高い走破性を持ったミニバンとして、発売開始から18年経っても売れ続けるミニバン、デリカD:5。
同車はその特徴から、キャンプやアウトドアでも非常に人気が高い車種です。
そんなデリカD:5をキャンプ仕様にカスタムしたい方に向けて、具体的な方法や費用を解説します。
また中古のコンプリートカーを探している方向けて、選び方なども、あわせて解説します。
デリカD:5がキャンプ・アウトドアに人気な理由
デリカD:5はキャンプやアウトドアシーンで非常に高い人気を得ています。
その理由として、以下の3つが挙げられます。
- キャンプやアウトドアに最適な高い走破性
- ファミリーでもゆったり使える積載量と車内空間
- 長距離移動も快適でお財布にも優しいディーゼルエンジン
これらの理由について、一つずつ詳しく解説していきます。
キャンプやアウトドアに最適な高い走破性
ミニバンの形状ながら、オフロードで高い走破性を誇るデリカD:5は、キャンプやアウトドアに最適です。
ミニバンは3列シートとスライドドアを備え、主に市街地での走行を想定された車両が一般的です。
対してデリカD:5は最低地上高やボディ剛性が高く、オフロード向きのトランスミッションや電子制御4WDシステムを搭載しています。
特に登坂性能は特筆すべき点で、一般の乗用車が走行できる路面の傾斜角度は20〜30度が限界とされているのに対して、デリカD:5は45度まで走行可能です。
そのためキャンプ場に向かう山道などのオフロードでも、デリカD:5なら安心して走破できます。
このようにデリカD:5は、他のミニバンにはない高い走行性能により、キャンプ・アウトドアで人気を得ています。
ファミリーでもゆったり使える積載量と車内空間
デリカD:5がキャンプ・アウトドアに人気な理由の一つとして、ファミリーでもゆったり使える積載量と車内空間が挙げられます。
沢山の道具などが必要なキャンプですが、デリカD:5は四角いミニバン形状のため、たっぷりと荷物を載せられます。
またミニバンの3列目シートは荷室に格納できるよう薄く硬くなりがちですが、デリカD:5は全てのシートクッションが厚めに設計されており、どの座席でも快適に過ごせます。
このように荷室も大きく、3列目までしっかりと座れるデリカD:5はファミリーでのキャンプにもおすすめです。
長距離移動も快適でお財布にも優しいディーゼルエンジン

デリカD:5のエンジンがディーゼルエンジンであることも、キャンプ・アウトドアで人気を得ている理由の一つです。
ディーゼルエンジンはガソリンエンジンと比べて、低い回転数で高いトルク(車を動かす力)を発生させます。
そのため多人数乗車で坂道などを走行しても、力強く進むことが可能です。
また高トルクを低速域で発生できることで、高速走行時のエンジン回転数が抑えられ、静かで快適な移動もできます。
そして燃料のディーゼル(軽油)はガソリンより単価が安いため、長距離移動が多くなりがちなキャンプでも、お財布に優しい仕様となっています。
このように山道や長距離でも安心して快適に、そして経済的に移動できるディーゼルエンジンを持つデリカD:5は、キャンプやアウトドアと相性が良い車両と言えるでしょう。
デリカD:5をキャンプ・アウトドア仕様にカスタムする方法を紹介:外装編
ここからはデリカD:5をキャンプ・アウトドア仕様にカスタムする方法として、外装に関するカスタムを紹介していきます。紹介するのは以下の6つです。
- ルーフラック
- リアラダー
- バンパーガード
- サイドステップ
- マッドテレーンタイヤ
- ポップアップルーフ
ルーフラック

積載量が大きいデリカD:5ですが、ルーフラックを取り付ければ、より沢山の荷物を運べます。
ルーフラックを取り付けることで積載量のアップだけでなく、室内には収まりきれない大型の荷物や長尺物、濡れた荷物などもそのまま積み込めます。
またルーフラックに荷物を乗せれば、車内の荷室を稼ぐために3列シートを犠牲にする必要がなくなるため、多人数でキャンプやアウトドアに出かける方にもおすすめです。
リアラダー
リアラダーは車体後部に取り付ける金属製のはしごで、ルーフラックを取り付けている方におすすめのパーツです。
ルーフラックに載せた荷物を積み込み・積み下ろしする際、そのままの状態だと地上からは手が届かず、ドアの開口部などに足をかける必要があります。
リアラダーがあれば、足をかけて簡単に屋根にアクセスできます。車高が高いデリカD:5であれば、その利便性はより感じやすいでしょう。
また金属製で頑丈にできているリアラダーは、後続車から見てオフロード車らしい力強い印象も与えてくれるため、ドレスアップにもおすすめです。
バンパーガード

