車検費用の相場はいくらが適正?内訳と高くなる原因・安く抑える方法を解説

車検費用

車検の見積もりを見て、「これって高いの?それとも相場通り?」と悩んだ経験はありませんか。

車検費用は一律ではなく、車種や車の状態、依頼先によって大きく差が出るため、相場や内訳を知らないまま判断すると不要な出費につながります。

この記事では、普通車と軽自動車それぞれの車検費用の相場をはじめ、費用の内訳や高くなる原因、安く抑える具体策まで詳しく解説します。

初めての車検でも「この金額は適正か」を自分で判断できるよう、制度の仕組みと見積もりの判断基準を整理しました。

無理に削るのではなく、納得して選ぶための知識として、ぜひ参考にしてください。

目次

車検費用の相場はいくら?

車検費用の相場を知るためには、普通車と軽自動車で金額が異なる点を理解する必要があります。

車検費用は車両の状態によって変動し、普通車の車検費用は車体重量によって法定費用が変わります。

軽自動車は自動車重量税が一律で設定され、全体的に普通車より安い傾向です。

事前に相場を把握しておけば、提示された見積もりが適正かどうかを冷静に判断でき、納得して車検を受けられるでしょう。

普通車の場合

普通車の車検費用は、車体重量によって法定費用が異なるため、重量区分ごとに相場が変わります。

例えば車体重量が1.0t以下の場合、法定費用と総額の目安が最も安く設定され、1.0t〜1.5tの車両では法定費用がやや上がり、1.5t〜2.0tではさらに高くなります。

普通車における車検費用の総額相場は以下の通りです。

車種区分総額目安
普通車(1.0t以下)約70,000〜120,000円
普通車(1.0t〜1.5t)約75,000〜150,000円
普通車(1.5t〜2.0t)約80,000〜180,000円

総額の目安には大きな幅がありますが、車検を受ける場所や車の状況によって変動します

例えば、ディーラー車検は整備が手厚い分、総額が高くなる傾向です。

車の状況によっても費用は左右され、古い車や走行距離が長い車は消耗部品の交換が必要になるケースが多く、総額が上がります。

また輸入車は部品代が高く、専門知識を持つ整備士が必要になるため、国産車より総額が高くなりやすいです。

見積もりを取った際は車種や車の状態を踏まえて、相場の範囲内かどうか判断できるようになりましょう。

軽自動車の場合

軽自動車の車検費用は、法定費用と総額の目安を把握すると、見積金額が適正か判断しやすいです。

軽自動車は車体重量による区分がなく、普通車に比べて総額が安くなりますが、相場には幅があり車検を受ける場所や車の状況によって変動します。

軽自動車における一般的な車検費用の総額相場は以下の通りです。

車種区分総額目安
軽自動車約50,000〜110,000円

車両の状態が良く、車検専門店や整備工場で受ければ、5万円台で済む場合もありますが、ディーラー車検では整備内容が手厚いために10万円程度まで上がる可能性もあります。

また、古い車や走行距離が長い車は、消耗部品の交換が必要になるケースが多いため、総額は上限に近づくでしょう。

軽自動車は整備部品も小型で安価なため、普通車と比較すれば全体的に安く抑えられます。

軽自動車の車検費用は普通車に比べて安価になるため、維持費を少しでも抑えたい方には適した選択肢といえます。

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車検費用の内訳

車検費用は大きく3つの要素で構成されます

・法定費用
・車検基本料
・部品交換・追加整備費用

この3つの合計が総額となりますが、業者や車の状態によって大きく変動します。

内訳を理解すれば、見積もりの妥当性を判断でき、どの項目にコストがかかっているか把握できます。

法定費用はどこで車検を受けても金額が変わらない全国共通の必須費用ですが、車検基本料は業者によって大きく差が出る部分です。

部品交換・追加整備費用は車の状態次第で幅があり、年式が古い車や走行距離が多い車ほど高額になりやすいです。

それぞれの項目について、具体的な金額や特徴を把握していきましょう。

法定費用

法定費用は、どこで車検を受けても金額が変わらない全国共通の必須費用です。

自賠責保険料・自動車重量税・印紙代の3つで構成されます。

法定費用の内訳を以下にまとめました。

項目軽自動車普通車
自賠責保険料(24か月分)17,540円17,650円
自動車重量税6,600円(※1)16,400円〜32,800円(※1※2)
印紙代1,600〜2,200円1,600〜2,300円
合計目安約25,000円約35,000〜53,000円

