フォグランプのバルブ(電球)だけを交換する場合は、専門知識がなくても自分でハロゲンからLEDに変更できます。
ただし、交換する際はバルブ形状や保安基準を考慮して選ばなければなりません。この記事では、フォグランプをハロゲンからLEDに交換する方法やメリットデメリット、注意点などを紹介します。
フォグランプをハロゲンからLEDに交換する方法
フォグランプをハロゲンからLEDに交換するには、バンパーまたはフォグランプユニットを取り外さなければならないケースがあります。
ここでは、バンパーとフォグランプユニットを外さずに、フォグランプをハロゲンバルブからLEDバルブに交換する方法を紹介します(※交換作業は必ず自己責任で行ってください)
なお、車種によって作業内容が異なる場合があるため、必ず愛車の取扱説明書を確認しましょう。
- 交換する場所と反対方向にハンドルを切る
- エンジンを止める
- タイヤハウスのクリップを外す
- 隙間から腕を入れてコネクターを引き抜く
- ハロゲンバルブを反時計回りに回転させてロックを外す
- ハロゲンバルブを引き抜く
- LEDバルブを取り付ける
- LEDバルブを時計回りに回転させてロックする
- コネクターを取り付ける
- エンジンをかけて問題なく点灯するかチェックする
- タイヤハウスのクリップを戻す
タイヤハウスとは、フェンダー内側の黒いカバーがかかっている部分のことです。タイヤハウスは、クリップで止められており、種類によって外し方が異なります。
たとえば、クリップの溝をプラスドライバーで回したり、内張剥がしを使ったりして外さなければなりません。また、経年劣化によりクリップがサビている場合は、外すのにより苦労するでしょう。
無理に引っ張ると破損する恐れがあるため、愛車のメーカー(ディーラー)に問い合わせて、正しい外し方を確認してみてください。コネクターはツメを押しながら下方向に引けば力を入れずに抜くことが可能です。
下記の動画では、ヴェルファイアのフォグランプバルブの外し方や取り付け方を解説しているので、参考にしてみてください。
フォグランプをハロゲンからLEDに交換した際のメリット
フォグランプをハロゲンからLEDに交換すると、下記のようなメリットを得られます。
- 衝撃に強い
- ハロゲンより明るい
- 照射位置がぶれない
それぞれのメリットについて、具体的に紹介します。
衝撃に強い
フォグランプをハロゲンからLEDに交換した場合、耐衝撃性が向上します。
LEDには、ハロゲンのように「フィラメント」が使用されていないため、衝撃に強い特徴があります。フィラメントとは、電球の中にある細い金属の線のことです。
フィラメントは振動や衝撃で切れるリスクが高く、いざ雨天時や濃霧時にフォグランプを使おうと思っても、壊れていて使用できないケースがあります。LEDに交換すれば、衝撃や振動による故障のリスクを軽減できるため、いざというときにフォグランプを使用できます。
ハロゲンより明るい
下記画像のようにLEDはハロゲンより明るいため、視界をさらに確保することが可能です。
ただし、白色は水分の乱反射の影響により、悪天候時に視認性が落ちるケースがあります。
なお、バルブメーカーによっては黄色のLEDフォグランプも販売しています。黄色い光は白色より光の波長が長いため、水滴や霧を透過しやすく路面が見やすくなります。
悪天候時に視認性が落ちるのを不安に思う方や降雪が多い地域の方は、黄色のLEDフォグランプがおすすめです。
なかには、白と黄色の両方を点灯できる「2色切り替えLEDフォグランプ」も販売されているため「通常時は白」「悪天候時は黄色」と、状況によって使い分けることが可能です。
照射位置がぶれにくい
フォグランプをLEDに交換すると、光が安定して一定の位置を照らせるようになります。ハロゲンランプは、経年劣化や振動の影響でフィラメントが損傷すると、光の照射が不安定になる場合が多い傾向があります。
一方、LEDはフィラメントを使用しておらず、均一な発光性能を持っているため、安定して同じ場所をしっかり照らすことが可能です。また、照射位置が安定していると、対向車や周囲への眩しさを軽減する効果もあります。
ただし、LEDも経年劣化や振動により内部のチップが損傷すると、照射位置が不安定になるケースがあることに留意してください。
フォグランプをハロゲンからLEDに交換した際のデメリット
フォグランプをハロゲンからLEDに交換すると、下記のようなデメリットがあります。
- レンズに付着した雪が溶けない
- ハロゲンより価格が高い
それぞれのデメリットについて、具体的に紹介します。
レンズに付着した雪が溶けない
LEDはハロゲンより発熱量が少ないため、降雪時にレンズに付着した雪を溶かせません。雪がレンズを覆うと光量が落ちて、前方を十分に照らせなくなる可能性があります。
ただし、フォグランプレンズは樹脂製でできている場合が多く、発熱量が多いとレンズが黄ばんだり曇ったりするため視認性が低下します。また、レンズの劣化は車全体の外観にも影響するでしょう。
降雪時ではデメリットがあるものの、日常的な使用においては黄ばみにくくなるというメリットが得られます。
ハロゲンより価格が高い
LEDはハロゲンより価格が高く、コスト面での負担があります。ハロゲンのバルブが1,000円程度である一方、高性能なLEDは1万円程度となります。
ただし、LEDは消費電力が低く、車のバッテリーや電気系統にかかる負担を軽減できます。そのため、ライト類の不点灯やヒューズ切れといった電装トラブルのリスクを軽減できるメリットがあります。