オフロード走行を頻繁に行う方には、バンパーガードの装着がおすすめです。
バンパーガードは主にフロントバンパーに取り付けるパーツで、文字通りバンパーを障害物などから守る役割があります。
金属製のパイプなどで構成されているバンパーガードを装着することで、その存在感からデリカD:5の印象が大きく変わるため、ドレスアップしたい方にもおすすめです。
サイドステップ

サイドステップを取り付けることで、デリカD:5の乗り降りがスムーズになります。
オフロード走行を想定して設計されているデリカD:5は、後席中央の高さは約45cmにものぼり、子供やお年寄りにとって乗りにくいと感じる場合も。
サイドステップを装着すれば、車体と地面の間にもう一つの足場ができ、乗り降りをサポートしてくれます。
マッドテレーンタイヤ

(車両はデリカD:5と異なります)
マッドテレーンタイヤを装着することで、より未舗装路での走破性が高くなります。
デリカD:5は、純正タイヤもアウトドアにも対応したマッド&スノータイヤを装着していますが、マッドテレーンタイヤであれば泥や岩場など過酷な道も走破可能です。
またマッドテレーンタイヤを装着すれば、独特の大きなブロックによって、デリカD:5の印象を力強くするドレスアップ効果も得られます。
ポップアップルーフ

ポップアップルーフを装着することで、広大な車中泊スペースを確保できるため、おすすめです。
室内長が約3m、室内幅が約1.5mと室内空間が広いデリカD:5ですが、横になって眠るスペースとしては大人2人が限界です。
しかしポップアップルーフを装着すれば、天井にも人が寝られるため、多人数での車中泊ができます。
またポップアップルーフは天井に位置するため、高い視点からの景色や開放感も楽しめるため、よりアウトドアを楽しめます。
デリカD:5をキャンプ・アウトドア仕様にカスタムする方法を紹介:内装編
次にデリカD:5をキャンプ・アウトドア仕様にカスタムする方法の内装編として、7つを紹介します。
- 運転席回転シート
- テーブル
- カーテン・シェード
- ベッドキット
- FFヒーター
- 車載用クーラー
- LEDルームランプ
運転席回転シート
運転席回転シートはその名のとおり、運転席と助手席を後ろ向きに回転できるようにするカスタムです。
回転させることによって2・3列目と向かい合わせになり、ダイニングテーブルを囲うようにゆったりと食事できるようになるなど、車内空間を有効に活用できます。
キャンプや車中泊中で、デリカD:5の車内をより快適にしたい方に運転席回転シートはおすすめです。
テーブル
車内で食事を楽しむなど、様々な場面で使用できるテーブルの装着は、おすすめカスタムの1つです。
テーブルと一口に言っても、様々なタイプが設計・販売されています。
例えばユーティリティテーブルは、運転席と助手席の間や2列目シートなど取付位置が選べ、回転シートと合わせればダイニングテーブルのような使い方ができます。
またシート背面に取り付けるパーソナルテーブルであれば、2列目の人は移動中でも食事を楽しむことが可能です。
このようにテーブルをデリカD:5に設置すれば、車内での過ごし方の幅が広がります。
カーテン・シェード

カーテン・シェードはキャンプや車中泊をするうえで、欠かせないカスタムです。
カーテンやシェードがない状態で車中泊を行おうとすると、外の灯りが差し込んできて熟睡できません。
また寝ている間も車外から覗かれる恐れがあるため、プライバシーの観点からも、そのままの状態で眠るのはおすすめできません。
そんなときカーテンやシェードを装着すれば、外部の光や視線を遮られるため、車内が一気にプライベートな空間に変わります。
快適で安心して車中泊をデリカD:5で行うために、カーテン・シェードは必須のカスタムと言えるでしょう。
ベッドキット