※1:エコカー減税対象車は減額、13年・18年経過車は増額
※2:車両重量~2tとしての金額

自賠責保険料は24か月分で、軽自動車が17,540円、普通車が17,650円と設定されています。

自動車重量税は、軽自動車が一律6,600円なのに対し、普通車は車両重量によって異なり、重い車ほど高くなります。

下記のサイトでは、車台番号と検査予定日を入力することで、該当時点の自動車重量税額を確認できます。

国土交通省
次回自動車重量税額照会サービス(普通車)
次回自動車重量税額照会サービス(軽自動車) 

印紙代は車検時に必要な検査手数料で、OSS(オンライン申請)利用時は1,600円、指定工場での紙申請は1,800円、持ち込み検査(認証工場経由・ユーザー車検)では2,200〜2,300円が目安です。

また、2021年10月から「技術情報管理手数料」として一律400円が追加されており、これは年式に関わらず全車種で必要となっています。

法定費用は業者差がないものの、エコカー減税の適用や13年・18年経過車の重量税増額により金額が変わるため、自車の条件確認が必要です。

法定費用は車検の必須コストであり、どの業者を選んでも変わらない固定費と理解しておきましょう。

車検基本料

車検基本料は、車検を実施するための基本的な点検・検査費用です。

業者によって大きく差が出る部分で、10,000〜60,000円と幅があります。

法定24か月点検料・検査代行手数料・事務手数料などの内訳で構成され、業者ごとに料金設定が異なります。

以下は業者別の車検基本料の目安です。

内訳項目ディーラー量販店整備工場
法定24か月点検料25,000〜35,000円12,000〜20,000円5,000〜15,000円
検査代行手数料10,000〜15,000円5,000〜10,000円3,000〜7,000円
事務手数料5,000〜10,000円3,000〜5,000円2,000〜3,000円
合計目安40,000〜60,000円20,000〜35,000円10,000〜25,000円

ディーラーは予防整備(故障前の部品交換)を提案されることが多く、結果として費用が高くなる傾向です。

量販店はカー用品店や車検専門店が該当し、価格と整備内容のバランスが取れています。

整備工場は、最小限の整備から重整備まで対応幅が広いため、整備方針を相談の上決定する必要があります。

車検基本料は業者選びによってコストを抑えられるため、複数の見積もりを取って比較しましょう。

部品交換・追加整備費用

部品交換・追加整備費用は、車検に通すため、または安全性確保のための整備費用です。

車の状態や年式、走行距離によって大きく変動し、0円から10万円以上まで幅があります。

保安基準に抵触する場合、タイヤやブレーキパッド、灯火類などは交換が必要です。

主な部品の交換費用相場は以下の通りです。

部品名費用目安区分
タイヤ4本40,000〜100,000円必須(摩耗時)
ブレーキパッド10,000〜25,000円必須(摩耗時)
灯火類1,000〜5,000円必須(切れている場合)
エンジンオイル5,000〜15,000円推奨
バッテリー10,000〜30,000円推奨(電圧と年数次第)
ブレーキフルード3,000〜8,000円推奨(色と使用年数次第)

