アウトドアにぴったりの車両として人気が高い、トヨタ・ハイラックス。
ピックアップトラックというジャンルのハイラックスは、広い荷台が特徴です。
この記事では、ハイラックスの荷台を活かして、自作でキャンピングカー仕様にカスタムする方法について解説します。
ハイラックスを自分でカスタムしたいと考えている方はぜひ参考にしてください。
ハイラックスを自作でキャンピングカーに!キャンパーシェルとは

ハイラックスは荷台にキャンパーシェルを載せることで、本格的なキャンピングカー仕様になります。
キャンパーシェルとは、荷台に固定や載せ替えして使用する、箱状の居住用ユニットです。
単なる荷物保護用のキャノピーとは異なり、人が中で過ごすことを前提に設計されています。
そのためキャンパーシェル内部には、ベッドや収納棚を設けられるほか、簡易的な調理スペースを備えることも可能です。
またキャンパーシェルは荷台という独立したスペースを活用するため、車内を改造せずに居住空間を確保できるのも特徴です。
取り外しができるため、普段は荷台を仕事や日常使いに活用し、キャンプや車中泊の際だけシェルを載せるといった使い分けもできて便利です。
自作すればサイズや内装を用途に合わせて調整できるため、自由度の高いカスタムが行えます。
このように荷台を「積載スペース」から「居住空間」へと変えるキャンパーシェルは、手軽にハイラックスをキャンピングカーに変えてくれる装備です。

自作でハイラックス用のキャンパーシェルを作る方法
積載力と走行性能が魅力のハイラックスに、自作のキャンパーシェルを設置することで、自分のキャンプスタイルや目的に合った1台を仕上げることができます。
ここでは、自作キャンパーシェルの具体的な製作方法を、5つのステップに分けて解説します。
- デザイン・設計する
- 材料を加工する
- フレームを組み立てる
- 断熱材、外装材を貼り付ける
- 内装を整える
デザイン・設計する
キャンパーシェルを自作する際は、まずハイラックスの荷台の寸法を踏まえて、デザインや設計を行います。
ハイラックスの荷台サイズは以下の通りです。
| 荷台長 | 荷台幅 | 荷台高 |
| 1520mm | 1535mm | 480mm |
ちなみに一般的なベッドの長さは約2000mmのため、荷台のみでは就寝スペースが足りません。
そのため、運転席上のバンクスペースを活用した「バンクベッド構造」がおすすめです。

販売されている製品の形状を参考にしながら、自身の使用目的に合った装備やレイアウトを検討しましょう。
- 使用条件を整理する
利用人数、連泊日数、電源や水の有無など、使用スタイルに応じた要件を明確にします。 - デザインを決める
角張った形状やバンクベッドの有無など、好みに応じた外観と内部レイアウトの方向性を検討します。 - イメージを図面化する
簡単なスケッチから始め、精巧な設計を行いたい場合は、CADなどの製図ソフトを利用するのも有効です。 - 荷台に合わせて設計する
ベッドライナーやラックの有無を踏まえ、骨組みが干渉しないよう注意して設計します。
設計段階から、法令上の積載制限(長さ・幅・高さ・重量)に収まるよう意識しておくことも大切です。
材料を加工する

設計が固まったら、キャンパーシェルを形にするための材料を選び、寸法に合わせて加工していきます。
素材によって加工の手間や取り付け方法が変わるため、実際の使い方を踏まえた素材選びが重要です。
- 素材を選定する
脱着を想定する場合、フレームは重い鉄製よりも、木材やアルミといった軽量素材が適しています。
特に木材は加工が容易で価格も安く、DIYでも扱いやすい素材です。 - フレーム材をカットする
設計図に沿って、①で選定した素材を切り出します。
このとき、正確な寸法を意識することが完成度を高めるポイントです。 - 断熱材を成形する
スタイロフォームなどの断熱材をフレーム間に収まるよう、正確にカットします。 - 外装パネルを準備する
外壁として使うためのアルミ複合板やFRPなどを、設計通りの大きさや形状に加工します。

