自動車のヘッドライトは、どれも同じに見えてもバルブ(電球)の形は車種などでバラバラなのは、ご存知でしょうか?
H4は多くの車両で採用されているバルブであり、最近ではその光源としてLEDが人気です。
そんなH4 LEDヘッドライトバルブについて、基本情報や選び方など徹底的に解説していきます。
おすすめの国産メーカーも併せて紹介しますので、最後までご覧ください。
H4とは?基本情報とH4の特徴を解説
愛車の取扱説明書や、メンテナンスノートなどで画像のように「ヘッドライトのバルブ形状 H4」と書かれているのをご覧になった方もいらっしゃるのではないでしょうか。
なんとなく「ヘッドライトの部品を表している」と想像できるとは思いますが、ここからは、そんなH4について基本情報と特徴を詳しく解説していきます。
H4はバルブ形状の1つ
H4バルブは、ヘッドライトのバルブ(電球)の形状の1つです。
バルブには国際規格で定められた形状があり「H1」「H3」「H4」「HB3」「HB4」「PSX24W」「D2S/R」「4S/R」「D1S」「D3S」など、アルファベットと数字の組み合わせで分けられています。
それぞれの形状は大きさや口金の形、コネクタの形状など多くの違いがあります。
そのため一部を除いて異なる形状同士互に換性は無く、愛車のバルブ交換を行う際は車検証などで車の年式や形式、グレードを確認して適合するバルブ形状を確認することが重要です。
適合しないバルブを選んでしまうと、取り付けができないだけでなく、周辺の部品が破損するなど様々な問題が発生する恐れがあります。
以上のことからH4はヘッドライトバルブの規格の1つであり、愛車にH4バルブが使用できるかは事前に確認する必要があります。
H4バルブの特徴
H4の最大の特徴はバルブ1本で、ハイビームとロービームの両方に対応できることです。
一般的なバルブではバルブ1本につき光源は1つですが、H4の場合は1本に2つの光源があり、それぞれが異なるパターンで発光します。
ロービーム側の光源(画像左上方の光源)にはシェードが取り付けられており、上方向への光の拡散を防ぎます。
対してハイビーム側(画像左下方の光源)にはシェードがなく、上下左右に光が拡散する設計になっており、広範囲を明るく照らすことが可能です。
この特徴を持つH4は2灯式ヘッドライト(片側にバルブが1本装着されるヘッドライト)に採用され、多くの車両で使用されています。
明るいH4 ヘッドライトならLEDがおすすめ
ヘッドライトの光源はハロゲン・HID・LEDの3種類がありますが、その中でもLEDがおすすめです。
以前は「LEDは暗い」と言われることがありましたが、現在では車検基準の約10倍の明るさ明るさを持つ製品も登場し、またラインナップも従来と比べ豊富です。
そんなLEDをH4 LEDヘッドライトの光源とした場合、以下のメリットが得られます。
- 視認性が向上し安全性が高まる
- 長寿命で維持コストが下がる
ここからはこれらのメリットについて詳しく解説します。
視認性が向上し安全性が高まる
LEDによってヘッドライトの光が明るくなることで視認性が向上し、運転時の安全性が高まります。
暗い夜道でもヘッドライトの光が明るいと、対向車や落下物などをハッキリと照らし、すばやい発見が可能です。
そして危険を早期に察知し、すぐにブレーキを踏むなどの回避行動を取ることができるため、事故の予防に繋がります。
以上のことから明るいヘッドライトの光によって、視認性と運転時の安全性が高まり夜間のドライブも安心して運転できるため、ヘッドライトバルブはLEDがおすすめです。
長寿命で維持コストが下がる
LEDは寿命が非常に長いことから、ハロゲンヘッドライトやHIDヘッドライトに比べて維持コストを大幅に削減できます。
LEDの寿命はハロゲンの約10倍と長く、仮にハロゲンバルブを2年ごとに交換した場合、理論上は20年間交換不要です。
またLEDは他の光源と違いフィラメントを持っておらず、衝撃や振動に強いという特徴もあります。
そのため日々の運転でフィラメントが突然焼き切れるというトラブルも起こらないため、より交換頻度は低くなりやすいです。
以上のことからヘッドライトには他の光源よりも優れた耐久性を持ち、維持コストを抑えてくれることがLEDバルブがおすすめです。
LEDのデメリット
LEDヘッドライトは多くのメリットを持っていますが、一方でデメリットも存在します。
そのデメリットとはLEDヘッドライトの光が非常に明るく、白っぽくなるため、対向車や歩行者にとって眩しく感じることがあることです。
ただLEDヘッドライトの眩しさは、光軸の調整によって軽減できます。
光軸が正しく調整されていない場合、光が上向きに照射され、対向車や歩行者に直撃してしまいます。
しかし光軸調整を行えば、照射された光を下向きに変え、光の直撃を避けることが可能です。
以上のことからLEDヘッドライトの強い光は対向車や歩行者に眩しさを感じさせる可能性がありますが、光軸調整によってこのデメリットは払拭できます。
H4 LEDヘッドライトの選び方を解説
「愛車にピッタリのH4 LEDヘッドライトを装着したい」「でもどれを選んで良いかわからない!」とお悩みの方に向けて、H4 LEDヘッドライトの選び方を解説していきます。
