車のヘッドライトが割れたら早めに修理すべきです。車のヘッドライトが割れたままだと、車検に不合格となったり、道路交通法違反となったりする可能性があります。ただし、修理方法がわからない方も多いのではないのでしょうか?
そこで本記事では、車のヘッドライトが割れたら修理すべき理由と、応急処置から修理方法まで徹底解説します。修理代を安く抑える方法もあわせて紹介していますので、最後までご覧ください。
車のヘッドライトが割れたらまずは応急処置をしよう!
車のヘッドライトが割れたら最小限の損傷に抑えるために、まずは応急処置をしましょう。完全な故障とならない程度の小さな傷の場合は、テープや接着剤で対処できます。
ただし、あくまで応急処置のため、時間が経つとテープや接着剤の補修部から割れの範囲が広がる可能性があります。道路交通違反とならないためにも、自分の仕事や家事などが落ち着いたら速やかに修理またはライトの交換をするのがおすすめです。
傷の度合いによって応急処置が難しい場合は、すぐに修理をしましょう。詳しい修理方法については後述しています。
車のヘッドライトが割れたら修理すべき3つの理由
車のヘッドライトが割れたら修理すべき3つの理由を解説します。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
車検に不合格となる
車のヘッドライトが割れたままだと、車検に不合格となる可能性があります。もし割れている箇所から光が漏れていた場合、光軸や明るさの基準に満たないからです。
検査官の中には、明るさの基準を満たしていても割れやヒビがあれば不合格にする方もいます。発見した際は、速やかに修理やライト交換をするようにしましょう。
道路交通法違反となる
車のヘッドライトは前方の視界を確保するだけでなく、相手に自車の存在を知らせるためにも重要な部品です。
そのため、ヘッドライトが割れて完全に点灯不能または点灯不能になりかねない状況であれば、警察から走行を認められません。
整備不良として検挙された場合は、違反点数1点と下記の反則金が科されます。
点数 | 1点 |
大型車 | 7,000円 |
普通自動車 | 6,000円 |
二輪車 | 6,000円 |
小型特殊自動車 | 5,000円 |
原動機付自転車 | 5,000円 |
ヘッドライトは運転中の安全に関わるため、ヘッドライトの割れに気づいたら早めに対処しましょう。
割れたままだと雨が侵入して故障する原因となる
車のヘッドライトが割れたままだと、雨が侵入して故障する原因となります。具体的には、電球部分に雨が侵入すると電流の流れすぎで発火や漏電を防ぐヒューズが切れてしまいます。
ヒューズが切れるとライトが完全に点灯しなくなるため、先ほど紹介したように、整備不良として違反点数と反則金が科されます。
小さなひび割れであっても、隙間から水が入ると故障の原因となることを覚えておきましょう。
車のヘッドライトが割れた際の修理方法
ここでは、車のヘッドライトが割れた際の修理方法を解説します。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
プロに依頼する
車のヘッドライトが割れた際は、プロに依頼すると安心です。日常的に車を使う人はプロに依頼をすれば、迅速かつ正確に修理してもらえます。
修理作業は下記の業者に依頼できるので、特徴を見ながらあなたにあった業者を選びましょう。
ディーラー | メーカーが定める厳しい水準を満たすスタッフが在籍し、純正品を使って確実に修理してもらえる。 |
整備工場 | メーカー問わずさまざまな修理を受け付けており、予算などを考慮して中古品などで柔軟に対応してくれる。 |
カー用品店 | 実際の商品を見ながら修理に用いるパーツを選べる。ディーラーや整備工場に比べると技術は低い傾向にある。 |
ガソリンスタンド | 車検や整備を実施しているところでは、ヘッドライトの修理・交換が可能。大半はバルブ交換のみに対応している。 |
ヘッドライトのバルブ交換だけであれば、作業時間は数分程度です。ただし、ユニット交換やヘッドライトの修理になれば、数日かかる場合があります。
