「自作で軽トラをキャンピングカーにできる?」「自分でもできるかな?」軽トラキャンピングカーを検討している方は、このような悩みをお持ちではありませんか?
結論、軽トラをベースにキャンピングカーを自作することは可能です。ただ、細かいサイズや重量規定を把握しておかないと、違法改造になる可能性があります。
当記事では、自作で軽トラキャンピングカーを作る手順や法律について解説します。運転時の注意点も紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
軽トラキャンピングカーは自作できる
軽トラでもキャンピングカーの自作は可能です。ただ、ナンバー区分や車検に注意が必要です。
- 4ナンバーのままシェル部分を荷物扱い(脱着式)にする
- 用途(居住用)に応じて構造変更申請して8ナンバーにする
軽トラキャンピングカーは荷台の居住部分によって登録ナンバーが変わります。どちらにするかを設計段階で決め、必要な手続きを確認しましょう。
居住部分については以下の記事で解説しているので、ぜひ参考にしてください。

また、軽トラキャンピングカーの制作方法には以下の3パターンがあります。
- すべて自作する
- シェル部分のみ自作キットを使用する
- キャンピングカー専門店へ依頼する
自作過程を楽しみたい、費用をできる限り抑えたい方はすべて自作。DIYに不安がある、少しでもハードルを下げたいなら自作キットがおすすめです。快適性と安全を求める方はキャンピングカー専門店へ相談しましょう。
【自作】軽トラキャンピングカーの作り方4ステップ
軽トラキャンピングカーを自作するための4ステップを紹介します。
- 必要な工具を揃える
- フレームの素材を選ぶ
- フレームの制作・断熱材を施工する
- 透湿防水シートを施工する
- 外装を整える
軽トラキャンピングカーは重量制限があり、軽く作るためには素材選びがポイントとなります。各素材のメリット・デメリットを踏まえて自分に合った素材を選んでください。

軽トラキャンピングカーを自作するために必要な工具は主に以下の5つです。
- 電動ドライバー
- ノコギリ
- メジャー
- サンダー
- カッター
ただ、工具は作る設備や使う材料によって変わるため、必要に応じて揃えてください。

軽トラキャンピングカーはシェル部分のフレームの素材が重要です。以下に主に使用される素材のメリット・デメリットをまとめました。
| 素材 | メリット | デメリット |
|---|---|---|
| 木材 | 加工しやすい 断熱性が高い | 重くなりやすい カビやすく、腐りやすい 温度変化で変形する |
| アルミ | 全体の重量を抑えやすい | 加工しにくい 結露しやすい |
| 鉄 | 頑丈 強度がある | 加工しにくい 結露しやすい 重い 錆びる |
アルミフレームの中身は空洞になっているため軽く制作できますが、太くしないと強度が保てません。一方で、鉄は薄くても強度が保てるため室内空間を広く取ることができます。
たとえば、鉄のフレームはアルミより2センチ細くしても強度が同じだと仮定すると、左右合計で室内空間を4センチ広くできます。
そのため、できる限り室内を広く作りたい方は鉄のフレームも検討してみてください。DIYが好きな方は木材、とにかく軽く仕上げたい方はアルミがおすすめです。

フレームは相欠き継ぎ(凸凹を作り、木材同士を組んでいく工法)で組み立てます。強度を保つには、ボンドとビスを繋ぎ目部分に併用するのがおすすめです。なお、土台には積み下ろしするためのパイプを通せる溝を加工しておきましょう。
断熱材はスタイロフォームを使用します。スタイロフォームを接着する際は、ボンドを使うと溶けてしまうため、専用の固定金具や接着剤を使用してください。

フレームに透湿防水シートをタッカーで貼り付けていきます。透湿防水シートとは、湿気は逃しつつ、防水効果のあるシートです。
車体下部から貼り付けていくことで、透湿防水シートが上に重なるため、雨の侵入リスクを最小限にできます。シート同士の重なりは10センチ程度、上下左右の繋ぎ目部分は防水テープで固定します。
木材は湿気を吸収しやすいため、できるだけ隙間ができないように防水テープで補強すると、カビや変形を軽減できます。

