広い室内空間と豊富なシートアレンジが特徴で、家族や仲間とのお出かけに人気のホンダ・ステップワゴン。
その居住性や荷室の使いやすさが、キャンプや車中泊といったアウトドアシーンでも大きな魅力となっています。
この記事ではステップワゴンをキャンプ仕様にカスタムする方法をシーン別に合計6選紹介。さらに、費用やよくある質問についても詳しく解説しています。
記事を読めば、ステップワゴンをベースに自分らしいキャンプスタイルを実現するためのヒントが得られるでしょう。
ステップワゴンのキャンプ仕様カスタム事例|オフロード
オフロードでも安心してステップワゴンでキャンプしたい場合のカスタムとして、以下の3つを紹介します。
- マッドテレーンタイヤ
- リフトアップ
- LEDフォグランプ
マッドテレーンタイヤ

ステップワゴンをオフロード仕様にするなら、マッドテレーンタイヤの装着を検討しましょう。
マッドテレーンタイヤは、ぬかるみや岩場などの厳しい路面に特化したオフロードタイヤです。
トレッド部に独立したブロックを配置した特殊な構造により、泥道や砂利道でも高いグリップ力で安定感を発揮します。
そのためキャンプ場までの悪路でも安心して走行でき、アウトドアでの行動範囲が広がります。
このようにマッドテレーンタイヤを装着すれば、オフロードの先にある奥地でのキャンプにも安心して挑めます。
リフトアップ

ステップワゴンでオフロードを走るなら、リフトアップは効果的なカスタムです。
車高を上げることで車両と地上との距離が広がり、悪路でも障害物に引っ掛かりにくく走破性が向上します。
また視点が高くなることで、運転席からの見通しが良くなり、狭い山道などで安全性が高まります。
さらに、リフトアップによって外径の大きいオフロードタイヤを選ぶことができ、見た目にも迫力が出る点も人気の理由です。
このようにステップワゴンのリフトアップは、オフロードでの安心感と存在感を同時に高めてくれるでしょう。
LEDフォグランプ

(画像はステップワゴンと異なります)
キャンプ地へ向かう山道は街灯が無いことも多いため、夜間の走行には明るいLEDフォグランプがあると安心です。
純正ハロゲンと比べて明るい光を、より遠くに照らしてくれるLEDフォグランプは、山道での路肩など見えづらい箇所もしっかりと照らしてくれます。
またイエロー光であればオフロードの不安定な環境でも高い視認性をキープできます。
そしてLEDの光は虫が寄り付きにくい性質があるため、夜にキャンプ場で作業を行う際の明かりとしても役立ちます。
このように、LEDフォグランプは夜間のオフロードを安全に走行できるだけでなく、暗所での灯りにも活用できるのでおすすめです。
ステップワゴンのキャンプ仕様カスタム事例|車中泊
ステップワゴンでの車中泊をもっと心地よくするためのカスタムとして、以下の3つを紹介します。
- ポップアップルーフ
- ベッドキット・マットレス
- シェード
ポップアップルーフ

(画像はステップワゴンと異なります)
ステップワゴンをキャンプ仕様にして車中泊したいなら、ポップアップルーフの装着がおすすめです。
ルーフを持ち上げるだけで、就寝スペースが確保でき、ミニバンの車内空間をより広々と使えます。
ステップワゴンの場合、純正で装着されているのは初代の一部グレードのみで、それ以外は販売されていません。
そのためポップアップルーフを装着したステップワゴンを手に入れるには、「コンプリートカーを購入する」か「後付けする」かのいずれかになります。
どちらの方法も専門業者を通じて購入・依頼するため、信頼できる業者を見つけることが重要です。
また両方とも高額になりやすいですが、限られた車内を広げられる効果は大きく、ステップワゴンをキャンピングカーに近づける最強のカスタムの一つと言えるでしょう。
【コンプリートカー】
専門業者がキャンプ仕様にカスタムした車両のこと。
ポップアップルーフのほか、空調や収納など装備が充実していることもあります。
ただし、装備が多いほど価格も上がります。
【後付け】
自分で購入・所有している車両にポップアップルーフを追加する方法。
追加するには屋根を加工する必要があるため、業者に依頼するのが一般的です。
施工費用は本体代金に加えて工賃もかかり、総額で100万円前後になります。
ベッドキット・マットレス

