「HIDバルブ『D4S』を交換したいけれど、どれを選べばいいのかわからない…」
そんな不安や悩みを抱えている方も多いのではないでしょうか。D4RやD2Sとの違い、車検基準、交換方法など、注意すべき点が多く、迷ってしまいますよね。
この記事では、HIDバルブ「D4S」についての基礎知識から交換方法まで詳しく解説します。ぜひ参考にして、自分の車にぴったりのD4Sバルブを見つけてください。
HIDバルブ「D4S」とは
「D4S」は、自動車のヘッドライトとして優れた性能と効率を持つHIDバルブの一種です。
HIDとは、High-Intensity Discharge Lampの略で、従来のハロゲンランプに比べて明るい特徴があります。特に、自然に近い白い光を生み出すため、夜間でも視界がクリアになり、安心して運転が可能です。
その中でも、「D4S」バルブは自動車のヘッドライト用に設計されたディスチャージランプです。「D4S」の「D」はディスチャージ、「S」はスクエアの意味を持ちます。
D4Sバルブは、少ない電力でしっかりと明るさを確保できるメリットがあります。性能と効率のバランスが取れたD4Sバルブは、ドライバーにとって頼れる存在です。
D4SとD4R、D2Sの違い
ここでは、D4SバルブとD4R、D2Sの違いについて解説します。
HIDバルブには、主に4つの種類があります。
- D4S
- D4R
- D2S
- D2R
4つの種類は、「D4」と「D2」、「S」と「R」の違いで区別されます。それぞれの特徴について、詳しく見ていきましょう。
D4とD2の違い
はじめに、「D4」と「D2」の違いについて解説します。D4バルブとD2バルブには、それぞれ異なる特徴があります。
D4バルブ | D2バルブ | |
水銀の使用 | 使用なし | 使用あり |
明るさ(色温度) | 4300K〜12000K | 4300K〜12000K |
点灯電圧 | 約42V | 約85V |
安定点灯時間 | 約30~60秒 | 約15~30秒 |
D4とD2の互換性 | 互換性なし(形状が異なる) | 互換性なし(形状が異なる) |
D4バルブは、環境に配慮しているため水銀を使用していませんが、D2バルブは少量の水銀を含んでいます。色温度は、D4、D2バルブとも4300K〜12000K程度です。
点灯時の電圧はD4が約42Vで、安定するまでに30~60秒ほどかかります。これに対し、D2は約85Vの電圧が必要で、15~30秒ほどで光が安定します。
また、両者は形状が異なり、互換性がないため、車両に応じた選択が必要です。車種や年式によって適したバルブが異なるので、事前に確認して選ぶことが大切です。
SとRの違い
つぎに、D4SとD4Rの「S」と「R」による違いを解説します。「D4」が同じであっても、「S」と「R」が違うと全く異なるバルブとなり、互換性はありません。
SとRについて、以下の項目に沿って違いを詳しく解説します。
- 形状(台座部分)
- 遮光機能の有無
形状(台座部分)
HIDバルブの「S」と「R」は、台座の形状に違いがあります。
「S」はプロジェクターヘッドライト用、「R」はリフレクターヘッドライト用に作られており、それぞれの爪の形状が異なるため、間違った取り付けを防ぐ工夫がされています。
最近では、SとRのどちらにも対応する汎用タイプの社外品も登場しています。ただし、取り付けの際には台座の形状や車両への適合をしっかり確認することが大切です。正しく選ぶことで、ヘッドライトの性能を十分に発揮できます。
遮光機能の有無
HIDバルブ「S」と「R」は、遮光機能の有無に大きな違いがあります。
Sタイプはプロジェクターヘッドライト専用で、ヘッドライトユニット自体に遮光板があるため、バルブに遮光機能はありません。
一方、Rタイプはリフレクターヘッドライト専用で、バルブ自体に遮光膜が施され、対向車への眩惑を防ぎます。
誤った組み合わせは視界不良や安全性に影響を与えるため、適切なバルブ選びが重要です。プロジェクターヘッドライトにRタイプを装着すると光量が低下する可能性があるため注意が必要です。
HIDバルブ「D4S」の車検基準とは?
