AI Boxとは?仕組みと使える条件、注意点をわかりやすく解説

AI Boxを利用している状態

AI Boxとは、画面のないAndroid端末を車のディスプレイにつないで、動画やアプリなどを車の画面で使うための機器です。名称に「AI」とあっても、生成AIの搭載が必須条件ではありません。

しかし、すべての車で使えるわけではなく、有線CarPlayへの対応など車側の条件を満たす必要があります。

「ミラーリングと何が違うのか」「購入前に何を確認すればよいのか」と気になる方も少なくありません。

この記事では、AI Boxの基本と仕組み、できることから、使える条件や使う前の注意点までわかりやすく解説します。

目次

AI Boxとは|画面のないAndroid端末

AI Boxの読み方は「エーアイボックス」です。表記は他にも「AIBOX」や「AI BOX」などと書かれる場合がありますが、ここでは「AI Box」で統一して解説します。

多くのAI Boxは、液晶画面を持たない小型のAndroid端末です。車のUSBポートに接続すると、AI Boxで動作するアプリの画面を車載ディスプレイに表示し、車の画面から操作できます。

AI Boxと、ミラーリング、Apple CarPlay・Android Autoの違いを以下の表で比較します。

スクロールできます
AI Boxミラーリング・Apple CarPlay
・Android Auto
アプリが動作する端末AI Boxスマートフォンスマートフォン
車載ディスプレイに表示するものAI BoxのAndroid画面スマートフォンの画面CarPlay・Android Auto用の画面
スマートフォン基本的に不要※必要必要
主な用途Androidアプリを車載ディスプレイで利用スマートフォンの画面を表示ナビ・音楽・通話など

※インターネット接続にスマートフォンのテザリングを利用する場合があります。

ナビや音楽などはCarPlayやAndroid Autoで十分でも、車の大きな画面で動画アプリなども利用したい場合は、AI Boxが選択肢になります。

AI Boxの仕組み

AI Boxを接続している状態2

AI Boxは、有線CarPlay(一部有線Android Auto)を経由して車と接続します。

車載ディスプレイのUSBポートにAI Boxを接続すると、車側がスマートフォンを接続したときと同じように認識し、AI Box内部のAndroid画面を車載ディスプレイに表示して操作できます。

このため、AI Boxを利用できるかどうかは、手元のスマートフォンがiPhoneかAndroidかよりも、車載ディスプレイの接続方式とAI Boxの対応状況が主な条件です。

AI Boxが有線CarPlayの接続を利用するのは、車側に用意された接続の仕組みを活用し、純正CarPlayでは利用できないAndroidアプリなどを車載ディスプレイで使えるようにするためです。

ただし、AI BoxはCarPlayそのものに動画再生機能を追加するものではありません。

なお、最近CarPlayでも対応車両で駐車中にビデオアプリを利用できる機能が提供されています。ただし、この機能は「video-in-car」に対応した車両や対応アプリが必要で、現時点では利用できる車両・アプリの範囲に条件があります。

参考:Apple iPhoneユーザガイド|CarPlayでビデオを再生する

CarPlayの基本的な仕組みについては、以下の記事も参考にしてください。

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AI Boxでできること

AI Boxを接続した状態

AI Boxの代表的な使い方は次の3つです。

  • 動画アプリを楽しむ
  • ナビアプリの選択肢が広がる
  • 通信や機能を広げる

それぞれの特徴を解説します。

動画アプリを楽しむ

AI Boxを使用すると、主に以下のAndroid対応動画アプリを車載ディスプレイで再生できる場合があります。

  • YouTube
  • Netflix
  • Prime Video
  • TVer

長距離移動中に同乗者が車内で過ごす時間を楽しんだり、EVの充電待ち、子どもの送迎待ちなどの休憩時間に利用したりできます。

機種によっては、microSDカードやUSBメモリに保存した動画を再生できるモデルもあります。トンネルや圏外が続くルートでも、事前に保存したコンテンツなら通信環境を気にせず再生できる点がメリットです。

ナビアプリの選択肢が広がる

GoogleマップやYahoo!カーナビなど、好みのナビアプリを車載ディスプレイで使えます。普段スマートフォンで利用しているナビアプリを、そのまま車の大きな画面で使いたい場合に便利です。

