車のヘッドライトの曇りを除去できずに悩んでいる方もいるでしょう。ヘッドライトの曇りは、洗車では除去できないため、専用クリーナーや耐水ペーパーなどを使う必要があります。
曇りの除去方法を把握して、安全に公道を走行しましょう。この記事では、車のヘッドライトが曇る原因や除去方法、防止方法などについて紹介します。
車のヘッドライトが曇る原因
ヘッドライトは、採用されている素材や状態が原因で曇ります。あなたのヘッドライトが該当していないか、チェックしてみましょう。
ここでは、車のヘッドライトが曇る原因を紹介します。
ヘッドライトの素材
ヘッドライトには「ポリカーボネート樹脂」が採用されているため、曇りやすい特徴があります。以前までは、ガラス製が採用されていたものの、現在ではポリカーボネート樹脂のヘッドライトが主流です。
ポリカーボネート樹脂とは、熱可塑性樹脂(ねつかそせいじゅし)の一種であり、プラスチック素材のことです。衝撃によりヘッドライトが破損した際でも、破片が飛び散らないメリットがあります。
軽量化により燃費を向上させることも、ポリカーボネート樹脂が採用されている理由の1つです。一方、ポリカーボネート樹脂には紫外線に弱いデメリットがあります。紫外線のダメージにより、ヘッドライトが曇る仕組みです。
屋根がない駐車場に車を停めている場合は、紫外線を多く受けるためヘッドライトが曇りやすいことに留意してください。
ヘッドライトの劣化
劣化によりヘッドライトが曇ります。ヘッドライトレンズには、紫外線対策としてもともとコーティングが施されているため、新車購入時からしばらくは曇りません。
しかし、2〜3年程度すると紫外線や洗車によってコーティングが落ちるため、ヘッドライトが曇ります。ヘッドライトのメンテナンスを正しく行い、曇りを予防しましょう。
ヘッドライトの傷
車を運転している際にできる傷も、ヘッドライトが曇る原因です。たとえば、走行中に砂や小石などが当たってできた細かい傷が原因で、ヘッドライトが曇ります。
また、洗車時に付く傷もヘッドライトが曇る原因の1つです。洗車時は優しく洗っているつもりでも、スポンジにより細かい傷が付きます。
ワックスやコーティング剤の洗い残しも、ヘッドライトに施工されているコーティングを落とす原因になるため、シャンプー後はしっかり車を洗い流しましょう。
車のヘッドライトの曇りは内側にも原因がある
車のヘッドライトの曇りは、外側だけでなく内側が原因な場合もあります。たとえば、車体とヘッドライトにできた隙間から、水や汚れが侵入した場合です。
隙間から侵入した水や汚れが内側に付くことにより、ヘッドライトが曇ります。内側が原因でヘッドライトが曇った場合は、外側を磨いたり専用クリーナーを使用しても解消されないことに留意してください。
車のヘッドライトが曇っていると車検に通らない?
車のヘッドライトが曇ると、視認性の低下により光量が不足するため、車検に通らない可能性があります。車検を取得するには、ロービームで1灯につき「6,400カンデラ以上」の光量が必要です。
6,400カンデラ以上の光量が出ない場合は、ヘッドライトを外して内側からクリーニングすることをおすすめします。
クリーニングしても光量が回復しない場合、ヘッドライト交換が必要であり、数万円程度の費用が発生します。車検費用を抑えるためにも、日頃からヘッドライトをメンテナンスしましょう。
車のヘッドライトの曇りを除去する方法
続いて、車のヘッドライトの曇りを除去する方法を紹介します。
ヘッドライトの曇りを除去すると、視認性が上がるうえに車の見た目も美しくなります。ヘッドライトの曇りを除去して、安全かつスマートに車を運転しましょう。
市販の専用クリーナーを使う
市販の専用クリーナーを使って、ヘッドライトの曇りを除去します。具体的な手順は以下のとおりです。
- 洗車する
- ヘッドライト付近の水滴をしっかり拭き上げる
- 付属のマイクロファイバークロスに専用クリーナーをつける
- マイクロファイバークロスでヘッドライトを磨く
- きれいなクロスで拭き上げる
砂や汚れによってヘッドライトに傷がつく可能性があるため、必ず洗車してから曇りを除去してください。また、ボディにクリーナーがつかないよう、注意してヘッドライトカバーを磨きましょう。
なお、HID屋でもヘッドライトクリーナの取り扱いがございます。最短片側5分で黄ばみを除去することができるうえ、マイクロファイバータオルが2枚(磨き用・ふき上げ用)ついておりますので手軽に作業を実施できます。
興味を持たれた方はぜひ下記ページから詳細をご覧ください。
耐水ペーパーとコンパウンドで磨く
