冬の車中泊は、澄んだ空気や美しい雪景色など、夏とは違った魅力があります。
しかし、寒さ対策や備えを怠ると、低体温症など命に関わる事態を招きかねません。
この記事では、冬の車中泊を安全で快適に過ごすための対策と、必需品6選を紹介します。
あると便利なグッズや、車中泊する際の注意点もあわせて解説していますので、ぜひ参考にしてください。
冬の車中泊を安全・快適にする3つの対策
冬の車内はエンジンを切ると急激に冷え込み、体温が下がりやすいため低体温症を招きかねません。
冬の車中泊を安全・快適にするための対策は以下の3つです。
- 断熱対策:窓や床からの冷気を防ぐ
- 防寒対策:暖房器具と防寒グッズを活用する
- 結露対策:換気と除湿で車内を快適に保つ
断熱対策|窓や床からの冷気を防ぐ
冬の車中泊で重要なのは、窓からの冷気を遮断する断熱対策です。
車の窓はガラス1枚で外気と接しているため、車内温度が下がる大きな原因になります。
断熱シェードや断熱シートで窓を覆い、冷気の侵入を防いでください。
車体の下から伝わる冷気が体温を奪うため、床からの冷気対策も必要です。
厚手の車中泊マットと断熱シートを敷いて、床からの冷えを防ぎましょう。
また、ステップ部分やドアの隙間から冷気が入り込む場合があります。
タオルやクッションで隙間を塞ぐと、より効果的に車内温度を保てます。
防寒対策|暖房器具と防寒グッズを活用する
冬の車中泊では、暖房器具や防寒グッズで体を温めて保温するのが大切です。
セラミックファンヒーターや電気毛布など、火を使わない暖房器具を活用すると、安全に車内を暖められます。
湯たんぽやカイロのような電源を使わない保温グッズも併用すれば、就寝中も温かさが持続します。
服装は、薄手のインナーにベストを重ねるなど、脱ぎ着で温度調節がしやすいものがおすすめです。
特に首・手首・足首の「3首」は体温が逃げやすい部位のため、ネックウォーマーやレッグウォーマーで保温してください。
結露対策|換気と除湿で車内を快適に保つ
冬の車中泊では、結露対策が欠かせません。
結露は、車内と外気の温度差や、人の呼気に含まれる湿気が原因で発生します。
放置すると窓が曇って視界が悪くなるほか、カビの原因にもなります。
結露の対策には定期的な換気が効果的です。
窓を少し開けるか、換気扇を使用して車内の湿気を逃がしてください。
発生した結露は、結露取りワイパーやタオルでこまめに拭き取りましょう。
除湿剤を車内に置いておくと、湿気の発生を抑える効果が期待できます。
冬の車中泊の必需品6選
冬に車中泊をする際、防寒対策に欠かせない必需品は以下の6つです。
- 断熱シェード・断熱シート
- 冬用寝袋(シュラフ)
- 車中泊マット
- 電気毛布・湯たんぽ
- セラミックファンヒーター
- 防寒着
断熱シェード・断熱シート

断熱シェードや断熱シートは、冬の車中泊に欠かせない防寒アイテムです。
断熱シェードで窓を覆うと冷気の侵入を防ぎ、車内の暖かさを保てます。
厚さ8mm以上のアウトドア用の銀マットや、車種専用に設計された断熱シェードを使う方法があります。
吸盤で手軽に取り付けられるタイプも多く、初心者でも扱いやすく便利です。
床からの冷気対策には断熱シートが効果的です。
車体の下から伝わる冷えが体温を奪うため、マットの下に断熱シートを敷いて二重に対策してください。
冬用寝袋(シュラフ)

冬の車中泊には、保温性の高い冬用寝袋が必要です。
エンジンを切った車内は外気温に近づくため、夏用やオールシーズン用の寝袋では寒さをしのげません。
冬用寝袋は中綿の量が多く、厳しい寒さにも対応できる設計になっています。
選ぶ際は、予想される最低気温より5〜10度低い快適使用温度の寝袋を選ぶと安心です。
素材は、軽量でコンパクトに収納でき、保温性にも優れたダウンがおすすめです。
体のサイズに合った寝袋を選ぶと隙間から冷気が入りにくく、より暖かく眠れます。
寝袋のダウンは700FP(フィルパワー)以上を目安に選んでください。
- 快適使用温度:一般的な成人女性が寒さを感じずに眠れる温度
- FP(フィルパワー):ダウンのかさ高性・反発力・復元力を示す数値/数値が高いほど少ないダウン量で保温性が高く、軽量でコンパクトになる
車中泊マット