フレームを組み立てる

加工した材料を使って、設計図に沿ってフレームを組み立てます。
フレームの組み立てはキャンパーシェルの骨格づくりにあたる重要な工程です。
- 組み立て場所を整える
広さと高さに余裕のある作業スペースを確保し、作業台や工具を準備します。
スペースに制限がある場合は、各パーツを事前に製作して別の場所で最終組立を行う「ブロック方式」が有効です。 - 床・壁・天井の順に組み立てる
床面のフレームを基準に、側壁・前後壁・屋根の順に立ち上げます。 - 接着剤とビスでしっかり固定する
各接合部はズレやたわみを防ぐために、接着剤とビスを併用して強固に固定します。
断熱材、外装材を貼り付ける
フレームが完成したら、断熱材を施工し外装パネルでシェル全体を覆います。
断熱材と外装材の貼り付けは、外部からの気温や湿気の影響を抑え、季節や天候に左右されずに車中泊を楽しめるようにするための大切な工程です。
- 断熱材をはめ込む
フレームの隙間にスタイロフォームなどの断熱材をぴったりと収め、テープで固定します。 - 外装パネルを取り付ける
アルミ複合板やFRPを固定し、フレーム全体を覆います。
取り付けには、両面テープや接着剤を用いる方法と、ビスで固定する方法を併用するのが一般的です。 - 防水処理を行う
パネルの継ぎ目やビス穴にコーキングを丁寧に施工します。
必要に応じて、接合部にはアルミアングルを追加すると、防水性・耐久性の両面で効果的です。
内装を整える
シェルの外装が完成したら、内装を仕上げて快適な居住空間を作り上げていきます。
実用性と見た目のバランスを取りながら、必要な家具や装備を取り付けましょう。
- 下地となる合板を張る
床・壁・天井にベニヤ板を張り、内装仕上げの土台を作ります。 - 表面素材を貼り付ける
床にはクッションフロアやフローリングシート、壁や天井には壁紙や化粧シートを使って仕上げます。 - 家具や電装品を設置する
折りたたみ式テーブルやバンクベッドなどを活用し、限られた空間を有効に活用することが重要です。
ポータブル電源を導入すると、LED照明や換気扇など最低限の電装設備も整えられます。
家具や装備は、走行中の揺れや衝撃で動かないようしっかりと固定し、重量バランスに偏りが出ないよう配置することが安全面でも重要です。
自作でハイラックスのキャンパーシェルを作る場合の費用
ハイラックスに取り付けるキャンパーシェルを自作する場合、費用の目安は約20〜80万円前後です。
費用に幅があるのは、使用する素材や設備のグレード、快適性へのこだわりによって価格が大きく変わるためです。
また基本のフレームだけを作るか、断熱材や電装設備まで含めるのかによって、総額が大きく変わります。
自作でキャンパーシェルを作る費用の内訳は、以下の通りです。
| 項目 | 概算費用 | 内容の例 |
| 基本骨格・外装 | 約10〜30万円 | 木材、アルミフレーム、FRPパネル、防水シートなど |
| 窓・ドアパーツ | 約5〜15万円 | アクリル二重窓、バックドアなど |
| 断熱・内装仕上げ | 約5〜15万円 | 断熱材、内張り材、床材、クッション材など |
| 電装設備 | 約10万円〜 | サブバッテリー、ソーラーパネル、インバーター、冷蔵庫など |
なお、材料は再利用品やセール時期を活用することで、予算を抑えることも可能です。
たとえば、木材であれば節ありやB級品を選べば、同じ素材でも低価格で購入することができます。
ただし、費用を抑えることを優先しすぎると、安全性や耐久性に支障をきたす恐れも。
特に、構造部分や電装設備に関しては、必要に応じて専門家に相談することも大切です。
キャンパーシェルの自作は、自由度が高く予算を抑えられる反面、計画や素材選びの工夫が求められます。
コストと性能のバランスを考慮しながら、自分にとって最適なカスタムを目指しましょう。
キャンパーシェルを中古で購入する方法もあり
ハイラックス用のキャンパーシェルは、中古品として購入することもできます。
自作はコストを抑えられるメリットがありますが、設計・加工・組み立てといった工程には相応の時間と手間がかかります。
DIYに不慣れな方や忙しい方にとっては、中古のキャンパーシェルを購入するという選択肢も、現実的で効率的な方法と言えるでしょう。
一般的に、新品のキャンパーシェルは100万円以上することが多く、グレードによっては300万円以上になることもあります。