ここでは、HIDバルブ「D4S」の車検基準について解説します。
D4Sバルブはヘッドライト用に設計されたバルブです。そのため、車検に通るためには、ヘッドライトの車検基準を満たしたものを選ぶ必要があります。ヘッドライトの検査基準は2024年8月に厳格化されたため、しっかりと確認しておきましょう。
車検基準について、以下の項目ごとに詳しく解説します。D4Sバルブを選ぶ際の参考にしてください。
- 光量
- 光軸(カットライン)
- 色味
- 状態
光量
ヘッドライトの光量は、安全運転にとって非常に重要です。
光量が足りないと、夜間や雨の日などで視界が悪くなり、事故のリスクが高まります。一方で、光量が強すぎると対向車のドライバーを眩惑させ、危険を引き起こす可能性があります。
車検では専用の測定器で光量をチェックし、基準値を満たしているか確認します。光量は、ロービームで6400カンデラ以上が必要とされています。
普段からヘッドライトの状態を確認し、適切な光量を保つことで、安全で快適な運転が可能になります。
光軸(カットライン)
ヘッドライトの光軸(カットライン)は、光の照射方向を確認するために必要な項目です。
光軸がずれていると、対向車や歩行者の視界を妨げたり、道路標識が見えづらくなったりする恐れがあります。そのため車検では、ヘッドライトが地面に対して適切な角度で光を照射しているかを確認します。
ロービームの場合、基準となる下向き角度は水平面に対して0.5%から1.5%です。この範囲を外れている場合は調整が必要です。また、左右のヘッドライトの光軸が大きくずれている場合も修正が求められます。
最近の車には自動で光軸を調整する機能が付いているものがあり、その動作も確認されます。正しい光軸を保つことで、夜間の視認性が向上し、事故のリスクを低減できます。
色味
ヘッドライトの色味は、日本の車検基準によって「白色」である必要があります。
一般的に、3000~7000K(ケルビン)の範囲が白色とされますが、検査は目視で行われるため、極端に青白い光や黄色い光は車検に通らない可能性があります。
特に、着色バルブや色付きのフィルムを使用している場合、基準を満たさないことが多いので注意が必要です。LEDやHIDヘッドライトも、この基準に適合していなければなりません。
HIDバルブのケルビン数ごとの光り方については、こちらの図を参考にしてください。
状態
ヘッドライトの状態についても、欠かせない重要な検査ポイントです。
レンズがくもったり黄ばんだりすると、光量が不足して視界が悪くなる恐れがあり、検査に通らない可能性があります。また、ひび割れがある場合も、光が適切に配光されず、対向車や歩行者に迷惑をかけるため、指摘される可能性があります。
さらに、ヘッドライトの取り付けが緩んでいると、走行中に光軸がずれてしまうことがあり、大変危険です。日頃からヘッドライトを点検し、問題があれば早めに対処することが大切です。
HID屋のD4Sバルブ!おすすめ商品を紹介
ここでは、HID屋で取扱いのあるD4Sバルブを紹介します。ぜひD4Sバルブを選ぶ際の参考にしてください。
純正品の明るさをパワーアップ!「純正型HIDパワーアップキット」
商品名 | 純正型HIDパワーアップキット |
バルブ形式 | 55w:D4S/D4R 45w:D2S/D2R |
ケルビン数 | 6000k、8000k、12000k |
「純正型HIDパワーアップキット」は、純正品を交換するだけでヘッドライトの明るさを手軽に向上できる商品です。取り付けに加工が不要なので、簡単に視認性を高められる点が魅力です。
このキットでは、純正35Wから45Wや55Wへのハイワッテージ化が可能です。その結果、夜間や悪天候時でも広範囲を明るく照らし、安全性をしっかりサポートします。また、6000K(白色)や8000K(青白い光)、12000K(クリアブルー)といった色味を選ぶことが可能です。自分の好みに合わせて、カスタマイズを楽しみましょう。
さらに、純正型バラストを使用しているため、純正品に戻す必要があっても簡単です。1年保証も付いており、保証書をなくしても注文番号でサポートを受けられるので安心です。
D4Sバルブ規格のヘッドライトを明るくしたい方や、補修用を探している方におすすめです。
商品についての口コミ
購入前でも親切に適用パーツの説明頂きレスポンスも早かったので安心して購入出来ました。
(HID屋より引用)
安心の純正交換バルブ「35W 純正交換HIDバルブ」
商品名 | 35W 純正交換HIDバルブ |
バルブ形式 | D4S、D4R |
ケルビン数 | 6000k、8000k |
「35W 純正交換HIDバルブ」は、純正バルブを手軽に交換できる信頼性の高い商品です。
ヘッドライトやフォグランプに対応しており、D4RとD4Sのタイプから選べます。また、ケルビン数は6000Kの白色や8000Kの青白い光がラインナップされており、好みに合わせて車の印象を変えることができます。
このバルブには高品質な石英ガラスが使用されています。石英ガラスは、透過性が高いうえ、耐衝撃性や耐熱性にも優れています。さらに、紫外線カット機能を備えているため、ヘッドライト周辺の部品を劣化から守る役割も果たします。
