LEDライト専門店HID屋の車のライト基礎知識大全

車のライト構造・種類・整備の基本用語がわかる完全ガイド
「HIDとLEDって何が違う?」「ハイフラって何?」そんな疑問にやさしく答える、車のライト基礎知識ページです。
バルブの種類・構造・測定単位・配線パーツ・整備用語まで、DIY派もプロも使える情報を一挙に整理しました。
迷わず選び、失敗しないための知識がここにあります。
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バルブ形式の特徴(HID・ハロゲン・LED)
純正HIDバルブに適応したバルブ形式
- D1S
- プロジェクター式ヘッドライト用のHIDバルブ。主に輸入車で採用され、水銀を用いて高出力(85V)を発揮する。 ※D3Sとは互換性なし。
- D2R
- リフレクター式ヘッドライトに使用されるHIDバルブ。D2Sとの違いはリフレクターに最適化された遮光塗装が施されている点。85V仕様で水銀を含む。 ※D4Rとは互換性なし。
- D3S
- D1Sの後継として登場。水銀を使用せず、42Vで同等の明るさを実現。環境対応と長寿命化が特長。 ※D1Sとは互換性なし。
- D4S
- D2Sの後継バルブで、プロジェクター用。水銀フリーで42V仕様。D2S同様の明るさを確保しつつ環境負荷を軽減。 ※D2Sとは互換性なし。
- D4R
- D2Rの後継。リフレクター用で水銀不使用。光の漏れを防ぐ塗装が施され、車検対応を意識した設計。42V仕様。 ※D2Rとは互換性なし。
純正ハロゲンバルブに適応したバルブ形式
- H1
- 単一フィラメントタイプ。小型で、主にハイビームやロービームに使用される。取付には片側配線+アース構造を取ることが多い。
- H3
- H1と似た構造だが、フォグランプ用途が多く、電極の配置が異なる。バルブにコードが直付けされていることが多い。
- H4
- ロービームとハイビームを1つのバルブで切り替える構造。国内の多くの車種で標準装備。配線は3極。寿命と明るさのバランスが良い。
- H7
- 単一光源用。輸入車でよく見られ、独自のバルブ固定方式を採用する車両もある。H4と違いロービーム・ハイビームが独立している。交換時はアダプターの有無やスペース要確認。
- H8
- 主にフォグランプ用として使用される35Wのハロゲンバルブ。H9・H11・H16と形状はほぼ同じですが、定格電力や用途が異なるため、互換性には注意が必要です。LED化の際も、車両の電圧・消費電力に合う製品を選定することが重要です。
- H9
- 65Wの高出力型ハロゲンバルブで、主にハイビーム用として使用されます。外観はH8・H11・H16と共通ですが、内部仕様(消費電力・配線)が異なるため、安易な流用は避けるべきです。
- H11
- ロービームまたはフォグランプに使用される汎用性の高い55Wバルブ。H8・H9・H16と形状は同様ながら、電力仕様が異なります。LEDやハロゲンへの交換時には、消費電力・車両仕様との整合を確認してください。
- H16
- 定格19Wの省電力タイプで、主にフォグランプに使用されます。H8・H9・H11と同形状であるものの、消費電力が低いため、LED化の際はリレー追加やヒューズ容量の見直しが必要な場合があります。
- HB3
- ハイビーム用。H10やHIR、HB4ともOリング交換などで互換性あり。バルブ形状に注意。
- HB4
- 主にロービームやフォグランプに使用。HB3/H10/HIRなどと互換性を持つが、台座違いによる装着ミスに注意。
- H19
- 近年登場したバルブ規格。H4に似ているが互換性はなし。主に新型の国産車に採用される。
- PSX
24W - 一部の輸入車やトラック系フォグランプで採用される。バルブの爪の向きが特徴的。
- PSX
26W - 比較的新しい形式で、2012年以降のトヨタ車フォグランプなどに使用されることが多い。
純正LEDライトに対応したバルブ形式
- L1B
- プロジェクター式ヘッドライト用のHIDバルブ。主に輸入車で採用され、水銀を用いて高出力(85V)を発揮する。 ※D3Sとは互換性なし。
- LW5B
- リフレクター式ヘッドライトに使用されるHIDバルブ。D2Sとの違いはリフレクターに最適化された遮光塗装が施されている点。85V仕様で水銀を含む。 ※D4Rとは互換性なし。
- 純正一体型
LEDユニット - D1Sの後継として登場。水銀を使用せず、42Vで同等の明るさを実現。環境対応と長寿命化が特長。 ※D1Sとは互換性なし。
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ライトの種類・取付部位
ポジション球(スモールランプ)
車幅灯とも呼ばれ、車両の輪郭を示す小型ランプ。夜間や悪天候での視認性向上に役立つ。