外装として使われる素材は、主に羽目板やガルバリウム鋼板が使用されることが多いです。羽目板は自然素材を生かした温かみのあるデザインなので、キャンピングカーにおしゃれな雰囲気をプラスできます。羽目板を外壁として使用する場合は、湿気対策として屋外用のコーティング剤を塗っておきましょう。
ガルバリウム鋼板は軽量で耐錆性に優れ、羽目板よりメンテナンスの手間が少ない傾向があります。ただ、0.5mm程度と非常に薄く凹みやすい素材です。ガルバリウム鋼板を外壁として使用した場合、ぶつけた際に穴が開くことも考えられます。
羽目板・ガルバリウム鋼板は素材のグレードによってコストがかなり変わるため、費用を抑えたい方は野地板やOSB合板も検討してみてください。
自作の軽トラキャンピングカーにかかる費用は約10〜120万円
軽トラキャンピングカーは費用を抑えて自作できます。荷台に乗せるだけのタイプなら約10〜20万円で自作することも可能です。内装を整えていくとプラスで費用がかかるため、欲しい設備がある場合は、別で予算を組みましょう。
自作キットを使う場合は、外装シェル部分だけの簡易的なキットで約30〜50万円、標準〜快適仕様だと約50〜120万円が相場です。
事前に費用をかける箇所のメリハリをつけておくと、予算内に収めやすくなります。
軽トラキャンピングカーを自作する際は法律に注意
脱着式シェルの場合、積載物扱いになるため規定を守らないと法律違反になってしまいます。主な規定は以下の通りです。
| 重量 | 多くの軽トラは最大積載量350kg。車検証で要確認。 |
|---|---|
| 長さ | 自動車の長さ(最長340cm)の1.2倍以下、かつ、車体前後から自動車の長さの1/10を超えてはみ出さないこと。 例:車体長さが340cmの場合、最長408cm、前後に34cmずつはみ出すことが可能。 |
| 幅 | 車幅(最長148cm)の1.2倍以下かつ、車体の左右から車幅の1/10を超えてはみ出さないこと。 例:車体幅が148cmの場合、最大177.6cm、左右に14.8cmずつはみ出すことが可能。 |
| 高さ | 地上から250cm以下。 |
車種によって車体サイズや最大積載量が変わるため、自作前に必ず車検証を確認し、シェル部分のサイズや重量を決めましょう。
軽トラキャンピングカーは走行安全性も考慮しよう
軽トラでキャンピングカーを自作する場合、走行中のことも考慮しないといけません。軽トラは車幅が狭く軽いため、走行中にふらつく傾向があります。室内を広くしたいからと高さを250cmにすると、高速走行や右左折時での横転リスクが高まります。
内装の家具や設備も左右均等になるように重量配分を考えましょう。たとえば、右側だけに家具を集中させると、車体が右に傾くためタイヤの偏摩耗の原因となります。ハンドル操作や遠心力も普段とは異なるため、事故の原因となります。
また、軽トラは重い荷物を積んでいるとブレーキが効きづらくなるため、早めの減速が必要です。規定のサイズ・重量以内でも、上記のようなあらゆるリスクが潜んでいます。運転の際は十分気をつけてください。
まとめ
自作で軽トラキャンピングカーを作ることは可能です。自作を楽しみたい方、費用をできる限り抑えたい方はフレームや外装もすべて木材でDIYすると、満足感を得られるでしょう。DIYに自信がない方、あまり時間をかけたくない方は自作キットの使用か軽トラキャンピングカーの専門店に相談するのがおすすめです。
また、自作する際は、必ず重量とサイズの規定に注意しながら制作しましょう。規定に収まっていないと違法改造になってしまいます。法律・安全、快適性を意識し、自分にピッタリな1台を制作してみてください。