車中泊を行う際にベッドキットを利用すれば、水平な状態で横になれ、しっかりと眠れます。
デリカD:5のシートアレンジのうち、1列目と2列目、または2列目と3列目の組み合わせでシートをフラットにすることができます。
しかし、そのままの状態では若干の段差や隙間が生じてしまい、横になれても熟睡できません。
こんな状態に対してベッドキットを使用すれば、段差などもなくなり、車内が睡眠に適した空間に変わります。
このように車中泊でも快適な睡眠を得たい方は、ベッドキットを活用することをおすすめします。
FFヒーター
寒い冬でも快適に車内で過ごしたい方には、FFヒーターがおすすめです。
FFヒーターは車の走行燃料などを使用する暖房器具で、エンジンがオフの状態でも使用できるのが特徴です。
運転で発生した排気ガスは車両の排気管を通じて外に出るため、睡眠中も安心して使用できます。
車載用クーラー
夏場の気温は年々高くなっており、車中泊する際も、窓を開けるだけでは寝苦しいこともあります。
そんな時でも、快適に過ごせるための装備が車載用クーラーです。
持ち運び可能なポータブルクーラーと異なり、車載用クーラーは車両に取り付ける必要がありますが、その分しっかりと車内を冷やすことができます。
車に装着しているバッテリーでも動作するタイプもあるため、設置は業者に頼む必要がありますが、特別な電気部品は必要なく導入のハードルはそれほど高くありません。
夏場の車中泊を、自宅と同レベルで快適に過ごしたい方には、車載用クーラーは非常におすすめです。
LEDルームランプ

車内をリビングのように明るく照らし、夜間を快適に過ごせるカスタムとして、LEDルームランプの装着がおすすめです。
一般的に装着されているハロゲン球でも灯りとして活用できますが、ぼんやりと灯るだけで、しっかりと車内は照らせません。
LEDルームランプであれば明るい光で車内の隅々まで照らせるため、夜間の車内でも読書やテレビを視聴するなど、自宅のリビングと同じようにくつろげます。
デリカD:5をキャンプ・アウトドア仕様にする方法
デリカD:5をキャンプ・アウトドア仕様にする方法は、主に「業者に依頼する」場合と「DIY」の2通りがあります。
ここからは、これらの方法について詳しく解説していきます。
業者に依頼する
デリカD:5のキャンプ・アウトドア仕様を業者に依頼することで、しっかりとした施工をしてもらえ、安心してカスタムが可能です。
またポップアップルーフなど、車体を加工する必要があるものは、自ずと業者に依頼しなければいけない場合もあります。
アウトドア性能を高めるための「リブボーンフレーム」といったボディ構造など、デリカD:5は他のミニバンとは異なる設計手法がとられています。
車体構造を熟知し、カスタム経験が豊富な業者であればデリカD:5の特徴を活かした状態でカスタムを行ってくれるでしょう。
そして各業者では独自のカスタムを用意している場合が多く、カスタム作業後も保証や修理が受けられる場合もあります。
このように車両の性能を活かしながら、カスタム前後も安心してデリカD:5を使用したい方にとって、キャンプ・アウトドア仕様を業者に依頼する方法はおすすめです。
DIY
デリカD:5をDIYでキャンプ・アウトドア仕様にする場合、好きな装備を好きなように設置が可能です。
そのため、業者に依頼する方法と比べてカスタムの自由度が高いです。
また工賃もかからないため、カスタム費用を抑えられます。
ただし装備によっては、誤って装着したら事故等に繋がるおそれもあるため、注意が必要です。
たとえばFFヒーターの場合、発生した排気ガスが車内に入り込み、一酸化炭素中毒に繋がる場合もあります。
このようにDIYは自由度が高いカスタムを安価に行えますが、一歩間違えば事故に繋がるため、しっかりとした技術と知識のもと自己責任で行いましょう。
デリカD:5をキャンプ・アウトドア仕様にする費用目安
ここからは、デリカD:5をキャンプ・アウトドア仕様にする費用目安を解説していきます。
依頼先によって金額は変動しますが、大まかな費用は以下のとおりです。
| 装備 | 金額 |
| ポップアップルーフ | 約100万円 ※業者に依頼する場合 |
| FFヒーター、車載用クーラー | 10〜20万円 ※業者に依頼する場合 |
| ベッドキット、テーブル等 | 〜10万円 |
このように必要な装備に応じて費用は増えていきますが、装備したい内容によっては、業者でセット販売されている場合もあります。
またDIYの場合は、工賃はかからず材料費のみとなるため、上記の表と比べて安くカスタムできます。
デリカD:5のコンプリートカーは中古で購入可能
「予算が限られているけど、手っ取り早くカスタム済みのデリカD:5を手に入れたい」という方には、中古での購入がおすすめです。
カスタム業者によっては、予め自社でカスタムした車両(コンプリートカー)を中古車として販売している場合があります。
販売価格は装備や車両の状態によって変動しますが、新車で購入してカスタムを行う場合と比べて、費用を抑えられることが多いです。
具体的には中古車販売サイトに業者ページを作成していたり、自社HPで販売していることが多いので、気になる方は検索してみてはいかがでしょうか。
中古のコンプリートカーを購入する際のチェックポイント
中古のコンプリートカーを購入する際、車両の独自性から、一般的な中古車と異なるチェックポイントが存在します。そんなチェックポイントとして、以下の3点を解説します。
- 車両の状態
- 保証や購入後のサポート体制
- 自身のニーズにあった装備
車両の状態
中古車のコンプリートカーを購入するうえで、車両の状態を確認することは欠かせません。
走行距離やメンテナンス記録など、一般的な中古車選びで注意する箇所はもちろん、キャンプ・アウトドア使用の専用装備の状態も確認しましょう。
例えばポップアップルーフの幌は年月が立つと劣化し、穴が開いたり破れたりします。
このように中古のコンプリートカーを購入する際は車両本体の状態だけでなく、業者によって設置された装備の劣化なども確認することも重要です。
保証や購入後のサポート体制
購入後にキャンプ用の専用装備が故障した場合、専門業者でないと対応が難しいため、保証や購入後のサポート体制を確認しましょう。
例えばポップアップルーフなどの追加装備の継ぎ目が劣化していた場合、購入時は気づかなくても、雨の日に雨漏りに見舞われることもあります。
そんなときに保証で対応してもらえたり、いざという時にサポートしてもらえるよう、購入後の体制も確認しておきましょう。
自身のニーズにあった装備
中古車のコンプリートカーを選ぶときは、価格や見た目だけでなく「自分の生活に合った装備か」を必ず確認しましょう。
必要ない装備が付いていると、購入後にメンテナンスの手間や取り外し費用がかかり、後悔につながることがあります。
逆に、自分に必要な装備が揃っていない車を選んでしまうと、使い勝手が悪くなってしまいます。
そのため、まずは普段の使い方や生活スタイルを整理し、「自分にとって必要十分な装備」が揃っているかどうかを基準に車両を選ぶことが大切です。
デリカD:5のキャンプ・アウトドアカスタムに関する質問に回答
アウトドアでの使い勝手や走破性能を持ち合わせたミニバンであるデリカD:5。
ここからは唯一無二の存在と言える、同車に関する質問について回答していきます。
キャンプやアウトドアの相棒として、デリカD:5をこれから所有したい方は特に必見です。
デリカD:5のディーゼル仕様について注意することは?
デリカD:5のディーゼル仕様について注意することは以下のとおりです。
- ディーゼルエンジン専用のエンジンオイルを使う
- 尿素水の補充が必要になる
- ガソリンエンジンと比べて振動や騒音が大きい
ディーゼルエンジンは燃料や構造がガソリンエンジンと異なるため、ディーゼルエンジン専用のメンテナンス用品を使用しましょう。
特に交換頻度が高いエンジンオイルは、特に注意して、ディーゼルエンジン専用のものを使ってください。
またガソリンエンジンにはない、ディーゼルエンジンならではの消耗品があります。
その一つが尿素水です。デリカD:5をはじめ大半のディーゼルエンジンは、軽油を燃焼させた際に、有害物質が燃え残ってしまいます。
そんな有害物質を分解するために、尿素水が必要です。走行と共に徐々に減っていくので、一定距離走行した際は、忘れずに補充しましょう。

