夜の運転で「周りが見えにくい」と感じたことはありませんか。
特に視界が悪くなる夜間は、このような状態を放置しておくと、事故の原因になることもあります。
そのため、しっかりとした対策が必要です。
本記事では、夜間の運転で周りが見えにくくなる7つの原因を解説し、その対処法を紹介します。
安全なドライブのために、視界を改善しリスクを減らす方法を一緒に確認していきましょう。
夜間の運転で周りが見えにくいと感じる7つの原因
夜の運転で周りが見えにくいと感じる原因は以下の通りです。
- 加齢による夜間視力の低下
- 夜盲症
- 眼鏡やコンタクトレンズが合っていない
- 対向車のライトによる眩惑
- ヘッドライトの汚れや黄ばみ
- ヘッドライトバルブの経年劣化
- 雨や霧による視界不良
順番に確認していきましょう。
①加齢による夜間視力の低下
まず、考えられるのが加齢による夜間視力の低下です。
夜間視力とは、暗所で物を見る力を指します。
年齢を重ねると、この視力が低下してしまうことがあります。
夜間視力が低下すると、昼間の運転には支障がなくても、夜間になると急に見づらさを感じてしまうのです。
夜間視力が低下する主な原因は、視細胞(しさいぼう)の減少です。
桿体細胞(かんたいさいぼう)と呼ばれる視細胞は暗い場所での視覚に重要な役割を果たしますが、加齢によりその数が減少してしまいます。
参考:JAF Mate Online 『視力は良いのに夜見えにくい! 運転に影響を及ぼす「夜間視力」とは?』
②夜盲症
夜間視力の低下に似た症状として「夜盲症」という病気があります。
夜盲症とは、暗い場所で視界が極端に悪くなる病気です。
原因としては遺伝的な要因や栄養不足、特にビタミンAの欠乏などが挙げられます。
夜盲症の場合、目の暗順応がうまく働かないため、暗い環境に適応できず、夜間の運転で非常に見えにくい状況に陥ります。
③眼鏡やコンタクトレンズが合っていない
視力補正のために眼鏡やコンタクトレンズを使用していても、自分の目に合っていなければ、夜間の運転で視界が悪くなる原因となります。
特に乱視がある場合、瞳孔が拡がる夜間は昼間よりも乱視の影響が強く出るため、適切な補正がされていないと視界がぼやけてしまうのです。
また、運転中は周辺状況の注意により瞬きが減少し、目の乾きが生じやすくなるため、疲れ目が進行して視界が悪くなることもあります。
さらに、自分に合っていない眼鏡やコンタクトレンズの使用は、こうした乾きや目の疲れを助長する場合もあるのです。
④対向車のライトによる眩惑
夜間の運転中、対向車のヘッドライトが眩しく感じられることがあります。
特に郊外の道路では対向車がハイビームを使用していることも多く、眩惑により一時的な視認性の低下を引き起こします。
また、市街地では街灯や建物からの光が加わり、複雑な光環境が視界を妨げることもあります。
⑤ヘッドライトの汚れや黄ばみ
ヘッドライトの汚れや黄ばみが原因の可能性もあります。
ヘッドライトのレンズが汚れていると、光が十分に照射されず、視界が狭まり、見えにくいと感じることがあります。
汚れの原因としては、泥やホコリの付着が一般的です。
また、長期間使用されたヘッドライトは紫外線の影響で黄ばんでしまうこともあります。
この黄ばみが進行すると、ヘッドライトの光量が低下し、暗い場所での視界が悪化します。
⑥ヘッドライトバルブの経年劣化
光源となるバルブの経年劣化も周囲の見えにくさにつながります。
特にハロゲンバルブは熱を持ちやすいため、ヘッドライトのレンズやカバーが徐々に劣化し、傷みや黄ばみが発生して見にくくなります。
また、使用方法にもよりますが、ハロゲンバルブの一般的な寿命は約500〜1,000時間と言われ、LEDやHIDと比べて寿命が短めです。
そのため、ハロゲンバルブを使用している方は経年劣化による光量低下を感じやすいでしょう。
⑦雨や霧による視界不良
雨や霧などの気象条件は、夜間の視界をさらに悪化させる要因になります。
夜間の雨天時には、車のライトや街灯の光が路面の水で乱反射し、目に光が入ってきて見えにくく感じるのです。
また、霧の中では光が拡散しやすく、ヘッドライトの光が霧の粒子に反射して白くぼやけた視界になります。
特に、市街地のように光源が多い環境では、このような現象を感じやすいです。
夜間の運転で周りが見えにくい時の対処法
夜間の運転で周りが見えにくい時の対処法は以下の通りです。
- 眼科を受診
- カラーレンズ眼鏡や夜間用サングラスの着用
- 対向車のライトを直視しないようにする
- ヘッドライトのレンズや反射板を研磨して汚れを取る
- ヘッドライトのバルブを交換する
- ロービームやフォグランプを使用する
順番に解説します。
眼科を受診
夜間の視界不良を感じる場合、まず目の健康状態を確認しましょう。
