低床設計による室内空間の広さと高い実用性から、長年ファミリー層に絶大な支持を受けているホンダ・ステップワゴン。
その広さを活かして「家族で車中泊を楽しみたい」というオーナーの方も多いのではないでしょうか。
しかしステップワゴンは型式によってシート形状や段差の具合が異なるため、自分の車でどう準備すべきかお悩みの声が寄せられています。
そこで当記事では、現行のRP6/7/8型から中古市場で根強い人気のRK型まで、型式別のシートアレンジを詳しく解説。
あわせて快適性を高めるDIYカスタムやおすすめグッズ、車中泊を行う際のルールやマナーも紹介します。
当記事を読むことで、愛車のステップワゴンと車中泊に出かけられる状態に一歩近づけます。
ステップワゴンで車中泊は可能

広い室内空間と多彩なシートアレンジが特徴のステップワゴンは、車中泊に十分対応できるミニバンです。
歴代モデルに共通して天井が高く、横幅にもゆとりがあるため、車内で快適に過ごせます。
2列目・3列目シートの背もたれを倒すと前後に余裕のある空間を確保でき、荷物を足元やラゲッジスペースにまとめれば、快適な就寝スペースが完成します。
着替えや車内移動もしやすく、雨天時でも車内で過ごすことが可能です。
このように、広さとアレンジ性を活かせるステップワゴンは、家族旅行やキャンプでの車中泊にも適した車種です。
【型式別】ステップワゴンの車中泊シートアレンジと特徴
ステップワゴンは型式によって室内構造や装備が異なるため、車中泊のしやすさやシートアレンジにも違いがあります。
以下の3つに分けて、それぞれの特徴や車中泊時の使い勝手を解説していきます。
- 【RP6/7/8型】現行型ならではの広さを活かしたアレンジ
- 【RP1/2/3/4/5型】わくわくゲートを活かしたアレンジ
- 【RK型】170cm超のフルフラットを実現するシートアレンジ
【RP6/7/8型】現行型ならではの広さを活かしたアレンジ

2022年登場のRP6/7/8型は、歴代ステップワゴンの中でも最大級とされる室内空間を備えています。
この広さを活かし、車中泊で様々な就寝レイアウトを選べることが魅力です。
具体的には1・2列目を前方に寄せて床面を広く使う方法や、2・3列目を倒してベッドスペースを確保する方法があります。
ちなみに左右に跳ね上げて格納するタイプのミニバンの場合、3列目を格納した状態で2列目を倒そうとすると、3列目に干渉して上手くできません。
対してステップワゴンの3列目は床下に格納できるため、1列目と2列目の背もたれを倒しつつ、3列目も格納してさらにフラットな空間を生み出せます。
このレイアウトでは前方に約230cmの就寝スペースを確保しつつ、後方の荷室にも約120cm×120cmのフラットな空間が生まれます。
荷室部分は小さな子ども2人が横になれる広さのため、前方スペースと組み合わせて、大人2人と子ども2人の合計4人での車中泊にも対応できます。
このように広さとアレンジの自由度を両立している点が、現行型ステップワゴンの大きな魅力です。
【RP1/2/3/4/5型】わくわくゲートを活かしたアレンジ