ヘッドライト
車の前方を照らす主照明。夜間走行に必要不可欠。ハイビームとロービームの切り替え機能を備える。
フォグランプ
霧・雨・雪など視界が悪い状況で前方を照らす補助灯。通常のヘッドライトでは乱反射で見づらい場面でも、光の広がりや特性で視界確保に役立つ。特に黄色などの色付きは反射を抑え、路面や周囲を認識しやすくする。
デイライト(デイタイムランニングランプ)
昼間でも自動点灯するLEDライト。被視認性向上のために用いられ、近年は法規制により標準装備される車種も。
ウィンカー(方向指示器)
進行方向や車線変更を周囲に知らせる点滅ライト。左右の視認性と明瞭性が重視される。
バックランプ
後退時に自動点灯するランプ。後方確認の補助と周囲への注意喚起を担う。
マーカーランプ
大型車やトラックなどの側面に配置されるランプ。車体の大きさと存在を他車に知らせる目的がある。
室内灯(ルームランプ/マップランプ)
車内照明。ドア開閉や手動スイッチで点灯。手元を照らす目的もある。
カーテシランプ(ドアランプ/足元灯)
ドア開閉と連動して足元や地面を照らす補助灯。安全な乗降をサポートする。
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整備・調整用語
光軸調整
ヘッドライトの照射方向を特殊工具で調整する作業。光軸がズレていると車検に通らないことがあるほか、対向車への眩惑リスクがある。
バルブ交換
切れたバルブを新しいものに取り替える作業。ライト性能の回復と安全性確保に直結する。
点灯チェック
ライト交換後にユニットに取付前に正常点灯するかを確認する工程。。特にLED化時は極性チェックも重要。
配線点検
電装品の配線接続状態をチェック。断線・ショート・接触不良などを発見するための基本作業。検電テスターや目視で行う。
ハイフラ防止キャンセラー
ウィンカーをLED化した際に点滅が異常に速くなる「ハイフラ現象」を防ぐ抵抗器や専用回路。
バルブアダプター
ウィンカー点滅速度が異常に速くなる現象。ハロゲン球やLED球でリレーの設定している消費電力幅から外れた場合に発生する。LEDに交換する際は消費電力に注意が必要。に変更したいです。
配線加工
電装品の取り付けに際して、車両の既存配線に新たな配線を割り込ませたり分岐させたりする作業。ギボシやカプラーを用いる。
ギボシ端子
配線同士を接続するための金属端子。オス・メスで構成され、圧着工具で接続し、最後に外側のビニール部分をライター等で炙って熱圧着する。
カプラー
脱着が容易なコネクタ型の接続部品。オス・メスで構成され、純正配線を切断して新規で接続箇所を増やしたい時に使われる。
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LED制御・部品
ドライバー
LEDに安定した電圧・電流を供給する制御ユニット。車両電圧の変動を補正し、ちらつきや誤作動を防ぐ。
定電流回路
LEDの特性に合わせて一定の電流を保つ電子制御回路。LED寿命や発光安定性に寄与。ドライバー内蔵型も多い。
ファン冷却式
LED発熱対策として小型ファンで放熱を行うタイプ。
ヒートシンク冷却式
アルミフィンなどの放熱体を用いた受動冷却方式。ファンレスで静音性が高く、メンテナンス性にも優れる。
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測定単位・検査機器
ルーメン(lm)
光源が出す全体の光の量を表す単位。高いほど明るく感じるが、照射範囲とのバランスが重要
カンデラ(cd)
特定方向に出る光の強さを示す単位。ビームの中心がどれだけ強く照らせるかに関係する。
ルクス(lx)
ある面にどれだけの明るさで照らされているか(照度)を示す単位。用途に応じて最適値が異なる。
光度計
ルーメン・カンデラを測定するための計測機器。バルブやユニットの出力検査に使用される。
照度計
対象物に届いた光の強さ(ルクス)を測定。車検ラインや製品テストで使われる。
カットラインテスター
ヘッドライトの光軸と照射カットラインを確認する機器。ロービームの眩惑対策や車検項目の確認に使われる。
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配線・加工・施工用語
エレクトロタップ
既存配線に割り込んで分岐させるタップ式コネクタ。
スプライス端子
電線相互を接続するための接続子で、電線の組合わせにより直線、分岐、閉端と様々な接続ができ、広い用途に利用されています。
熱収縮チューブ
熱を加えることで収縮し、配線の絶縁と固定を行うカバー素材。防水やショート防止のために使用。
ボディアース
電装品のマイナス配線を車体金属に接続して接地(アース)する方式。取り回しを簡素化できるが、接触不良に注意。