※輸入車の場合上記の1.5〜2倍の費用がかかる場合があります。

推奨整備にはエンジンオイル、バッテリー、ブレーキフルードなどがあり、必須ではありませんが安全のために交換を勧められるケースが多いです。

年式が古い・走行距離が多い・メンテナンス不足だと高額になる傾向がありますが、「必須」と「推奨」を確認し、削れる項目を見極めれば費用を抑えられます。

見積もりに含まれていた場合は、各項目が本当に必要か業者に確認し、納得してから整備を依頼しましょう。

業者別車検費用の傾向

業者別車検費用の傾向

業者別車検費用の傾向を理解すれば、自分に合った車検先を選べます。

以下は業者別車検の比較表です。

スクロールできます
項目ディーラー量販店整備工場ユーザー車検
費用相場高め(10〜21万円)中間(7〜12万円)幅が大きい(6〜13万円)非常に安い(4〜7万円前後)
車検基本料40,000〜60,000円20,000〜35,000円10,000〜25,000円ほぼ不要(法定費用のみ)
整備の質高品質(純正部品使用、メーカー専門整備士)標準的(必要な整備を実施、社外部品使用が多い)工場により差が大きい(技術力の高い工場もある)自己責任(事前点検・整備の精度に依存)
スピードやや遅め(予防整備提案で日数増)速い(スピード車検メニューで45分〜1時間)標準的(整備内容により変動)検査自体は短時間(半日〜1日)※準備・再検査で延びる場合あり
保証手厚い(メーカー保証連携、長期保証)標準的(基本保証あり、店舗により異なる)工場により異なる(相談可能)なし(自己責任)
サービス代車無料、丁寧な説明、充実したアフターサービスポイント還元、土日営業、予約しやすい融通が利きやすい、整備士と直接相談可能なし(点検・整備・手続きすべて自己対応)
合う人品質・安心重視、新車に近い車のオーナー費用と利便性のバランス重視、手軽に済ませたい人費用調整したい人、旧車・特殊車両オーナー車の知識があり、費用最優先で手間を惜しまない人

※費用相場は普通車1.0t〜1.5t法定費用(約50,000円)+車検基本料+一般的な整備費用の合計目安

費用を最優先するなら整備工場やユーザー車検、品質と安心を重視するならディーラー、バランスを取るなら量販店が適しています。

それぞれの特徴を確認し、自分のニーズに合った業者を選びましょう。

ディーラー

項目ディーラー車検の特徴
費用相場高め(10〜21万円)
車検基本料40,000〜60,000円
整備の質高品質(純正部品使用、メーカー専門整備士)
スピードやや遅め(予防整備提案で日数増)
保証手厚い(メーカー保証連携、長期保証)
サービス代車無料、丁寧な説明、充実したアフターサービス
合う人品質・安心重視、新車購入後の初回車検

ディーラー車検は、純正部品の使用やメーカー専門整備士による高い技術力、手厚い保証・サービスが特徴です。

その分費用は高めで、予防整備の提案により追加費用が発生しやすい傾向があります。

代車は無料対応のケースが多く、店舗やタイミング次第では最新モデルを利用できることもメリットです。

新車に近い車は、純正部品やメーカー指定の整備を継続すると保証条件を満たしやすく、将来的なトラブルや資産価値の低下を防ぎやすいです。

そのため、車の品質や安心感を最優先したい人、新車購入後の初回・2回目車検を迎える人に向いています。

特に輸入車の場合は高額になるケースも珍しくありませんが、長く安心して乗り続けたい人にとっては信頼性の高い選択肢といえます。

量販店

項目量販店車検の特徴
費用相場中間(7〜12万円)
車検基本料20,000〜35,000円
整備の質標準的(必要な整備を実施、社外部品使用が多い)
スピード速い(スピード車検メニューで45分〜1時間)
保証標準的(基本保証あり、店舗により異なる)
サービスポイント還元、土日営業、予約しやすい
合う人費用と利便性のバランス重視、手軽に済ませたい人