車中泊マットは床からの冷気を防ぎ、保温に役立ちます。
車体の金属部分は外気の冷たさが直接伝わるため、マットを敷かずに寝ると体温が奪われてしまいます。
冬は厚さ8〜10cm程度のマットを選び、断熱シートと併用するのが効果的です。
バルブを開けると自動で膨らむインフレータブルマットや、折りたたみ式のウレタンマットなど、種類はさまざまです。
収納のしやすさや好みの硬さを考慮して選んでください。
電気毛布・湯たんぽ

電気毛布と湯たんぽは、体温が下がりやすくなる就寝時の保温に役立ちます。
寝袋だけでは寒さを感じる場合も、電気毛布や湯たんぽを併用すると朝まで快適に眠れます。
電気毛布は車中泊マットの上に敷いて使うと、背中から足元まで全身を温められるためおすすめです。
ポータブル電源と併用すれば、一晩中快適な温度を保てます。
湯たんぽは電源を使わないため、電力消費を気にせず使用可能です。
寝る30分ほど前に寝袋の足元に入れておくと、程よい温かさが持続します。
湯たんぽを使用する際は、やけど防止のためカバーやタオルで包んでから使用してください。
セラミックファンヒーター

車内を素早く暖めたいときは、セラミックファンヒーターが便利です。
セラミックファンヒーターは電気で動くため一酸化炭素が発生せず、安全に車内を暖められます。
コンパクトで即暖性に優れており、スイッチを入れるとすぐに温風が出ます。
USB給電式のコードレスタイプもあり、設置場所を選びません。
転倒自動オフ機能や過熱保護機能など、安全機能が充実したモデルがおすすめです。
防寒着

冬の車中泊では、防寒着で体温を逃がさない工夫が必要です。
暖房器具で車内を暖めても、体自体が冷えていると温かさを感じにくくなります。
薄手のダウンジャケットやフリースなど、着脱しやすく重ね着できるアイテムがあると便利です。
厚手の服を1枚着るより、薄手の服を重ねた方が空気の層ができて保温効果が高まります。
レッグウォーマーや厚手の靴下などもあわせて用意しておくと安心です。
冬の車中泊にあると便利なグッズ
冬の車中泊がより快適になる便利グッズを以下に紹介します。
- 換気扇・除湿剤
- IHコンロ
- ポータブル電源
- 除雪用グッズ
- LEDヘッドライト
換気扇・除湿剤

冬の車中泊では、換気扇があると便利です。
冬は窓を開ける機会が少ないため、密閉された車内は湿気がこもりやすく、結露やカビの原因になります。
換気扇を利用すれば、窓を大きく開けなくても車内の空気を入れ替えられます。
窓枠に取り付けるUSB給電タイプの換気扇がおすすめです。
除湿剤は電源不要で手軽に湿気対策が可能で、換気扇と併用すると効果が高まります。
IHコンロ

冬の車中泊では、熱効率が良く短時間で加熱できるIHコンロがあると便利です。
温かい食べ物や飲み物は身体の内側から温まるため、寒さ対策になります。
また、IHコンロは火を使わないため狭い車内でも火災のリスクが低く、安全に調理できます。
ポータブル電源と組み合わせて使用するのがおすすめです。
ポータブル電源

電気毛布やセラミックファンヒーターなど、電気機器を使用する際にはポータブル電源が欠かせません。
ポータブル電源があれば車のバッテリーを消費せず、安心して使用できます。
2000Wh以上の大容量モデルを選べば、暖房機器を一晩使用しても余裕があります。
車種によって積載スペースが異なるため、大きさや重さも考慮して選んでください。
動作音が静かなモデルを選ぶと、就寝時も快適に使用できます。
除雪用グッズ

降雪地域で車中泊する際は、除雪用グッズを準備しておいてください。
寝ている間に雪が積もると、朝起きたときに車が動かせなくなる場合があります。
マフラーが雪で塞がれた状態でエンジンをかけると一酸化炭素中毒の危険もあるため、就寝前に除雪しておきましょう。
以下のグッズがあると安心です。
- スノーブラシ:車に積もった雪を払い落とす
- アイススクレーパー:フロントガラスの霜を削り落とす
- スコップ:タイヤ周りの除雪やスタック時の脱出に使用
- スタックラダー:雪にはまった際の脱出用
- 防水・防寒手袋:除雪作業時に必要
スタッドレスタイヤの装着も忘れずに行ってください。
LEDヘッドライト

