夜間の運転は、昼間とは異なるリスクが潜んでいます。
暗い道や限られた視界、歩行者や障害物の発見の遅れなど、注意が必要なポイントは多岐にわたります。
本記事では、夜間の運転で事故が起きやすい理由や事故を防ぐための重要なポイントを分かりやすく解説します。
夜間の運転は事故が多い
夜間は昼間に比べて交通事故の発生率が高く、特に歩行者に関わる死亡事故の割合が目立ちます。
令和5年版交通安全白書によると、歩行者の死亡事故は夜間が全体の64.1%を占めており、昼間に比べて危険性が大幅に増加しています。
そのため、夜の運転では特に歩行者への注意が必要不可欠といえるでしょう。
夜間の運転は危険が伴う一方で、ドライバー側の注意や準備でリスクを軽減できる場面も多くあります。
そのためには、事故の原因を理解し、安全運転のポイントを押さえることが大切です。
次項では、夜間の運転で事故が起きやすい理由について詳しく解説します。
夜間の運転で事故が起きやすい6つの理由
夜間の運転で事故が起きやすい理由は以下の通りです。
- 周りが暗いため危険の発見が遅れる
- グレア現象が発生する
- 対向車のライトによる眩惑
- 速度を出してしまう
- 注意力が落ちている
- 夜に歩行者はいないという思い込み
順番に確認していきましょう。
①周りが暗いため危険の発見が遅れる
夜間は周囲が暗いため、昼間と比べて視認性が大幅に低下し、危険を発見するタイミングが遅くなりがちです。
特に歩行者や無灯火の自転車など、光を発していない対象は見逃しやすく、接触事故や死亡事故のリスクが高まります。
また、夜間はヘッドライトの照射範囲に視界が集中しやすく、左右の死角からの飛び出しに気づにくいです。
そのため、通常以上に注意が必要です。
②グレア現象が発生する
交差点では特に注意が必要な「グレア現象」が発生します。
グレア現象とは、対向車とのヘッドライトが交錯することで、その間にいる歩行者が見えなくなってしまう現象のことです。
歩行者自身は照らされているため見えていると思い込んでいますが、ドライバーからは視認が困難な状態になっています。
そのため、お互いに避けることができず事故に繋がってしまうのです。
また、グレア現象は、雨天時には路面の反射光が加わり、歩行者や障害物の輪郭がさらに不明瞭になり、事故の危険性が増します。
③対向車のライトによる眩惑
対向車のライトを直視してしまうと一時的に視界が奪われ事故につながる危険性が高くなります。
一瞬視界を奪われる眩惑が起こると、周囲の状況を正確に把握できなくなります。
これによりブレーキを踏むタイミングを逃したり、ハンドル操作を誤ったりする可能性があります。
重要な対象物の見落としにつながりやすく、事故の引き金になりかねません。
④速度を出してしまう
夜間は暗さの影響で速度感覚が鈍り、車が実際よりもゆっくり動いているように感じることがあります。
また、交通量が少ないため無意識に速度を上げがちです。
衝突時の衝撃力は速度に比例して増大するため、速度超過が事故の深刻化につながります。
⑤注意力が落ちている
夜間運転は、昼間の疲労が蓄積された状態で行われることが多く、注意力が散漫になりがちです。
特に深夜になると、居眠り運転のリスクが高まります。
センターラインから逸脱し正面衝突やブレーキをかけずに前方車両への追突といった重大事故を引き起こす可能性があります。
⑥夜に歩行者はいないという思い込み
深夜になると「歩行者はいないだろう」という思い込みが生じやすくなります。
この思い込みが安全確認の怠りにつながり、重大な事故を引き起こす可能性があります。
夜間の運転で事故を防ぐためのポイント
夜間の運転で事故を防ぐためのポイントは以下の通りです。
- ロービームとハイビームを使い分ける
- ライトは早めに点灯する
- 対向車のライトから視線を逸らす
- スピードを確認し、十分な車間距離を保つ
- 疲れている場合は休憩をする
- 歩行者や自転車を想定して運転する
順番に確認していきましょう。
ロービームとハイビームを使い分ける
夜間運転では、ロービームとハイビームを適切に切り替えることで安全性を高められます。
ハイビームは前方約100mを照らし、遠くの障害物や歩行者を発見しやすいです。
しかし、対向車や先行車にとっては眩しいため、眩惑などの危険を与える可能性があります。
ロービームは40m程度の範囲を照らします。
そのため視認性が制限されますが、対向車や歩行者に眩しさを感じさせにくいです。
車や歩行者が周囲にいる場合はロービームを使用し、周囲に車両がいない状況ではハイビームを活用して視界を確保しましょう。
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ライトは早めに点灯する
夕暮れ時は視界が悪化するタイミングでありながら、ライトの点灯を忘れるドライバーが多く見受けられます。
暗くなる前にライトを点けることで、歩行者や自転車の早期発見が可能となり、事故を防ぎやすくなります。
また早めのライト点灯は、自分の視界確保だけでなく他のドライバーや歩行者にも存在を知らせる重要な手段です。
対向車のライトから視線を逸らす
対向車のヘッドライトによる眩惑は、一時的に視界を奪う危険があります。
このような場合は、視線を少し左側にずらすことで光の影響を軽減できます。
ただし、視線をそらし過ぎてしまうと対向車が確認できなくなり、かえって危険な場合があるので注意しましょう。
また、視界の端で何か動きを感じたらグレア現象の可能性を疑い、注意深く前方の状況を確認してください。
スピードを確認し、十分な車間距離を保つ
夜間は速度感覚が鈍りやすいため、スピードメーターを確認する習慣を付けましょう。
特に高速道路や閑散とした道路では、知らず知らずのうちに速度超過に陥りやすいので注意が必要です。
さらに、暗い環境では前方の車の動きが見えにくくなるため、車間距離を昼間以上に広く保つことが重要です。
これにより、先行車の急な停止や動きにも安全に対応でき、追突事故のリスクを低減できます。
適切な速度管理と車間距離の確保で、夜間運転の安全性を高めましょう。
疲れている場合は休憩をする
夜間運転で疲れを感じた場合は、無理な運転を避け、適切な休憩を取ることが重要です。
車外に出て新鮮な空気を吸い、ストレッチを行うことで体をリフレッシュできます。
また、カフェインの摂取や仮眠を取るのも効果的です。
ただし、仮眠後は必ず体を動かして、目をしっかり覚ましてから運転を再開しましょう。
歩行者や自転車を想定して運転する
夜間は特に歩行者の存在を常に意識した運転が必要です。
深夜であっても歩行者がいないと決めつけず、交差点や横断歩道では必ず目視をして慎重な確認を心がけましょう。
特に右左折時は注意が必要です。
右折ではヘッドライトが届かない死角が生じるため、対向車との間隔や歩行者の動きに気をつけてください。
また、左折時にはサイドミラーだけでなく目視で確認し、巻き込み防止を徹底しましょう。
さらに、飲酒による酩酊状態の方も想定されるため、不規則な動きをする歩行者や自転車には注意を払う必要があります。
まとめ
本記事では、夜間の運転で事故が起きやすい理由や事故を防ぐための重要なポイントを解説しました。
夜間の運転は、視界が悪くなることや周囲の状況が把握しづらいことから、昼間とは異なる注意が必要です。
基本的なポイントを意識するだけでも事故のリスクは大幅に減らせます。
本記事で紹介したポイントを習慣化することで、安心して夜間のドライブを楽しめます。
慎重な運転を心がけながら、安全で快適なドライブを目指しましょう。