フォグランプをハロゲンからLEDに交換する際の注意点
フォグランプをハロゲンからLEDに交換する際は、バルブ形状や保安基準(車検)に適合しているかどうかチェックする必要があります。また、車種によっては交換後にコーディングもしなければなりません。
続いて、フォグランプをハロゲンからLEDに交換する際の注意点を具体的に紹介します。
車に適合したバルブ形状を選ぶ
フォグランプをハロゲンからLEDに交換する際は、愛車に適合したバルブ形状を選ばなければなりません。
車のランプはバルブ形状が定められており「H8」や「H11」「H16」などとさまざまな種類があり、それぞれ定格出力と口金形状が異なります。
そのため、適合していないバルブ形状を選ぶと愛車に上手く装着できません。周辺の部品を破損させる可能性もあるため、適合していないバルブを無理に装着しないようにしましょう。
なお、HID屋の公式サイトにはバルブ形状の適合表があり、愛車に適合したバルブを探すことも可能です。
ただし、バルブ形状が適合していても、装着できないケースもあります。たとえば、バルブの後部が長い場合、何かと干渉してしまい装着できないといったケースです。
特に軽自動車やコンパクトカーは、スペースが狭いため、装着できない場合が多い傾向にあります。バルブ形状に加えて、取り付けスペースも事前に確認しましょう。
保安基準に適合したフォグランプを選ぶ
フォグランプをハロゲンからLEDに交換する際は、保安基準に適合したバルブを選びましょう。
保安基準に適合していないバルブを取り付けた場合、車検に受かりません。また、整備不良で警察に捕まる可能性もあるでしょう。
なお、車検ではフォグランプの色や明るさ、他者の運転を妨げないことなどをチェックされます。
フォグランプの保安基準については、下記の記事で詳しく紹介しています。LEDバルブを購入する前に、フォグランプの保安基準について知識を深めておきましょう。
車種によっては交換後にコーディングが必要
車種によってはバルブ交換後に、車のシステムの設定を変更する「コーディング」が必要です。
フォグランプをハロゲンからLEDに交換した際、車のシステムはバルブの消費電力や特性を感知します。LEDはハロゲンよりも消費電力が低いため、車のシステムが「バルブ切れ」と誤認識し、警告灯が点灯する可能性があります。
警告灯の誤認識を防ぐためにも、コーディングが必要な車種は、設備が整っているディーラーや整備工場などの専門業者に依頼しましょう。
フォグランプをハロゲンからLEDに交換 に関するよくある質問
フォグランプをハロゲンからLEDに交換する際のよくある質問を紹介します。
- ハロゲンとLEDの違いは?
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ハロゲンとLEDの大きな違いは、明るさが異なる点です。
下記の記事でハロゲンとLEDの違いについて具体的に紹介しているので、参考にしてみてください。
LEDヘッドライトとハロゲンヘッドライトの違いについて徹底比較! LEDにはハロゲンのものやLEDのものがありますが、具体的に何がどのように違うのでしょうか?ハロゲンからLEDに交換を検討している人や、LEDに交換したばかりで変化がよ... - フォグランプの交換費用はいくらかかる?
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フォグランプを自分で交換する場合、バルブ代しかかかりません。LEDのバルブ代は5,000円程度が相場であり、高性能なものであれば1万円程度です。
フォグランプの交換を業者に依頼する場合は、バルブ代に加えて3,000〜8,000円程度の工賃が発生します。車種によっては、バンパーやフォグランプユニットごと外す必要があるため、工賃に幅が出ることに留意してください。
おすすめのLEDフォグランプ
商品名 | Vシリーズ |
対応バルブ型式 | H8/H11/H16 HB4 PSX26W |
色 | 6500K / 3000K |
ワット数 | 40W |
フォグランプをハロゲンからLEDに交換するなら、日本ブランドであるHID屋の「V シリーズ」がおすすめです。
V シリーズは2色切り替え可能なバルブであり、スイッチ1つで「白」から「黄色」にフォグランプを変更できるため、悪天候時でもしっかり前方の視界を確保できます。
具体的には白を基本とし、下記の中からもう1色選ぶことが可能です。
- イエロー
- レモンイエロー
- ライムイエロー
- エメラルドグリーン
また、コンパクトに設計されており他の部品と干渉しにくいため、取り付けスペースが狭いコンパクトカーや軽自動車でも安心して購入できます。
フォグランプをハロゲンより明るくしつつ、悪天候時も視界をしっかり確保したい場合は、V シリーズを検討してみてください。
まとめ
フォグランプをハロゲンからLEDにすると、衝撃に強くなるほか、ハロゲンランプよりも明るいためより視界を確保できます。照射位置がぶれずに安定していることも、より視界を確保できる理由の1つです。
ハロゲンより明るくしつつ、悪天候時も視界をしっかり確保したい場合は、HID屋の「V シリーズ」がおすすめです。保証が1年付帯されているため、万が一故障した際でも対応してもらえます。
自分でフォグランプをハロゲンからLEDにする際は、この記事で紹介した手順で作業してみてください。