車を保有すると定期的に車検を受ける必要がありますよね。
車検では様々な検査項目がありますが、ヘッドライトもその項目の1つです。
ヘッドライトの検査では主に明るさをチェックされますが、他にも色々と検査されます。
検査に合格しないと、その車を公道で走らせる事は出来ないので、車検ではどんな項目が検査されるのかしっかりと把握してヘッドライトの保安基準に対応して安心安全のカーライフを楽しみましょう。
LEDヘッドライトの車検検査項目は3つ
車検でヘッドライトを検査するときは、3つの項目がチェックされます。
以下が検査項目です。
- 光量・色
- 光軸等の照射範囲・カットライン
- ヘッドライトの状態・点灯状態
光量・色
車検でヘッドライトを検査するとき、検査項目となっているのが光量や色です。
光量も色も保安基準があるので、基準を満たすようにしないといけません。
光量
ヘッドライトで前方の”路面”をどれぐらいの範囲を照射できるか検査します。
明るさを示す数値にlm(ルーメン)数がありますが、ルーメンは車検では扱いません。
cd(カンデラ)数を車検の検査で用いており、ヘッドライトのリフレクターやプロジェクターを通した明るさが調べられます。
車検合格基準は、ヘッドライト1灯で6400cdです。
もし車検に合格できるか不安なら、事前にヘッドライトの光量を確認しておくと安心でしょう。
テスター屋である予備検査場に車を持っていけば、ヘッドライトの光量を確認可能です。
多くのLEDヘッドライト製品には、明るさを示す数値にlm(ルーメン)数を用いています。
lm(ルーメン)数の高い社外製のLEDヘッドライトを車に取り付けても、リフレクターやプロジェクターとの相性が悪いと車検に通らない場合があります。
車のヘッドライトは純正バルブに合った形状に作られています。
社外品のLEDヘッドライトを取り付けると、リフレクターやプロジェクターと形状が合わず正しい配光が出ないために、十分前方を照らせず車検で不合格になることがあります。
社外LEDヘッドライトを装着している場合、純正の配光を再現できていない製品には注意が必要です。
LEDヘッドライトは様々なメーカーから発売されていますが、HID屋の製品は純正バルブの配光を完全再現しているので高いcd(カンデラ)数を出すことが可能です。
そのためHID屋ではカンデラ数を製品に記載して、実際にどのくらい明るいのかを分かりやすくお伝えしています。
色
ヘッドライトの色も車検の検査項目であり、純正バルブならば問題ないでしょう。
社外品のヘッドライトバルブを使っていると、車検基準を満たさない場合があるので注意が必要です。
特にLEDヘッドライトは、黄色、白色、青色と3つの色があります。
色はケルビン数(K)で変化し、3500~4000Kぐらいが黄色、6000K前後が白色、8000K以上だと青色です。
平成17年(2005年)12月31日以前に製造の車は、黄色または白色で合格でしたが、平成18年(2006年)1月1日以降製造の車は白色のみが合格となります。
ドレスアップやカスタムのために、黄色や青色のLEDヘッドライトを使っていると車検に通りません。
淡い黄色だと車検通過できるときもありますが、確実であるのは白色のLEDヘッドライトです。
ヘッドライトレンズが汚れていると、色が変わることがあるので汚れていたら車検前に掃除した方が良いでしょう。
光軸等の照射範囲・カットライン
カットラインも検査項目の1つであり、ヘッドライトの光軸がずれていないかエルボー点の位置をチェックされます。
ロービームを点灯させると、照らした前方部分は明るい部分と暗い部分があり、この明暗の境目がカットラインです。
壁や塀にロービームを照射すると、カットラインはある部分から左上がりに映ります。
左上がりになる前の部分がエルボー点です。
前方10mを照らし、テスターで検査してエルボー点が規定の正しい位置にあれば合格です。
車のバルブを交換したときや、ヘッドライトに強い衝撃が加わったときなどに光軸がずれやすいです。
またサスペンションのような他のパーツが衝撃で変形や破損した場合も、光軸がずれることがあります。
