広い室内空間と大きな荷室、使い勝手のよいシートアレンジを備えた日産の人気ミニバン、セレナ。
快適に車中泊がしやすく、キャンピングカーのベース車としても注目されています。
そんなセレナを自作でキャンピングカー化する方法を紹介します。
あわせて年式によるキャンピングカー化の違い、法令や中古購入時の注意点なども解説します。
読み終える頃には、セレナを自身に最適なキャンピングカーに仕立てる方法を整理できるでしょう。
セレナを自作でキャンピングカーにする方法
セレナを自作でキャンピングカーにするには、断熱処理やベッドの製作など、いくつかのステップを順番に進めていく必要があります。
ここでは、以下の4つに分けて自作でキャンピングカーにする手順を解説します。
- 必要な材料・道具を準備する
- 天井を断熱処理する
- ベッドフレームを組み立てる
- 天井収納を取り付ける
必要な材料・道具を準備する

自作でキャンピングカー化を進めるには、まず必要な材料と道具を揃えましょう。以下に、各ステップに必要な材料や道具をまとめました。
| 作業 | 必要な材料・道具 |
| 断熱処理 | ・制振シート ・断熱材 ・内張り剥がし ・ローラー |
| ベッドフレーム | ・パイプ ・ジョイント部品 ・ステップブロック ・合板 ・パイプカッターまたはパイプソー ・ヤスリ |
| 天井収納 | ・ラゲッジネット |
| 共通工具 | ・メジャー ・ドライバー ・のこぎり など |
予め準備しておくことで、途中で作業が止まるのを防げます。
天井を断熱処理する
夏の暑さ・冬の寒さを和らげ、快適な車内環境をつくるうえで、天井の断熱処理は重要なステップです。
特にミニバンは天井の面積が広いため、断熱効果が大きく現れやすいという特長があります。
具体的な手順は以下のとおりです。
- 内張りを取り外す
内張り剥がしを使い、天井の内張りを丁寧に取り外します。
クリップで固定されているパネルを無理に引っ張ると破損するため、慎重に作業しましょう。 - 制振シートを貼り付ける
鉄板面に制振シートをカットして貼り付け、ローラーで押さえながら丁寧に圧着します。 - 断熱材を貼る
制振シートの上から断熱材をカットして貼り付けます。
隙間ができないよう全面をしっかり覆うことがポイントです。 - 内張りを取り付ける
断熱材の施工が完了したら、内張りを元どおりに取り付けて完了です。
なお、天井の内張りを剥がす際は、プラスチック製の内張り剥がしを用意しましょう。
マイナスドライバー等で代用すると、内張りやボディに傷がつく恐れがあります。

ベッドフレームを組み立てる
快適な就寝スペースを確保するために、金属パイプとジョイント部品を組み合わせてベッドフレームを自作する方法を紹介します。
なお、パイプのカットや加工に自信がない場合は、車種専用のベッドキットを購入する方法も有効です。
- 内部寸法を計測する
荷室から後席にかけての内部寸法をメジャーで正確に計測します。
タイヤハウスなど狭い部分の幅も忘れずに計測しましょう。 - パイプをカットする
採寸した寸法に合わせて、パイプカッターまたはパイプソーでパイプをカットします。
断面はヤスリで整えておくと、ジョイントへの差し込みがスムーズです。 - ジョイントでフレームを組み立てる
カットしたパイプをジョイント部品に差し込んでフレームを組み立てます。 - 車内に設置し、高さを調整する
組み上げたフレームを車内に置き、ステップブロックで高さを微調整してガタつきを無くします。 - 天板を作成してフレームに乗せる
合板をラゲッジスペースの形に合わせてのこぎりでカットし、表面をヤスリで整えて天板を作成します。
完成した天板をフレームの上に乗せたら完成です。
なお、天板自体にクッション性をもたせるように仕上げることも可能です。
合板の上にウレタンクッション材を重ねて合皮レザーで包み、タッカーで裏面に固定することで、マットなしでも横になれる仕上がりになります。
さらに就寝時の快適性を高めたい場合は、完成した天板の上に車中泊用のマットを敷くとよいでしょう。
手軽に取り入れられ、不要なときはコンパクトに収納できるのが特長です。
どちらの方法も手間とコストのバランスが異なるため、自分のスタイルに合わせて選んでみてください。
天井収納を取り付ける

