トラックのバックランプは乗用車とは異なります。
ランプが切れたとき、どのタイプを選べばいいのか、どうやって交換するのか、分からないことがあるかもしれません。
バックランプは安全運転に欠かせない装備で、つかなくなったときは早急な対処が必要です。
この記事では、トラックのバックランプの交換方法、球切れの確認方法、交換時の注意点などを詳しくお伝えします。
トラックのバックランプ(後退灯)について
バックランプ(後退灯)は、ギアをバックに入れると自動的に点灯するランプです。「バックライト」とも呼びます。
トラックのバックランプは、乗用車とは異なる特徴を持っています。主な違いは、トラックの電気システムが24Vであることです。
一般的な乗用車は12Vであるため、両者の装備品(ライトなど)には、互換性がない場合がほとんどです。
また、ライトの形状にも特徴があります。
トラックの後部ライトは「コンビネーションランプ」といって、ストップ(制御灯)、テール(尾灯)、バック(後退灯)などが一体になっているライトが主流です。
トラックのバックランプを交換する方法
トラックのバックランプが切れてしまったときには、安全のために、なるべく早く交換することが必要です。
「球切れ」の場合は、新しいランプを用意すれば自分でも交換できます。
LEDライトはユニットごと交換する必要があり、専門的な知識が必要です。
ランプ(球)を交換する
トラックのバックランプを新しいランプ(球)と交換する方法です。
まず、ライトのカバーを固定しているネジをドライバーで外します。
コンビネーションランプのカバーは、ブレーキランプなどと一体になっています。バックランプのみが独立しているタイプもあります。
古い球を取り外し、新しいものと付け替えたら、カバーを元に戻します。
交換したライトが点灯するか、走行する前に必ず確認しましょう。
※取り付けは必ず自己責任で行ってください
ケースごと交換する
トラックのバックランプを、ケースやコンビネーションごと交換する場合もあります。
一体型のLEDコンビネーションランプは、構造的に球のみの交換ができません(部品もなく個人では難しいため)。ほとんどの場合、ユニットごとの交換になります。
現在装備しているライトユニットを取り外し、新しいものと交換して電源コードやアースを接続します。
交換が完了したら、ライトが点灯するか走行前に必ず確認します。
トラックのバックランプの球切れ確認方法
バックランプが切れたときは、早急な交換が必要です。ライトが点灯できない状態で走行すると「整備不良」となり、罰則の対象になります。
トラックは一般車よりも車体が長いため、後部の確認が困難です。
ここでは、トラックのバックランプの球切れを確認する方法を紹介します。
※バックランプの確認をする際には、周囲に人がいないかなど、安全を十分に確認してから行ってください
2人で確認する
トラックの後部ライトの確認は、2人一組で行うのが一般的です。
1人が運転席でバックギアを入れ、もう1人がトラックの後部でライトが点灯しているか確認します。
そのときに人員がいるのであれば、2人一組で確認をするのが安全かつ確実な方法です。
1人で確認するときは安全対策を
トラックのバックランプの球切れを確認するのに、バックモニター搭載車であれば1人でも問題ありません。
しかしバックモニターがない車両では、1人で行なう場合があります。
トラックの後部を壁などに近づけて、ライトの反射をバックミラーで確認するなどの方法があります。
ただし、1人で確認するには危険が伴います。特に大型トラックは、車体が長いため後方の確認が容易ではありません。
バックランプは、ギアをバックに入れないと確認できないため、ブレーキを踏み離してしまうと、後ろに発進してしまい大変危険です。サイドブレーキはしっかりと引きましょう。
大型トラックの後部確認は、2人以上で行うことが推奨されています。また、路上での確認は危険なので、行わないようにしましょう。
トラックのバックランプをLEDに交換するメリット
現在では車のライトはLEDランプが主流となっており、トラックのランプも同様です。
バックランプをLEDに交換すると、ライトが明るくなり後方の視認性が向上します。
ここではトラックのバックランプを、LEDに交換するメリットについて紹介します。
夜間のバックモニターが見やすくなる
トラックのバックランプでは、一般的に白熱電球が使われています。
標準装備の白熱電球ですが、状況によっては暗く感じることがあります。
特に夜間の照明がない場所をバックで運転するときは、バックライトは重要です。
明るいLEDランプに交換することで、バックモニターが見やすくなるでしょう。
周囲からの視認性が上がる
バックランプには車の後退時に、後方へ自車の存在を知らせる役割もあります。
ライトの明るさが増すことで周囲からの視認性が高まることも、バックランプをLEDに交換するメリットです。
トラックのバックランプ交換時の注意点
バルブ型のバックランプは、自分で交換可能です。
ケースやコンビネーションの本体ごと交換する場合は、配線など電気などの専門的な知識や技術が必要になります。
工具を使って自分でも交換できますが、慣れていない場合は専門業者に依頼することをおすすめします。
ここでは、ランプを交換する際の注意点を紹介します。
自車に適合するランプを使う
ランプ交換は、その車に適合するランプを使う必要があります。合わない規格のランプは使えません。
トラックの電気システムは通常24Vです。一般車は12Vなので、互換性はありません。(12V/24V兼用ランプもあります)
購入前に自車のバルブ形式を確認しましょう。トラックのバックランプのバルブは「S25」が一般的です。
車検対応の製品を選ぶ
バックランプの色は白色のみと法令で定められています。その他の色(青系や淡黄色)はバックランプで使うことができず、車検に通りません。
バックランプの明るさに上限はありませんが、光源は「15W以上75W以下」の基準に適合する製品を使う必要があります。
道路運送車両の保安基準(2024年3月29日現在)
136条(後退灯)
トラックのバックランプを交換したのに点灯しない原因
トラックのバックランプを交換したのにつかない場合、ランプそのもの(規格違い、不良品など)か、または電気系統に問題がある場合が多いです。
ここでは、交換したランプが点灯しないときに考えられる原因を紹介します。
ランプが適合していない
交換したランプが点灯しないときは、つけ替えたランプと車両の規格が適合していない可能性があります。
バルブのタイプは間違えやすいポイントです。
「S25」にはシングルとダブルがあり、適合しないランプは使えません。同じS25で似ていますが、互換性はないので注意が必要です。
ピンの位置も「180度平行」と「180度段違い」があり、それぞれソケットのタイプが異なります。車のバルブのタイプを確認しましょう。
また、トラックのランプは24Vです。バルブの形状が一致しても、ボルト数が合っていない(12Vなど)と点灯しないか、あるいは著しく暗くなってしまいます。
断線している
トラックのバックランプがつかない場合、球切れ以外の可能性として、断線やアースなど配線トラブルが考えられます。
コードを確認するなどして発見できる場合もありますが、より複雑な電気系統のトラブルの可能性もあります。
電気系統の故障の場合は、早急に修理業者やディーラーに持ち込んで対応しましょう。
まとめ
トラックのバックランプが切れたまま走行していると、整備不良とみなされて罰則対象になります。
安全運転にも支障をきたすため、早急な交換が必要です。
球切れの確認は、バックモニター搭載車であれば1人でも可能ですが、ない場合は1人で行う場合もあります。
トラックのギアをバックに入れる際には、サイドブレーキをしっかりと引き、周囲の交通状況や安全の確認を十分に行いましょう。