業者に依頼をする際は、見積もりとあわせて修理期間も確認しておきましょう。また、ヘッドライトの修理や交換に日数がかかる場合、代車を用意できるかを確認しておくと安心です。
DIY・自分で交換する
ヘッドライトの細かな傷であれば、コンパウンドを使用して自分で補修可能です。ただし、ひびが入っている場合は傷消しでは対応できないため、ヘッドライトカバーの交換が必要となります。
ヘッドライトカバーの交換手順は、下記のとおりです。
- エンジンを切る
- フロントバンパーとヘッドライトユニット(※)を外す
- ヘッドライトに繋がっているコネクターを外す
- ヘッドライトユニットからヘッドライトカバーを外す
- 新しいヘッドライトカバーに交換する
- ヘッドライトユニットにコネクターを繋げる
- フロントバンパーとヘッドライトユニットを取り付ける
※ヘッドライトユニットとは、ヘッドライト本体まるごとを意味しています。
また、ヘッドライトボディとヘッドライトカバーの隙間には、コーキングが施されています。コーキングとは、溶接が不可能な素材同士を、粘着性のあるコーキング剤で繋ぎあわせることです。
粘着性によって取り外しが簡単にできないため、ドライヤーなどでコーキング剤を溶かす必要があります。その際に、もし雨の水などが入ると曇りや故障の原因となるので、コーキングをし直さなければなりません。
このようにユニット本体の交換を含む場合は、DIY・自分で作業するのに難易度が高いため、先ほど紹介したプロに依頼すると良いでしょう。
ヘッドライト修理費用の相場
ヘッドライト修理費用の相場は、場所や内容によって異なります。修理内容別の費用相場は下記のとおりです。
- 自分・DIY:約1,000円
- バルブ交換:約1,000円〜約10,000円
- レンズ修理:約10,000円〜約50,000円
- ユニット交換:約30,000円
自分で新しいバルブに交換できる場合は、工賃がかからない分安くなる傾向です。
一方で業者に依頼する場合は、ヘッドライトの損傷具合によって修理費用が大きく異なるので、まずは見積もり依頼をしてみると良いでしょう。
修理代を安く抑える方法
ここでは、修理代を安く抑える方法を4つ紹介します。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
メーカー保証を利用する
新車で購入した車には、一定期間のメーカー保証がつきます。保証期間内であれば、ヘッドライトが割れても無料で修理を受けることが可能です。
メーカー保証は「一般保証」と「特別保証」の2種類にわけられ、ヘッドライトの故障は一般保証に該当します。
一般保証を無料で受けられる条件は、下記のとおりです。
注意点として、消耗品は対象外となります。たとえば、電球交換やヒューズ交換は消耗品にあたるので対象外です。
条件を満たしている車のヘッドライトが故障した場合や、ユニット交換が必要となる場合は無料で修理が受けられるので、安心してください。
リビルト品で修理する
ヘッドライトの修理費用を抑えたい方は、リビルト品(※)を使用するのがおすすめです。
(※)リビルト品とは、使用済みパーツを分解や洗浄などをして、新品に近い状態まで回復させた部品のことです。
リビルト品は新品パーツの6割程度の価格で購入できるので、費用を抑えられます。たとえば、ヘッドライトユニットの新品が10万円する場合、リビルト品であれば6万円ほどで修理できます。
リビルト品は車検基準をクリアしたものが扱われているため、安心して利用できるのが特徴です。
ディーラーなどの業者によっては「修理はリビルト品を使用してほしい」と伝えれば対応してくれるケースがあります。費用を抑えたい方は、リビルト品で修理依頼をしてみてください。
故障車として売却する
故障車や損害車を専門に扱っている「廃車買取業者」に依頼するのも一つの手段でしょう。再利用するためのルートを確保しているため、ヘッドライトが大きく破損している車であっても高額買取してくれることがあります。