専用クリーナーを使う前に「耐水ペーパー」と「コンパウンド」で磨くと、よりヘッドライトの曇りを除去できます。具体的な手順は以下のとおりです。
- 洗車する
- マスキングテープでヘッドライト周りを養生する
- 耐水ペーパーでヘッドライトを磨く
- コンパウンドでヘッドライトを磨く
- ヘッドライトをコーティングする
まずは、洗車してヘッドライトの汚れを落とします。マスキングテープでヘッドライト周りを囲わないと、磨く際に車を傷つける可能性があるため、必ず養生をしましょう。
また、耐水ペーパー目の粗さは「番手」と呼ばれており、数字が低いものから順番に使います。たとえば、以下のような順番です。
- 800番
- 1,000番
- 1,500番
- 2,000番
- 2,500番
数字が低いほど目が粗い特徴があるため、曇りや傷が少ない場合は、1,000番から磨き始めても問題ありません。愛車のヘッドライトの状況に応じて、正しく耐水ペーパーを使いましょう。
なお、耐水ペーパーやコンパウンドで磨いたとはいえ、紫外線や劣化などにより再びヘッドライトは曇ります。クリアな状態を長く保ちたい場合は、磨いた後にヘッドライトをコーティングしましょう。
専門業者に依頼する
確実にヘッドライトの曇りを除去したい場合は、専門業者に依頼しましょう。専門業者は車のプロであり、スムーズにヘッドライトの曇りを除去できるほか、自分で作業する手間を省けます。
自分で磨く際は、耐水ペーパーの番手を間違えたり誤って車の塗装を傷つけたりする可能性があるため、注意して作業しなければなりません。また、エタノールが含まれているクリーナーを使うと、樹脂が溶ける可能性もあります。
失敗すると最悪の場合、ヘッドライトユニットごと交換しなければなりません。余分な手間や費用をかけないためにも、最初からプロに依頼することも1つの手段です。
車のヘッドライトの曇りを防止する方法
車のヘッドライトは、コーティングしたり保護フィルムを貼ったりすると曇りを防止できます。また、ライトのバルブ(電球)をLEDに交換することも曇りを防止する方法の1つです。
以降で詳しく解説していきます。
コーティングする
コーティングすると紫外線からヘッドライトを守れるため、曇りを防止できます。新車時のコーティングが残っている場合は、上から簡易的なコーティングを重ねて曇りを防止しましょう。
また、新車時のコーティングが落ちている場合は、強力なコーティングを施工して曇りを防止する方法もあります。
ヘッドライトのコーティング剤は、使用方法や価格がそれぞれ異なるため、愛車に合ったものを使用しましょう。なお、ヘッドライトのコーティングの効果は商品によって異なり、半年〜2年程度です。
保護フィルムを貼る
保護フィルムはコーティングとは異なり、紫外線や傷、汚れなどから物理的にヘッドライトを守ります。保護フィルムが劣化したら、新品に貼り替えればよいため、ヘッドライトの曇りを手軽に防止することが可能です。
ただし、保安基準をクリアしていない保護フィルムも販売されています。長く使用したい場合は、保安基準をクリアした保護フィルムを購入しましょう。
LEDライトに交換する
ヘッドライトをLEDライトに交換すると、曇りを防止できます。ポリカーボネート樹脂は電球の熱に弱い特徴もあり、高熱によりヘッドライトが曇ります。
LEDライトはハロゲンランプやHIDとは異なり、電球が発する熱が少ないため、ヘッドライトの曇りを防止することが可能です。また、電球が発する熱が少ないと外気温との温度差を抑えられるため、内側の結露の発生を防止できるメリットもあります。
ただし、全LEDライトが曇りを防止できるわけではありません。LEDライトの構造によっては曇るケースもあるため、購入する際は信頼できる商品を選びましょう。
なお、HID屋では放熱性に優れた素材を採用しているヘッドライトを販売しています。
ヘッドライトの曇りを防止したい場合は、HID屋の商品をチェックしてみてください。
まとめ
車のヘッドライトは、採用されている素材や状態などが原因で曇ります。
ヘッドライトが曇ると見た目が悪いほか、視認性が下がるデメリットがあります。運転中の視界を十分確保できないうえに、車検に通らないケースもあるため、すみやかに曇りを除去しましょう。
また、ヘッドライトの曇りは自分でも除去できます。ただし、作業が難しいと感じた場合や時間がないときは、専門業者に依頼しましょう。
なお、コーティングや保護フィルムに加えて、LEDライトに交換することもヘッドライトの曇りを防止する方法の1つです。日本ブランドのLEDライトに交換し、愛車の視界を鮮明にしましょう。