車のヘッドライトカバーが割れたため、自分で交換しようとしている方もいるでしょう。ヘッドライトカバーの交換は作業が複雑なため、交換手順を事前に把握しておく必要があります。
また、車種によっては業者に必ず依頼しなければならないケースがあることに注意が必要です。この記事では、車のヘッドライトカバーの交換方法や、交換費用を抑える方法などを紹介します。
車のヘッドライトカバー割れを放置する問題点
車のヘッドライトカバー割れを放置すると、以下の問題点が挙げられます。
- 法律違反になる
- 車検に通らない
- ヘッドライトが故障する
問題点を1つずつ具体的に紹介します。
法律違反になる
ヘッドライトカバーが割れたまま公道を走行すると、整備不良に該当するため法律違反となります。
ヘッドライトには前方の安全を確保するほか、周囲に自分の存在を知らせる役割があり、正常に点灯していないと他人に迷惑をかけることになります。
整備不良で検挙された場合、反則金7,000円(普通車)と、違反点数1点が科されます。
ヘッドライトは運転中の安全にも関わるため、ヘッドライトカバー割れに気づいたら、すみやかに対処しましょう。
参考:警視庁「反則行為の種別及び反則金一覧表」/「交通違反の点数一覧表」
車検に通らない
ヘッドライトカバーが割れている状態では、車検に通らないため公道を走行できません。
なぜなら、ヘッドライトは走行するうえで重要な部品であるほか、割れている箇所から光が漏れて保安基準の光量や光軸に満たないためです。
車検に対応させることはもちろん、走行中の安全を考えて、割れたことに気づいたらなるべく早くヘッドライトカバーを交換しましょう。
なお、ヘッドライトカバーに黄ばみがある場合も、光量不足により車検に通りません。ヘッドライトを磨いたり、新品に交換したりして対処しましょう。
ヘッドライトが故障する
雨天時にヘッドライトカバーが割れたまま走行すると、隙間から水が侵入するため、ヘッドライトが故障する可能性があります。
具体的には、電球部分に水が侵入すると、電流の流れ過ぎで発火や漏電を防ぐヒューズが切れてしまいます。
ヒューズが切れるとライトは点灯しなくなるため、運転中の場合は大変危険です。なお、小さなひび割れでも隙間から水が侵入することにも留意してください。
車のヘッドライトカバーの交換方法
車のヘッドライトカバーは、以下の方法で交換します。
- 自分で交換する
- 業者に依頼する
それぞれについて具体的に紹介します。
自分で交換する
新品のヘッドライトカバーを購入して、自分で交換します。ヘッドライトカバーの交換手順は、以下のとおりです。
- エンジンを切る
- フロントバンパーを外す
- ヘッドライトユニットを固定しているネジを外す
- ヘッドライトユニットを外す
- ヘッドライトユニットに繋がっているコネクターをすべて外す
- ヘッドライトユニットからヘッドライトカバーを外す
- 新しいヘッドライトカバーを付ける
- ヘッドライトユニットにコネクターを繋げる
- ヘッドライトユニットを取り付ける
- ネジでヘッドライトユニットを固定する
- フロントバンパーを取り付ける
ヘッドライトユニットとは、ヘッドライト本体そのもののことです。
また、ヘッドライトボディとカバーの隙間は、コーキングが施されています。コーキングとは、気密性や防水性のために隙間を充填することです。
粘着力があり、そのままではヘッドライトカバーを外せないため、ヒートガンやドライヤーなどでコーキング剤を溶かす必要があります。
ヘッドライトの中に水が入ると、曇りや故障の原因になるため、新しいヘッドライトカバーを付ける際もコーキングをしなければなりません。
フロントバンパーの脱着をする必要もあるため、ヘッドライトカバーの交換は初心者には大掛かりな作業といえます。
なお、車種によってはヘッドライトカバーだけを入手できず、ヘッドライトユニットごと交換しなければならない場合があります。
業者に依頼する
先述の通り、ヘッドライトカバーの交換は複雑なため、自分で交換できないと判断した場合は、業者に依頼しましょう。費用はかかるものの、スムーズにヘッドライトカバーを交換してくれます。
交換作業は以下に依頼できるため、あなたに合った業者に依頼しましょう。
- ディーラー
- 民間整備工場
- カー用品店
ただし、業者によってはヘッドライトカバー交換を実施していない場合があります。その場合はヘッドライトユニットの交換が必要なため、事前に問い合わせてどのように対処してくれるのか確認しましょう。
また、先進安全技術を搭載している車は、バンパーやグリルの脱着に加えて「エーミング」を行う必要があります。エーミングとは「衝突軽減ブレーキ」や「ペダル踏み間違い抑制装置」などが正しく作動するよう、各機能の調整や校正する作業のことです。
作業時にセンサーの軸がずれると、正常に作動しなくなるため、先進安全技術を搭載している車は必ず業者に依頼しましょう。
車のヘッドライトカバーの交換費用は?
