「バイクのヘッドライトの車検基準を知りたい」
そう思っている方も多いのではないでしょうか。
排気量250cc以上のバイクには車検が必要となり、保安基準を下回ると車検不合格となってしまいます。
この記事では、バイクのヘッドライトの車検基準について、詳しく解説します。
ヘッドライト以外の検査項目についてもお伝えするので、ぜひ参考にしてください。
バイクのヘッドライトの車検基準
バイクの車検におけるヘッドライト検査は、国土交通省が定める保安基準に適合しているかのチェックを行います。
下記項目の保安基準を満たすことが、車検に合格するための必須条件です。
- 明るさ
- 発光色
- 個数
- 取り付け位置
- 光軸
ひとつずつチェックポイントを確認していきましょう。
明るさ
バイクのヘッドライトの明るさの基準値は、15,000カンデラ以上と定められています。
ヘッドライトカバーの汚れや、配線の劣化による電力不足、バッテリーの劣化などが原因で光量が不足し、車検に通らないことがあるので、注意が必要です。
たとえば、ヘッドライトカバーが曇っている場合、バルブの光が遮られてしまい、十分な明るさを確保できません。
また、配線が古くなると電気抵抗が増し、バルブに供給される電力が低下します。
加えて、バッテリーが弱っていると、エンジン回転数が低くなり、ヘッドライトが暗くなることもあるでしょう。
車検基準の明るさを維持するためには、周辺部品のメンテナンスも確実に行い、万全の状態で臨むことが重要です。
発光色
車検ではヘッドライトの明るさだけでなく、発光色も重要な検査項目となっています。
ヘッドライトの色味はケルビン(K)という数値で表されます。
車検基準を満たす一般的な色は、「6000K前後の白色」や「3000K前後の淡黄色」です。

8000Kを超える青みがかった白色のヘッドライトは、車検の基準を満たさず不合格となる可能性があるため、注意しましょう。
なお、バイクのヘッドライトについては、下記のようにバイクの製造年月日で車検合格とされる色が異なります。
製造年月日 | 保安基準の発光色 |
---|---|
平成17年12月31日以前に製造 | 白色または淡黄色 |
平成18年1月1日以降に製造 | 白色 |
バイクのヘッドライトを社外品に交換する際は、ケルビン数に注意し、車検基準に適合した色を選ぶ必要があります。
不適切な色を選ぶと車検に通らないだけでなく、夜間の視認性にも影響を与える可能性があります。
安全な走行とスムーズな車検通過のために、ヘッドライトの色選びは慎重に行いましょう。
個数
通常の市販バイクであれば、ヘッドライトの個数が車検不合格の原因となる心配はありません。
バイクのヘッドライトの個数に関する保安基準は、下記の通りです。
- ハイビーム 2個以下
- ロービーム 2個以下
- ヘッドライト 全体で4個以下
現在、一般的に販売されているバイクは、これらの保安基準を遵守した設計となっています。
特別な改造を加えていない限り、ヘッドライトの数が基準を超えることはありません。
市販のバイクをそのまま使用しているのであれば、ヘッドライトの個数について過度に心配する必要はないでしょう。
カスタムを行う場合は、保安基準の範囲内であることを確認することが重要です。
取り付け位置
バイクのヘッドライトの取り付け位置は、国土交通省の保安基準によって細かく規定されており、車検前の確認が重要です。
ヘッドライトの取り付け位置は、走行用(ハイビーム)とすれ違い用(ロービーム)、それぞれに地上からの高さの上限と下限が定められています。
具体的な基準は下記の通りです。
走行用前照灯(ハイビーム)
- 上縁の高さ:地上から1.3メートル以下
- 下縁の高さ:地上から0.5メートル以上
すれ違い用前照灯(ロービーム)
- 上縁の高さ:地上から1.2メートル以下
- 下縁の高さ:地上から0.5メートル以上
また、ヘッドライトは、車検証記載の全高より低い位置で、運転の支障にならない場所に設置する必要があります。
設置位置は、バイク正面に左右対称であれば問題ありません。
バイクの車検前には、保安基準をしっかり確認し、基準に適合しない場合は、調整が必要です。
光軸
バイクのヘッドライトの光軸は、安全確保のために厳格な保安基準があり、車検前の確認と調整が重要です。
軸とはヘッドライトが照らす方向のことで、周囲の交通や歩行者を眩惑させないよう基準が定められています。
車検では、ヘッドライトテスターを用いて検査を行います。
1メートルと10メートル離れた地点での光の最高光度点のずれ幅が、下記の範囲内に収まっていれば合格です。
- 左右のずれ : 270mm以内
- 上部のずれ : 100mm以内
- 下部のずれ : 地上からライトの距離までの5分の1以内
たとえば、地上からヘッドライトまでの距離が1000mmの場合、下方向への光軸のずれは、200mm以内に収める必要があります。
バイクの車検をスムーズに通過し、安全な走行を確保するためにも、ヘッドライトの光軸は定期的に確認しましょう。
必要に応じて、専門業者に調整を依頼することも視野にいれてください。
ヘッドライトの光軸調整方法
バイクのヘッドライトの光軸調整方法について解説します。
- 自分で調整する
- バイクショップで調整する
- テスター屋で調整する
自分で調整する
