視認性を低下させ、ドライバーや周辺の危険に繋がります。
また安全に運転できたとしても車検に不合格になったり、道路交通法違反となるリスクもあります。
そうならないためにも業者に依頼するかDIYで光軸調整をする必要がありますが、いずれにしてもカットラインが曖昧なフォグランプバルブでは、正確な光軸調整は難しくなります。
そんなときカットラインがキレイなHID屋のフォグランプバルブなら、より正確な光軸調整が行えるため、おすすめです。