ワゴンRは走行性と快適性を兼ね備えた軽自動車として人気のモデルです。ロングセラーの車種であるため、少しずつメンテナンスを行って長年愛用されている人も多いかと思いますが、ヘッドライトについてはどうでしょうか。特に、初期のハロゲン仕様に乗られている方で、LED化を検討している人は多いのではないでしょうか。
この記事では、ワゴンRのヘッドライトをLED化する際に必要な情報について解説しています。これからヘッドライト交換を検討している方はぜひ参考にしてください。
ワゴンRのヘッドライト適合表
ヘッドライトを交換する場合、まずは車種ごとに適合したバルブ形状のものを選ぶ必要があります。交換用のヘッドライトを購入する前に、必ず適合を確認しておきましょう。
表1 スズキ・ワゴンRのヘッドライト適合表
メーカー | 車種 | タイプ | 型式 | 年式 | ヘッドライト | ||
初月 | 最終月 | LOW | HIGH | ||||
スズキ | ワゴンR | LED仕様 | MH55S/MH35S | H29.2 | LED | 9005(HB3) | |
スズキ | ワゴンR | スティングレー | MH55S/MH35S | H29.2 | LED | ー | |
スズキ | ワゴンR | ハロゲン仕様 | MH55S/MH35S | H29.2 | H4 | ー | |
スズキ | ワゴンR | ー | MH34S | H26.11 | H29.1 | H4 or HID(D4R) | H9 |
スズキ | ワゴンR | スティンググレー | MH34S | H26.11 | H29.1 | HID(D2S) | ー |
スズキ | ワゴンR | ー | MH34S | H24.9 | H26.10 | H4 | ー |
スズキ | ワゴンR | スティンググレー | MH34S | H24.9 | H26.10 | HID(D2S) | ー |
スズキ | ワゴンR | ハロゲン仕様 | MH23S | H20.9 | H24.8 | H4 | ー |
スズキ | ワゴンR | HID仕様 | MH23S | H20.9 | H24.8 | HID(D2S) | H7 |
スズキ | ワゴンR | スティンググレー | MH23S | H20.9 | H24.8 | HID(D2S) | ー |
スズキ | ワゴンR | スティンググレー | MH22S | H19.2 | H20.8 | HID(D2S) | 9005(HB3) |
スズキ | ワゴンR | RR ハロゲン仕様 | MH22S | H17.2 | H20.8 | H4 | ー |
スズキ | ワゴンR | RR HID仕様 | MH22S | H17.2 | H20.8 | HID(D2S) | ー |
スズキ | ワゴンR | ハロゲン仕様 | MH11・21 | H17.2 | H20.8 | H4 | ー |
スズキ | ワゴンR | HID仕様 | MH11・21 | H17.2 | H20.8 | HID(D2S) | ー |
スズキ | ワゴンR | ハロゲン仕様 | MH11・21 | H15.9 | H17.8 | H4 | ー |
スズキ | ワゴンR | HID仕様 | MH11・21 | H15.9 | H17.8 | HID(D2S) | ー |
スズキ | ワゴンR | 2灯式 | MC11・21 | H13.11 | H15.8 | H4 | ー |
スズキ | ワゴンR | 4灯式ハロゲン仕様 | MC11・21 | H13.11 | H15.8 | H3C | 9005(HB3) |
スズキ | ワゴンR | 4灯式HID仕様 | MC11・21 | H13.11 | H15.8 | HID(D2S) | H7 |
スズキ | ワゴンR | FCタイプ | MC11・21 | H13.5 | H15.8 | H4 | ー |
スズキ | ワゴンR | MC11・21 | H10.10 | H13.10 | H4 | ー | |
スズキ | ワゴンR | RR | MC11・21 | H10.10 | H13.10 | H3C | 9005(HB3) |
