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HIDフォグランプとは?特徴や交換方法、車検に通る条件を解説

フォグランプ

「HIDフォグランプってなに?」
「HIDフォグランプの交換方法は?」
「HIDフォグランプは車検に通るの?」

と疑問に思う方は多いでしょう。HIDフォグランプはハロゲンバルブに比べて明るさが約3倍ながら、半分の消費電力で点灯できる高コスパなランプです。

またHIDフォグランプを車検に通すためには、保安基準に満たしていることが条件です。

本記事では、HIDフォグランプの概要や交換方法、車検に通る条件を解説していきます。HIDフォグランプを車検に通す際の注意点もあわせて紹介してますので、参考にしてください。

目次

HIDフォグランプとは?

HIDフォグランプ

HID(エイチアイディー)フォグランプとは、HID(金属原子蒸気中のアーク放電による光源)を使用したフォグランプのことです。アーク放電とは、気体の放電現象の一種で空気中に発生する電力です。※光源とは、光を発するものを指します。

HIDとは、以下3つの総称です。

  • メタルハライドランプ
  • 高圧ナトリウムランプ
  • 高圧水銀ランプ

HIDランプは、高輝度(こうきど)放電菅式とも呼ばれています。

車業界のHIDの別名は、以下の通りです。

  • ディスチャージランプ
  • キセノンランプ
  • バイキセノン

またHIDフォグランプを発光させる仕組みは、車体バッテリーから流れてくる12V(または24V)の直流電流(DC)をHIDキットのバラスト(電流を抑制する安定器)で交流電流(AC)に変換し、イグナイターといわれる点火装置で電圧を上昇させます。

上昇させた数万Vの電力をガラス管の球体内部で放電させ、化学反応させたものがHIDの光源です。

例えば、HIDランプと同じ仕組みの照明は以下の場所に使われています。

  • 蛍光灯
  • 体育館の照明
  • 商業施設の照明
  • 競技場の照明
  • ゴルフ場の照明

車に使用されるライトの比較

HIDフォグランプと似ているライト

次に、車のヘッドライトに使用されるライトを比較して解説します。

HID

HIDは太陽光に近い純白色で明るく照らせるため、路面状況を自然な光で見やすくしたい方におすすめです。

HIDはLEDに比べて寿命が短い点がデメリットですが、HIDのフォグランプを点灯すると、LEDよりも明るい光で雪や豪雨などの視界が不安定な中でも道路を正確に確認できます。

なんと明るさはハロゲンバルブの約3倍ながら、半分の消費電力で点灯できる高コスパです。もちろん保安基準も適合しているため、車検に通らない心配もありません。

LED

LEDは発光ダイオードのことを指します。従来のハロゲンランプに比べて明るいのが特徴です。HIDランプより長寿命で消費電力が低いため、ハイブリット車に多く導入されています。

また基本的な明るさはHIDランプより劣るため、雪がよく降る地域ではヘッドライトに積もった雪が溶けづらいデメリットがあるでしょう。

ハロゲン

白熱電球と同じ仕組みで、電球内のフィラメントに通電して発光させるタイプです。フィラメントとは電球内部にあり、電流を流して熱電子を放出する細い線のことです。

フィラメントは使用すると劣化していくため、HIDに比べて短い寿命で点灯時に高温になりやすい特徴があります。

HIDフォグランプの特徴

HIDフォグランプの特徴

HIDフォグランプの特徴を2つ紹介します。

HIDフォグランプは霧や雨などの悪天候時に、道路を圧倒的に明るく照らして視界を安全に確保できるライトです。

明るく照らして視界を安全に確保できる

豪雨や霧が濃くて視界が見えづらくなっているときに、ヘッドライトの光では数十メートル先の視界がわからない場合があります。

また霧で視界が悪くなっている際に「ハイビーム」を使用するのが正しいと思っている方もいますが、これは間違いです。ハイビームを点灯させて走行した場合、霧の水分によって光が乱反射して事故につながる危険性があるためです。

そこでHIDのフォグランプを点灯させると、光の乱反射を防ぎ数十メートル先までの視界をハッキリと照らせて安全性を高められます。

消費電力が少ないかつ長く使用できる

HIDフォグランプは、1灯あたりの光束が大きく白熱電球に比べて高効率・長寿命を実現しています。ハロゲンに比べて約3倍も明るいHIDランプは寿命が短いと思われますが、実は約5倍も寿命が長いといわれています。

そんなHIDの一般的な寿命は、約2,000時間です。1日30分使用しても6年ほど利用できる計算です。

ハロゲンにあるフィラメント(電流を流して熱電子を放出する細い線)はHIDランプにありません。ハロゲンはバルブ内のフィラメントが切れると不灯火となります。

一方でHIDはキセノンガスなどを入れたガラス管内の電極に高電圧をかけて放電させることで、ガス自体を発光させる仕組みとなっています。

そのため、HIDランプは高寿命といわれ一般的に約2,000時間と長く使用可能です。

HIDフォグランプの弱点

先ほど紹介したように、HIDバルブは明るいため悪天候時にとても役立ちますが、対向車にまぶしさを与えてしまう可能性があり、まぶし過ぎると車検に通らない場合もあります。

フォグランプの明るさは過去に車検基準として定められていましたが、現在は数値的な上限はありません。

国の保安基準では「他の交通の妨げにならないこと」がフォグランプに求められているため、まぶしすぎると車検に通らない可能性があるのです。

このように、HIDフォグランプはハロゲンやLEDに比べて明るい特徴がありますが、検査官にまぶしいと判断されると車検に落ちるケースがあることを覚えておきましょう。

HIDフォグランプに交換する方法

HIDバルブを交換する方法は、基本的に3つのステップで完了です。

  1. カバーを半時計回り(左回り)に回して外す
  2. コネクタ(カプラー)を半時計方向に回してコネクタを外す
    (カプラーとは、異なる回路や物体などを連結するための装置のこと)
  3. ロックピンを外してバルブを取り出す(ガラス部分を周囲にぶつけないように注意する)