CarPlayやAndroid Auto向けに簡略化された表示ではなく、Androidアプリとして表示されるまま利用できる点もAI Boxの特徴です。

また、CarPlayやAndroid Autoに対応していないナビアプリでも、AI BoxのAndroid環境から利用できる場合があります。

ただし、利用できるアプリや操作性はAI Boxの機種によって異なります。特定のナビアプリを使いたい場合は、購入前に製品仕様やメーカーの対応情報を確認しましょう。

通信や機能を広げる

AI Boxには、アプリの利用だけでなく、通信や表示機能を拡張できるモデルもあります。

代表的な機能は次のとおりです。

機能概要
画面分割表示ナビと動画・音楽など複数ソースを同時に表示できる
HDMI出力後席モニターなどに映像を出力できる
SIM通信スマートフォンのテザリングを使わず、AI Box単体でインターネットに接続できる
車内Wi-FiAI BoxをWi-Fiアクセスポイントとして利用できる
音声操作ChatGPTなどと連携し音声で操作できる

ただし、これらの機能はすべてのAI Boxに搭載されているわけではありません。画面分割表示機能の有無や操作性、HDMI出力への対応、SIMの利用方法などには製品ごとの差があります。

必要な機能をあらかじめ決めてから、機種の選定を行いましょう。

AI Boxが使える条件

車内でAI Boxを接続する男性

AI Boxを利用するには、車載ディスプレイ側の接続規格や電源、通信環境、操作方法などの条件があります。

購入前に、次の4つを確認しましょう。

  • 車両側が有線CarPlayまたは有線Android Autoに対応している
  • AI Boxを安定して動かせる電源が確保されている
  • 動画やアプリを利用するためのインターネット環境がある
  • タッチパネルなど、AI Boxを操作できる環境がある

車両側が有線CarPlayまたは有線Android Autoに対応している

多くのAI Boxでは、車両側の有線CarPlay対応が基本条件になります。無線CarPlayのみに対応している車では、利用できないAI Boxが多いため注意が必要です。

車両が有線CarPlayに対応しているかは、次の方法で確認できます。

  • 車載ディスプレイの設定やメニューにCarPlayの項目があるか確認する
  • 対応するスマートフォンをUSBケーブルで接続し、有線でCarPlayが起動するか確認する
  • 取扱説明書やメーカー・ディーラーで、有線接続か無線接続かを確認する

また、有線Android Autoのみに対応する車では、有線Android Auto接続(AAモード)に対応したAI Boxを選ぶと、利用できる場合があります。

製品仕様に「有線Android Auto対応」「AAモード対応」などの記載があるかが目印です。

なお、車側とAI BoxのUSB端子がType-AとType-Cなどで異なる場合は、対応するケーブルや変換アダプターが必要です。

USBポートが複数ある場合は、CarPlayやAndroid Autoに対応した通信用ポートに接続しましょう。

AI Boxを安定して動かせる電源が確保されている

AI BoxはUSBから給電して動作するため、車載USBポートの給電能力とAI Boxが必要とする電力が合っているかを確認することが重要です。

電力が不足すると以下の動作が発生するおそれがあります。

  • AI Boxが起動しない
  • 起動しても途中で再起動する
  • 動画再生など負荷がかかる場面で動作が不安定になる
  • 接続したり切断したりを繰り返す

給電能力が不足する場合は、シガーソケットなどから電源を取る補助電源ケーブルに対応しているケースがあります。

車載USBポートからAI Boxへの接続に加えて、別のUSB端子などから電源を供給することで、必要な電力を補う仕組みです。

ただし、必要な電圧・電流や接続方法はAI Boxによって異なります。購入前に、AI Boxの必要電力と車載USBポートの出力を確認し、必要に応じて補助電源に対応した製品を選びましょう。

動画やアプリを利用するためのインターネット環境がある

オンラインの動画や地図アプリなどを利用するには、AI Boxをインターネットに接続する必要があります。

主な接続方法は次のとおりです。

接続方法特徴
テザリング・手軽に利用できる
・スマホの通信量とバッテリーを消費する
・車載Wi-Fi
・ポケットWi-Fi
・AI Box以外の機器でも通信できる
SIM通信・AI Box単体で通信できる
※機種による