スズキ | ワゴンR | コラム含む | CT21S・51S CV21S | H5.9 | H10.9 | H4 | ー |
ワゴンRのヘッドライトをLEDに交換するメリット
ワゴンRのヘッドライトをLEDに交換することで、以下のメリットがあります。
- 視認性の向上
- 省電力
- 長寿命
- ドレスアップ
これらについて詳細に解説します。
視認性の向上
LEDヘッドライトは、夜間の運転において驚異的な明るさを誇ります。これにより、路面状況や前方車両をより鮮明に把握し、安全運転に貢献します。
特に、街灯の少ない地域や山間部での運転では、LEDヘッドライトの恩恵が顕著に現れます。LEDヘッドライトは、数千lmの高照度を実現し、従来のハロゲンバルブよりも明るく広い視界を提供します。
しかも、LEDヘッドライトは指向性が高く、悪天候時でも安定した照射が可能です。雨や雪による光の散乱を抑え、視界を悪化させることなく、路面や前方車両を明確に映し出します。
LEDヘッドライトのもう一つの利点は、ハイビームとロービームの切り替えがスムーズであることです。
LEDの応答速度が速いため、対向車とのすれ違いやトンネルへの進入など、視界状況の変化に素早く対応できます。さらに、近年では自動ハイビーム機能を搭載した車種も増えており、LEDヘッドライトとの組み合わせにより、より快適で安全な夜間運転を実現しています。
LEDヘッドライトは、明るさ、視認性、安全性の面で従来のヘッドライトを凌駕し、運転体験を向上させます。
省電力
ワゴンRのヘッドライトをLED化することは、省電力の面で多くの利点をもたらします。
LEDヘッドライトは、従来のハロゲンバルブと比べて消費電力が著しく低く、燃費の向上やバッテリーへの負担軽減に寄与します。具体的には、LED化によって燃費が向上し、年間数千円から数万円の燃料費を節約できます。
近年、環境への負荷低減が求められる中、LEDヘッドライトは自動車の燃費向上において重要な役割を果たしています。また、LEDヘッドライトは発熱量が少ないため、冬季や渋滞時のアイドリング状態などでのバッテリーへの負荷を軽減します。
これにより、バッテリーの寿命が延び、交換頻度が減少するだけでなく、周辺の樹脂部品の劣化も防ぐことが期待されます。 LED化は、省エネルギー化だけでなく、自動車の持続可能な運用にも貢献します。
長寿命
ワゴンRのヘッドライトをLED化することで享受できる利点の一つが、その長寿命です。LEDヘッドライトは、従来のハロゲンバルブと比べて数万時間もの長い寿命を誇り、交換頻度が大幅に減少します。
これにより、ランニングコストを削減できるだけでなく、夜間の突然のヘッドライト切れを防ぎ、安全性を向上させます。LEDチップが半導体で構成されているため、突然切れるリスクがほとんどありません。
また、LEDヘッドライトの長い寿命は、環境への負荷も軽減します。廃棄物が少なく、消費電力も低いため、CO2排出量も削減されます。これは、近年ますます求められる環境負荷の低減に貢献します。
LEDヘッドライトへの交換は、ワゴンRの所有者にとって経済的で環境にも優しい選択肢です。
ドレスアップ
LED化されたワゴンRのヘッドライトは、車の外観を一層スタイリッシュに魅せる効果を持っています。従来のハロゲンバルブよりもシャープで明るい光を放ち、車の印象を精悍(せいかん)で高級感のあるものに変えます。
LEDヘッドライトは、車体をより大きく見せる効果もあり、コンパクトカーであるワゴンRにも特に相性が良いです。また、LEDヘッドライトは色温度やデザインのバリエーションが豊富であり、個性的な外観を演出することができます。
さらに、多くの車種で純正オプションとして提供されており、車種に合った設計や高いデザイン性・機能性が期待できます。LEDヘッドライトのドレスアップ効果を最大限に引き出すには、適切な製品選びや明るさ・色温度の調整、他のランプ類もLED化することなどが重要です。
ワゴンR用ヘッドライトLEDの選び方
ワゴンRのヘッドライトをLEDに交換する際、以下のポイントを参考に選びましょう。
- 車種に合致していること