量販店車検は、費用が中間帯に収まりやすく、店舗数が多くて利用しやすい点が特徴です。

カー用品店や車検専門店、ガソリンスタンド系の車検もこのカテゴリに含まれ、全国展開している店舗が多いため立地面での利便性に優れています。

スピード車検メニューが充実しており、45分〜1時間程度で完了するケースもあります。

営業時間が長く土日対応の店舗も多いため、平日に時間が取れない人でも利用しやすい点はメリットです。

整備内容は必要最低限から標準的なレベルが中心で、社外汎用部品を使用するケースが一般的です。

ディーラーほど予防整備を強く勧められにくく、過剰な整備になりにくい傾向があります。

ポイントカードやクレジットカードによる還元が受けられる店舗もあり、日常的に利用している店であれば特典を活用できる場合もあります。

一方で、保証内容や整備品質は店舗ごとの差が出やすいため、事前に整備範囲や保証条件を確認することが重要です。

量販店車検は、費用と利便性のバランスを重視し、手軽に車検を済ませたい人に向いている選択肢といえるでしょう。

整備工場

項目整備工場車検の特徴
費用相場幅が大きい(6〜13万円)
車検基本料10,000〜25,000円
整備の質工場により差が大きい(技術力の高い工場もある)
スピード標準的(整備内容により変動)
保証工場により異なる(相談可能)
サービス融通が利きやすい、整備士と直接相談可能
合う人費用調整したい人、旧車・特殊車両オーナー

整備工場での車検は業者ごとの費用差が大きく、内容次第でコスト調整しやすい点が特徴です。

整備士と直接相談しながら進められるため、整備内容に納得したうえで判断できます。

地域密着型の民間整備工場や認証工場が該当し、車種や車の状態に応じた柔軟な対応が期待できます。

必要な整備と不要な整備を切り分けて相談できる点は、大きなメリットといえるでしょう。

工場によっては部品持ち込みに対応しており、交換部品を工夫すると費用を抑えられる場合もあります。

旧車や特殊車両などの特定車種に強い工場では、ディーラーに近い技術力を持つ整備士が在籍していることもあります。

一方で、整備品質や保証内容は工場ごとの差が出やすく、信頼できる工場選びが重要です。

事前に実績や説明の丁寧さを確認しておくと安心です。

整備工場での車検は、費用を調整しながら納得感を重視したい人や、車に詳しく信頼できる工場を知っている人に向いた選択肢といえます。

ユーザー車検

項目ユーザー車検の特徴
費用相場非常に安い(4〜7万円前後)
車検基本料ほぼ不要(法定費用のみ)
整備の質自己責任(事前点検・整備の精度に依存)
スピード検査自体は短時間(半日〜1日)※準備・再検査で延びる場合あり
保証なし(自己責任)
サービスなし(点検・整備・手続きすべて自己対応)
合う人車の知識があり、費用最優先で手間を惜しまない人

ユーザー車検は、業者を通さず自分で検査を受ける方法で、車検費用を最も安く抑えやすい点が特徴です。

車の知識があり、費用を最優先に考えつつ、時間と手間を惜しまない人に向いています。

地域の陸運局や軽自動車検査協会へ自分で車を持ち込み、検査ラインを通して車検を受けます。車検基本料がかからず、必要なのは法定費用のみのため、コスト削減効果が大きいといえるでしょう。