(写真はデリカD:5と異なります)
またガソリンエンジンと比べて、ディーゼルエンジンは振動と騒音が大きいことも注意しましょう。
もしディーゼル仕様のデリカD:5を購入しようと考えている方で、これらの注意点が気になるようでしたら、ガソリン仕様の車両をおすすめします。
現行のデリカD:5はディーゼル使用のみのラインナップであり、ガソリンエンジン仕様の車両は中古車のみとなっています。
またディーゼル仕様車のうち2012年〜2019年2月までのモデルは尿素水の補充は不要です。
デリカD:5はヴォクシーなどの他車と比べてどれだけ広い?
アウトドアに強く走破性が高い車両はSUVが一般的なのに対して、デリカD:5はミニバン形状のため、高さを始め荷室は大きいです。
また同じミニバンで人気車種であるヴォクシーと比較した場合、3列目を折りたたんだ際の荷室長(荷室口から2列目までの奥行き)はデリカD:5が長いです。
※メーカーの公表値による比較であり、測定方法により異なる場合があります。
まとめ
高いオフロード性能と多人数乗車に適したミニバン形状のデリカD:5は、まさにキャンプやアウトドアにピッタリの車両です。
今回ご紹介した内容を参考に、自身のデリカD:5をカスタムしたり、これから購入される方は中古のコンプリートカーを探してみてはいかがでしょうか。