ヘッドライトが破損しているならば、そのままでは車検不合格となるので修理しないといけません。
もしもヘッドライトが破損しておらず、光軸がずれているときは光軸調整可能です。
光軸はヘッドライトユニットの調整用ネジを回せば調整できます。
工具として使うドライバーでネジを回せますが、光軸調整専用レンチがあり専用レンチを使ったほうが調整しやすいです。
ヘッドライトの状態・点灯状態
夜間の走行でヘッドライトを使用するので、点灯しないと車検には通りません。
点灯していても光度が安定しない状態、または光がちらついている状態でも車検不合格となるので注意しましょう。
ヘッドライトカバーが割れているときや亀裂が入っているときも車検では不合格となります。
ヘッドライトの状態は自分で目視して点検可能です。
もしも点検してヘッドライトの球切れや亀裂などを発見したら、ガソリンスタンドや整備工場で相談して早めに対処しましょう。
ヘッドライトの最新の車検検査方法
車検の検査方法は、今までに何度か変更されています。
そのために最新の検査方法を知っておいた方が無難でしょう。
ここからは最新の検査方法を紹介します。
ヘッドライトの検査方法
ヘッドライトはロービームとハイビームの両方検査します。
ただし2015年からはロービームでの検査が基本であり、ロービームで検査できない場合のみハイビームの検査です。
また令和6年(2024年)8月1日以降は、すべての車がロービームでのみの検査となります。(一部地域は2年後の2026年7月末まで従来通り)
そのために、ロービームで検査して保安基準を満たさないとなれば、車検不合格です。
ロービームをメインとした検査となり、ハイビームでも検査できたときよりも、検査基準は厳しくなっています。
先の障害物を照らせるか確認され、ロービームは40m先、ハイビームは100m先の障害物を照らしているかどうかチェックされます。
カットラインは先にも記載の通り、ヘッドライトで照らした10m先の状態がチェックされる距離です。
ロービームでの検査に変更した理由
元々はロービームがすれ違い時の際に使用するもの、ハイビームは走行時に使用するものとされてきました。
現在は眩しいということもあり、ハイビームを使用する機会は減りました。
ロービームを使う機会が多くなったために、現在はロービームで検査します。
自動車業界も変わってきており、1998年(平成10年)9月からロービーム基準で製造するようになりました。
そして2015年にはロービーム基準で製造された車が9割を越えたので、ロービームの検査に変更しています。
ただしロービームで検査するといっても、車にはハイビームも必要です。
日本全国の車検検査場では、ロービームに対応していない場所もあり非対応だとハイビームで検査されます。
ハイビームも保安基準を満たしているか確認しておきましょう。
車検に落ちるヘッドライトの特徴と対応方法
ヘッドライトが車検不合格となる理由はいくつかあるので、その場合の特徴を紹介します。
ヘッドライトレンズが汚れている
レンズが黄ばんでいる、または汚れて車検落ちする車は少なくありません。
黄ばみや汚れがある状態でヘッドライトを点けても、十分な光量を確保できないために車検不合格になります。
ハイビームよりもロービームの方が、レンズの黄ばみや汚れの影響を受けやすいです。
レンズに黄ばみや汚れがついているときは、車検に合格させるために掃除しないといけません。
汚れはクリーナーで洗えば落ちますが、黄ばみは洗ってもなかなか取れません。
黄ばみであれば、サンドペーパーや研磨剤を使って磨く必要があります。
黄ばみや汚れで十分な光量を確保できなければ、運転席から前方が見えにくく危険でしょう。
安全に運転するためにも、ヘッドライトの黄ばみや汚れは取っておきます。
社外品バルブを使っている
社外品のヘッドライトバルブを使っていると、光軸がずれて車検不合格となるかもしれません。
ヘッドライトは純正バルブに合うように、リフレクターやプロジェクターが設計されています。
社外品バルブに変えることで、バルブがリフレクターやプロジェクターに合わず光軸がずれて配光が出ません。