明るさをさらに求める場合は、バラストのワット数を上げることで光量をアップさせる「純正交換HIDキット」がおすすめです。また、HIDからLEDへの切り替えを検討中の方には、「Dシリーズ LEDヘッドライト D4S/D4R」がおすすめですよ。
商品についての口コミ
本日到着し使用開始しました。交換前のものと比べると明るさがあります。車検にも対応しているとの記載もあり何年使用できるか楽しみです。
また、大手自動車用品店の約半額の値段で購入ができました。
長持ちするようであればリピートしたいと思います。
(HID屋より引用)
HIDバルブ「D4S」の交換方法
ここでは、HIDバルブ「D4S」の交換方法について詳しく解説します。
必要な道具
- 交換用D4Sバルブ
- ドライバー
- 作業用手袋
- 清潔な布
交換時の注意点
D4Sバルブを交換する際は、以下の点に注意してください。
- エンジンを停止し、十分に冷めてから作業を始めてください。
- 安全のため、バッテリーのマイナス端子を外してください。
- バルブのガラス部分に触れないよう注意してください。
以上の注意点に気をつけて、自己責任で作業を行ってください。
交換手順
D4Sバルブの交換手順を解説します。以下の順に沿って作業してください。
1. ヘッドライトアセンブリへのアクセス
ボンネットを開け、エンジンルーム内からヘッドライト裏側にアクセスします。裏蓋(カバー)を確認してください。
2. カバーの取り外し
カバーを反時計回りに回してロックを解除し、ゆっくりと取り外します。
3. コネクターの取り外し
バルブに接続されているコネクターを見つけます。コネクターを反時計回りに回し、慎重に外します。
4. 古いバルブの取り外し
金属クリップを押しながら中心にずらし、固定を解除します。バルブをソケットからゆっくり引き抜きます。
5. 新しいバルブの取り付け
手袋を装着し、新しいD4Sバルブを用意します。バルブの切り欠きをソケットに合わせ、まっすぐ挿入します。
6. バルブの固定
金属クリップを元の位置に戻してバルブを固定します。ガタつきがないか確認してください。
7. コネクターの再接続
コネクターを時計回りに回し、バルブにしっかり接続します。
8. カバーの取り付け
カバーを元の位置に戻し、時計回りに回して固定します。
9. 動作確認
バッテリー端子を再接続し、ヘッドライトが正常に点灯するか確認します。
※取り付けは必ず自己責任で行ってください
HIDバルブ「D4S」に関するよくある質問
最後に、HIDバルブ「D4S」に関するよくある質問を紹介します。
- HIDバルブの「D4S」はポン付けでLED化できますか?
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HIDバルブ「D4S」をポン付けでLED化することは可能です。
純正HIDのサイズに合わせたLEDバルブを交換するだけで、手軽にLED化が実現します。ポン付けでは、バンパーやヘッドライトユニットを外す必要がなく、簡単にLED化できる点が魅力です。
加工や専用機器を使わず、バルブ交換だけで対応できる点がメリットですが、注意も必要です。ヘッドライトのレンズやリフレクターの状態によっては車検に通らないことがあります。また、一部の車種や特定のバラストを採用している車両には適合しない場合もあります。
取り付けを検討する際は、車両との適合性を事前にしっかり確認することが大切です。
- 純正のHIDバルブ「D4S」の明るさを上げる方法はありますか?
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純正のHIDバルブ「D4S」の明るさを上げる方法はいくつかあります。
まず、新品のHIDバルブに交換することで、経年劣化による光量低下を解消できます。また、HIDパワーアップキットを使用して出力を35Wから45Wや55Wに上げる方法も効果的です。これにより、夜間の視界が大幅に改善されます。
さらに、ヘッドライトレンズの黄ばみや曇りをクリーニングすることで光の透過性が向上し、明るさが増します。
これらの方法を組み合わせて、明るさを調整してみてください。
- HID屋で販売中のD4Sバルブで、一番明るい商品を教えてください
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HID屋で販売中のD4Sバルブは、「Qシリーズ」が一番明るいと言われています。
D4SバルブのLEDタイプを検討中の方は、ぜひ参考にしてください。商品に関する詳細や交換方法については、こちらの動画で紹介しています。
なお、D4SバルブのLEDランプについては、別の記事で詳しく解説しています。
車検も怖くない!D4S LEDヘッドライトの正しい選び方 車のカスタマイズにおいて、ヘッドライトは見た目だけでなく、安全性にも直結する重要な要素です。特にLEDヘッドライトは、その明るさと効率性で注目されています。 こ...
まとめ
この記事では、HIDバルブ「D4S」について特徴や交換方法を解説しました。
HIDバルブ「D4S」は、車のヘッドライト性能を向上させる重要なパーツです。適切な選択と交換で、安全性や視認性が大きく向上します。
純正品や交換用バルブの特徴を理解し、自分の車に合った製品を選びましょう。車検対応の商品を選ぶことで、長く安心して使用できますよ。交換やカスタマイズを検討している方は、ぜひこの記事を参考にしてください。