HIDとLEDは、淡い黄色い光を放つ「ハロゲン」からグレードアップするのによい選択肢です。とはいえ、HIDとLEDではどちらが明るいのかわからない方もいるでしょう。
この記事では、HIDとLEDの明るさを比較します。どちらがおすすめなのかも解説するので、HIDとLEDで迷っている場合は、参考にしてみてください。
HIDとは
HIDとは、High Intensity Discharge(高強度放電)を略したライトのことです。
「キセノンランプ」や「ディスチャージランプ」とも呼ばれており、自然光に近いものからクールな色味まであるため、多彩なカラーバリエーションがあります。
HIDは、バルブ(電球)内に封入されたキセノンガスに高電圧をかけ、放電させることで発光します。ハロゲンライトの数倍の明るさを持ち、夜間や暗い場所での視認性を大幅に向上させることが可能です。
フィラメントを使用せず、アーク放電によって光を生成するため、ハロゲンランプより寿命が長い特徴もあります。消費電力が少なく、車の燃費向上にも貢献するでしょう。
ただし、HIDは「バラスト」や「イグナイター」などの追加部品が必要であり、交換時の初期コストが高くなりがちです。部品が多いことから、取り付け方法が複雑なため、交換時に苦労する可能性もあります。
また、夜間や暗い場所での視認性を大幅に向上できるものの、点灯してから最大の明るさに達するまで10〜20秒程度かかることに留意してください。
LEDとは
LEDとは「Light Emitting Diode」の略のことで、高輝度発光ダイオードが使われているライトです。近年のLEDは、HIDより明るく優れた視認性を発揮し、夜間や暗い道での視界を大幅に向上させることが可能です。
点灯させてからすぐに最大の明るさまで達するため、瞬時に最大光量が必要な「トンネルの出入り口」や「街灯がほとんどない道路」などでも活躍します。
また、LEDはHIDのようにバラストやイグナイターなどの追加部品が不要です。バルブだけで商品として成り立つため、HIDより比較的簡単に取り付けられます。※取り付けは自己責任で行いましょう
HIDより寿命が長く消費電力が少ないため、燃費向上にも繋がるでしょう。
HIDとLEDの明るさを比較
これまで、車のライトに使用される3つのバルブ(ハロゲン・HID・LED)のなかではHIDが一番明るいとされていましたが、近年はLEDの明るさの進化が目立っています。
ここでは、HID屋のHIDとLEDの明るさを比較します。
HIDに比べて、LEDの方が手前からワイドに路面を照らしていることがわかります。路面が見やすいため、道路の状況を正確に把握することが可能です。
上記の画像では、HIDは前方をほんのり照らしているのに対して、LEDは遠くの状況まではっきりと見えます。
ただし、LED光は雨や雪で散乱されやすく、HIDより明るさが劣るケースもあります。天候次第では、視認性が下がるケースがあることに留意してください。
また、LEDは明るいがゆえに、光軸がずれていると対向車や歩行者を眩惑(げんわく)させる可能性があります。LEDに交換する際は、光軸を正しく調整しましょう。
※光軸とは、ヘッドライトが照射する光の向きのことです。
光軸調整の方法は、以下の記事で詳しく解説しています。LEDに交換する前に、光軸調整の方法を把握しておきましょう。
HIDとLEDではどちらがおすすめ?
HIDとLEDでは、それぞれ特徴があるため、どちらがいいとは一概にいえません。
具体的には、以下のような違いがあります。
比較項目 | HID | LED |
明るさ | 非常に明るい | 十分な明るさ※HIDより明るいLEDもあり |
寿命 | 2,000時間程度 | 10,000時間程度 |
交換のしやすさ | 取り付ける部品が多いため時間と知識が必要 | シンプルで比較的簡単 |
色のバリエーション | イエロー系 ホワイト系(透明感のあるホワイト) ブルー系 | イエロー系 ホワイト系(純白のようなホワイト) ブルー系 |
たとえば、とにかく前方を明るく照らして、視認性を向上させたい方にはHIDが向いています。
一方、LEDは前方を明るく照らしつつ、交換する回数や手間を抑えたい方におすすめです。
以下の記事では、HIDとLEDの違いを詳しく紹介しています。それぞれの特徴を把握し、目的に応じてライトを選びましょう。
まとめ
近年のLEDは、HIDより明るい特徴があります。また、HIDとLEDはそれぞれ特徴が違うため、あなたの目的に応じたライトを選びましょう。