(画像はステップワゴンと異なります)
ベッドキットやマットレスを装備すれば、車中泊がもっと快適になります。
シートアレンジで就寝空間が作れるステップワゴンでも、シートを倒しただけでは段差や隙間が生じ、寝心地があまり良くありません。
ベッドキットはシートをフラットに整え、マットレスはその上に敷いて凹凸を解消できるため、快適な睡眠環境を整えることができます。
特にキャンプや長距離の車中泊では、疲労の蓄積を防ぐためにも有効です。
このように車を快適な寝室に変えるために、ベッドキットやマットレスはおすすめです。
シェード

車中泊やキャンプで安心して休むためには、シェードの活用が効果的です。
窓に取り付けることで車外からの視線を遮り、就寝時のプライバシーをしっかり守れます。
ルームランプを点けていても外から見えにくいため、夜間も安心です。
吸盤で簡単に装着でき、未使用時は収納袋へしまえるので持ち運びにも便利です。
シェードを用意しておけば、周囲を気にせずにゆったり休める快適な車内空間を作り出せます。
ステップワゴンでキャンプをする際におすすめのアイテム4つ
ステップワゴンを使って気兼ねなくキャンプしたい方へのおすすめアイテムを4つ紹介します。
- ポータブル電源
- タープ
- オールシーズンマット
- ラゲッジトレー
ポータブル電源

ステップワゴンでアウトドアキャンプを楽しむなら、ポータブル電源は欠かせません。
純正コンセントは最大100Wのため高出力家電には使えませんが、ポータブル電源があれば、炊飯器やケトルなども問題なく使用できます。
持ち運びもできるため、どこでも活躍し、キャンプの快適性を大きく高めてくれるでしょう。
タープ

キャンプ場で周囲の視線が気になる方には、タープの導入がおすすめです。
プライバシーを確保しながらリビングスペースを拡張できるので、家族や仲間とのキャンプに最適です。
広い車内とタープを組み合わせれば、ステップワゴンは安心してくつろげるキャンプ空間となるでしょう。
オールシーズンマット

汚れを気にせずアウトドアを楽しみたい方には、オールシーズンマットがおすすめです。
キャンプや川遊びの後、靴に泥や水がついたまま車内に乗っても、マットが水や泥をしっかり受け止めてくれます。
フロアを汚れから守りつつお手入れも簡単なため、アウトドアキャンプにぴったりのアイテムです。
ラゲッジトレー

(画像はステップワゴンと異なります)
3列目シートを収納してできるラゲッジスペースには、ラゲッジトレーを備えておくと便利です。
キャンプ帰りに濡れたテントやクーラーボックスをそのまま載せられ、水濡れや汚れの心配はありません。
使用後は取り外して丸洗いできるので、お手入れも簡単です。
荷室は荷物を載せるだけでなく、3列目シートとしても使うからこそ、汚れを防げるラゲッジトレーがあると安心です。
ステップワゴンのキャンプカスタムを業者に依頼する際の費用相場
DIYでのカスタムが難しい場合は、専門業者に依頼する方法も検討しましょう。
サブバッテリーや室内照明、フルフラットベッドといった基本的な装備を導入する場合で、おおよそ130万円〜140万円程度のカスタム費用が目安です。
さらに家具や外部電源、ポップアップルーフなどの装備を組み合わせると、その分価格も上がり300万円を超えることも。
自分のアウトドアスタイルに合わせ、必要な装備を見極めて依頼することが重要です。
ステップワゴンをアウトドア仕様にした中古車も販売されている
新車をベースにカスタムする方法だけでなく、中古車市場にはすでにアウトドア仕様に仕上げられたステップワゴンも販売されています。
価格がこなれた2世代前のRK系モデルの流通量が多く、すぐにアウトドアで活用できるのが魅力です。
一方で、2015年発売のRP系モデルも、独自の「わくわくゲート」の使い勝手が良くおすすめです。
「わくわくゲート」は、通常の跳ね上げ式に加えて横にも開閉できるリアゲートで、現行モデルには搭載されていません。