一方、中古市場では12万円〜25万円前後で販売されていることもあり、かなり手頃に購入できる可能性があります。
価格は年式や使用状況により異なりますが、十分な装備が整ったモデルが予算内で見つかることもあります。
ただし、中古品は掲載ページに価格が明記されていないことも多いため、気になる製品があれば販売元に直接問い合わせるのが確実です。
また、コーキング(防水処理)や開閉部分のパーツ類などの劣化状態についても、購入前に忘れずに確認しましょう。
後から修理が必要になると、想定外の出費につながることがあります。
中古品は、自作と比べて作業の手間がかからず、新品と比べて予算が抑えられる点が大きなメリットです。
コストと労力のバランスを踏まえ、中古品も選択肢の一つに加えても良いでしょう。
ハイラックスをキャンピングカーにする際の関連法令
ハイラックスにキャンパーシェルを取り付ける際は、「積載物」としての法令を正しく理解し、サイズ・重量・安全性に配慮しなければなりません。
これらの基準を満たさない場合、道路交通法違反や車検に通らないおそれがあるため注意が必要です。
以下は、積載物としての主な基準と、ハイラックス(Zグレード)を想定した数値の一例です。
| 項目 | 基準 | ハイラックスの場合 (概算) |
| 長さ | 全長の1.2倍以内 | 最大約6.4m |
| 幅 | 全幅の1.2倍以内 | 最大約2.2m |
| 高さ | 地上から2.5m以内 | 地上から2.5m以内 |
| 重量 | 最大積載量まで | 最大500kg |
| 前後のはみ出し | 全長の1/10以内 | 前後とも約53cm以内 |
| 左右のはみ出し | 全幅の1/10以内 | 左右とも約18cm以内 |
また、走行中に積載物のズレや落下を防ぐために、ラッシングベルトなどでしっかりと固定することも重要です。
併せて、後方視界の遮りや死角の増加にも注意し、バックカメラや補助ミラーを活用しつつ目視による安全確認を徹底しましょう。
ハイラックスをキャンピングカー仕様にする際は、寸法・重量・固定方法が法令に適合しているかを事前に確認し、安全性を確保したうえで取り付けを行うことが重要です。
ハイラックスのキャンピングカー仕様に関するQ&A
車両選びや設計に直結するポイントを中心に、ハイラックスのキャンピングカー仕様に関連する質問へお答えします。
2025年に発表された新型ハイラックスの大きさは?
新型ハイラックスは2025年に発表され、2026年に日本国内での発売が予定されています。
サイズについては、全長が20mm短縮されたものの、全幅・全高は現行モデルと同じです。
| 新型ハイラックス | 現行ハイラックス(Zグレード) | |
| 全長 | 5320mm | 5340mm |
| 全幅 | 1855mm | 1855mm |
| 全高 | 1800mm | 1800mm |
ハイラックスと軽トラの荷台の大きさは?
ハイラックスの荷台は、軽トラに比べて幅と高さにゆとりがあり、大型のシェルや装備を積載しやすいのが特徴です。
具体例として、以下にハイラックス(Zグレード)と軽トラック(トヨタ・ピクシストラック)の荷台寸法を比較してみました。
| ハイラックス(Zグレード) | 軽トラック | |
| 荷台長 | 1520mm | 1940mm |
| 荷台幅 | 1535mm | 1410mm |
| 荷台高 | 480mm | 285mm |
ハイラックスは幅と高さを活かして、設備や家具の配置がしやすく、ファミリーキャンプや荷物が多い場合に適しています。
対して軽トラは長さに余裕があるため、大人が足を伸ばして横になることができ、ソロや夫婦ふたりでのキャンプにおすすめです。
使用目的や積載する装備に応じて、どちらが自分に合っているかを検討すると良いでしょう。
まとめ
ハイラックスは積載性とタフな走行性能から、自作キャンパーシェルとの相性が非常に高い車種です。
荷台サイズや法令をしっかりと把握したうえで設計を行えば、使い勝手のよいキャンピング仕様に仕上げることができます。
時間や工具の準備が難しい場合や、DIYに不安がある方は、中古キャンパーシェルの購入や専門業者への依頼も有効です。
コスト・労力・完成度のバランスを考え、自分にとって無理のない方法で理想の一台を目指しましょう。