- 明るさ
- 色温度
- 放熱性
- 車検対応かどうか
ここからは、これらについて詳細に解説します。
車種に合致していること
LEDヘッドライトは、ハロゲンバルブに比べて多くのメリットを持つ照明技術ですが、車種に合った製品を選ぶことが重要です。
まず、ヘッドライトユニットの形状や取り付け穴の位置が車種に合致しているかを確認する必要があります。異なる形状や位置では取り付けができないだけでなく、光軸がずれる可能性もあります。そのため、車種専用のLEDヘッドライトを選ぶことが重要です。
次に、LEDヘッドライトのバルブ規格も確認が必要です。車種によって使用されている規格が異なるため、自分の車の規格に合った製品を選ぶことが重要です。規格が異なると取り付けができないだけでなく、車検に通らない可能性もあります。
これらのポイントを押さえて、車種に合ったLEDヘッドライトを選ぶことが重要です。
明るさ
LEDヘッドライトを選ぶ際には、明るさが重要なポイントです。明るさは、ルーメン(lm)という単位で表されますが、適切な明るさを選ぶことが重要です。
明るすぎるヘッドライトは、対向車のドライバーを眩ませる可能性があるため、慎重に選ぶ必要があります。一般的な目安として、ロービームで1000lm以上、ハイビームで2000lm以上が推奨されます。また、照射範囲や配光も考慮しましょう。
夜間の走行が多い方や長距離運転が多い方、オフロード走行が多い方など、使用環境や好みに合わせて選ぶことが大切です。明るさを選ぶ際には、対向車の眩しさや車検対応、自分の視力、周囲の環境なども考慮しましょう。
色温度
LEDヘッドライトを選ぶ際には、色温度も考慮すべきポイントです。色温度は、光の色合いを表し、ケルビン(K)で表されます。低い数値は暖色系で、高い数値は寒色系です。
色温度と視認性の関係には注意が必要です。3000K~4000Kの暖色系は自然な視界を提供し、視認性が高いです。一方、5000K~6000Kの白色系は、視認性は良いが長時間の運転で目が疲れやすくなります。6500K以上の青白い光では、視認性は高いが雨天や夜間では路面が見えにくくなります。
車種によっても色温度の選択は異なります。軽自動車やコンパクトカーでは暖色系が、セダンやワゴンでは白色系が、SUVやミニバンでは青色系が適しています。車種に合わせて選ぶことが重要です。
最後に、個人の好みも重要な要素です。落ち着いた雰囲気を好むなら暖色系、スタイリッシュな雰囲気なら白色系、スポーティーな雰囲気なら青色系が適しています。自分の好みや車の雰囲気に合わせて、最適な色温度を選びましょう。
放熱性
LEDヘッドライトの選択において、放熱性は重要な要素です。
LEDチップからの熱が十分に放熱されないと、いくつかの問題が生じる可能性があります。LEDチップの寿命が縮むことや、ヘッドライト周辺の樹脂部品の劣化、そしてヘッドライト内部の曇りがその例です。特に小型のヘッドライトは放熱スペースが制限されているため、放熱性には細心の注意が必要です。
放熱性の高いLEDヘッドライトを選ぶためには、いくつかのポイントに留意することが大切です。まず、冷却ファンが付いている製品を選ぶことが効果的です。これにより、強制的な冷却が行われ、放熱性が向上します。また、ヒートシンクが大型であるか、アルミ製の製品を選ぶことも有効です。アルミ製品は熱伝導率が高く、放熱性に優れています。
放熱性の目安として、ヘッドライトユニットのサイズに応じて、それぞれ適切なワット数を考慮することが重要です。小型のユニットには10W以上、中型には15W以上、大型には20W以上の放熱性が必要とされます。
総括すると、放熱性はLEDヘッドライトを選択する上で欠かせない要素です。適切な製品を選ぶことで、LEDチップの寿命を延ばし、ヘッドライトの樹脂部品の劣化や曇りを防ぎ、安定した性能を確保できます。
車検対応かどうか
LEDヘッドライトを選ぶときには、車検対応かどうかの確認が重要です。車検に合格するLEDヘッドライトは、道路運送車両保安基準に準拠していることが条件です。