狭い駐車場やキャンプ場でも小さく開いて荷物を取り出せるため、クーラーボックスなどちょっとした荷物の出し入れに役立ちます。
また、荷室を着替えスペースとして使う際も、ドアのように横開きにできる「わくわくゲート」から出入りができて便利です。
予算や用途に合わせて、カスタム済みのステップワゴンを中古車市場から選ぶのもおすすめです。
ステップワゴンがキャンプや車中泊に向いている理由を解説

ステップワゴンがキャンプや車中泊に向いている理由を、以下の2点に分けて解説していきます。
- 室内空間が広くシートアレンジが多彩
- たっぷり積めて使い勝手が良い荷室
室内空間が広くシートアレンジが多彩

広い室内空間が自慢のステップワゴンは、シートアレンジの自由度が高く、キャンプや車中泊にぴったりです。
座席を前後にスライドさせたり背もたれを倒したりするだけで、多彩なスタイルを表現できます。例えば、以下の方法が挙げられます。
【3列目を収納し2列目を前にスライドさせる】
段差が少ない広い床面が生まれ、そのまま自転車を乗せたり、マットを敷いて横になることも可能です。
【2列目と3列目の背もたれを倒す】
後部座席のみでベッドスペースが作れ、運転席を残したままでも家族で並んで休めるほどのスペースを確保。休憩や仮眠におすすめです。
【1列目と2列目を倒す】
最も長くスペースが確保できる方法。背の高い方も足を伸ばして快適に休めます。
このように、シートアレンジによって家族構成や利用目的に合わせた就寝空間を柔軟に作れる点が、ステップワゴンの大きな魅力です。
たっぷり積めて使い勝手が良い荷室

ステップワゴンの荷室は低床で開口部が広く、大きな荷物も積みやすいだけでなく使い勝手もよいため、キャンプや車中泊に最適です。
キャンプではテントやテーブルなど、かさばる荷物が多く、積み降ろしのしやすさがアウトドアでの快適さに直結します。
ステップワゴンは地上高が約530mmと低く設計されており、重い荷物も腰に負担をかけずに出し入れ可能です。
開口部の高さと幅も約1195mmと十分にあり、自転車やアウトドアワゴンのような大きなアイテムもスムーズに積み込めます。
また年式によって3列目シートは床下に格納できるため、広い車中泊スペースに変えられるのも大きな特徴です。
座席を自由に出し入れできるため家族で出かける際も、荷物の大きさや人数、用途に合わせて柔軟に対応できます。
このように荷物が積み込みやすく、車中泊にも対応できる荷室を備えたステップワゴンは、キャンプや車中泊をより快適に楽しめる一台です。
カスタム前に確認!ステップワゴンをアウトドアで活用する際の弱点