セレナは室内高に余裕があるため、天井のスペースを活かした収納を追加することができます。
就寝スペースとは別に収納を確保できるため、荷物の多い車中泊やキャンプで重宝します。
天井収納は荷物の仕切りとして使ったり、ファスナー付きのスペースに小物をまとめたりと、アレンジ次第で使い方を広げられるのが魅力です。
ルーフやゲート部などにフックで固定するタイプであれば、取り付け・取り外しも手軽に行えます。
寝袋・衣類・小物類をスッキリ整理でき、就寝スペースを広く保つことができます。
ただし、重すぎる荷物を乗せると走行中の振動で落下する恐れがあるため、軽量なアイテムに限定して収納しましょう。
自作が難しい場合は業者に持ち込み、改造を依頼しよう
自作での改造に興味はあっても、「工具の扱いに自信がない」「仕上がりにこだわりたい」という方には、専門業者へ車両を持ち込んで依頼する方法がおすすめです。
断熱処理から内装の仕上げまでを一括して任せることができ、プロならではの高い完成度が期待できます。
一方で、人件費や材料費が発生するため、自作に比べて費用が高くなる傾向があります。
事前に複数の業者から見積もりを取り、内容と費用を比較したうえで依頼先を選ぶとよいでしょう。
持ち込む際には、希望する仕様や予算をできるだけ具体的に伝えておくと、満足度の高い仕上がりにつながります。
セレナのキャンピングカー化に合わせてLEDライトに交換もおすすめ
セレナのキャンピングカー化にあわせて、各ライトをLEDバルブに交換することもおすすめです。
夜間走行や悪天候時の視認性が向上し、キャンプ場への移動やアウトドアシーンでの安全性を高められます。
ここでは、交換する効果の大きい以下の3つのライトについて解説します。
- LEDヘッドライト
- LEDフォグランプ
- LEDルームランプ
なお、愛車の適合バルブについては必ずご自身で取扱説明書や自動車ランプブランドの適合表などで確認するようにしてください。
LEDヘッドライト

夜間のキャンプ場への移動や山道での走行では、ヘッドライトの明るさが安全性に大きく影響します。
ハロゲンバルブの黄みがかった光は視認性が下がりやすく、アウトドアへ向かう道中での夜間走行に不安を覚えることもあります。
LEDヘッドライトに交換することで、白色で明るい光が得られ、夜間の視認性が大きく向上します。
なかでもHID屋のLEDヘッドライト iシリーズは、純正ハロゲンバルブと比べて4.4倍明るく、シャープなカットラインが特長です。
対向車への眩しさを抑えながら道路標識や歩行者をしっかり確認でき、キャンプ場への夜間移動も安心して行えます。
暗い山道への走行が多いアウトドア派にとって、ヘッドライトのLED化は夜間の安全性を高める有効なカスタムです。
ヘッドライトのLED化の詳細はこちらをご覧ください。

LEDフォグランプ

セレナのキャンピングカー化を行うなら、フォグランプのLED化もあわせて検討するのがおすすめです。
純正のハロゲンフォグランプは照射範囲に限界があり、霧や雨の日に視界の確保が難しくなることがあります。
ハロゲンからLEDへ交換すると、明るさと照射範囲が向上し、視界の悪い環境での走行安全性を高めてくれます。
HID屋のLEDフォグランプは、圧倒的な明るさとワイドに広がる配光が特長です。
特にイエロー色は、視認性と悪天候時の見やすさもカバーしてくれます。
キャンプ場への移動などで、さまざまな天候や路面状況に直面するアウトドア派にとって、LEDフォグランプは頼れる装備となります。
Vシリーズ(フォグ)の2色切替はフラッシュ現象が起きてしまうため不適合です。
※当記事では単色を紹介しています
フォグランプのLED化の詳細はこちらをご覧ください。