一方で、点検・整備・書類手続きはすべて自己対応となり、検査に不合格となった場合は再検査が必要です。不具合の見落としがあると手間が増える点には注意が必要です。

また検査は平日のみ実施されているため、人によっては仕事を休む必要があります。

ユーザー車検は車の知識があり、費用を最優先したい人には有効な選択肢ですが、整備や手続きの手間を考慮して判断しましょう。

車検費用が高くなるケース

車検費用が高くなるケースは、車両状態や使い方、依頼先の方針によって明確に分かれます

同じ車種でも条件が変われば見積金額は大きく変わりますが、費用差の理由を把握できれば見積内容への納得感が高まります。

ここでは、車検費用が上がりやすい代表例を整理しました。

以下の4点を順に確認すれば、見積の背景を把握しやすいです。

・年式が古いか走行距離が進んでいる
・消耗部品が劣化している
・車の使い方や保管環境が悪い
・車検先の整備方針や基準が厳しい

条件に当てはまる場合でも、不要な整備まで受ける必要はありません。

自分自身の判断軸を持ち、見積内容を冷静に見極めて適切な判断を行いましょう。

年式が古いか走行距離が進んでいる

年式が古いか走行距離が進んでいる車両は、車検費用が高くなる傾向があります。

理由として、部品全体の摩耗が進み、不具合予防を前提とした整備項目が増えるためです。

特に10年が経過していたり走行距離10万km前後は、部品交換の目安として扱われます。

下記部品は劣化が進むと異音や振動につながり、車検時に指摘されやすいです。

・タイミングベルトまたは補機ベルト
・ウォーターポンプ
・エンジンマウント
・ブッシュ類
・サスペンション部品

特にタイミングベルトが切れてしまうと、エンジン内部へ深刻な損傷が及ぶ恐れがあり、数十万円規模の出費になるため、メーカーが指定する交換時期や走行距離は必ず守りましょう。

少しでも費用を削減したい場合は、リビルド品の活用も検討対象です。リビルド品は使用済み部品を専門業者が分解・洗浄・修理・再構築し、消耗部品を新品へ交換したうえで、新品に近い性能と見た目まで再生した部品です。

すべて即時交換が必須とは限らないため、使用状況や次回車検までの走行距離を踏まえ、整備の優先度を整理しましょう。

消耗部品が劣化している

消耗部品の劣化が進むと、車検費用は上がります。

主に下記部品は使用年数や走行距離に比例して劣化します。

・ブレーキパッド
・ブレーキフルード
・タイヤ
・バッテリー
・ワイパーゴム

車検では残量や性能低下が数値や目視で確認され、交換提案が出やすいです。

交換時期を整理する際は、次回車検までの走行距離を目安に考えます。

年間走行距離が少ない場合は、残量に余裕があれば次回へ持ち越す判断も可能ですが、反対に通勤利用が多い場合は、早めの交換がトラブル回避につながります。

利用頻度と次回車検までの距離を照らし合わせ、交換優先度を決めましょう。

車の使い方や保管環境が悪い

車の使い方や保管環境が悪い場合も、車検費用は上がりやすいです。

短距離走行が多い車両はエンジン内部の汚れが蓄積しやすく、マイナートラブルの原因にも。

特に沿岸部や積雪地域では影響が出やすい、屋外駐車による下回りやブレーキ周辺の錆の進行も見逃せません。

結果として清掃や修理、部品交換の提案が増えて、見積金額が膨らみます。

日常的な使い方や保管方法の見直しは、将来の車検費用を抑える要素といえます。

車検先の整備方針や基準が厳しい

車検先の整備方針や基準が厳しい場合も費用は高くなります。

理由は、不具合発生の可能性を事前に減らす目的で、安全マージンを広めに取った整備提案が増えるためです。

万一の故障やクレームを防ぐ狙いがあり、メーカー基準を重視する姿勢が背景にあります。

・メーカー基準を重視するディーラー
・予防整備を優先する店舗
・次回車検までノーメンテナンスを見据えた提案

上記方針では、現時点で問題が表面化していない部品も整備対象に含まれます。

結果として見積金額は高くなりますが、高い金額=不要な整備とは限りません。

整備方針の違いによる費用差だと理解したうえで、整備内容と優先度を確認しましょう。

車検費用を安くする方法

見積比較

車検費用を安くする方法は、闇雲に整備を削ることではなく、判断材料を増やして取捨選択する工夫にあります。

同じ車でも、依頼先や選び方次第で見積金額は変わります

ここでは、以下の通り費用を抑えながら安全性も確保する考え方を整理します。

・複数の業者で見積もりを取って比較する
・必須整備と任意整備を切り分けて判断する
・不要な付帯サービスやオプションを省く
・日頃のメンテナンスで車検時の負担を減らす

