ウインカーは、自動車の安全運転において欠かせない機能の一つです。進行方向を知らせるシグナルとして使用されますが、その色や位置、点滅速度、面積などには、さまざまな法的基準が定められています。
この記事では、なぜウインカーの色がオレンジに定められているのか、その理由を法規や安全性の観点から詳しく解説していきます。また、ウインカーに関連するその他の保安基準についても触れ、安全なドライビングのために知っておくべきポイントを紹介します。
そもそもなぜウインカーの色はオレンジなのか?
オレンジ色は、赤色のブレーキランプと混同しないために選ばれました。赤は「止まれ」を示す色として普遍的に使用されており、ウインカーはその近似色であるオレンジを採用することで、後続車に対して明確に方向を示すことができます。そのため、見分ける意味でもオレンジが採用されているという説もあります。
また、大航海時代に船同士の接触を避けるために信号として赤と緑が使われ、その流れで自動車にも適用されたという背景があり、アメリカではオレンジ以外にも赤を採用する場合もあります。
ウインカーの色に関する保安基準
ウインカーの色は、主に道路運送車両法によって規定されています。日本では、ウインカーの灯光の色は「橙色(オレンジ色)」であることが法律で定められており、他の色は認められていません。この規定は1973年に追加され、それ以前に製造された車両については、白色や黄色のウインカーも合法とされています。
ただし、ウイカーのレンズの色については、実際にはクリアレンズを使用することも可能です。重要なのは、最終的に点灯した際にオレンジ色に見えることです。つまり、オレンジ色のバルブを使用すればクリアレンズでも問題ありません。
ウインカーの保安基準は色だけ?
ウインカーは色以外にも保安基準があり、守らなければ車検に不合格になるだけでなく、視認性が低下して事故が発生する原因になることもあります。
ここからは、ウインカーの色以外の保安基準について解説します。
- ウインカーの位置
- ウインカーの点滅速度
- ウインカーの面積
ウインカーの位置
ウインカーの設置位置は、保安基準に従う必要があります。まず、ウインカーの上端は地上から2.1メートル以下、下端は0.35メートル以上でなければなりません。この高さの規定により、他のドライバーがウインカーを見やすくし、安全性が保たれます。
また、前方や後方において、ウインカーの最も内側の縁同士の間隔は600ミリ以上必要で、最外側の縁は車両の端から400ミリ以内に収まることが求められています。この基準は、ウインカーの視認性を確保するために設定されています。
ウインカーの点滅速度
ウインカーは法律で定められた点滅速度を守る必要があります。具体的には、毎分60回以上120回以下という範囲内で、一定のリズムで点滅することが求められています。この範囲を外れると、点滅が早すぎたり遅すぎたりして、他のドライバーに意図が伝わりにくくなるおそれがあります。
そのため、この点滅速度に問題がある場合、車検に合格しないこともあります。日常的な点検で、ウインカーの正常な動作を確認することが大切です。
ウインカーの面積
ウインカーの面積に関する基準は、車両の種類によって異なります。
普通自動車においては、ウインカーの面積が20平方センチメートル以上であることが求められています。これに対し、全長6mを超える車の場合は、視認性を高めるためにより大きな面積が必要で、40平方センチメートル以上が基準となっています。
このような基準は、他のドライバーや歩行者が車の進行方向をより確実に認識できるように設定されており、安全運転のために重要な要素です。
まとめ
ウインカーは単なる方向指示器ではなく、事故防止や安全運転に直結する重要な役割を果たします。そのため、色、点滅速度、設置位置、面積などの保安基準が厳しく定められているのです。特に色に関しては、日本ではオレンジ色が法律で義務付けられ、赤色のブレーキランプと混同しないよう配慮されています。
また、ウインカーの点滅速度や設置位置も他のドライバーにとっての視認性を確保するために重要です。これらの基準を満たすことで、安全かつスムーズな交通の流れを保つことができます。日常的な点検や、法規を順守したメンテナンスが、安全運転への第一歩となるでしょう。