LEDルームランプ

長時間の車中泊やアウトドア滞在では、明るいLEDルームランプがおすすめです。
純正ハロゲンのルームランプは明るさが控えめで、夜間の車内作業や就寝前の準備では足りなさを感じることもあります。
対してLEDルームランプなら、車内全体を明るく照らし、快適な夜を過ごせます。
特にHID屋のLEDルームランプは、純正ハロゲンと比べて明るく、透明感のあるクリアな光が車内の隅々まで届きます。
ラゲッジルームも明るく照らすことができるため、夜間の荷物の出し入れもスムーズに行えます。
ルームランプ交換の際も、バルブ形状に気をつけて行いましょう。
年式によるセレナのキャンピングカー化の違い
キャンピングカー化を進めるうえで、C27とC28の間に大きな違いはなく、どちらのモデルも十分な室内空間を備えています。
ただし、室内寸法や装備に細かな差があるため、自作する際は自分のモデルの寸法を確認することが大切です。
C27とC28の室内寸法を比較すると以下のとおりです。
| 項目 | C27系(旧型) | C28系(現行型) |
| 室内長 | 3170〜3240mm | 3135〜3145mm |
| 室内幅 | 1545mm | 1545mm |
| 室内高 | 1400mm | 1400mm |
室内幅・室内高は変わりありませんが、室内長についてはC27の方が余裕があります。
ベッドキットやベッドフレームを自作する際は、自分の型式に合わせた寸法でパーツを用意しましょう。
シートアレンジの構造自体に大きな違いはなく、C27・C28ともに2列目・3列目シートを倒すことでフルフラットに近い状態を作れます。
走行性能の面では、C28にはプロパイロット(高速道路での渋滞追従・車線維持)が装備されており、長距離移動が楽になるという利点があります。
キャンピングカーとしての使用頻度が高い方には、C28の運転支援機能は大きなメリットとなるでしょう。
セレナを自作でキャンピングカー化する際に注意すべき法令
セレナを自作でキャンピングカーに改造する際は、法令に関する知識を事前に把握しておくことが大切です。
内容によっては車検に影響したり、構造変更の手続きが必要になるケースもあります。
ここでは、改造時に注意すべき以下の2つの法令について解説します。
- 車検基準
- 構造変更
車検基準
セレナをキャンピングカー仕様に改造する場合、ベッドや棚といった設備の取り外しの可否が、車検基準に影響します。
キャンピングカー使用に改造したセレナは、5ナンバー(乗用車)と8ナンバー(キャンピング車)に大きく分けられ、車検の基準も異なります。
そのため改造によってベッドなど車中泊用設備が取り外しできなくなった場合、8ナンバー適用となり、これまで5ナンバーとして合格していた車検も通りません。
対して設備をすべて取り外し可能な構造にしておけば、通常の乗用車(5ナンバー)基準が引き続き適用されます。
むやみに設備を取り付けると後々に車検が通らなくなる場合があるため、取り付けようとしている設備が車検基準にどのような影響がでるか、予め確認しておくことが重要です。
構造変更
セレナのキャンピングカー化においても、改造内容によっては構造変更届(※)が必要です。
例えば、ポップアップルーフの装着などルーフを切り開くような大規模な改造を行う場合や、ベッドや収納の追加により車両重量が大幅に増加した場合が該当します。
セレナをキャンピング車(8ナンバー)として登録する場合は、構造要件をすべて満たさなければいけません。
構造要件とは8ナンバー車両について国が定めた設備等の基準で、一例は以下のとおりです。(その他詳細は、こちらからご確認ください)
- 定員の3分の1以上が横になれる就寝スペースがあること
- 1人分の就寝スペースは、縦180cm×横50cm以上の広さで、頭上に50cm以上の空間があること
- ベッドや家具などの設備は、車体に固定されていること
キャンピング車として登録すると、車検の頻度(初回2年、以降1年ごと)や税金の扱いが変わります。
ただし、構造変更を行うとその時点で現在の車検が無効となり、改めて検査を受けなければなりません。
費用や手間が増える面もありますが、税負担が軽減される可能性もあるため、費用対効果を考慮したうえで検討しましょう。
※構造変更とは、車の形状や装備が変わったことを陸運局に届け出て、車検証の内容を変更する手続きのこと
キャンピングカー仕様の中古セレナを購入する際の注意点
キャンピングカー仕様に改造済みの中古セレナを購入する場合は、新車や通常の中古車とは異なる視点でのチェックが必要です。
改造部分の品質や保証の有無によって、購入後の満足度に大きな差が出ることもあります。
ここでは、購入時に確認しておきたい以下の3つのポイントについて解説します。
- 車両の状態
- 保証や購入後のサポート体制
- 自身のニーズにあった装備
車両の状態
改造済みの中古セレナを購入する際は、まず車両の状態をしっかり確認することが重要です。
特に、改造部分の施工品質と車体そのものの状態の両面からチェックしましょう。
ベッドキットや断熱材の固定が適切かどうか、走行中にがたつきや異音が発生しないかを確認してください。
内装の仕上がりが粗いものは、使用しているうちに外れたり壊れたりするリスクがあります。
また、ルーフや床面にサビや水漏れの跡がないか、電装系の配線が適切に処理されているかも確認のポイントです。
可能であれば試乗し、走行中のにおいや振動なども確認しておきましょう。
保証や購入後のサポート体制
改造済み車両は通常の中古車と異なり、改造部分についての保証やサポートが販売店によって大きく異なります。
購入前に、改造部分を含めた保証の範囲と期間を必ず確認しましょう。
信頼性の高い販売店では、改造箇所についても一定期間の保証を設けているケースがあります。
対して、一部の販売店では、購入後に不具合が発生しても対応してもらえないこともあるため注意が必要です。
購入後のメンテナンスや修理に対応できる体制が整っているか、担当者に確認しておくことで、購入後のトラブルを未然に防ぎやすくなります。
自身のニーズにあった装備
改造済みの中古セレナには、さまざまな仕様があります。
購入前に自分の用途や利用スタイルに合った装備が揃っているかを確認しておくことが大切です。
例えば、家族での利用を想定しているなら複数人が就寝できるベッド幅と収納スペースがあるかどうか、ソロでの利用であれば荷物収納の充実度が優先されることもあります。
対して、自分には不要な装備が多く追加されている場合、その分の余分な費用が価格に含まれていることになります。
本当に必要な装備が揃っているかを見極めることが、納得のいく購入につながります。
まとめ
セレナは広い室内空間を活かし、自作でキャンピングカー化を進めやすいミニバンです。
断熱処理やベッドフレームの製作など、DIYで少しずつカスタムを楽しめます。
改造に合わせてHID屋のLEDライトへの交換も行えば、夜間走行の安全性も高まります。
今回ご紹介したカスタムを参考に、自分だけのセレナのキャンピングカーライフを始めてみてはいかがでしょうか。