順番に確認すれば、無理なく車検費用を抑える判断が可能です。

複数の業者で見積もりを取って比較する

車検費用を抑えたい場合、複数の業者で見積もりを取って比較する姿勢が基本といえます。

業者ごとに整備方針や料金設定が異なり、同じ車でも金額差が生まれるためです。

1社のみで判断すると、相場感が把握できずに割高な内容でも気付きにくくなるので、比較の際は総額だけでなく内訳を細かく確認しましょう。

各項目を次のような基準で見ると判断しやすいです。

スクロールできます
項目性質判断の考え方確認すべきポイント
法定費用全国一律業者差は出ない前提で確認自賠責保険料、自動車重量税、印紙代が正確に記載されているか
車検基本料業者裁量金額と作業範囲のバランスで判断点検項目数、検査ライン使用料、代行手数料の内訳有無
部品交換費用車両状態に依存劣化状況と次回車検までの使用前提で判断残量や劣化理由の説明、交換時期の根拠提示
推奨整備項目任意提案今回必要か将来対応かを切り分け即時対応が必要か、次回まで持ち越せるかの説明有無

法定費用はどの業者でも同じ水準になるため、差が出る項目ではありません。

一方、車検基本料や整備内容は業者ごとの考え方が反映されやすい部分です。

内訳を並べると、必須部分と裁量部分が明確になります。

費用差の理由を理解したうえで選べば、価格と内容の両面で納得できる車検につながります。

必須整備と任意整備を切り分けて判断する

車検では、必須整備と任意整備を切り分けて判断する視点が有効です。

必須整備は、保安基準を満たすために避けられない整備ですが、任意整備は予防や快適性向上を目的とした提案整備に分類されます。

両者を同列に扱うと必要以上の出費につながるため、切り分けの際は以下のような判断軸を持つことがポイントです。

項目必須整備任意整備
車検合否未対応だと不合格合否に影響しない
対応時期今回対応が前提次回以降へ調整可能
判断材料基準未達や摩耗限界予防や推奨の説明

必須整備は確実に対応し、任意整備は次回車検までの走行距離や使用頻度を踏まえて整理しましょう。

不要な付帯サービスやオプションを省く

不要な付帯サービスやオプションを省く意識も費用調整につながります。

以下は主な利便性向上を目的としたサービスで、安全性や車検合否には直接関係しません。

・代車サービス
・洗車
・室内清掃
・引取と納車対応

仕事で車が手放せない場合や時間確保を優先したい場合には、選択する価値があります。

しかし少しでも費用を抑えたい場合は、自身の生活スタイルや優先順位に照らして判断しましょう。

細かい積み重ねが、車検費用総額を安く済ませるポイントといえます。

日頃のメンテナンスで車検時の負担を減らす

日頃のメンテナンスは、車検費用を安定させる秘訣です。

消耗を分散させ、車検直前に整備が集中する状態を避けられるためです。

日頃のメンテナンスで実施しやすい箇所は以下となります。

・ワイパーゴム交換
・バッテリー交換
・タイヤ空気圧の点検
・エンジンオイル交換

ワイパーやバッテリー交換は比較的難易度が低いので、試しやすいです。

また空気圧管理を習慣化すると、タイヤの偏摩耗(へんまもう)を防ぎ交換時期を後ろ倒しできます。

エンジンオイル交換は量販店や整備工場、ガソリンスタンドなど依頼先が多く、推奨交換時期を守りやすい整備です。

日常でのメンテナンスを積み重ねて、車検を計画的な支出へ近づけましょう。

車検の基礎知識

車検の基礎知識を押さえると、費用やスケジュールに対する不安が軽減できます。

車検は突然のイベントではなく、制度として決められた周期とルールに沿って進むため、基本を理解すれば見積もり比較や予約時期の判断もしやすいです。

ここでは、以下の車検に関する基礎知識について整理します。

・車検は基本的に2年ごとに受けなければいけない
・車検は有効期限の2か月前から受けられる
・車検に必要な書類
・車検が切れたらどうなる?