共通アース
複数の電装品のマイナス線をまとめて一括で接地する方法。整備の手間を省きつつ配線管理を整理できる。
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法令・認証・規格
JIS規格
日本工業規格。バルブのサイズ・形状・電力などについて定められた国家標準。PSEマークの根拠にもなる。
HCRスイッチ
ハイビーム/ロービームの切り替えスイッチ。H4バルブなどの切替式ライトにおいて重要。
ECE規格(Eマーク)
欧州の自動車部品に関する認証制度。ヘッドライトなど保安部品の信頼性保証として重要視される。
保安基準適合品
車検を通すための要件を満たした部品。明るさやカットライン、照射方向に規定あり。
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施工ツール
内張り剥がし
ドアや内装パネルを取り外す際に使う工具。傷や破損を防ぎながら安全に作業できる。
トルクレンチ(軽作業向け)
一定の力でボルト・ナットを締めるための工具。ライトユニットやブラケットの締めすぎ・緩み防止に使われる。
検電テスター(テストライト)
通電確認や配線チェックに使う簡易テスター。通電状況をライトの点灯で知らせる。
端子圧着ペンチ
ギボシやスプライス端子などを圧着固定する専用工具。電装DIYで必須。
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バルブ関連用語
バーナー(HID)
HIDバルブの発光部分を指す通称。一般的には「HIDバルブ=バーナー」として呼ばれるが、厳密にはバルブ全体ではなく、内部の発光部を指す。交換時には「バーナー交換」という表現が使われることもある。
リレーハーネス
HIDや高出力LEDの電源供給用補助配線。純正配線では電力が足りない場合、バッテリーから直接電源を引き、安全かつ安定した点灯を実現する。
バラスト(HID)
HIDの点灯・電流制御に必要な高圧電源ユニット。点灯時には高電圧を発生させ、その後は安定した電流供給を行う。バラスト不良はHID点灯不良の原因となる。
バルブソケット
バルブを固定・電気接続するための受け口。形状・極性・サイズが異なるため、適合確認が必要。
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ヘッドライト構造・配光
プロジェクターヘッドライト
レンズを通して照射する方式のヘッドライト。カットラインが明確で対向車への眩しさを抑えられる。HIDやLEDに最適。
リフレクターヘッドライト
反射鏡(リフレクター)で光を反射させて前方を照らす方式。広範囲に照射可能で、構造が比較的シンプル。
マルチリフレクター構造
多面鏡状のリフレクターにより、光を効率的かつ広範囲に照射する方式。ハロゲンやLEDで広く採用。
カットライン
ロービーム照射時の上限線。カットラインがしっかり出ていないと対向車に眩しさを与え、車検不合格の原因になる。
ロービーム
普段走行時に使う前方照明。照射範囲が下向きで、対向車を眩惑しない設計。
ハイビーム
遠くまで照らすための前照灯。カーブや山道、街灯のない夜道などで使用される。
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LEDバルブ取付補足
極性
LEDには極性(+と−)があり、向きを逆に装着すると点灯しない。T10やT20バルブなどでも注意が必要。
キャンセラー
車両側がLEDを「球切れ」と誤認識するのを防ぐ抵抗器など。警告灯点灯やハイフラを抑制するために使用。
ハイフラ(ハイフラッシュ)
ウィンカー点滅速度が異常に速くなる現象。ハロゲン球やLED球でリレーの設定している消費電力幅から外れた場合発生する。LEDに交換する際は消費電力に注意が必要。に変更したいです。
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その他の注目用語
シーケンシャルウィンカー
流れるように点灯するウィンカー方式。高級車・カスタムカーで人気。LED化とセットで検索されやすい。
RGB LED
赤・緑・青の3色を自由に混ぜることで多色表現が可能なLED。インテリアやフットランプなどで使われる。
アンビエントライト
車内の雰囲気を演出する間接照明。色の変化や明るさの調整が可能で、装飾性重視のカスタムに採用される。
HIDキット
ハロゲン仕様の車両をHIDに変更するための後付けキット。バラスト・バーナー・配線が一式で構成される。
LEDテープライト
柔軟なテープ状LED。ドレスアップや足元照明、グリルラインなどに汎用的に使われる。
キャンセラー内蔵LED
ハイフラ対策や警告灯回避のため、抵抗回路が最初から組み込まれたLEDバルブ。