配光が出ないと正しいカットラインにならないために、車検で不合格です。
光軸がずれていないか自分で確認できます。
新しいバルブを取り付けたならば、車検前には光軸チェックをしておいた方が良いかもしれません。
また光軸チェックは、テスター屋である予備検査場でも確認可能です。
さらに車検ではヘッドライトの色も検査されるので、保安基準を満たさないLEDヘッドライトならば車検に通りません。
現在製造の車は白色のみが車検合格です。
ヘッドライトを点けて目視したときに白色に見えれば、ほぼ問題ありません。
黄色や青色のLEDヘッドライトを取り付けているならば、車検合格にするには検査前に白色のLEDヘッドライトに変える必要があります。
ヘッドライトユニットが破損している
ヘッドライトの検査では、正しく取り付けられているか、状態は異常ないかを最初に確認されます。
色や明るさなどが保安基準を満たしていても、ヘッドライトユニットが破損していると車検不合格です。
そのために車検ではヘッドライトユニットに破損がないかも確認しましょう。
飛び石でできた小さいキズ程度であれば、車検を通過できるので問題ありません。
しかし大きなひび割れが入っていると、車検不合格です。
またヘッドライトユニットが割れていて、一部が欠損しているときも車検に通りません。
破損していれば、ヘッドライト内部に雨水が入り故障する可能性もあります。
また十分な光量も確保できないので、安全運転を行うときに危険です。
ひび割れや大きく欠損していて破損しているときは、早めに修理したほうが良いでしょう。
小さなキズであれば自分で磨けば取り除けますが、ひび割れや欠損は業者に依頼して修理してもらうことになります。
ヘッドライトの種類ごとの車検通過の注意点
ヘッドライトは大きく分けると、以下の3つの種類があります。
- ハロゲン
- HID
- LED
3種類はそれぞれ特徴が違い、車検の際に注意が必要です。
ハロゲン、HID、LEDの特徴と車検での注意点を紹介します。
ハロゲン
特徴
不活性ガスとハロゲンガスをガラス管に封入し、内部にあるフィラメントに通電すると発光する仕組みです。
昔は多くの車で使われていましたが、HIDやLEDのヘッドライトが登場しシェアを減らしています。
注意点
昭和~平成中期くらいの車種では純正パーツとして装着されていることも多く、光量も不足しがちなので車検基準に見たない場合があります。
社外品を取り付けている場合もハロゲンだと光量が足らず、その場で他のライトに交換されるケースなどもあります。
その他
明るさでは他の種類のヘッドライトに及びませんが製品価格が安いのがメリットです。
また寿命が1000時間程度と短いのがデメリットで、ある日突然ランプが切れるかもしれません。
車検前に切れてしまう可能性もあるので、寿命が近づいてきたら早めに交換した方が良いでしょう。
HID
特徴
アーク放電によって発光する仕組みで、2000年頃から普及し始めました。
ヘッドライトの中でも明るいですが、明るすぎても車検では不合格です。
点灯してから最大光量になるまで時間がかかるので、ロービームでは使われますが、ハイビームではあまり使われません。
注意点
HIDヘッドライトはバルブのチラつきがおこりやすいので車検の際には注意が必要です。原因がバーナーにあるのかバラストにあるのか配線にあるのか、事前に確認しておくのがいいでしょう。
その他
ロービームだけに使われているときは、ハイビームはハロゲンを使用している場合が多いです。
寿命は2000時間ぐらいであり、それほど長くはありません。
ハロゲンと同様にいつの間にか寿命になっている事もあるので、車検前にはチェックしておいた方が良いでしょう。
LED
特徴
家庭用の電球やシーリングライトでも広く普及しており、2007年頃から車のヘッドライトとしても使われるようになりました。
省電力で寿命は10000時間ぐらいと長いのが特徴です。
注意点
LEDヘッドライトに交換した際は、光軸がずれることがあるのでカットラインが出ているかどうか確認する必要があります。