順番に確認して、無理のない車検計画につなげましょう。

車検は基本的に2年ごとに受けなければいけない

車検は基本的に2年ごとに受ける必要があります。

事業用車両や一部車種では周期が異なりますが、一般的な利用では2年に1回と覚えて問題ありません。

新車購入後の初回車検のみ、使用開始直後で部品の劣化や消耗が少なく、安全性が高い状態にあると想定されているため、3年後に設定されています。

車検は安全に走行できる状態かを国が確認する制度です。

受検は法律で義務付けられており、任意判断ではありません。

周期を忘れずに把握して、計画的な整備や費用準備を行いましょう。

車検は有効期限の2か月前から受けられる

車検は有効期限の満了日の2か月前から受けられます。

以前は1か月前からでしたが、2025年4月の制度改正により、継続検査(車検)は全国一律で2か月前から受けられることになりました。

国土交通省:報道発表資料

この規定は、指定工場や認証工場で受ける車検に限らず、運輸支局で行うユーザー車検も含めて適用されます。

これにより、期限直前に集中しやすかった車検時期に、余裕を持って対応しやすくなっています。

早めに受検しても、次回の有効期限が前倒しされることはないため、スケジュールに余裕を持った車検計画を立てましょう。

車検に必要な書類

車検に必要な書類は、大きく分けて「事前に用意しておくもの」と「当日現地で用意するもの」の2種類があります。

あらかじめ役割を理解すると、当日の手戻りを防ぎやすいです。

以下は、事前に用意しておく書類(自宅・車内にあるもの)です。

・車検証
・自賠責保険証明書
・納税証明書(※電子化により不要なケースあり)

これらは車内に保管されていることが多いため、検査前に一式そろっているか必ず確認しましょう。特に自賠責保険証明書の有効期限切れには注意が必要です。

また、当日現地で用意する書類(窓口で入手・記入)は以下となります。

・自動車検査票
・自動車重量税納付書
・継続検査申請書

これらは窓口や記載台に用意されており、記入例も用意されているため、比較的簡単に作成できます。万一不明点があってもその場で説明も受けられます。

印鑑や本人確認書類を求められる場合もあるため、念のため持参しておくと安心です。

書類に不備があると検査自体を受けられません。

事前準備と当日の流れを分けて把握し、スムーズな車検手続きを心がけましょう。

車検が切れたらどうなる?

車検が切れた車で公道を走行すると、道路運送車両法違反になります。

罰金や違反点数の加算、状況によっては免許停止の対象です。

さらに自賠責保険も切れている場合は無保険運行となり、行政処分と刑事責任が問われるケースがあるため注意が必要です。

原則として、車検切れの車は公道を自走できません

どうしても移動が必要な場合は、市区町村の窓口で仮ナンバーを取得して限定的に走行するか、ローダーやレッカーで運搬する方法があります。

いずれも手続きや追加費用が発生するため、結果的に負担が増えやすいです。

リスクを避ける意味でも、車検期限の管理は車検対策の中で優先度が高いポイントといえるでしょう。

まとめ

車検費用は一律ではなく、車種・車両状態・依頼先・整備方針によって大きく変わります。

相場や内訳を理解せずに見積金額だけで判断すると、「高い」「安い」という印象だけが先行し、納得できない車検になりがちです。

重要なのは、法定費用・車検基本料・整備費用の役割を把握し、必須整備と任意整備を切り分けたうえで、自分の利用状況に合った選択をすることです。

また、業者ごとの整備方針の違いを理解し、複数見積もりや日常的なメンテナンスを活用すれば、費用と安全性のバランスは十分に取れます。

車検は「できるだけ安く済ませるイベント」ではなく、「安全に乗り続けるための定期点検」です。

制度と費用構造を正しく理解し、計画的に備えることで、車検を無理なく納得できる支出へと変えていきましょう。

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この記事はHID屋が監修しています

HID・LED専門店を運営。累計1,000社以上と取引しており、楽天月間優良ショップ14回受賞、お客様満足度97.4%。本メディアでは、HID・LEDを長年販売してきた経験から、車のヘッドライト・フォグランプ等の関するお役立ち情報を発信していきます。

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