アウトドアでステップワゴンを使用する際に気をつけるべきこととして、以下の3つを解説します。
- オフロード性能は限定的
- シートを倒しただけでは完全フラットにならない
- 1500W対応ACコンセントが非装備
実際にカスタムを始める前に確認しておきましょう。
オフロード性能は限定的
ステップワゴンには、積雪地や急な坂道での安定感を高めるリアルタイム4WDが搭載されています。
キャンプ場まで舗装されていない砂利道やぬかるんだ道があっても、2WDよりも安心して走行することができます。
しかし、あくまで日常利用を想定したもので、本格的なオフロード車のような走破性を備えているわけではありません。
深い砂地や泥道での連続走行は苦手で、渡河や岩場走行などは想定されていません。
つまり、ステップワゴンの4WDはキャンプやアウトドアに向けた「安心感」を高める装備ではあるものの、万能ではありません。
走破性能が限定的であることを理解したうえで、オフロードに特化したカスタムを行わない場合、より無理のないルート選びや慎重な運転を心がけることが大切です。
シートを倒しただけでは完全フラットにならない
ステップワゴンはシートアレンジの自由度が高く、車中泊やキャンプに活用しやすいミニバンです。
しかし、シートを倒しただけでは段差や隙間が生じ、完全にフラットなスペースにはなりません。
そのまま横になると、身体が沈み込んだり腰に負担がかかったりすることもあります。
マットレスなどを利用することで段差を解消し、フラットで安定した寝床を確保できます。
特に長時間の滞在や家族でのキャンプでは、睡眠の質が快適さに直結するため、睡眠環境を良くする準備をしておくと安心です。
ステップワゴンをアウトドアで快適に使うなら、シートを倒すだけではフラットにならないことを念頭に、マットレスなどの補助アイテムを取り入れてみましょう。
1500W対応ACコンセントが非装備
ステップワゴンには、オプションでAC100Vのコンセントを装備できます。
しかし出力は100Wにとどまり、使用できる電化製品はスマートフォンの充電器や小型家電などに限定されます。
一方、他車では1500W対応のコンセントを備えており、電子レンジや電気ケトルといった高出力家電も車内で使用可能です。
そのため他車と比較すると、ステップワゴンのコンセントはアウトドアでの利便性に物足りなさを感じるかもしれません。
そのため、キャンプや車中泊で電気ケトルなど消費電力が高い家電を使いたい場合は、ポータブル電源を用意しておきましょう。
ステップワゴンをキャンプ仕様にカスタムする際の質問にお答え
実際にステップワゴンをアウトドアで使うとなると、「どのくらい走る?」「どれくらい広い?」など具体的な疑問が浮かびます。
ここでは、ステップワゴンをキャンプ仕様にする際の代表的な質問に回答します。
- ステップワゴンは満タンで何キロ走る?
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ハイブリッド車で約920km、エンジン車のFFで約600km、4WDで約570kmが目安です。
走行条件や積載量で変動はありますが、ステップワゴンの航続距離はキャンプなど長距離移動でも安心と言えます。
給油回数を減らしたい方には、航続距離の長いハイブリッド車がおすすめです。
なお、航続距離の計算ではタンク容量が満タンである52Lの90%として計算されるため、燃費とタンク容量での単純計算よりもやや短くなっています。
- ステップワゴンとセレナどっちが広い?
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ステップワゴンとセレナの大きさは以下のとおりです。
室内長 室内幅 ステップワゴン 2,845mm 1,545mm セレナ 3,240mm 1,545mm 表からわかるように、室内サイズはセレナのほうが広いです。
しかし、ステップワゴンは多彩なシートアレンジで居住性を確保しやすく、快適性で劣りません。
例えば、3列目シートを床下に収納すれば、広いラゲッジスペースにキャンプ道具などの大きな荷物も積みやすいです。
1列目と2列目をフラットにすれば、荷物を積んだままでも車中泊ができます。
こうした設計により、単なる広さ以上に実用的で、アウトドアに強いのがステップワゴンの魅力です。
- 新型と旧型の違いは?
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ステップワゴンは新型と旧型で、室内空間と動力性能に違いがあります。
旧型の5ナンバーから新型は3ナンバーへと変わり、室内長2845mm×室内幅1545mmでホンダ史上最大の広さとなりました。
特に、室内幅の広がりと豊富なシートアレンジで、座席間のゆとりが増して家族でゆったり過ごせる快適性を実現しています。
また、特徴的なのがバックドアの違いです。
旧型は縦だけでなく横にも開けられる「わくわくゲート」、新型はメモリー機能付きの「パワーテールゲート」がそれぞれ採用されています。
なお動力性能は、ハイブリッド車では2モーターハイブリッド「e:HEV」、ガソリン車では1.5L VTEC TURBOを搭載している点は、新型も旧型も変わりありません。
ただしエンジンのフリクション低減や、排気ポートやタービンなどの改良によって、燃費は以下のように向上しています。
スクロールできますハイブリッド車 ガソリン車(FF) ガソリン車(4WD) 新型 19.6km/L 12.9km/L 12.1km/L 旧型 20.0km/L 13.6km/L 13.0km/L このように、広さと走りの両面で進化した新型は、旧型よりも快適に移動や車中泊を楽しめるモデルとなっています。
まとめ
ステップワゴンは広い室内と多彩なシートアレンジにより、家族で快適に過ごせるのが魅力です。
荷室の使い勝手も良く、大きなアウトドア用品も積みやすいため、キャンプや車中泊に適しています。
弱点となるオフロード性能や電源装備も、リフトアップやポータブル電源などのカスタムで補うことができます。
自分らしいカスタムをすることで、ステップワゴンは家族の時間やアウトドアの思い出をより豊かにしてくれる一台へと進化するでしょう。