また黄色、白色、青色と3つの色のLEDヘッドライトがあるので、車検に合格させるには保安基準を満たす色のヘッドライトを取り付けないといけません。
その他
製品価格は高めですが、寿命を考えるとコストパフォーマンスが良く、現在では様々なシーンで利用される事が多い主流のライトです。
車検前にテスター屋でヘッドライトをチェック
ヘッドライトに問題があれば、車検に通すには以下のように対応します。
ヘッドライトの状態 | 対応方法 |
汚れがついている | 洗って汚れを落とす |
黄ばみがついている | 磨いて黄ばみを落とす |
光軸がずれている | 光軸調整を行う |
車検対応外の色のヘッドライト | 対応した色のヘッドライトに変える |
ひび割れや破損 | 修理または交換する |
車検を受ける前には、予備検査場であるテスター屋で予備検査を受けられます。
特に光軸がずれていると、調整しても正しい軸になっていないときが多いです。
光軸は自分でも、またはテスターを持っている業者に依頼して調整してもらえます。
テスター屋は車検場の近くにあります。
光軸調整だけならばそれほど費用はかからず、何度も車検を受ける手間を省く意味でも光軸を調整した後はテスター屋で検査してもらった方が無難でしょう。
HID屋のLEDヘッドライトラインナップ
HID屋では、LEDヘッドライト製品を販売しているのでいくつか紹介します。
Iシリーズ
HIDバルブ並の光量で抜群の視認性
ハロゲンバルブよりも明るく、さらにHIDバルブ並の光量を確保しました。
綺麗なカットラインが出るので、配光は問題なく前方を明るく照らしてくれます。
ドライバーユニットを内蔵した一体型であり、車への取り付けが簡単です。
バルブ本体から冷却ファンまでアルミ製で、高い冷却性能を確保しました。
cd(カンデラ)数 | 28400cd |
色 | 6500K |
冷却方法 | 冷却ファン+ヒートシンク |
規格 | HB3、H4、HB4、H7、H8、H11、H16 |
Mシリーズ
より明るくより白く遠くまで光が届く
単純に明るいだけではなく、光の白さも増しています。
ライトを点ければ点灯時の明るさを維持するので使い続けて暗くなることはありません。
ロービームは手前を明るく照らし、ハイビームでは遠方をワイドに照射します。
薄型の銅基板にLEDヘッドライトチップを設置し、放熱性が高く効率的に冷却可能です。
cd(カンデラ)数 | 42500cd |
色 | 6500K |
冷却方法 | 冷却ファン+ヒートシンク |
規格 | H1、H3、H3C、H4、HB4、H7、H8、H11、H16など |
Qシリーズ
ワイドに広がる配光で見やすい
特大の高性能LEDチップを搭載し、発色が良く視認性が良いです。
HIDバルブよりも明るく、ワイドに広がる配光を実現し見やすさを確保しました。
バルブ先端すべてが赤銅を使用しており、熱先導性が高く効率的な冷却が可能です。
新型ドライバーユニットで、故障率は0.1%以下です。
cd(カンデラ)数 | 68400cd |
色 | 6500K |
冷却方法 | 冷却ファン+ヒートシンク |
規格 | H4、H7、H8、H10、HB3、D2Sなど |
Dシリーズ
高輝度で照明範囲が広い
自動車照明専用LEDチップを搭載しており、高輝度で広い範囲を照射するので見やすいです。
純正HIDバルブよりも、光量が160%アップしました。
加工不要で純正HIDバルブをLED化できます。
純正バルブ同様のカットラインを実現し、光軸調整が必要ありません。
色 | 6500K |
冷却方法 | 冷却ファン+ヒートシンク |
規格 | D1S、D2R、D2S、D3S、D4R、D4S、 |
まとめ
ヘッドライトは車検で検査されるパーツであり、検査項目はいくつかあります。
検査項目ごとに車検合格となる基準があり、ヘッドライトは基準を満たすようにしないといけません。
光量も検査項目の1つであり、車検でヘッドライトは6400cd(カンデラ)以上であると合格です。
HID屋のLEDヘッドライトは、どれも6400cd以上の明るさを実現しており夜間の視認性がよく見やすくなっています。