自動車と比べてバイクはカスタム性が高く、そんな中で「愛車のウインカーをLEDに交換したい」「でもメリットや交換手順が分からない」と思う方がいらっしゃるのではないでしょうか。
そんな方に向けて、バイクのウインカーをLEDに交換するメリットや注意点、交換手順を解説します。
この記事を通して、あなたの愛車をより理想の姿に近づけてくださいね。
LEDウインカーに交換するメリット
バイクのウインカーをLEDに交換するメリットは以下の4点が挙げられます。
- 明るい光で安全性が向上する
- メリハリのある点滅で安全性とかっこよさが得られる
- バルブが長寿命になりコストを抑えながら安心感が得られる
- カスタム性が高く愛車を個性的にできる
ここからは、これらのメリットについて詳しく解説していきます。
明るい光で安全性が向上する
LEDウインカーに交換することで、白熱球のウインカーと比較して光が明るくなり、安全性が向上します。
周囲に光を拡散して放つ白熱球に対して、LEDは一定の方向に光を集中して放つため、同じ光量でもLEDの方が明るく感じられます。
これによりLEDウインカーの光は夜間だけでなく、昼間の明るい時間帯でも視認することが可能です。
例えば白熱球だと、強い光が当たると点灯しているか分かりにくい場合がありますが、LEDウインカーはウインカーの光がはっきりと見えます。
この特性により昼夜を問わず、他のドライバーや歩行者に対して自車の存在をしっかりと知らせることができ、安全性が向上します。
メリハリのある点滅で安全性とかっこよさが得られる
LEDウインカーの装着によってメリハリのある点滅が生まれ、安全性とかっこよさが得られることもメリットの1つです。
LEDは白熱球に比べて光量が100%になるまでの時間が非常に短いという特性を持っています。
この特性がウインカーの点滅にメリハリをもたせ、他のドライバーや歩行者に対してはっきりと信号を送ることができ、ライダーの安全性が向上します。
またメリハリのある点滅は非視認性の向上だけに留まりません。
最近のバイクはヘッドライトやテールランプなど、様々なランプでLEDを採用しています。
しかしウインカーだけが白熱球だと黄色っぽくぼやけた光になり、全体の見た目が古くさい印象を与えかねません。
これに対してLEDウインカーに交換することで統一感が生まれ、またシャープで切れのある点滅がバイク全体の見た目をかっこよくしてくれます。
以上のようにLEDウインカーを装着することで点滅にメリハリが生まれ、安全性とスタイリッシュさの両方を手に入れることができます。
バルブが長寿命になりコストを抑えながら安心感が得られる
LEDウインカーを装着することで、バルブ(光源)のコストを抑えながら運転時の安心感が得られます。
数千時間の寿命しか持たない白熱球に対し、LEDは数万時間と寿命が長いため、部品を買い替えるコストが下がります。
またLEDはフィラメントを使用していないため、振動や衝撃に強く故障しにくい特徴があります。買い替えの頻度が少なくなるため、コスト減に貢献します。
長寿命で故障しにくいということはランニングコストの削減だけでなく、突然のヘッドライト切れなどトラブル防止にもつながり、夜間でも安心して運転できるようになります。
以上のことからLEDウインカーの装着によって、部品を買い替えるコストを下げつつ、長期間にわたって安心感を得られるようになります。
カスタム性が高く愛車を個性的にできる
白熱球と比べサイズが小さいLEDウインカーは、好きな箇所に設置できるためカスタム性が高く、愛車を個性的にできます。
バイクのウインカーは、下記の画像のようにカウルやハンドルなど様々な場所に取り付けが可能です。
このことに加えて白熱球より明るいLEDをウインカーに用いる場合、バルブを小型化できるため、ボディの中に埋め込むなどカスタム性が高まります。
以上のことからLEDウインカーはそのカスタム性の高さによって、愛車をより個性的で自分好みのスタイルに近づけてくれます。
LEDウインカーに交換する際の注意点
LEDウインカーに交換する際、バルブのみの交換やキットの取り付けなど方法に関わらず、以下の3点に注意しましょう。
- ハイフラ対策を行うこと
- ハザード状態にならないこと
- 保安基準を守ること
ここからは、これらの注意点について詳しく解説していきます。
ハイフラ対策を行うこと
LEDウインカーを装着することでハイフラ(ハイフラッシャー)が起きる場合があり、対策が必要です。
ハイフラはウインカーバルブが切れたことをドライバーに知らせるための機能で、バルブが切れて消費電力が下がった場合に、ウインカーの点滅速度が通常より速くなるものです。
しかしLEDウインカーを装着した場合、LEDは白熱球と比べて消費電力が低いことから車両側が球切れと誤認識し、ハイフラ現象を引き起こす可能性があります。
ハイフラになるとウインカーの点滅速度が毎分60~120回という国の保安基準を超えてしまい、車検の不合格に繋がる恐れがあります。
また「車検まで期間があるから」と放置して運転していると、整備不良として摘発されかねません。
そのためハイフラが起きた場合は、必ず対策を行いましょう。
LEDウインカーのハイフラ対策をバイクに行う場合、「ICリレー」を取り付けることが一般的です。
ICリレーを取り付けることで消費電力に関係なく、点滅回数を一定の間隔で保つことができます。
以上のようにLEDウインカーを装着する際にはハイフラに注意して、発生した場合はICリレーを取り付けるなど対策を行うようにしましょう。