先代にあたるRP1/2/3/4/5型も、基本的なシートアレンジは現行型に近い構造です。
1・2列目を活用したアレンジでは長さ約220cmのベッドスペースが生まれ、さらに3列目を格納することで、荷室部分には奥行き約64cmほどのフラットスペースが確保できます。
現行型のように荷室を就寝スペースとして使うのは難しいものの、荷物置き場としては十分な広さを得られます。
そして、この世代ならではの特長が「わくわくゲート」です。
リアゲートを横開きにできる構造で、シートを倒した状態のままで荷室側から出入りができます。
就寝スペースを崩さずに靴の脱ぎ履きができ、内側からも開閉できるため、まるで玄関のように活用できます。
バックドアを大きく開けなくても出入りできるRP1/2/3/4/5型は、雨天時や夜間の車中泊でも重宝するでしょう。
【RK型】170cm超のフルフラットを実現するシートアレンジ
先々代にあたるRK型も、シートアレンジによって車中泊が可能です。
7人乗りで16通り、8人乗りでは19通りのバリエーションが用意されています。
特に注目したいのが、170cmを超える荷室長を確保できる「ビッグラゲッジモード」です。
2列目を前方に跳ね上げ、3列目を床下に格納することで、荷室長170cm以上のフラットな床面が生まれます。
この空間は大人でも足を伸ばして横になれる広さで、マットレスを敷けば快適に就寝できます。
また、RP型同様、1・2列目の背もたれを倒したアレンジも可能です。
シートを倒すと多少の段差は生じますが、仮眠や短時間の休憩には十分対応できます。
最新モデルほどの広さはありませんが、RK型は工夫次第で実用的な車中泊空間を構築できます。
ステップワゴンのグレード別の特徴
ステップワゴンは型式だけでなく、グレードによっても装備や内装仕様が異なります。
特に車中泊時の過ごしやすさに直結するのは、シート素材や快適装備の違いです。
ここでは現行型の3つのグレードについて、それぞれの特徴を解説します。
- AIR(エアー)
- SPADA(スパーダ)
- SPADA PREMIUM LINE(スパーダプレミアムライン)
AIR(エアー)
AIRは、シンプルさとクリーンな印象を重視したグレードです。
装飾を抑えたデザインで、落ち着いた室内空間に仕上げられています。
シート素材は、撥水・撥油加工が施されたファブリック素材の「FABTECT(ファブテクト)」です。
飲み物や汚れが付着しても拭き取りやすく、小さな子どもがいる家庭や、アウトドアでの使用が多い方でも安心して使えます。
装備を厳選して価格を抑えつつ、実用性を重視したい方におすすめのグレードです。
SPADA(スパーダ)
SPADAは、エアロパーツなどの専用装備により、力強さを感じさせる外観が特長です。
フロントグリルやリア周辺のデザインに存在感があり、よりスポーティな印象を与えます。
内装はブラックを基調とし、上質感を意識した仕上がりです。
シートにはFABTECTとプライムスムース素材を組み合わせたコンビシートを採用しています。
FABTECTの扱いやすさに加え、プライムスムースのしっとりとした質感を備えています。
機能性と見た目の両立を求める方に適した仕様です。
デザイン性と質感を高めつつ、ファミリーユースにも配慮されたバランスの良いグレードといえるでしょう。
SPADA PREMIUM LINE(スパーダプレミアムライン)
SPADA PREMIUM LINEは、SPADAをベースにさらに専用装備を加えた上位グレードです。
このグレードは7人乗り専用で、外観や内装の随所に専用加飾が施され、より高級感を重視しています。
シートはFABTECTではなく、スエード調表皮とプライムスムース素材を組み合わせた上質な専用シートを採用しています。
肌触りの良さと落ち着いた雰囲気が特徴で、車内で過ごす時間の快適性を高めています。
上質さを重視し、ワンランク上の室内空間を求める方に適したグレードです。
ステップワゴンで車中泊を行うなら8人乗り仕様がおすすめ

車中泊を重視するなら、7人乗りよりも8人乗り仕様のステップワゴンを選ぶのがおすすめです。
ステップワゴンには、2列目が左右独立したキャプテンシートの7人乗り仕様と、3人掛けベンチシートの8人乗り仕様があります。
まず、7人乗りと8人乗りのシートの違いと使い勝手は以下のとおりです。
| 8人乗り | 7人乗り | |
| 2列目シートの種類 | 6:4分割ベンチシート | キャプテンシート |
| 2列目の乗車人数 | 3人 | 2人 |
| フラット時の段差 | 少なめ | 多め |
| 座り心地 | ◯ | ◎ |
| 3列目へのアクセス | △ | ◯ |
ステップワゴンで車中泊をする場合、2列目を含む座席シートを倒して、就寝スペースを設ける方法が一般的です。
このとき、8人乗りのベンチシートの方が中央の隙間や段差が生じにくく、フラットな面を作りやすいです。
対して7人乗りの場合、左右のシートを内側へ寄せることで同様のスペースを作ることができますが、ベンチシートに比べると段差が出やすい傾向にあります。
対して7人乗りの場合、左右のシートを内側へ寄せることで同様のスペースを作ることができますが、ベンチシートに比べると段差が出やすい傾向にあります。
段差の問題は、ベッドキットやマットなどを使用することで、解消することが可能です。
なお、乗車時の快適性を重視するなら、アームレストやオットマンを備えるキャプテンシートに利点があります。
また、ベンチシートではウォークスルーができず、3列目へ移動する際に2列目を畳まなければいけません。
このように、乗車時の快適性も含めて検討するなら7人乗りも選択肢になりますが、就寝スペースの整えやすさを重視するなら8人乗りがおすすめです。
ステップワゴンにおすすめの車中泊用カスタム
ステップワゴンで快適に車中泊を行うには、シートアレンジだけでなく、装備面の工夫も欠かせません。
ここでは、車中泊の快適性を高める3つのカスタムについて解説します。
- ベッドキット
- 遮光・目隠し用カーテン
- LEDルームランプ
なお、DIY作業は自己責任となるため、加工や配線作業に不安がある場合は専門業者へ依頼することをおすすめします。
ベッドキット