選び方で特に重要なポイントは以下の2点です。
- 車検対応のものを選ぶ
- 信頼のあるメーカーから選ぶ
それぞれ詳しく解説します。
車検対応のものを選ぶ
H4 LEDヘッドライトを選ぶ際には、車検対応のものを選ぶことが非常に重要です。
車検に通らない製品を装着すると再検査の手間や費用が発生するだけでなく、整備不良として摘発される恐れもあるため、初めから車検対応のLEDヘッドライトを選んでおきましょう。
車検対応の製品を選ぶ際には、以下の3つのポイントを確認することが重要です。
- 明るさ
- 色
- カットライン
これらのポイントについて詳しく解説します。
明るさ
車検ではヘッドライトの明るさが測定されるため、明るいものを選びましょう。
具体的にはヘッドライトの明るさ(光度)が6400カンデラ(cd)以上であることが車検では求められるので、それ以上の数値が記載されているか確認してください。
なお光の明るさにはルーメン(lm)やルクス(lx)などの単位もありますが、車検ではカンデラが基準となるため、できるだけバルブの明るさはカンデラで確認するようにしましょう。
色
車検対応のLEDヘッドライトとして、白色のものを選びましょう。
2005年以前に製造された車両では淡黄色も認められていましたが、2006年以降に製造された車両では白色のみが車検に合格する色とされています。
ヘッドライトの光の色を確認する際には、ケルビン(K)という色温度の単位を確認します。
約4000〜6500Kの範囲の光が白色に見えるため、車検対応のLEDヘッドライトを選ぶ際には、この範囲のものを選びましょう。
カットライン
車検対応のLEDヘッドライトを選ぶ際には、カットラインがハッキリしているものを選びましょう。
カットラインとは、ヘッドライトの光があたる部分とあたらない部分の境界線を指します。
このカットラインが不鮮明だと、カットラインの外側に光が漏れて、意図せず対向車などにヘッドライトの光が当たってしまい事故の原因になります。
また車検に不合格になるのも言うまでもありません。
そのため車検対応の製品を選ぶ際は、カットラインが鮮明なものを選びましょう。
信頼のあるメーカーから選ぶ
H4 LEDヘッドライトを選ぶ際、信頼あるメーカーから選ぶことは非常に重要です。
市場には粗悪品も多く出回っており、これを装着してしまうと車検に通らなかったり、使用中に暗くなるなど性能がすぐに低下する恐れがあります。
また最悪の場合、走行中に突然点灯しなくなり事故に繋がる可能性も。
対して信頼あるメーカーの製品は、品質管理が徹底されており、製品の信頼性と安全性が担保されています。
万が一、購入した製品が不良だった場合も適切に対応してくれるでしょう。
以上のことから車検対応で安全な製品を手に入れ、走行中のトラブルや事故のリスクを回避するために、H4 LEDヘッドライトは信頼のあるメーカーから選ぶことが重要です。
おすすめの国産メーカーを紹介
ここからは、おすすめの国産メーカーを取り扱っているH4 ヘッドライトバルブと併せて紹介していきます。
紹介するメーカーは以下のとおりです。
- 日本ライティング
- 小糸製作所
- POLARG
①日本ライティング
商品名 | 標準モデル |
色 | 6000K |
明るさ | Hi6000/Lo6000lm |
電圧 | 12V |
日本ライティングは自動車メーカーのディーラーオプションとしての取り扱われるなど実績があるメーカーです。
品質にこだわり、同社の製品は製造の全工程を日本国内で行っています。
そのため、品質の高さを評価する口コミが寄せられています。
②小糸製作所
商品名 | LEDホワイトビームNeo |
色 | 6700K |
電圧 | 12V |
小糸製作所は自動車用照明器だけでなく、航空機の照明機器や小型船舶用船灯などの開発・製造・販売を行う国産メーカーです。
また同社はLEDヘッドライトの実用化に世界で初めて成功したメーカーでもあります。
紹介する製品はいずれも明るさだけでなく、配光やノイズなどOEM製品を製造している同社のこだわりが感じられ、口コミでもその品質に満足する声が寄せられています。
③POLARG
商品名 | 3014W |
色 | 6700K |
明るさ | Hi3000/Lo2800lm |
ワット数 | 12W |
POLARG(ポラーグ)は小糸製作所の系列会社である、日星工業のブランドです。
同社は主にテールランプで使用されるT20バルブを累計5億個生産するなど、技術と実績を兼ね備えています。
近年ではカー用品店であるオートバックス専用ブランドALBALIZE(アルバライズ)も展開しており、同社の製品はカットラインに定評があります。
まとめ
ここまでH4 LEDヘッドライトの基本情報や選び方の解説に加え、おすすめ国産日本メーカーを紹介してきました。
ご覧いただいたとおり、信頼のある日本メーカーでも個性は様々です。
そのため各社のHPや、「みんカラ」など自動車パーツのSNSの口コミなどを参考にし、ご自身と愛車にピッタリのH4 LEDヘッドライトを探してみましょう。