冬は日没が早く、吹雪などで視界が悪くなる場合があるため、LEDヘッドライトが活躍します。
ハロゲンライトに比べて白く明るい光が遠くまで届くため、夜間の山道や視界不良時の運転も安心です。
車中泊スポットへ向かう夜間の移動や、早朝の出発時にも役立ちます。

冬の車中泊の注意点
冬の車中泊では、安全面への配慮が重要です。
ここでは、注意すべきポイントを2つ解説します。
- 駐車中はエンジンを停止する
- バッテリー上がりに注意する
駐車中はエンジンを停止する
車中泊の駐車中は、必ずエンジンを停止してください。
エンジンをかけたまま眠ると、排気ガスに含まれる一酸化炭素が車内に入り込み、中毒を引き起こす恐れがあります。
一酸化炭素は無色・無臭のため、気づかないうちに危険な状態になりかねません。
特に積雪地域では、マフラーが雪で塞がれて排気ガスが車内に逆流する危険が高まります。
暖房が必要な場合は、ポータブル電源とセラミックファンヒーターを使用し、エンジンをかけずに車内を暖めてください。
万が一に備えて、一酸化炭素チェッカーを車内に設置しておくと安心です。
バッテリー上がりに注意する
冬の車中泊では、就寝時にエンジンをかけずに長時間過ごすため、バッテリー上がりにも注意が必要です。
低温環境ではバッテリー内部の化学反応が鈍くなり、性能が低下します。
出発前にバッテリーの状態を点検し、必要に応じて充電や交換を行ってください。
電気機器はポータブル電源を活用してバッテリー消費を抑えましょう。
万が一に備えて、ジャンプスターターを用意しておくと安心です。
ジャンプスターター:車のバッテリーが上がってしまった際に、外部から瞬間的に電力を供給してエンジンを始動させるための電源装置
冬の車中泊スポットの選び方
冬の車中泊では、スポット選びも快適さと安全性を左右します。
ここでは、選び方のポイントを2つ紹介します。
- 電源が使える場所を選ぶ
- 積雪の少ないエリアを選ぶ
電源が使える場所を選ぶ
冬の車中泊には、電源が使えるRVパークやオートキャンプ場がおすすめです。
外部電源があれば電力を気にせず暖房器具を使用でき、ポータブル電源の充電もできます。
電源のほかにトイレや水道が整備されており、夜間でもトイレに行きやすく、寒い中を長時間歩かずに済みます。
また、温泉が併設された道の駅は、入浴で体を温めてから眠れるためおすすめです。
車中泊が許可されているか、利用前に必ず確認してください。
積雪の少ないエリアを選ぶ
冬の車中泊に慣れていない方は、積雪の少ないエリアから始めるのがおすすめです。
積雪地域では天候が急変しやすく、車の立ち往生やマフラーの雪詰まりなど、リスクが高まります。
気温が低いほど低体温症の危険も増すため、まずは比較的温暖な地域で車中泊するのが安心です。
出発前に天気予報をこまめにチェックし、大雪や吹雪が予想される場合は車中泊を中止してください。
冬の車中泊で気になる疑問
ここでは、冬の車中泊についての疑問に回答します。
冬の寝袋は家にある布団でもいい?
布団での車中泊は可能ですが、冬用寝袋がおすすめです。
布団はかさばるため車内スペースを圧迫するほか、体との間に隙間ができやすく冷気が入り込みます。
また、湿気を吸いやすいため、結露の多い車内では寝具が湿ってしまう場合があります。
冬用寝袋は体にフィットして熱を逃がしにくく、コンパクトに収納できるため車中泊向きです。
どうしても布団で眠りたい場合は、羽毛布団と毛布を組み合わせ、隙間ができないよう体に密着させて使用してください。
暖房なしでも冬の車中泊はできる?
暖房なしでも、断熱シェードで窓からの冷気を遮断し、冬用寝袋に電気毛布と湯たんぽを組み合わせれば、ある程度の寒さには対応できます。
ただし、気温が氷点下になるような環境では体温を維持するのが難しく、低体温症のリスクが高まります。
冬の車中泊では断熱対策だけに頼るより、無理せずセラミックファンヒーターなどの暖房器具を使用するのが安心です。
まとめ
冬の車中泊は、断熱・防寒・結露の3つの対策が必要です。
断熱シェードや冬用寝袋、電気毛布などの必需品を揃えれば、寒い季節でも暖かく快適に眠れます。
冬の車中泊に慣れていない場合は、電源が使える施設や積雪の少ないエリアを選ぶと安心です。
本記事を参考に、安全で快適な冬の車中泊を楽しみましょう。