(画像はステップワゴンと異なります)
車中泊で快適な睡眠環境を整えるには、ベッドキットがおすすめです。
ステップワゴンはシートアレンジが豊富ですが、シートを倒しただけでは段差や隙間が残ります。
そこで役立つのが、パイプと天板で構成するベッドキットです。
荷室やシート上にパイプでフレームを組み、天板を載せてフラットな床面をつくる仕組みで、安定した就寝スペースが確保できます。
ホームセンターで材料を揃えて加工すれば、車内寸法に合わせたDIYも可能です。
一方で、サイズ計測や加工に自信がない場合は、車種専用の市販ベッドキットを利用すると安心です。
遮光・目隠し用カーテン

車中泊では、外からの視線や街灯の光を遮る対策が非常に重要です。
遮光カーテンを設置すれば、就寝時の快適性とプライバシーの両方を確保できます。
取り付け方法には、窓枠に沿ってレールを固定するタイプと、専用のシェードを使うタイプがあります。
レール式の場合は両面テープやマグネットで固定し、開閉しやすいよう調整します。
レースカーテンと遮光カーテンを二重に通しておけば、状況に応じて使い分けることも可能です。
専用シェードはサイズが車種に合わせて作られているため、隙間ができにくく、光漏れも抑えられます。
LEDルームランプ

夜間に車内で過ごす時間が多くなる車中泊では、LEDルームランプが便利です。
ステップワゴンは型式やグレードによってLEDとハロゲンが異なりますが、どちらも明るい社外品のLEDバルブへ交換することで快適性が大きく向上します。
交換手順は、まずマイナスドライバーなどでカバーを外し、既存のバルブを取り外します。
この際、ドライバーで傷をつけないよう、先端に布を巻き付けておくと安心です。
そして対応サイズのLEDバルブを取り付け、点灯確認後にカバーを戻せば完了です。
ただし、配線や内装の扱いに不慣れな方は、無理をせず業者へ依頼することをおすすめします。
ステップワゴンにおすすめの車中泊グッズ
車中泊用に自分でカスタムを施すのが難しい場合でも、手軽に導入できるグッズを取り入れることで快適性を高められます。
ここでは、おすすめのアイテムを3つ紹介します。
- マット
- ポータブル電源
- ディフューザー
マット

ベッドキットの製作が難しい場合は、敷くだけで段差を吸収できるマットが便利です。
ステップワゴンは背もたれを倒してもわずかな凹凸が残るため、厚みのあるマットを使うと寝心地が大きく改善します。
マットの大きさを決める際は、タイヤハウス付近など狭い部分の幅も考慮しましょう。
また、厚さが薄いと段差が伝わりやすいため、8cm前後のタイプがフラットな面を作りやすくおすすめです。
マットを敷いても気になる部分があれば、クッション材を挟んで調整すると安定感が増します。
ポータブル電源

車中泊で電化製品を使いたい時に役立つのが、容量と出力に余裕のあるポータブル電源です。
型式によってステップワゴンにはオプションでAC100Vコンセントが装着できますが、スマートフォンやPC程度の充電向けで、消費電力の大きい家電には不向きです。
ポータブル電源を用意すれば、電気ケトルや小型冷蔵庫をエンジン停止中でも使用でき、車のバッテリー残量を気にせず過ごせます。
電力系統が車とは独立しているため、バッテリー上がりの心配がない点も安心です。
冬は電気毛布やヒーター、夏は扇風機や小型クーラーを使えるため、季節を問わず快適性が向上します。
ディフューザー

換気と併せてディフューザーを取り入れると、車内の空気が整い、快適に過ごしやすくなります。
長時間車内で過ごす車中泊では、空気がこもりやすく、換気だけではにおいが気になる場面も少なくありません。
ディフューザーを使えば、就寝前には落ち着く香り、朝には爽やかな香りといったようにシーンに合わせて車内の雰囲気を切り替えられます。
置き型やUSB給電式、シガーソケットタイプなど種類も豊富で、設置場所や給電方法を踏まえて選ぶと使いやすいでしょう。
強すぎる香りは疲れにつながることもあるため、自分や同乗者が心地よいと感じる香りを選んで試してみてください。

