プロジェクターLEDヘッドライトが暗い場合、ヘッドライトの汚れなど一般的なものから、レンズの白濁化(白内障)といったプロジェクターLEDヘッドライト固有のものなど様々な原因が考えられます。
「まだ大丈夫」と放置しておくと車検に合格できずに公道を走れなくなるだけでなく、最悪の場合、視認性が下がって交通事故を引き起こすことも。
そのような事態にならないために、この記事では暗くなる原因やレンズの白濁化(白内障)を直して明るさを取り戻す方法について、詳しく解説していきます。
この記事を読めばプロジェクターLEDヘッドライトが暗い原因と対処法が分かり、夜の運転を安全に行い続けられるようになるので、ぜひご覧ください。
プロジェクターLEDヘッドライトの特徴を解説
プロジェクターヘッドライトは光を精密に照射でき、特にLEDライトとの相性が抜群です。
このライトは内部に取り付けられたレンズを通じて光を集中させることで、必要な場所を明るく照らすエネルギー効率が高い構造となっています。
そのためプロジェクターヘッドライトは、省電力であるLEDの特徴を最大限に活かしてくれるライトと言えるでしょう。
またレンズ内側に制御板があり、必要な箇所だけ照らすことができ、車検に通りやすい特徴も兼ね備えています。
対して伝統的に採用されているリフレクターヘッドライトは、内側にお椀状の反射板が取り付けられており、光源から反射した光を利用して路面を照らします。
このライトはハロゲンなど光が拡散する光源に対して効果がありますが、その構造から不要な箇所まで照らしやすいため、車検を通すためには光軸の調整が欠かせません。
以上のことから、プロジェクターLEDヘッドライトは効率的に路面を照らすことで省電力性に優れ、車検にも通りやすいという優れた機能を持ったライトと言えます。
プロジェクターLEDヘッドライトが暗い原因について解説
プロジェクターLEDヘッドライトが暗い原因は以下の5点が考えられます。
- ヘッドライトユニットの汚れや黄ばみ
- バッテリーの劣化
- LEDバルブの劣化
- 光軸のずれ
- プロジェクターレンズの白濁化(白内障)
ここからは、これらの原因について詳しく解説していきます。
ヘッドライトユニットの汚れや黄ばみ
プロジェクターLEDヘッドライトが暗い原因として、ヘッドライトユニットの汚れや黄ばみが光の通過を妨げていることが考えられます。
特に主流となっている樹脂製ヘッドライトは、紫外線に弱く黄ばみやすいという特性があるため、より汚れなどに注意が必要です。
また洗車キズや小石による傷も、透明性の低下に繋がり、暗さの一因となります。
愛車のプロジェクターLEDヘッドライトが暗いと感じたら、まずはヘッドライトユニットが汚れたり黄ばんだりしていないか確認すると良いでしょう。
バッテリーの劣化
プロジェクターLEDヘッドライトの暗さの原因には、バッテリーの劣化も考えられます。
ガソリン車のバッテリー寿命は約2~5年とされており、バッテリーが劣化することでヘッドライトの光が暗くなってしまい、場合によってはちらつきが発生することもあります。
特にエンジン始動時やアイドリング中にヘッドライトが暗くなったときは、バッテリー劣化の可能性が高いでしょう。
このような場合には、早めに点検を受け、必要に応じてバッテリーを交換することをおすすめします。
LEDバルブの劣化
プロジェクターLEDヘッドライトの明るさが低下する原因の一つに、LEDバルブの劣化があります。
この劣化はLEDバルブ内の熱によって引き起こされます。
基板の冷却はヒートシンク(放熱用の部品)や冷却ファン、またこれら材料の性質が重要です。
LEDヘッドライトの寿命を延ばすには、放熱性能の高い製品選びが重要と言えます。
光軸のずれ
プロジェクターLEDヘッドライトの明るさが不足している原因の一つに、光軸のずれがあります。
このずれは車高の変化や重い荷物の搭載、またLEDヘッドライトへの交換時に生じやすいです。
光軸が正確でないとヘッドライトの照射方向が変わり、レンズに光がうまく集まらず、十分な明るさが得られません。
これは運転中の視認性を低下させるだけでなく、車検不合格の原因にも繋がります。
そのためバルブの交換や車高調整後には、正しく光軸調整を行うことが重要です。
プロジェクターレンズの白濁化(白内障)
プロジェクターLEDヘッドライトが長期間使用されると、そのレンズの透明度が徐々に低下し、最終的には白濁化することがあります。
この現象は、その見た目から、眼の疾患である「白内障」とも呼ばれています。
レンズの白濁化は焦点の正確性に大きく影響し、ヘッドライトの明るさを著しく低下させる原因となります。
白濁化の原因は様々ですが、最も一般的なのはレンズ内部への汚れの蓄積です。
バルブとレンズの隙間からホコリが入り込んだり、光軸調整用モーターなどの部品に塗られているグリスがレンズに付着することにより、この問題が発生します。
ここまで紹介した他の原因と比べて、レンズの白濁化はプロジェクターヘッドライト固有の問題であるため、日頃からレンズに異常がないか点検することが重要です。