ユニット交換などによって多額の修理費用が見込まれる場合は、修理をせず売却する手段も考慮してみてください。
車両保険を使用する
ヘッドライトの修理費用を抑えたい方は、車両保険を使用するのも良いでしょう。
車両保険は、下記の条件でヘッドライトが割れた場合のみ使えます。
- 他車との衝突事故
- 落下物との衝突
- いたずらによる破損
- 台風や雹(ひょう)による被害
また保証範囲の広い「一般保証」であれば、単独事故や当て逃げをされた場合でも車両保険を使って修理することが可能です。
ただし、車両保険を使用すると等級ダウンするため、翌年の保険料が高くなります。実費で修理した場合と等級が元に戻るまでの保険料を比較し、車両保険を使うかどうかを決めましょう。
どのくらい保険料が上がるのかは、保険会社に試算してもらえます。車両保険を使用してヘッドライトの割れを修理しようと考えている方は、保険会社に相談してみてください。
車のヘッドライトが割れた際の注意点
ここでは、車のヘッドライトが割れた際の注意点を紹介します。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
交通事故を起こした場合はプロに相談する
交通事故を起こして車のヘッドライトが割れた場合は、車両にさまざまなダメージを受けていることがほとんどです。車の損傷は外部だけでなく、目に見えない内部が損傷しているケースもあります。
たとえば、ヘッドライト越しにフェンダーまでダメージを受けている可能性があります。フェンダーとは前後のタイヤを覆う外板のことです。
フェンダーのダメージを放置していると、塗装の剥がれた部分が急速に錆び、最悪の場合は車が動かなくなってしまいます。
事故の際は目に見えるヘッドライトの割れを対処するだけでなく、プロの業者に損傷具合をしっかりと確認してもらいましょう。
自分でバルブ交換した場合は光軸調整が必要となる
割れたヘッドライトとともに自分でバルブ交換をした場合は、光軸調整が必要となります。光軸調整は専門知識が必要で車検の合否にも影響するため、慎重に行わなければなりません。
もし光軸調整が正しくできていないとキレイなカットライン(※)が出ず、最適な配光になっていないので歩行者や対向車を眩しくさせてしまいます。
※カットラインとは、路肩側を明るく照らして対向車側のロービーム上方の光をカットする境界線のことです。
主な光軸がズレる原因は、新しいバルブに交換した際に光源(光を発するもの)の位置が変わることです。他にも取り付け時にバルブの向きを間違える、車の走行時に振動するなどでも光軸はズレてしまいます。
正しい光軸でヘッドライトを照らすことができなければ、運転席から見える視界も悪くなってしまうでしょう。そのため、前方が少しでも見にくいと感じたら、事故を起こさないためにも早めに光軸の調整をするのがおすすめです。
光軸を正しい位置に調整したい方は、ヘッドライトの光を壁に当てる方法が簡単です。
3つのステップで紹介します。
※レベライザーとは、ヘッドライトの照射角度を応急処置で調整する装備です。2005年以前の車にはレベライザーが搭載されていない場合があります。
バルブを新品に交換した際は光軸がズレやすいので、再度同じ位置からヘッドライトを壁に当てて、マーキングに合うのかどうか確認しましょう。
奥にある回しにくい場所でも届くように、柄の長いドライバーや専門のレンチがあると便利です。
注意点として、樹脂製の光軸調整用のネジは力を入れて無理に回しすぎると破損してしまう場合があります。
修理・交換するのに高額な費用がかかってしまうので、光軸調整をする際は優しく丁寧に少しずつ回すようにしましょう。
まとめ
本記事では、車のヘッドライトが割れたら修理すべき理由と、応急処置から修理方法まで徹底解説しました。
車のヘッドライトが割れたままだと、車検に不合格となったり、道路交通法違反となったりする可能性があります。経年劣化による細かな傷なら自分でバルブ交換し、ユニット本体が故障している場合はプロに任せると良いでしょう。
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