たとえば、普段はそれほどAI Boxを使わず、必要なときだけ動画やナビを利用するなら、スマートフォンのテザリングが手軽です。

一方、家族で長時間ドライブをする機会が多い場合は、車載Wi-FiやポケットWi-Fi、SIM通信に対応したAI Boxも選択肢になります。

なお、すべてのAI BoxがSIM通信に対応するわけではありません。SIM通信を利用したい場合は、SIMスロットやクラウドSIMに対応しているかなど、製品仕様で確認してください。

タッチパネルで操作できる、または代替手段がある

AI Boxは、基本的に車載ディスプレイのタッチ操作でAndroid画面を操作します。

そのため、車載ディスプレイがタッチ操作に対応していない場合は、AI Boxを接続できても操作できないことがあります。

製品によっては、Bluetoothエアマウスなどの外部入力機器を使って操作できる場合もありますが、車種やAI Boxとの相性によって動作が異なるため、「エアマウスがあれば必ず操作できる」とは限りません。

タッチ操作に対応していない車でAI Boxを利用したい場合は、購入前に対応する操作方法を確認する必要があります。

AI Boxを購入する前に確認したいポイント

使える条件を満たしていても、国内で安心して使うには、無線通信の国内利用条件や購入後のサポートも重要です。

購入前に、次の2点をチェックしておきましょう。

  • 技適マークや国内での使用条件を満たしているか
  • 保証・サポートやアップデートに対応しているか

技適マークや国内での使用条件を満たしているか

Wi-FiやBluetoothなどの無線機能を搭載するAI Boxは、日本国内で使用できる仕様になっているかがポイントです。

特に海外通販などで購入する場合は、技適マーク(電波法の基準に適合した無線機器であることを示すマーク)が付いているか、国内での使用条件が明確になっているかを確認する必要があります。国内での使用条件が確認できない製品は、価格だけで選ばないほうが安心です。

また、5GHz帯のWi-Fiは、使用する周波数帯やチャンネルによって利用条件が異なります。AI Boxを車内で使用する場合は、製品の仕様欄で日本国内の車内利用に対応した、周波数帯・チャンネルを使用できる仕様になっているか確認することが重要です。

保証・サポートやアップデートに対応しているか

AI Boxは、車との接続やアプリの動作などでトラブルが発生する場合があります。そのため、国内保証や日本語でのサポートに対応しているかも選ぶ際のポイントです。

たとえば、初期不良が発生した場合の交換・修理の対応方法や、問い合わせ窓口の有無などによって、購入後の対応しやすさが変わります。

また、AI BoxはAndroid OSやアプリを利用するため、ファームウェアやOSなどのアップデートに対応しているかも重要です。継続的にアップデートが提供される製品なら、不具合の修正や機能改善が期待できます。

長く使うことを考えるなら、本体の性能だけでなく、保証・サポートとソフトウェアアップデートの対応状況も選択基準にするとよいでしょう。

AI Boxを使う場合の注意点

AI Boxを接続して使い始めたあとも、発熱や動画サービスの対応、アカウントの扱い、走行中の操作などに注意が必要です。

主な注意点は次の4つです。

  • 発熱対策と設置場所
  • 動画配信サービスの対応と画質
  • LINEアカウントの利用
  • 走行中の画面注視と操作(ながら運転)

発熱対策と設置場所

AI Boxは、長時間の使用や動画再生など負荷の高い処理を続けると、本体が熱くなることがあります。

使用中に異常に熱くなった場合は、いったん使用を中止して本体を冷ましてください。

製品によっては冷却ファンを備えたモデルもあるため、長時間の動画再生などで使用する場合は冷却性能も選定基準のひとつになります。

また、熱がこもりやすいグローブボックスの中などへの設置は避け、できるだけ風通しのよい場所に設置してください。

ダッシュボードなど直射日光が当たり続ける場所や、炎天下の車内にAI Boxを放置することも避けましょう。

動画配信サービスの対応と画質

AI BoxにNetflixなどのアプリをインストールできても、必ずしもスマートフォンと同じ画質で再生できるとは限りません。

Android端末で動画を高画質再生するには、Widevine L1(ワイドバイン・エルワン)などの著作権保護機能に加えて、動画配信サービス側の認証や端末への対応も関係します。