ハロゲンバルブからHIDバルブにする際は、上記3つのライト球を交換するステップに加えてバラスト(四角い箱)の取り付けが必須です。長い配線とバラストを固定する位置に、収納スペースを確保する必要があります。

またスムーズに取り付けできるようにバラストの固定場所にあわせて、ステー(補強部材)を曲げるなど準備も行いましょう。

HIDバルブの取り付けと(必要な場合はバラストの取り付け)が完了したら、行った手順を逆にして再び装着すると完了します。

HIDバルブを交換する際の注意点として、HIDバルブはハロゲンバルブに比べて明るい光を放つ分、高音になりやすく消灯直後は高圧電流の熱が残っている可能性があります。

エンジン停止後はしばらく時間を置いて、バッテリーのマイナス端子を外した状態(電気が流れなくなる状態)で行いましょう。またHIDバルブのガラス内部は圧力がかかっているため、割れると周りにひどく散乱して怪我をするおそれがある点も注意です。

HIDフォグランプを車検に通すための条件

車検に通すための注意点

HIDフォグランプを車検に通すためには、保安基準に満たしていることが条件です。車検でチェックされるフォグランプの条件は、以下の5つです。

フロント白か淡黄色のみバック赤色のみ
明るさ明るすぎない
個数同時点灯は2つまで
取り付け位置上は0.8m以下・下は0.25m以下
光軸光軸が下方向でカットラインも整っている

フロントフォグランプの色は、白か淡黄色の2つのみです。イエローのフロントフォグランプは車検に通るのか心配される方も多いですが、黄色であれば車検に問題ありません。

参考:国土交通省

またフォグランプには、車の後ろに取り付けるバックフォグランプもあります。バックフォグランプの色は、赤色のみと保安基準によって定められています。

参考:国土交通省

「フロントフォグランプ」と「バックフォグランプ」の色が混同すると車検に通らないかつ違反になるため、「前」と「後ろ」に取り付ける色の違いを必ず覚えておきましょう。

ただし、色だけでなく色温度(光の色を表す尺度のこと)を示すケルビン数も必ず確認しましょう。例えばHIDランプの場合、ケルビン数が低いと赤く発光しているように見えます。

そのため、フロントフォグランプを黄色で購入していても車検に通らない場合があります。購入する際は色とケルビン数の両方を確かめることが重要です。

HIDフォグランプを車検に通す際の注意点

フォグランプを適切に使えていないと車検に通りません。ここでは、HIDフォグランプを車検に通す際の注意点を3つ解説します。

それぞれ見ていきましょう。

ヒューズが切れていないか確認する

ヒューズとは、電気回路に家電流が流れたときにヒューズが切れることで回路を遮断して通電を阻止して発火を防ぐ部品です。

フォグランプのヒューズが切れている場合、フォグランプが正常に機能していないと見なされて車検に通りません。

ヒューズが切れる原因として、配線のショートが考えられます。配線は通常動線が皮膜で覆われており、他の動線と接触してもショートしないようにできています。

ただし、配線を束ねすぎたりきつく締めすぎたりすると皮膜にダメージが加わり損傷してしまうケースがあります。

車検に通すためにもフォグランプのヒューズが切れていないか、車のメンテナンスを定期的に行いましょう。

白色または淡黄色で発色している

フォグランプの色は、保安基準によって白色または淡黄色のみと定められています。ただし、白色と黄色を使用していた場合でも左右で別々の色を使用した場合は車検に通りません。左右の色は必ず一色に統一する必要があります。

参考:国土交通省

また白色と黄色の1色を使用した場合でも、3つ以上を同時点灯した場合は車検に通りません。仮に4つのフォグライトを装着している場合にすべて点灯はNGですが、2つのみの点灯に切り替えできる場合はOKです。

フォグランプを白か黄色の1色で同時点灯は2つまでと正しく使用すると、事故の危険性を最小限に抑えられます。自分の愛車を守るなら、フォグランプを検討しましょう。

取り付け位置を低くする

取り付け位置が高すぎたり、光軸(垂直な直線)が上に向いてたりすると対向車や周りの車に「まぶしい」と迷惑がかかります。

そのため、フォグランプの取り付け位置を低くする、または光軸を正しく下方向に調整することが重要です。

先ほど紹介したようにフォグランプは保安基準によって取り付け位置が明確に定められていますので、基準より高くならないように取り付けましょう。

まとめ

HIDフォグランプは、明るさはハロゲンバルブの約3倍ながら、半分の消費電力で点灯できる高コスパのランプです。

またHIDフォグランプを車検に通すためには、保安基準に満たしていることが条件です。車検では「他の交通の妨げにならないこと」がフォグランプに求められているため、まぶしすぎないかの確認も大切です。

なおフォグランプが劣化して前方が暗く視界が確保できなくなってきた場合は、道路をハッキリと確認できるHIDフォグランプにされると、運転の際の安全性を高められます。大切な方を乗せたドライブも安心でしょう。

HID屋なら交換作業が簡単で車検対応のHIDフォグランプを取り揃えていますので、ぜひご覧ください。

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この記事はHID屋が監修しています

HID・LED専門店を運営。累計1,000社以上と取引しており、楽天月間優良ショップ14回受賞、お客様満足度97.4%。本メディアでは、HID・LEDを長年販売してきた経験から、車のヘッドライト・フォグランプ等の関するお役立ち情報を発信していきます。

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