ハザード状態にならないこと
バイクのウインカーをLED化する際、ハザード状態(ウインカーの左右同時点滅)に注意しましょう。
これはインジケーターランプが1つ(左右共用)のバイクで起こりやすい現象です。
例えば右ウインカーを点灯させようとしたとき、インジケーターランプが1つの場合だと、右ウインカー⇒インジケーター⇒左ウインカーと左右両方に通電します。
このときインジケーター経由で通電される左のウインカーは電圧が下がって点灯しない仕組みになっています。
しかしLEDは消費電力が少ないことから、白熱球が点灯しないレベルの電圧でも点灯してしまうのです。
その結果、左右のウインカーが同時に点灯するハザード状態になってしまいます。
この現象を避けるためには、「整流ダイオード」が組み込まれたハーネスを電気回路に追加することが有効です。
整流ダイオードは電気を一方向にしか流さない性質があるため、片側のウインカーの電力がインジケーターを介して反対側に流れることを防ぎます。
これにより、片方のウインカーだけを点灯・点滅させることができます。
以上のことからLEDウインカーに交換する際はハザード状態に注意し、問題が発生したら整流ダイオードを追加して電流の逆流を防ぐようにしましょう。
保安基準を守ること
LEDウインカーは好きな箇所に設置できるなどカスタマイズ性が高いパーツですが、保安基準は必ず守りましょう。
ウインカーは安全に関わる重要な部品であることから、その取り付けや性能に関する保安基準が国によって厳しく定められています。
これを守らないと車検に通らないだけでなく、ライダー自身や他者の安全性を損なう恐れがあります。
ウインカーの具体的な保安基準は以下のとおりです。
- ●ウインカーの色は橙色(オレンジ)
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カバーがオレンジ色であるか、クリアカバーやスモークカバーを使用する場合は電球がオレンジ色でなければいけません。
- ●明るさは10W以上60W以下
- ●レンズ(照明部)がの面積は7cm²以上
- ●以下の位置に取り付けていること
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フロントウインカーの最内縁は240mm以上離れていること。
リアウインカーの発光面の中心が150mm以上離れていること。
バイクの中心面に対して左右対称に取り付けること。
地上2.3m以下の位置であること。
- ●内側方向20°、外側方向80°の範囲のどこからでも視認できること
- ●毎分60~120回の一定周期で点滅すること
車検の不合格や摘発されないためだけでなく、ライダー自身や他者の安全性を守るためにも、LEDウインカーを取り付ける際には上記の保安基準を必ず守るようにしましょう。
LEDウインカーへの交換手順を説明
ここからはLEDウインカーへの交換手順について、ハイフラ対策用のICリレーとハザード対策用の整流ダイオードを追加する方法も踏まえて解説していきます。
・ご紹介する内容はバルブをLEDに交換する一般的な方法です。車種や使用するパーツによって手順が異なる場合があります。
・取り付けは自己責任で行ってください。不安な方は、専門業者等に依頼することをおすすめします。
具体的な方法は以下のとおりです。
ウインカーのレンズ(カバー)を取り外し、白熱球のLEDバルブを交換します。
一度点灯を確認してハイフラが発生する場合、純正のウインカーリレーをICリレーに交換します。
リレーの位置(燃料タンクの下が多い)を確認し、純正リレーのコネクターを外してICリレーに挿し直します。
再度ウインカーの点灯確認を行います。ハザード状態になった場合は、整流ダイオードが組み込まれたハーネスを取り付けます。
メーターパネルを分解して配線を露出させ、ハーネスをインジケーターランプの配線に割り込ませます。
最後に配線が正しく接続されていることを確認するため、改めてウインカーを点灯します。
ハイフラやハザード状態になっていなければ、メーターパネルなど取り外した部品を下に戻して作業は完了です。
抵抗内蔵型バルブならポン付けでハイフラ対策は不要
ハイフラ対策としてICリレーの追加をご紹介しましたが、抵抗内蔵型バルブを使えばポン付けするだけでハイフラ対策は不要です。
抵抗は省エネ性能が高いLEDバルブへの交換によって余った電力を消費することができるため、ハイフラを防止することができます。
そして抵抗は本来であればICリレーと同様に配線に追加するものですが、抵抗内蔵型であればバルブと抵抗が一体になっているため、面倒な配線作業を行うことはありません。
車種によってバルブ形状が合わない場合がありますが、抵抗内蔵型バルブを取り付けることはハイフラ対策として有効な選択肢と言えます。
そんな抵抗内蔵型バルブはHID屋の製品がおすすめです。
HID屋はLEDバルブのブランドで豊富なラインナップを取り揃えていることから、愛車に適合するか一度確認されてみてはいかがでしょうか。
まとめ
ここまでバイクのウインカーをLEDに交換したときのメリットや注意点、交換手順などをご紹介してきました。
バイクのLED交換はハイフラやハザード状態などの対策に手間がかかります。
しかし手がかかるほど愛着が増していくのがバイクの魅力であり、交換が完了した際は安全にツーリングを楽しませてくれる良き相棒となってくれるでしょう。