車中泊を行う際のルール
ステップワゴンで車中泊を楽しむためには、基本的なルールを理解し、周囲に迷惑をかけない行動を心がけることが大切です。
ここでは、車中泊時に意識しておきたいポイントを解説します。
- 車中泊が認められている場所で行う
- 音に配慮する
- アイドリングをしない
- ゴミを持ち帰る
車中泊が認められている場所で行う

ステップワゴンは車中泊に適した装備を備えていますが、どこでも宿泊してよいわけではありません。
休憩目的が前提であるPA・SAでは、横になって短時間仮眠をとる程度であれば問題ありませんが、車中泊は推奨されていません。
本格的に宿泊する場合は、RVパークや車中泊専用エリアが最適です。
車中泊専用エリアではただ車中泊が可能なだけでなく、24時間利用できるトイレや電源設備が整っている施設も多いため、より安心して滞在できます。
旅行中に車中泊を予定している場合は、事前に利用できる施設を確認しておくとスムーズです。
音に配慮する

夜間の車中泊では、音への配慮が欠かせません。
周囲が静かな時間帯は、普段より小さな音でも響きやすくなります。
話し声やオーディオの音量、ドアの開閉音などは、気づかないうちに大きくなっているケースも多いため注意が必要です。
深夜や早朝の活動は控えめにして、周囲の人も快適に過ごせる環境づくりを心がけましょう。
アイドリングをしない

車中泊では、アイドリングを控えましょう。
騒音の問題だけでなく、排気ガスによる健康被害のリスクも伴います。
特に一酸化炭素は無色・無臭で気づきにくく、風の弱い日や周囲の状況によっては車内へ入り込みやすく危険です。
夏の冷房や冬の暖房目的でエンジンをかけっぱなしにするのは避けましょう。
暖房や冷房を使いたい場合は、電源設備のある施設やポータブル電源を活用するのがおすすめです。
車中泊時はエンジンを停止させておくことで、環境負荷や近隣への騒音防止にもつながります。
ゴミを持ち帰る

車中泊で出たゴミは、基本的にすべて持ち帰るのがルールです。
公共施設のゴミ箱へ勝手に捨てたり、置き去りにしたりすると、車中泊禁止につながる原因になります。
ステップワゴンは荷室が広いため、ゴミ袋や収納ボックスを積んでおけば、旅の途中も困りません。
利用した場所をきれいな状態で後にすることが、次に訪れる人のためにも重要です。
ステップワゴンの車中泊などに関するQ&A
ここからは車中泊について気になる点や、ステップワゴンに関連する質問に対して回答します。
車中泊が初めてで不安な方や、これからステップワゴンの購入を検討されている方は是非ご覧ください。
車中泊がダメな理由は?
一部の場所では、騒音やゴミの放置といった迷惑行為が問題となり、車中泊そのものを禁止しているケースがあります。
迷惑行為が続くと、周囲の利用者や近隣住民から苦情が出やすくなり、駐車場や公園などで「車中泊禁止」と明記される場所も増えています。
ただし、車中泊が認められているRVパークや専用エリアで、前述のルールを守って利用すれば問題ありません。
ステップワゴンの弱点は?
ステップワゴンは実用性が高いミニバンですが、他車と比較すると弱点も存在します。
純正ディスプレイオーディオが標準装備でないため、ナビを利用するにはオプション選択が必要です。
さらに内装色がブラックとグレーの2種類のみで、他車に比べるとカラーバリエーションが少なく、デザイン面で物足りなさを感じることも。
一方で、3列目シートを床下へ格納できるダイブダウン方式は大きな魅力です。
跳ね上げ式よりも荷室を広く確保できるため、車中泊やキャンプでの使い勝手も優れています。
ステップワゴンはDIYで車中泊仕様にカスタムできる?
ステップワゴンは、DIYで車中泊仕様にカスタムしやすい車です。
室内が広く、シートアレンジも豊富なため、用途に合わせてベッドキットの設置や収納の追加などが行えます。
特に荷室がフラットになりやすく就寝スペースを整えやすい点は、DIYとの相性が良いポイントです。
ただし、電装系の加工や強度が必要な作業はリスクを伴うため、無理のない範囲で行いましょう。
より本格的に車中泊仕様に仕上げたい場合は、専門業者へ依頼すると安心です。
まとめ
ステップワゴンは、型式やグレードごとに特徴はあるものの、どの世代でも工夫次第で快適な車中泊が実現できます。
シートアレンジに加えて、使いやすい装備やグッズを取り入れることで、快適性はさらに高まります。
そして車中泊を行う際は、場所選びや音への配慮など、基本的なルールを守ることが欠かせません。
この記事を参考に準備を整え、ステップワゴンで安全かつ心地よい車中泊を楽しんでみてください。