対向車のライトに異常な眩しさを感じたり、夜間運転時に特に視界が悪化したりする場合は、専門医による適切な診断を受けることが安全運転の第一歩です。
カラーレンズ眼鏡や夜間用サングラスの着用
夜間の運転時は、対向車のライトや街灯の光が眩しさを増し、視界を妨げることがあります。
このような状況では、色付きのカラーレンズ眼鏡や夜間用サングラスの使用が効果的です。
特にイエロー系のカラーレンズは、ブルーライトをカットし、視界をクリアにする効果が期待できます。
濃度は10~15%程度の薄いものが適しており、透明に近いため日常的な使用にも便利です。
しかし、濃度が25%のレンズの場合、十分な光を得られず、逆に視界不良になる場合があるので注意してください。
また、夜の使用に適した夜間用サングラスというものも存在します。
夜間用サングラスはカラーレンズ眼鏡より色が濃く、レンズも大きいため、視界のカバー率が高いです。
ただし、夜間用のサングラスは光の透過率に規定があるため、JIS規格に従った製品を選ぶ必要があります。
「夜間および薄暮の運転時では視感透過率75%以下」のレンズ使用は禁止されているので注意しましょう。
対向車のライトを直視しないようにする
対向車のライトによる眩しさを避けるためには、直接光源を見ないよう視線をコントロールしましょう。
ただし、完全に目をそらしたり下を向いたりすると、かえって危険な運転になってしまいます。
適度な視線の移動で、必要な視界を確保しながら眩しさを軽減する工夫が必要です。
ヘッドライトのレンズや反射板を研磨して汚れを取る
ヘッドライトのレンズや反射板が汚れていると、光の透過性が低下し、暗く感じることがあります。
この場合、市販のクリーナーやコンパウンドを使用して、汚れをしっかりと落としましょう。
まずは水で洗い、大まかな汚れを取り除いた後、柔らかい布やスポンジでヘッドライトクリーナーを使って丁寧に磨きます。
特に樹脂製のレンズは傷つきやすいため、力を入れすぎずに行うことが大切です。
また、黄ばみがひどい場合は、研磨やコーティングでメンテナンスを行い、光の透過性を回復させると良いでしょう。
頑固な汚れは専門業者に依頼することも検討してください。
下記記事で黄ばみを除去する方法を詳しく解説していますので、参考にしてください。
ヘッドライトのバルブを交換する
ヘッドライトの暗さが経年劣化によるものであれば、バルブの交換を検討しましょう。
交換の際は、LEDバルブを選択するのがおすすめです。
ハロゲンバルブよりも明るい光を発し、視界の確保に役立ちます。
また、従来のハロゲンバルブと比較して、スイッチを入れてから最大輝度に達するまでの時間が短いため、トンネルの出入りや急な天候変化にも素早く対応できます。
下記記事では、詳しい交換手順を解説していますので、あわせてご覧ください。
ちなみに、HID屋ではLEDヘッドライトを数多く取り揃えています。
楽天市場では、「ヘッドライト週間ランキング21週連続1位」などの成績を残しています。
気になる方は、ぜひ一度商品をご覧になってみてください。
ロービームやフォグランプを使用する
雨や霧の中では、ハイビームを使用すると光が反射してかえって視界が悪くなることがあります。
こうした状況では、ロービームやフォグランプを使うのが効果的です。
ロービームは光が下向きになるため、路面をしっかりと照らし、乱反射を防ぎます。
また、フォグランプの使用は自身の視界改善だけでなく、対向車からの視認性も高めることができ、事故防止にも繋がります。
状況に応じて照射方向や光量を適切に調整することで、より安全な夜間走行が実現できるでしょう。
【夜間は見えにくい】を意識して運転
これまで解説してきた通り、夜間の運転では様々な要因で視界が制限され、「周りが見えにくい」状態に陥りやすくなります。
こうした「見えにくい」状態での運転は、歩行者の発見が遅れ、急ブレーキを踏んでも事故を避けられないケースが考えられます。
また、路上に停車中の車や、道路工事の機材などの障害物も、暗闇の中ではほとんど視認できません。
ヘッドライトの範囲外にあるこれらの物体は、直前で急に見えてくることが多く、ドライバーが驚いてハンドル操作を誤る危険性もあります。
さらに、視界が悪い状態で速度を上げると、何かを発見してからブレーキを踏むまでの反応時間が限られ、制動距離も長くなります。
このようなリスクを避けるためには、スピードを控えめにし、周囲の確認を怠らないことが重要です。
まとめ
本記事では、夜間の運転で周囲が見えにくい原因と対処法について解説しました。
夜間の運転では、周囲の見えにくさが大きなリスクとなり得ますが、適切な対策と慎重な運転で補えます。
原因をしっかり理解し、対策をすれば改善可能ですので、本記事を参考に実践してみてください。