バイクのヘッドライトの光軸は、手順を踏めば自分で調整することができます。
光軸のずれは、車検不合格の要因となるため、基準値内に調整しましょう。
自分で光軸調整を行う手順は、下記の通りです。
- 壁から1m離れた平坦な場所にバイクを停車させる
- ヘッドライトを点灯し、壁に照射された光の一番明るい部分に印をつける
- 同じ壁から10m離れた平坦な場所にバイクを移動させ、停車させる
- 再度ヘッドライトを点灯し、壁に照射された光の一番明るい部分に印をつける
- 2つの印の間のずれ幅を計測する
計測したずれが保安基準の範囲を超えている場合は、ヘッドライトバルブの軸を調整し、光の一番明るい部分が保安基準内に収まるようにします。
自分で光軸調整を試みる際は、適切な場所と手順で行いましょう。
もし難しいと感じた場合は、無理せずに専門業者に依頼するようにしてください。
バイクショップで調整する
バイクのヘッドライトの光軸調整は、広いスペースと専門知識が必要になります。
そのため、バイクショップに依頼するのが、手軽で確実な方法の一つです。
光軸の正確な調整には、一定の距離を確保できるスペースと、専用の測定機器(テスター)が必要です。
多くのバイクショップはこれらの設備を備えており、専門の技術者が調整を行ってくれます。
「光軸調整に不安がある」「適切なスペースがない」という場合は、バイクショップへの依頼を検討すると良いでしょう。
専門的な技術と設備により、安全かつ確実な調整が期待できます。
テスター屋で調整する
バイクのヘッドライトの光軸調整は、予備検査場であるテスター屋でも可能です。
テスター屋では、陸運局と同じ検査機器を用いて、バイクの状態を詳細に確認します。
不適合箇所が見つかっても、その場で修理や調整が可能です。
テスター屋には、サイドスリップ、スピードメーター、光軸など、車検に必要な検査コースが全て用意されています。
特にヘッドライトの光軸に不安がある場合は、光軸検査のみを受けることも可能です。
テスター屋での事前確認で、安心して車検当日を迎えることができるでしょう。
車検に出す際のヘッドライトの注意点
ヘッドライトが大きく破損している場合、車検に通らないため注意をしましょう。
光が漏れ出すほどの欠陥は、光量不足となり、車検の保安基準を満たさないためです。
また、ヘッドライトの破損具合によっては、光量不足で夜間の視界が悪化し、安全な走行を妨げる恐れがあります。
具体的には、下記のような状態の場合、交換が必須です。
- バイクの転倒により、ヘッドライトカバーが大きく割れて光が漏れている
- 飛び石が直撃してレンズに大きな穴が開いている
軽微な擦り傷程度であれば問題ありませんが、カバーの一部がなくなってしまうほどの破損は注意が必要です。
車検に合格するため、そして安全に走行するためにも、放置せずに速やかに交換するようにしましょう。
バイクのヘッドライトはHID屋がおすすめ
バイクのヘッドライトは、純正のハロゲンからLEDやHIDに交換しても、車検に合格できます。
LEDやHIDの場合でも、車検の検査項目は変わらず、明るさや光軸などが保安基準の範囲内であれば問題ありません。
最近は、カスタムとしてLEDヘッドライトを選ぶ方も多いです。
もしLEDヘッドライトへの交換を検討されているのであれば、HID屋のMシリーズがおすすめです。

規格 | H4・H7 |
---|---|
ケルビン数 | 6500K |
明るさ | 49600cd |
冷却方式 | 冷却ファン |
防水防塵 | IP68 |
Mシリーズは、圧倒的な光量による明るさと高い耐久性を両立しています。
特注のLEDチップにより、購入当初の明るさが長く持続する設計です。
照射される光のカットラインが非常にクリアなため、車検基準をしっかりと満たします。
加えて、LEDチップの基盤に熱伝導率の高い銅を、バルブ本体に放熱性に優れたアルミボディを使用しているため、高い冷却性が特徴です。
ヘッドライト以外の検査項目
バイクの車検では、ヘッドライト以外にも複数の重要な検査項目があります。
特にカスタムをしていない場合でも、バイク特有の注意点を確認するようにしましょう。
具体的な検査項目は下記の通りです。
- 車検記載内容との相違
- 灯火類
- 排気ガスと騒音
- スピードメーター
- ブレーキ
また、下記のような状態も、車検に通らない場合があります。
- タイヤにスリップサインが出ている
- オイル漏れしている
- 2名乗車定員のバイクで、ステップやタンデムグリップがついていない
バイクの車検を受ける際には、ヘッドライトだけでなく、上記の各項目についても事前にしっかりと確認しましょう。
まとめ
バイクの車検におけるヘッドライト検査は、国土交通省の保安基準への適合が必須です。
特に、光軸のずれやヘッドライトカバーの破損は、不合格の要因となりやすいため注意しましょう。
光軸調整は自身で行うことも可能ですが、不安な場合はバイクショップやテスター屋への依頼を推奨します。
事前にしっかりと対策をし、万全の準備で車検に臨みましょう。
車検は、純正品のヘッドライトでなくとも、基準に満たしていれば問題ありません。
「バイクのヘッドライトを交換したい」と思った方は、HID屋のMシリーズがおすすめです。
車検前の準備として、併せて参考にしてください。