レンズの白濁化を直して明るさを取り戻す方法を解説
ここからはプロジェクターヘッドライト固有の問題である、レンズの白濁化に焦点を絞り、その解決方法を紹介します。
具体的な解決方法は以下のとおりです。
- プロジェクターレンズの清掃
- ヘッドライトユニット一式を交換
- プロジェクターレンズだけを交換
これらの方法と併せて、具体的に白濁化を直せる場所について解説していきます。
プロジェクターレンズの清掃
白濁化を直して明るさを取り戻すために、まずはプロジェクターレンズの清掃をおすすめします。
具体的にはLEDバルブを取り外し、そこからウエスなどを差し込んで、レンズの内側を拭き取ります。
レンズの清掃は部品を交換しないため、他の方法と比べて費用を抑えながら簡単に行えます。
しかし狭いところに手を差し込んで作業を行ったり、ヘッドライトユニットを取り外すこともあるなど、簡単に行えない場合があるので注意しましょう。
以上のことから、プロジェクターレンズの白濁化を直したいと思ったら、まずはレンズの清掃から始めることをおすすめします。
ヘッドライトユニット一式を交換
清掃を行っても白濁化が直らない場合は、プロジェクターレンズを交換する必要があります。
このとき、バルブ以外の部品は一体となっていることが多いため、殆どの場面でヘッドライトユニット一式を交換しなければなりません。
そのため、工賃だけでなく部品代も高くなってしまいます。
ただ新車で購入した場合だと「メーカー保証」が付いており、保証期間内であれば無料で修理してもらえるので、必ず確認するようにしましょう。
また中古車でもメーカー保証の期間が残っていたり、購入先独自の保証や整備不良などを理由に無料で対応してくれる場合もあります。
さらに珍しいケースですが、メーカー保証がなくてもヘッドライトに関してリコールが出ていれば、新しいヘッドライト一式と交換してくれる可能性も考えられます。
以上のことからヘッドライトユニット一式を交換する場合は、保証などの有無をよく調べたうえで行うようにしましょう。
プロジェクターレンズだけを交換
ユニット一式だけでなくても、プロジェクターレンズだけを交換できる車種が一部存在するので、その場合はプロジェクターレンズだけを交換する方法がおすすめです。
交換する際はヘッドライトのカバーを取り外すか、ライトの裏側からレンズを交換する方法が取られます。
しかしユニット一式しか交換できない車種でも、ヘッドライトカバーを取り外してレンズだけを交換するサービスを行う業者が存在します。
違法ではありませんが、脱着を想定されていないカバーを取り外す行為(「殻割り」と呼ばれています)は特殊な技術やノウハウが必要なため、サービスをお願いする場合は対応している業者をよく選びましょう。
このように、一部の車種や業者によってプロジェクターレンズだけを交換でき、ヘッドライト一式の交換より安価にプロジェクターレンズの白濁化を直すことができます。
どこでレンズの白濁化は直せる?
ここまでレンズの白濁化を直す方法を説明しましたが、具体的に直せる場所が分からなければ対応できません。
直せる場所はディーラーや整備工場などの業者か、DIYが挙げられます。ここからは、これらの特徴について詳しく解説していきます。
ディーラーや整備工場などの業者
プロジェクターレンズの白濁化は、ディーラーや整備工場などの業者で直せます。
業者に依頼する場合、レンズの状態や車種によって清掃や部品交換など、愛車にあった適切な判断・対応をしてくれるでしょう。
ただし工賃が発生するため、DIYと比べて高額になりやすく、また業者の作業時間によって好きなタイミングで対応してもらえないなどデメリットもあります。
また依頼する業者によって対応方法が異なるため、白濁化を直してもらうよう依頼を出す前には、予め業者に対応方法や予算について相談してみると良いでしょう。
DIY
プロジェクターレンズの白濁化はDIYでも直すことができ、DIYだと工賃がかからないため、コストを抑えることが可能です。
しかし殻割りなど作業の中には高い技術が求められるものもあり、失敗すると部品が破損してしまい、余分な出費が生じる場合もあります。
そのため清掃など簡単な作業はDIYで行い、複雑な作業は業者に依頼するなど難易度に応じて方法を変えていけば、コストを抑えつつプロジェクターレンズの白濁化を直せるでしょう。
まとめ
ここまでプロジェクターLEDランプが暗くなる5つの原因と、白濁化の直し方について解説してきました。
白濁化も含めて、ランプが暗くなる原因で突発的なものは少なく、日頃の点検によって未然に防ぐことができます。
そのため日頃から愛車の点検を行い、異常を感じたらメンテナンスや、新しい部品に交換するなど素早く対応するようにしましょう。
なお、HID屋では放熱性が優れて劣化しにくいLEDバルブを幅広く取り扱っています。
部品交換を行う際には一度、ご覧になってみてはいかがでしょうか。