車のヘッドライトが故障したため、修理代がいくらかかるのか調べている方もいるでしょう。修理代はヘッドライトの故障パターンによるため、まずは愛車がどの状態なのか把握しておく必要があります。
この記事では、故障パターンごとの車のヘッドライトの修理代について紹介します。安い業者や自分で修理する方法も紹介するので、ヘッドライトの修理代を抑えたい方は特に参考にしてください。
車のヘッドライトの修理代
車のヘッドライトの故障にはさまざまなパターンがあるため、一概にいくらとは断定できません。まずは、パターンごとのヘッドライトの修理代の目安を紹介します。
バルブ切れ
ヘッドライトのバルブ(電球)が切れた場合、新品に交換すればライトは点灯します。
ただし、バルブには種類があり、タイプによって修理代が異なります。それぞれの修理代の目安は、以下のとおりです。
バルブの種類 | 修理代(バルブ代+工賃) | 特徴 |
ハロゲン | 1,000円〜5,000円程度 | 淡い暖色系で発光し、寿命が短い(約500〜1,000時間) |
HID | 1万〜2万円程度 | ハロゲンランプより前方を明るく照らすうえに、寿命も長い(約2,000時間) |
LED | 1万〜2万円程度 | 商品によってはHIDよりも明るく、寿命が長いため1度取り付けたら交換が不要なケースもある(約1万時間) |
ハロゲンはバルブ本体が安いほか、交換作業が比較的簡単なため、修理代を抑えられます。
一方、HIDやLEDはハロゲンより明るくて寿命が長いものの、値段が高く交換作業の工数が多いため、修理代が高い傾向があることに留意してください。
ヘッドライトカバーの破損
車のヘッドライトが割れた場合は、正しく光を照射できないため、カバーを新品に交換する必要があります。たとえば、車の前方をぶつけたり、飛び石がヘッドライトに当たった際などです。
カバー自体の値段は数千円程度ではあるものの、作業工程が複雑なため3〜4万円程度の工賃がかかります。
ただし、車種によってはカバーだけを購入できないケースもあります。カバーだけを購入できない場合は、ヘッドライトユニットごと交換しなければなりません。
ヘッドライトユニットとは、ヘッドライトそのもののことで、カバーやハウジングなどが一体となっています。ヘッドライトユニット交換は、10万円程度することに留意してください。
なお、ヘッドライトカバーに細かい傷がついている場合は、表面を磨くと修理できます。
ホームセンターやカー用品店で、1,000円程度で販売されている「コンパウンド」や「サンドペーパー」で磨けるため、参考にしてください。
配線修理
内部の配線や装置に原因がある場合は、ヘッドライトまで電気が流れないため、その箇所を修理しなければなりません。
たとえば、劣化により配線が切れていたり接触不良を起こしていたりする場合です。配線修理はバンパーの脱着や故障箇所を特定する必要があるため、修理代は1万〜2円程度です。
なお、電気をヘッドライトまで送る「リレー」や各パーツを守るために電流を遮断する「ヒューズ」など、さまざまな箇所に不灯の原因があります。
ヘッドライトの故障
内部のコンピューターに異常があるときや「LEDヘッドライト」を純正装備している場合は、ヘッドライトユニットの交換が必要です。
LEDヘッドライトとは、ヘッドライト自体にLEDバルブが埋め込まれているタイプのことです。電球のみの交換ができないため、ヘッドライトユニットごと交換する必要があります。
ヘッドライトユニット交換は、2万〜3万円程度です。
ただし、高性能なヘッドライトを装備している場合は、10万円程度かかるケースがあります。たとえば、ハイビームとロービームを自動で切り替える「オートハイビーム」機能があるヘッドライトを装備している場合です。
外車や高級車の場合は、20万円程度かかるケースがあることにも留意してください。
車のヘッドライトの修理時間
バルブ交換の場合は、片側10分程度で修理が完了します。ただし、ヘッドライトカバーやヘッドライトユニットを交換する場合、部品発注が必要なため修理に数日を要する場合があります。
ヘッドライトの状況によっては、すぐ修理できないことに留意してください。
車のヘッドライトの修理はどこが安い?
車のヘッドライトの修理は、以下の業者が安いといえます。
- 整備工場
- カー用品店(オートバックスやイエローハットなど)
- ガソリンスタンド
ディーラーは純正品を使って修理するほか、他の業者より工賃が高く設定されています。
しかし、ディーラーではメーカー車に精通しているため、スムーズに修理してもらえます。純正品は社外品より値段は高いものの、質が高いうえに保証が付帯されていることがほとんどです。
スムーズな対応かつ、安心して修理を依頼したい方はディーラーがおすすめです。それぞれの特徴を把握し、あなたに合った業者にヘッドライトの修理を依頼しましょう。
自分でヘッドライトを修理する方法
ヘッドライトは自分でも修理が可能なため、工賃を抑えることができます。自分でヘッドライトを修理する方法は、以下の記事からチェックできるため、参考にしてみてください。
【バルブ交換】
【ヘッドライトカバー交換】
【ヘッドライトユニット交換】
ヘッドライトユニットやカバー交換は、バンバーを脱着する必要があり、初心者には大掛かりな作業といえます。そのため、ヘッドライトユニットやカバー交換は業者に依頼するとよいでしょう。
また、車種によっては「エーミング」が必要なケースもあります。エーミングとは、先進安全装置の校正や調整をする作業のことで、バンバーを脱着した際に行わなければなりません。
つまり、衝突軽減ブレーキや車線逸脱警報装置などを装備している車は、エーミングが必要です。バンパー脱着時にセンサーがズレると、先進安全装置が正常に作動しない可能性があるため、必ずエーミングをしてもらいましょう。
なお、エーミングは専門知識やツールが必要なため、自分で行うことはおすすめできません。
車のヘッドライトを修理しないまま放置するとどうなる?
車のヘッドライトを修理しないまま公道を走行すると、整備不良に該当します。整備不良で検挙された場合、以下の反則金や違反点数が加算されるため、注意が必要です。
- 反則金:7,000円 ※普通車
- 違反点数:1点
参考:警視庁公式Webサイト「反則行為の種別及び反則金一覧表」/「交通違反の点数一覧表」
また、ヘッドライトは視界が悪いときに前方を照らすほか、周囲に自分の存在を知らせる役割があります。ヘッドライトが正常に点灯していない状態での運転は危険なため、必ず修理してから公道を走行しましょう。
まとめ
車のヘッドライトの修理代は、故障パターンによって異なります。
バルブ切れによる不灯でも数万円かかるケースがあるため、ヘッドライトの修理代を抑えたい場合は、以下に依頼するとよいでしょう。
- 整備工場
- カー用品店
- ガソリンスタンド
また、ヘッドライトの修理は自分でできる場合があるため、業者に支払う工賃を抑えられます。
ただし、ヘッドライトユニットやカバーの交換は、大掛かりな作業のため業者に依頼することをおすすめします。まずは愛車の故障パターンを把握して、自分で修理できるかどうか確かめてみてください。
なお、LEDバルブは寿命が長いため、1度取り付けたら交換が不要な場合があります。今後のバルブ交換代を抑えるためにも、LEDバルブに交換しておくとよいでしょう。