そのため、Widevine L1に対応していても、サービス側がそのAI Boxを正式に対応端末として認識しなければ、高画質で再生できない場合があります。

利用したい動画配信サービスが対応しているか、どの程度の画質で再生できるかは、製品ごとに違うため、特にNetflixなど特定のサービスを利用したい場合は、対応状況を製品仕様で確認しましょう。

LINEアカウントの利用

AI BoxはAndroid端末として動作するため、LINEアプリを利用できるモデルもあります。

ただし、普段スマートフォンで使っているメインのLINEアカウントを、AI Boxに登録するのは避けたほうが安全です。

LINEは原則として、1つのアカウントを1台のスマートフォンで利用する仕組みのため、AI Boxで同じアカウントにログインすると、スマートフォン側がログアウトされる場合があります。

また、事前にトーク履歴をバックアップしていない状態でアカウントを移行すると、スマートフォン側に保存されていたトーク履歴などを失うおそれがあります。

車内でLINEを利用する場合は、メインアカウントをAI Boxに移行しない運用が無難です。

走行中の画面注視と操作(ながら運転)

AI Boxで動画を表示できても、運転者が走行中に画面を注視したり、スマートフォンなどの通信端末を操作することは避けなければなりません。

道路交通法では、走行中に携帯電話を手で持って通話することや、カーナビなど車に取り付けた画面の映像を注視することが禁止されています。

参考:e-Gov法令検索(道路交通法)

動画の視聴やナビの設定変更などの操作は、同乗者が行うか、安全な場所に停車してから行いましょう。

FAQ|AI Boxを利用する際によくある質問

ここでは、AI Boxについてよくある疑問をまとめました。

AI Boxはどの車でも使える?

いいえ。すべての車がAI Boxに対応しているわけではありません。

多くのAI Boxは、車載ディスプレイが有線CarPlayに対応していることが基本条件です。有線Android Auto接続に対応したAI Boxなら、有線Android Auto対応車でも利用できる場合があります。

一方、無線CarPlayや無線Android Autoにしか対応していない車では、利用できないAI Boxが多いため注意が必要です。

詳しい条件は「AI Boxが使える条件」で解説しています。

ワイヤレスアダプターとAI Boxの違いは?

ワイヤレスアダプターはスマートフォンとの接続を無線化する機器、AI Boxは車載ディスプレイでAndroidアプリを利用する機器です。

ワイヤレスアダプターは、有線で使用するCarPlayやAndroid Autoをワイヤレス接続に変えることが主な目的です。一方、AI BoxはAndroid OSを搭載し、本体で動画やナビなどの対応アプリを動かせます。

「ケーブル接続をなくしたい」ならワイヤレスアダプター、「車の画面で動画や追加のAndroidアプリを使いたい」ならAI Boxというように、目的によって選択肢が変わります。

AI Boxは車の純正ナビを交換するもの?

いいえ。AI Boxは純正ナビを取り外して交換する機器ではありません。

一般的には、車載ディスプレイのUSBポートにAI Boxを接続し、AI BoxのAndroid画面を純正ディスプレイに表示して操作します。

そのため、純正ナビを交換せずに機能を追加できるのが特徴です。ただし、AI Boxを利用できるかどうかは車載ディスプレイの機能や接続方式などによって異なります。

詳しい条件は「AI Boxが使える条件」を参考にしてください。

まとめ

AI Boxは、画面のないAndroid端末を車載ディスプレイにつなぎ、動画やナビアプリなどを車の画面で使えるようにする機器です。ミラーリングやCarPlayとは異なり、アプリはAI Box本体で動作します。

利用できるかどうかは、スマートフォンのOSよりも車の接続方式が重要です。多くの製品は有線CarPlay接続を基本とするため、購入前に車との互換性を確認する必要があります。

また、給電やインターネット、操作方法などの利用条件に加え、技適マークや保証・サポートも選ぶ際のポイントです。

使用時は、発熱や動画サービスの対応、LINEアカウントの扱いなどに注意し、走行中の画面注視や操作は避けましょう。

まずは自分の車がAI Boxの接続条件を満たしているかを確認することから始めてみてください。

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この記事はHID屋が監修しています

HID・LED専門店を運営。累計1,000社以上と取引しており、楽天月間優良ショップ14回受賞、お客様満足度97.4%。本メディアでは、HID・LEDを長年販売してきた経験から、車のヘッドライト・フォグランプ等の関するお役立ち情報を発信していきます。

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