これに対して、車検非対応のLEDヘッドライトは、基準に適合していない、適合標示がない、車種専用でない場合があります。非対応品を取り付けると、車検不合格や保険金支払いの問題、警察による違反切符のリスクがあります。
車検対応品を見分けるには、保安基準適合標示の有無や販売店の明記を確認することが大切です。
ワゴンRのヘッドライトをLEDに交換する際の注意点
ワゴンRのヘッドライトLEDに交換する際、以下のことに注意しましょう。
- 交換作業時はバッテリー端子を外しておく
- LEDヘッドライトによってはユニットごと交換する必要がある
- 光軸調整が必要になる場合がある
ここからは、これらについて詳細に解説します。
交換作業時はバッテリー端子を外しておく
LEDヘッドライトの交換を行う際、バッテリーの端子を外すことが不可欠です。これは、感電事故を予防するために必要な措置です。
LEDヘッドライトは消費電力が低いため、感電のリスクが低いと思われがちですが、実際にはLEDが点灯する際には瞬間的に高い電流が流れるため、油断はできません。感電が発生すると、命に関わる危険な事故につながる可能性があります。
バッテリー端子を外す手順は、エンジンを停止し、キーをOFFにした後、ボンネットを開け、マイナス端子とプラス端子の順に外していくことです。また、作業中はエンジンをかけたままや、キーをONにした状態での作業は絶対に行わないようにしましょう。金属製の工具を使用する際にも感電に気をつけ、裸足や濡れた服装での作業は避けることが重要です。
LEDヘッドライトの交換作業は、安全を最優先に行うことが必要です。バッテリー端子を外すことで、感電のリスクを回避し、安全に作業を進めることができます。
LEDヘッドライトによってはユニットごと交換する必要がある
LEDヘッドライトを交換する際、バルブだけでなくユニット全体を交換する必要がある場合があります。このような場合は、いくつかの要因が関与しています。
まず、ユニット全体を交換する必要があるのは、バルブを交換するためのスペースが不足している場合です。ヘッドライトユニット内部のスペースが狭いと、バルブの交換が難しくなります。
さらに、ユニットの内部部品には寿命があり、反射鏡やレンズが劣化することがあります。これらが劣化すると、ユニット全体を交換する必要が生じます。
LEDチップ自体が故障することもあります。このような半導体部品は、経年劣化や外部衝撃によって故障する可能性があります。
ユニット交換にはいくつかのメリットとデメリットがあります。メリットとしては、作業が簡単で信頼性が高まり、照射性能も向上します。しかし、費用が高くなることや、車種によっては選択肢が限られることがデメリットとして挙げられます。
ユニット交換の必要性は、車種や予算、作業難易度などを考慮して判断する必要があります。結論として、LEDヘッドライトの交換方法は複雑で、状況に応じて異なることを覚えておきましょう。
光軸調整が必要になる場合がある
LEDヘッドライトを取り付けた後、光軸調整を忘れずに行いましょう。これは、適切な光の照射範囲と他のドライバーへの視認性を確保するために必要です。
光軸調整が必要な理由は、LEDヘッドライトと従来のハロゲンバルブでは光源の位置や形状が異なるため、光軸がずれる可能性があるからです。このズレによって、他のドライバーを眩ませたり、路面が見えにくくなったりする可能性があります。
光軸調整は、専用の工具を使用して自分で行うか、整備士に依頼するか選択できます。また、LEDヘッドライトの光軸は経年劣化や衝撃でズレる可能性があるため、年に1回程度の定期的な調整が推奨されます。
LEDヘッドライトを取り付けたら、光軸調整を忘れずに行いましょう。これにより、安全性と他のドライバーへの配慮が確保されます。
まとめ
ワゴンRのヘッドライトを交換することで、視認性が上がりドレスアップ効果があります。ただし、保安基準を満たすものを選ぶことや、交換作業時に感電対策したり、光軸調整を行ったりといったことには注意する必要があります。正しい手順を理解して、安全にヘッドライトをLED化しましょう。
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