ヘッドライトカバーの割れは修理できないため、新品に交換しなければなりません。
値段は車種によって異なり、数千円〜数万円程度です。業者に交換を依頼した場合、3〜4万円程度の工賃も発生します。
ただし、車種によってはヘッドライトユニットごと交換しなければなりません。
最近の車は、構造やデザインが工夫されたことにより、バルブやカバーなどが一体となっているヘッドライトに変更されている傾向にあります。
ヘッドライトユニットの交換は、バンパーの脱着が必要であり作業が複雑なため、部品代と工賃で3万円〜10万円程度かかることに留意してください。
車のヘッドライトカバーの交換費用を抑える方法
車のヘッドライトカバーの交換費用は高額な傾向にあるため、少しでも抑えたい方がほとんどでしょう。以下の方法で対応すると、交換費用を抑えられます。
- リビルド品を活用する
- 車両保険を使う
- 工賃が安い業者に依頼する
上記を具体的に解説します。
リビルト品を活用する
ヘッドライトカバーの交換費用を抑えたい場合は、リビルト品を活用しましょう。リビルト品とは、中古品の分解や清掃などを行い、新品に近い状態まで復活させた部品のことです。
リビルト品は新品より6割程度値段が安いため、費用を抑えられます。たとえば、ヘッドライトユニットの新品が10万円の場合、リビルト品は6万円程度で交換することが可能です。
中古品とはいえ、検査基準をクリアしたものがリビルト品として扱われるため、安心して利用できる特徴があります。
業者に依頼する場合でも、対応してくれるケースがあるため、リビルト品に交換してほしい旨を伝えましょう。
車両保険を使う
ヘッドライトカバーの交換費用を抑えたい場合は、車両保険を使うことも1つの手段です。以下の状況でヘッドライトカバーが割れた際に、車両保険を使えます。
- 他車との衝突
- 落下物との衝突
- いたずらによる破損
- 台風や雹(ひょう)による被害
また、補償範囲が広い「一般型」に加入していれば、単独事故や当て逃げをされた際でも車両保険で交換することが可能です。
ただし、車両保険を使うと等級が下がるため、翌年の保険料が高くなります。実費で交換した場合と、等級が元に戻るまでの保険料を比較して、車両保険を使うかどうか比較しましょう。
なお、いくら保険料が上がるかは、保険会社に試算してもらえます。車両保険でヘッドライトカバーの交換を検討している場合は、保険会社に相談してみてください。
工賃が安い業者に依頼する
ヘッドライトカバーの交換費用を抑えたい場合は、工賃を低く設定している業者に依頼しましょう。工賃は各業者によって異なり、ディーラーが最も高い傾向にあります。
そのため、少しでも費用を抑えたい場合は、民間整備工場やカー用品店での交換がおすすめです。
ただし、ディーラーは工賃の設定が高いものの、メーカー車に精通しているため安心して任せられます。純正部品を使うことも安心して任せられる理由の1つです。
各業者の特徴を把握して、あなたのニーズに合った業者に依頼しましょう。
まとめ
車のヘッドライトカバーが割れた際は、自分でも交換できます。ただし、バンパーやヘッドライトユニットの脱着に加えて、コーキングを剥がしたり施したりする作業もしなければなりません。
手間や知識が必要なため、難しいと判断した場合は業者に交換を依頼しましょう。